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2025年12月26日 (金)

放送局経営陣と経費不正使用(会社経費の流用は蜜の味?)

さて、昨日に続いて放送局経営陣による不適切行為に関する話題ですが、本日(12月25日)、TBSホールディングスは「I常務取締役が社外関係者との会食等として交際費の不正な精算申請を行い、申請額を同氏が受領していたことが判明した。I常務取締役は辞任した。」と公表しました(同社リリースはこちらです)。うーーーん、面識のある方なので、とても残念なニュースです。

ご記憶の方もおられると思いますが、今年11月、フジテレビ(フジメディアホールディングス)でも、就任されたばかりの取締役の方が、不適切な経費精算をしたとして、(フジ、ホールディングスとも取締役を)辞任したとの発表がありました(ただし、ご本人は「不正使用の意図はなかった」と述べておられるようです)。私はサラリーマンの経験がないので本当のところはわからないのですが、不正調査の仕事をしていて、どうも「経費不正流用」へのコンプライアンス意識が乏しい会社も少なくないように感じております。

本件でも堂々と社内での飲み会を「外部取引先との飲み会」として申請しておられたようなので「良くないこと」という自覚はあると思うのです。ただ、若いころから上司がやっているのをみていて、「それくらいは社内慣行」といった正当化理由が心の中に生じてくるのではないかと。あるいは「経理だって、これくらいは見逃してくれるだろう(沈黙の合意)」とか「これだけ会社のために働いているんだから、この程度でバチはあたらないだろう(特権意識)」とか。認知的不協和を解消する手段は(頭のいい人ほど)たくさん考えつくのです。

なんだか経費不正精算というものは、叩けばいろんなところから出てきそうな気がしますので、類似案件の有無について、一度徹底的に社内調査をしたほうがいいかもしれません。なんといってもTBSのケースでは同社のコンプライアンス担当役員による不正だけに、他でもやっているのでは?と疑われてもやむを得ないでしょう。

たぶん不正流用にも「グレーゾーン」が存在すると思います。いや、客観的には「クロ」であったとしても、それが本人には「グレー」にみえる(バレても言い逃れができる)といった領域があるのではないかと。「みんなやってるじゃん!」とか「これただの飲み会じゃなくて会議の延長だよね」とか「今までノープロブレムだったから、これからも・・・」とか。いわゆる「主観的グレーゾーン」というものですね。

ただ、フジテレビのケースでは社内調査によって判明しましたし、TBSのケースは内部通報によって判明したものです。つまりはコンプライアンス経営を進めるにあたって、自浄作用が発揮されたという点は前向きに捉えたほうがよいかもしれません。とくに放送局は現場の裁量権が広く認められており、外部との接触が多い組織なので、自己規律が厳しくないと「経費流用の蜜の味」に負けてしまう可能性は高いように思います。自浄作用をいかに発揮させるかは重要ですね。

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