2020年7月 6日 (月)

7月末開催の東芝の定時株主総会-ECMの株主提案に注目します

今年の定時株主総会はまだまだ注目すべき会社がありますね。その中でも7月末の東芝の総会が気になっております。7月3日付けの日経ビジネスWEBニュース「改正外為法の審査厭わず エフィッシモ、東芝に株主提案」に、エフィッシモ・キャピタル・マネジメント(ECM)の法務アドバイザー(国広正弁護士)と取締役候補者である杉山氏のインタビューの内容が掲載されています。

すでに「ECMが3名の候補者を選任する理由」を示したリリース(6月22日付け「第181期定時株主総会の開催及び株主提案に対する当社取締役会意見に関するお知らせ)でも記載されているとおり、ECM及び取締役候補者は、決して会社側取締役候補者を批判するのではなく、会社の推薦する候補者が取締役会の構成メンバーとなった場合に、同社取締役会の機能を補完するにふさわしい候補者であることを前面に出しています。

東芝の定款によると、同社取締役の人数は20名以下、ということなので、会社側議案、もうひとつの株主議案と合わせても(候補者全員の選任が可決されても)17名なので、議案は両立します。会社側は「リスク管理体制はこれで十分だと思っているので株主提案には反対」としていますが、コンプライアンスやガバナンスに精通された方々が候補者となり、しかも「言行一致」といいますかECMの本気度を示すためにECMの役員自身が社外取締役候補者に名を連ねるというスタイルは、かなり斬新ですね。議決権行使助言会社や機関投資家がどのような判断を示すのか、とても興味深いところです。

ご承知のとおり、社外取締役に期待されるのは取締役会における監督機能の発揮、ということですが、どうしても不足してしまうのが「監督に必要な情報を収集する機能」です。「十分なフットワークを備えたハンズオンのモニタリングを行う」ことができる、というのは、不足しがちな情報を収集し、「おかしい」と声を上げることができるだけの内部統制の体制を構築するためには有用な職務行為です。

なお、「そのような業務執行に近いことが、果たして社外取締役に求められているのか」といった疑問の声も上がるかもしれません。ただ、令和元年改正会社法でも「社外取締役への業務執行の委託」に関する条文が新設されますが、業務執行取締役の指揮命令系統に属さないものであれば、たとえ社外取締役が業務執行を担ったとしても会社法2条15号イの趣旨に反することにはならず、むしろ、投資家の期待に応えうる機能を発揮できると考えられます。

東芝は指名委員会等設置会社ですから、そもそも不正の早期発見のためには内部統制を活用する、つまり社員を育成することによって「おかしい」と声を上げる雰囲気、不正発見に必要な調査スキルを向上させることが望ましいと思います。しかし、会計不正事件が発覚した際、東芝の優秀な社員で組織されていた「経営監査部」は、現場の効率性を上げるための指導機能ばかりに注力し、「おかしい」と声を上げるための保証機能を発揮することはなかったそうです(そりゃそうです。いくら声を上げても人事評価につながりにくいからです)。

ということで、独立性の高い人が社内調査や不正予防や発見のために必要な情報収集を促すことは、まさに架空循環取引のような組織の儲けとウラオモテの関係に立つ不正の再発防止にはとても有用ではないかと思います。コーポレートガバナンス・コード補充原則4-3④では「取締役会は、個別の業務執行に係るコンプライアンスの審査に終始すべきではない」とありますが、取締役会で取り上げるべきコンプライアンス上の問題とそうでない問題を(社内バイアスを排除して)整理する役割は誰かが担わねばならないと考えます。

また、東芝の米国子会社ウエスティングハウス社の損失問題を契機として東証の「上場会社の企業不祥事予防のプリンシプル」が策定され、グループ管理としてのプリンシプル(原則5)への対応も求められているなかで、東芝の子会社では何度か不祥事が繰り返されています。このようなプリンシプルへの対応にも配慮しなければならないでしょう。

なお、外資による日本企業への出資規制を強化する改正外為法とアクティビストファンドの権利行使との関係は、ZAITEN2020年8月号にも詳しく解説記事が掲載されていますね。「旧村上ファンド系」と言われて久しいECMですが、提案内容、提案理由とも至極まともですし、どれくらいの賛成票が集まるのか、今からとても注目しております。

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2020年7月 3日 (金)

やっぱり不思議?( ゚Д゚)コロナ禍における6月定時株主総会には瑕疵があるのではないか?

