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2026年1月22日 (木)

「ビジネス法務」2026年3月号に論稿を掲載していただきました。

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昨日のエントリー「(続)さらなる『会計監査の厳格化』を予見させるイーエムネット社の会計不正事案」に、オルツ社の会計不正疑惑を証券取引等監視委員会に告発した塩川晃平会計士よりコメントをいただきました(どうもありがとうございます!)。塩川さんのコメントからの一部抜粋ですが、

当時の葛藤と反省があるからこそ、現在は「個人の勇気」に依存するのではなく、テクノロジーを用いた「仕組み」によって不正を未然に防ぎ、健全な組織運営を支援できるようなサービスの提供に尽力しております。

とのこと。そうですね、たしかに組織に生きる人にとって「個人の勇気」に依存するだけでは不正の防止はむずかしいと思います(すいません、私は組織で仕事をしたことがないので「思います」程度しか述べることができません)。私もAIを活用した不正リスクマネジメントについては大賛成でございます。ただ、これは私の意見ですが、どんなにAIの精度が高まったとしても、最終的に「これは不正だ」と事実を評価して経営陣に突きつけるのは「個人の勇気」ではないか、その「勇気」を補完するためにテクノロジーが必要なのではないか、と思うのでありますが、いかがなものでしょうか。

さて、中央経済社「ビジネス法務」2026年3月号(1月21日発売)に「特別企画 2025年に起きた企業不祥事とコンプライアンス強化へ向けた示唆」と題する論稿を掲載していただきました。ありがたいことに本企画は好評でして、もう数年前から3月号の恒例企画として毎年掲載していただいております。以下、論稿のリード文だけご紹介しますと、

2025年に発生・発覚した企業不祥事への社会的評価には、持続的成長に不可欠の非財務資本(人的資本、他者とのネットワーク、組織風土)への社会的関心の高まりを見ることができる。将来価値算定において、不祥事が「負のストーリー」とならないように、不祥事発生企業には、とりわけ組織風土の再構築が必要である。ただし、その再構築にあたっては、企業の持続的成長に必要な資産まで毀損しないように配慮すべきである。

といった趣旨の1万字程度の論稿です。あいかわらず具体的事例満載の論稿となっております。比較的斬新な視点から解説したものでありますが、組織風土改革のプロコン(Pros & Cons)にも言及しており、ご批判やご異論もぜひ伺いたい内容となっております。全国大型書店にて発売中ですので、ご興味がございましたらご一読いただけますと幸いです。私はといいますと(過去に何度がお仕事をご一緒している)山口亮子弁護士(三浦法律事務所)ご執筆の「承認行為と共犯の成立-SMBC日興証券相場操縦事件から得られる教訓」をぜひ拝読したいと思っております。

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コメント

山口先生、いつも大変お世話になっております。

山口先生が毎年執筆されている「企業不祥事とコンプライアンス強化へ向けた示唆」の特別企画は、私にとって欠かせない「年初のルーティン」となっております。先生の鋭い分析は、単なる法的な評価を超えて、企業の「負のストーリー」や「組織風土」という本質を突いており、実務家としてこれほど心強い指針はありません。

今回、その活用状況や、実務家としての私なりの実装論をnoteにまとめましたので、ご報告させていただきます。

https://note.com/ishii_jumpei/n/n3c8c310b408e?app_launch=false

特に先生が指摘されていた「改革途上における不祥事発覚への覚悟」という言葉には、私自身、非常に勇気づけられました。膿を出し切るプロセスを恐れず、自浄作用の機能する組織を目指して邁進する所存です。

今後ともご指導のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

投稿: Jumpei Ishii | 2026年1月23日 (金) 16時42分

Jumpeiさん、コメントありがとうございます。note拝見しましたが、執筆者である私よりもキレイに内容をおまとめになっており(笑)、驚きました。何度か研修講師をさせていただいた会社様と思いますが、本論稿が少しでもお役に立てたならば幸いです。今後ともどうぞよろしくお願いします。

投稿: toshi | 2026年1月24日 (土) 12時13分

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