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2026年1月16日 (金)

さらなる「会計監査の厳格化」を予見させるイーエムネット社の会計不正事案(追記あり)

イーエムネット・ジャパン社といえば、日本のAI技術の実用化に貢献するソフトバンクグループの企業というイメージがあります。しかしながら、1月13日の同社リリースによりますと、同社元常務取締役(CFO)の方による約4億6000万円の会社資金を自身名義の口座へ送金していた不正行為が判明し、一部返金を受けたものの第三者委員会を設置して調査結果を開示する、その調査結果をもとに同CFOに対する刑事・民事の措置を検討する、とのこと。CFOによる不正行為発覚の端緒は、従業員から社長への内部通報だそうです。

ちなみに(同社開示資料によると)元常務取締役の方は公認会計士の資格をお持ちの方であり、WEBで公開されているインタビュー記事などを読むと、私と同じく会計教育研修機構で講師もされている(されていた?)とのこと。会計プロフェッショナルとしては、かなり信用のある方だったのでしょうね。そのようなCFOが、そもそも多額の会社資金を悪意で自身の名義口座へ送金する(私的流用する)、といったことは考えにくく、何か事情があったのではないか、とも想像するのですが、まだ詳細はわかりません。会計・開示への影響については

当該取締役は、本件不正行為を隠蔽する目的等で、費用・資産計上等に係る会計情報の改ざんを行っていた可能性があり、既に提出した開示書類に影響が生じているおそれがあります

とのこと(同社リリースより)。資金流用+粉飾という意味で事態は深刻であります。

AI戦略の推進とか、スタートアップ企業への資金提供とか、さらには資産運用立国推進とか、高市内閣における日本成長戦略のキモではないでしょうか?中規模の上場企業(東証グロース)とはいえ、国から期待されている事業会社の年間利益の約半分程度を(いとも簡単に?)自分のポケットに入れることができたとなると、うーーーん、純粋な第三者委員会設置事案ですし、本件は金融庁にとっても、東証にとっても、さらには日本公認会計士協会にとっても大きなショックではないでしょうか?なぜショックか・・・という点については、また来週、ブログで書かせていただこうかと思っております。

もちろん「場末のブログ」とはいえ、公開されていない情報は書けませんので、私の主観的な意見として書かせていただく予定です。ちなみに、まだ第三者委員会の委員は開示されていませんが、この第三者委員会の調査はとっても重要ですね(ブログが書きにくくなるので、よく知ってる人が委員長でないことを願っております・・・(^^;))。オルツの件といい、本件といい、このような事案が続くと、もう誰もこわくて会計監査をする人がいなくなってしまうのではないかと・・・

(追記)よく考えると、資金流用というのは常務取締役ひとりでもできそうな気がしますが、これを隠蔽するために費用・資産計上に係る会計処理の改ざんに及ぶとなると、おそらく単独では無理ではないでしょうか?社長に内部通報をした社員が存在することも含めて、調査委員会はこのあたり、加担した社員の有無についても調査が必要ですね。

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