今年は数社の上場会社さんから「有事の定時株主総会」としてご相談を受け、リモート会議でいろいろと考えるところがありました。いまでも6月総会は完全延期すべきだった、という意見は変わりませんが、現実的には(配当基準日の関係もあり)6月総会を多くの会社が実施しました。そして、終わってみると、やっぱり有事の定時株主総会には、どういうわけかスッキリしないものが残りました。

たとえばコニカミノルタ社のこちらのリリースを読むと、とてもスッキリするのです。株主総会への出席について、議決権の事前行使を推奨したうえで、当日の自粛要請をしています。まさに、今年の定時株主総会における運営としては典型的な対応ですね。そして、そのうえで当日の株主総会の様子をライブ中継するそうです(もちろん議決権を有する株主のみ閲覧可能)。

以前、株主総会への出席を一切許可しないような株主総会においては、かならず当日の総会の様子をライブ中継もしくは動画による録画配信が必要ではないか、と書きましたが、コニカミノルタ社のように、株主に対して定時株主総会への出席自粛を要請し、議決権の事前行使を推奨している上場会社であったとしても、やはり当日の株主総会の様子をライブ中継もしうは録画配信する必要があるのではないか、と思えてきました。

たとえば会社の自粛要請に従って、当日に(出席して)質問したいことについて、会社の運営に協力する形で事前質問状を出したとします。会社はこの事前質問に対して、誠意をもって総会当日に回答しました。しかし、質問をした当の本人は会社の要請どおりに出席していないのですから、ライブ中継もしくは録画配信でもなければ、取締役が説明責任を果たしたのかどうかすら確認できません。また、会社の要請に従った株主には、総会招集手続きや総会手続きに問題があったとしても、録画配信でもなければ、これを確認する機会が付与されていないのです。

会社側としては、「株主の皆様には、出席しようと思えばできたのだから、総会決議の取消事由の有無を確認する機会は付与されています。現に、当日は40名余りの株主の方々が現実に出席しておられました。したがって決議取消権は放棄したものと取り扱わせていただきます」といったことで対応するのかもしれません。

しかし、(例年の総会のように)株主の都合で議決権を事前に行使して総会に欠席したのであれば「決議の取消提訴権の放棄」と言われても仕方ありませんが、会社側の「たとえ健康状態に問題がなくても出席を控えよ」との要請によって当日は出席を断念し、議決権を事前に行使した株主に対して、すくなくとも会社側から「決議取消の提訴権の放棄の意思表示」を黙示に認めることはできないでしょう(たぶん裁判官も認めてくれないはず)。

会社法831条1項は、株主総会の招集手続きや決議の方法に、法令違反や著しく不公正な事由がある場合には、株主(1単位の株式保有でも可)は総会決議の取消を裁判所に求めることができる、と定めています。たとえば過去の判例では、他の株主にとっての瑕疵を根拠として総会決議の取消の提訴権を行使することもできるとしていますし(最高裁判決昭和42年9月28日民集21巻7号1970頁)、また決議当時の株主に限らず、当該決議の後に株主になった者も取消の提訴権を行使できるとされています(新基本法コンメンタール「会社法3(第2版)」381頁)。

つまり、株主に決議取消の提訴権を認めたのは、株主に共益権の一種としての監督是正権を付与した趣旨である、と理解されています。そうだとすると、やはり会社側の出席自粛要請を受けて欠席をした株主に対しては、当該共益権の放棄の意思表示を推認することはできないと思います。

そう考えますと、先のコニカミノルタ社のような対応が必要になるわけですが、6月総会終了後に(株主限定で)当日の株主総会の様子をライブ中継または録画配信している上場会社はかなり少ないように思います。つまり、会社側が、株主の有する共益権(決議取消提訴権を前提とした監督是正権)を違法に侵害している、として総会手続きに瑕疵があるのではないか、との疑問が湧いてきます。そして、この発想は、今後「バーチャル株主総会」が会社法上で実現する過程においても、かならず考慮されなければならない論点ではないかと考えます。

なお、「たった1単位の議決権しか保有していない個人株主がガタガタ文句言ったとしても、会社法831条2項(裁判所による裁量棄却)で終わりでしょう」と言われて、議論の実益もないように思われるかもしれません。しかし、裁量棄却の規定は「株主総会の民主主義」が成り立つ場面(会社全体のために個々の株主が我慢する)で適用されるものであって、「株主総会の立憲主義」が成り立つ場面では適用されないでしょう。

ちなみに831条の総会決議取消提訴権は「立憲主義」に関わる規定です(他の株主の利益ために、一人の株主に会社全体の監督是正権を認めたもの)。したがって多数決原理(=会社運営の効率性重視)をもってしても制限できない権利です。だからこそ、会社側の自粛要請に真摯に対応した株主の方々にこそ、この権利は最大限尊重する必要があるように思います。

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2020年6月29日 (月)

2020定時株主総会はまだ折り返し地点ですが、若干の意見

例年ですと、この時期は「今年の定時株主総会を振り返る」といったテーマで株主総会の総括をしております。しかし、今年は有事の総会ということで、この29日、30日に延期した会社もありますし、延会、継続会、2回方式といった7月以降に総会を残す会社も100社ほどありますので、まだ折り返し地点といったところですね。総会担当者の皆様には、本当にご苦労様と申し上げたいです。

さて、私が社外取締役を務めております大東建託の総会は26日に開催されまして、私を含め社外取締役3名はリモート出席という形で登壇させていただきました。例年200名以上の株主の方々が現実出席されますが、今年は17名ということで、リモート越しに会場を眺めておりましても、ずいぶんと風景が異なっていました。

ということで、今年は質問はないのだろうな・・・とやや期待しておりましたが、なんと2問も「そこのリモートで出席しておられるガバナンス委員会委員長の山口取締役にお聞きしたい」とのことで、ご指名がありましたので、回答させていただきました。1問は大東建託の政策保有株式(なぜ住友不動産株式だけは政策保有を解消せずに保有し続けるのか、合理的に説明していただきたい)、もう1問は上場子会社(ハウスコム社)との関係について(昨年東証1部に登録替えしたハウスコム社だが、100%子会社化するのか、現状のままか、それとも持分法適用会社にするのか、どのように御社とハウスコムの関係を構築すれば企業価値が向上するのか、当該議論はしているのか)。

私もご質問者の方と全く同じような問題意識を持っておりますし、実際に取締役会やガバナンス委員会で議論をしておりましたので、インサイダー情報に触れない範囲で私の意見を含めて回答させていただきました。おそらく他の上場会社においても、最近は社外取締役さんには厳しい質問が飛ぶ機会が増えているのでしょうね(当該株主の方からは後日、当ブログにもコメントを頂戴しておりますが、本当にご意見・ご質問ありがとうございました!私自身も勉強になりました)。

ところで、他社の総会の様子を新聞報道等からみておりまして、私的に驚いたのがみずほFGと天馬社の株主総会の結果です。みずほFGでは、環境問題の社会的解決を図らない企業への融資をしない旨の定款変更を求めた株主提案に、なんと35%もの賛成票が集まりました。また当ブログでも注目しておりました天馬社では、株主側提案はすべて否決されたものの、会社側提案についても、このたびの企業不祥事に関与したとされる経営陣3名の取締役選任が否決されました。

ESG経営や企業不祥事が、総会の賛否にも大きな影響を及ぼすことを強く印象付けたのではないでしょうか(議決権行使助言会社の影響や3月公表のスチュワードシップ・コード改訂版の影響も大きいような気がします)。コロナ禍における有事の総会対応ばかりに目を奪われ、バーチャル株主総会の是非、株主総会の完全延期の是非、簡素化の是非といったところが話題になりましたが、サステナビリティ(持続性)というところに株主の関心がかなり大きく寄せられていることが一番印象に残りました。たとえ総会は終了したとしても、今後は情報開示、対話という形で株主と向き合わねばなりませんが、ESGの視点は「主たるテーマ」になりつつあるように思います。

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2020年6月24日 (水)

最近の(私的に興味深い)株主総会関連情報について

今週は26日まで株主総会関連で忙しく、ブログネタを考えている時間がとれません。ということで、固い法律の話ではなく、あまり報じられていない株主総会関連のとれたて(?)情報をご提供したいと思います。

ひとつは7月末に延期されました東芝の株主総会ですが、「物言う株主」で有名なエフィッシモ・キャピタル・マネジメントが3名の取締役選任議案を株主提案として出しました。ちなみに会社側は、当該候補者の就任について反対意見を述べています(サンケイビジネスアイより)。記事には掲載されていませんが、東芝の開示情報から株主側取締役候補者の名前を拝見して「おお!」と驚きました。私の存じ上げる竹内朗弁護士と経営法友会の前代表幹事(花王の前執行役員)の杉山忠昭さん。竹内さんは仕事もご一緒しますし、杉山さんには花王時代にお世話になりました。

エフィッシモといえば、常に「旧村上ファンド系」とメディアで紹介されますが、ここのところ中長期的な企業価値向上のための施策を要求することが多いように思います。委任状争奪戦になるのかどうか、今後の展開はわかりませんが、エフィッシモの人選は至極まともなものだと思いました。「今年の総会は6月で終わらない、終わらせるわけにはいかない」という雰囲気です。

ふたつめは「富岳」のスーパーコンピューターで湧く富士通ですが、6月22日の株主総会で、15年間社外監査役をお務めになった元裁判官の方(弁護士)が、再選されたうえに、このたび「常勤監査役」に就任されたそうです(他の会社の社外役員も、この6月総会で退任されたそうです)。非常勤社外監査役から常勤監査役、監査役会議長に就任される、というのは珍しいですね。

15年間も日本を代表する企業の社外役員を務める・・・というのも「就任期間が長くなりすぎて独立性に問題があるのでは」との声も聞こえてきそうです。ただ、この常勤監査役の方は、2012年のこちらのエントリーでもご紹介しておりますとおり、「富士通元社長が、反社との交友が疑われたため、退任を要求された」事件において、元社長に直接退任を通告した方です。オウム真理教裁判では有名な判決を下し、また「裁判官というお仕事」を「マツコの知らない世界」でマツコさんに解説されていました。「独立役員」からは外れましたが、今でもガバナンスの要なのかもしれません。

最後に(これは少しだけニュースになっていましたが)伊藤忠商事の株主総会では「数人の株主が出席するという『ハプニング』が発生した」(6月20日産経新聞朝刊)そうです。5月18日のエントリー「伊藤忠商事の定時株主-出席自粛要請・役員のみ開催-総会に関する素朴な疑問」において、「役員のみで開催します」という総会はおかしいのではないか、と意見を述べましたが、ホントに一般株主の方々がお越しになったのですね( ゚Д゚)。。

どのような株主の方々がお越しになったのか不明でありますが、会社側はどうされたのでしょうか?「お越しになったのなら、やむをえない。どうかご入場ください」となったのでしょうか。昨日(6月22日)に公表された伊藤忠商事の臨時報告書を読みますと、「議決権の数に株主総会に出席した議決権の数の一部を加算しなかった理由」として「本総会当日に出席した株主のうち、賛成、反対、棄権の確認ができていない議決権数は加算しておりません」とありますので、たしかに一般株主の方々が当日出席されているみたいです(役員であり株主でもある方は、間違いなく前日までに行使しているはず)。

しかし、あのリリースの表現はどうみても「株主出席は一切禁止」と読めるので、株主への公平な取り扱いを重視するのであれば出席はご遠慮願うのは筋のような気も致しますが。それとも、どなたかコメントされていたように「一切禁止とは言っていない。来ないことを推奨しているにすぎない」といったことだったのでしょうか。法的に考えるといろいろと疑問も生じますが、本日は固いことは抜きにして(*'ω'*)

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2020年6月19日 (金)

定時株主総会への取締役のリモート出席には事前準備が必要

モノ言うアクティビストファンドとして有名なオアシス・マネジメントの株主提案に対して、三菱倉庫は一部譲歩されたそうです(ブルームバーグニュースはこちら)。同ファンドのキャンペーンHPを読んでいて「なるほど、ガバナンスの勉強になるなぁ」と思っておりましたが、やはりISSやグラスルイスが株主提案に一部賛同していたようで、これを受けて三菱倉庫としても要求に一部応じることになったものと思われます。

先日の前田道路、前田建設の垂直型協働の有効性についても、オアシスは早い時期から目をつけていて「目利き力が鋭い」と感じましたが、オアシスは(海外ファンドとしては珍しく)いよいよ東京に拠点を構え、アナリストも新たに採用しておられるので、同ファンドが株を保有している会社さんは、今からガバナンス対応に留意しておいたほうがよさそうですね(以下本題です)。

さて、本日(6月18日)私が社外取締役を務める会社の定時株主総会のリハーサルが行われまして、今年は社外取締役全員がリモートで出席する予定です。ということで、リハーサルではありますが、会社のバッチを胸につけて、当職事務所から参加いたしました。

社外役員にとって、総会リハーサルに出席する意味ってあるのかな?とも思っておりましたが、実際リハーサルをやってみたところ、バーチャル株主総会も含め、ふだんとはかなり様相の異なる総会を開催するのであれば、社外役員も総会リハには参加されることをお勧めいたします。

会場の様子がわからないというのはなんとも不安です。たとえば株主の質問に対して、議長がハキハキと回答している場面はよいのですが、舞台後方の事務局や総会指導の弁護士の方とヒソヒソ話をする場面がありますよね。あれって、リモート出席者にはどんな場面が展開されているのかわかりません。ひょっとして議事が進行しているにもかかわらず、自分だけ音声が届かなくなったのかな・・・と極度の不安に陥ります。

総会開催時に、リモート出席者は会場の株主から見えるのか、それとも発言時以外は見えないのか。決議が承認された際、入退場の際にお辞儀をしますが、リモート出席者はどうすればよいのか。今回は発言時以外はリモート出席者は顔を見せない、ということになったのでお辞儀をする必要もないのですが、会場の出席株主およびインターネット動画を聴取される株主の方々には違和感はないのか(会場から社外役員への質問も、なんとなくやりにくいような気がします)。

総会当日はリアルで出席する予定の社内取締役が、リハーサルではリモートで出席し、株主への質問に回答していたところ、途中で画像が固まり、音声も途切れるということがありました。当日、社外役員にも同様の事態が起きることも考えられます。ということで、私は総会当日、リモート装置が機能しない場合には、すぐに携帯電話で会場の音声につなげる体制をとることになりました。

あまり内情を暴露するのはよくないのですが(笑)、質問に回答する際には、演題下の小さなモニターに「想定問答」が映し出されるのです。ごく短時間に、関連質問を探し出して、その回答を映し出す総会担当者のスキルはたいしたものです。ところがリモート出席だとたぶん総会担当者のスキルでは間に合わない。私はいつも「出たとこ勝負」で回答しておりますので、とくに問題ないのですが、不安に感じる役員の方もいらっしゃるかもしれません。

昨年は株主質問が合計9件、うち社外役員である私を指名しての質問が1件ありましたが、「あなたはブログで『6月総会は完全延期すべきだ』とおっしゃっていたのに、どうして当社は例年どおりに6月総会を断行したのか」などといったイジワルな質問が来ないことを祈ります。「株主質問はできるだけお控えいただき、しんみりとリモートにて会議に出席している心中を察していただくことを推奨いたします」と申し上げたい気分です( ゚Д゚) 後日発行されます「統合報告書」にて、私のインタビュー記事が掲載されますので、株主の皆様にはそちらをご参照いただければ、と。

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2020年6月 2日 (火)

6月定時株主総会-株主の出席を制限することへの(さらなる)素朴な疑問

先週金曜日(5月29日)は、6月の定時株主総会を完全延期する上場会社が急増しましたね(合計8社が7月以降に完全延期、そのうち3社が配当基準日も変更を決定)。6月に入りましたが、決算発表を延期した企業を中心に、まだまだ完全延期に踏み切る上場会社が増えそうな予感がいたします。

さて、本日(6月1日)の日経朝刊や最新の週刊東洋経済(6月6日号)などでは「バーチャル総会への関心が高い」「株主総会のオンライン化が進む」といった特集記事が出されており、有事における6月総会の話題はまだまだ関心が高いことがうかがわれます。厳密に考えるならば、コロナ禍における株主総会の簡素化の適法性問題とバーチャル株主総会の適法性の問題とは別個の問題であります(この点、メディアの解説は、やや混同されているように見受けられます)。ただ、おそらくコロナ禍における緊急避難的な定時株主総会の開催が、今後の「バーチャル株主総会」の実施に向けて「大きな契機」となることは間違いないでしょう。

6月の定時株主総会は完全延期すべき、とする立場の私としては、定時株主総会の簡素化について「伊藤忠商事の定時株主「出席自粛要請・役員のみ開催」総会に関する素朴な疑問」なるエントリーで素朴な疑問を述べたところです。さらに、経産省Q&A指針に従う形で、5月28日にはエイベックス社が「当社役員のみで開催する定時株主総会」について、伊藤忠社とほぼ同様のリリースを出しました。役員自身も株主のケースが多いので「株主ゼロ総会」とは言いませんが、少なくとも「一般株主の参加を予定しない定時株主総会」を開催する上場会社は、「株主の皆様の健康配慮を最優先と考えて」今後も増えるものと推察いたします。

この「株主総会の簡素化問題」については、5月中旬以降、著名な学者の方々や総会実務に詳しい法律実務家の方々の論稿、座談会記事等が多数出されておりますので、可能な限り拝読するようにしているのですが、やはり私としては(考えれば考えるほど)素朴な疑問を払しょくできません。有事の問題(コロナ禍という緊急避難的な状況だからこそ適法とする視点)であれ、平時の問題(そもそもコロナ禍でなくとも、バーチャル総会を可能とする視点)であれ、一般株主の総会出席を制限できる根拠、というものは理解できますし、議論する実益もあると思います。

しかし「一般株主の入場を一切認めない定時株主総会」については、なぜ違法ではないのか、私には理解できません。たとえば現実出席を認めない代わりに議決権の事前行使(書面投票制度、電子投票制度)が推奨されるわけですが、電子投票制度の採用は、各社とも(総会ごとに)取締役会で決めることになっています(書面投票制度については、上場会社の場合は会社法で強制されることになります)。この電子投票制度について、神田先生(学習院大学教授、東大名誉教授)の基本書を読みますと

株主の承諾がなくても取締役会決議で総会ごとに電子投票制度の採用を決めることができる。その理由は、株主は常に株主総会に出席する機会が確保されているからである。・・(中略)・・・なお、そのような会社(注 議決権を行使できる株主が1000人以上存在する会社)以外の会社が書面投票制度を採用する場合も、同様に取締役会決議で決めることができるが、その理由も同様である(文中の傍線ならびに注書きは筆者作成)

と解説されています(「会社法<22版>」神田秀樹著 201頁)。つまり、株主が(定時株主総会に)出席しようと思えば現実に出席する道が確保されているからこそ、書面投票制度や電子投票制度が取締役会決議によって導入できるわけです。ということは、そもそも株主の出席を認めない株主総会を開催するのであれば、たとえ緊急時の定時株主総会であったとしても、書面投票制度やインターネット投票制度は使えない、ということになりそうです。

書面投票制度や電子投票制度の実務からみても、たとえば書面投票を行った株主が、現実に出席をしたり、誰かに委任状を交付した場合の取り扱い(現実出席した場合には、その時点で書面投票は無効とされる)や、書面投票と電子投票を重複して行使した場合の取り扱い(定款に定めがある場合には、当該定款に沿った取り扱いを行う)に関する慣行や通説がみられます。こういった実務慣行や通説に従うならば、株主総会における事前の承諾や事後における総会参与権限の確保があって、はじめて事前の議決権行使(書面投票制度、電子投票制度)に関する取締役会決議の有効性が是認できることになります。

経産省Q&Aなどは、「出席を一切認めない株主総会も(議決権の事前行使の機会を確保することで)可能」とされていますが、このあたりの理屈はどうクリアになっているのでしょうか。私としては、「一般株主の出席は認めない」とは記載されていなくても、「一切認めない」ように読める書きぶりであれば、それだけでも会社法違反の可能性が出てくるのではないかと考えます。そして、当該瑕疵については、裁量棄却の法理や権利濫用の法理といった「株主総会の効率的な運用」を重視した考え方では払しょくできないものではないかと考えます。

毎度申し上げますとおり、株主総会の決議の効力を判断するにあたり、会社運営の効率性を図ること(裁量棄却や権利濫用制限法理)と、株主の総会参与権を保障することとのバランスをどこで図るべきか、という視点で検討しなければならないことは、私自身も心得ております。しかし、前回5月18日のエントリーで述べたように「株主総会における立憲主義と民主主義」の発想で考えた場合には、たとえ平時におけるバーチャル株主総会の在り方を検討する場面においても、また有事における緊急避難的総会の在り方を検討する場面においても、多数決原理の根本を支える株主権(公益権と自益権)は例外なく保障される必要があると考えます。

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2020年5月27日 (水)

有事の定時株主総会-監査役(監査等委員)は「重要な後発事象」に配慮しているか?

(27日午前 追記あり)

私の本意ではありませんが、多くの上場会社が(予定どおり?)本年6月に定時株主総会を開催する予定のようです。そのような上場会社の場合、ちょうど今頃の監査役、監査等委員の皆様方にとりましては、会計監査人から監査報告の通知を受領して、期末監査の報告会を行い、監査役、監査役会、監査等委員会としての監査意見を形成する時期であります(さらには、監査意見を取締役会に報告する時期でもあります)。

何度も申し上げておりますとおり、(予定どおりに定時株主総会を開催するのであれば)会計監査にも、監査役監査にも(十分な監査資源が投入できないという)不安が残ります。このような有事における株主総会を前にして、監査役(監査等委員)の方々にご留意いただきたいのが監査報告に関する有事特有の内容です。具体的には会社計算規則127条、同128条に規定された「重要な後発事象」に関する記載であります。

上場会社においても、監査役(会)は会計監査の職責を負うわけですが、公認会計士という専門職の「会計監査人」が存在しますので、会計監査人の監査の方法及び内容の相当性を判断すれば足りる、というのが平時の会計監査の姿です。会計監査人は会計専門職が担当しており、監査役さんは(期中において)当該会計監査人と十分なコミュニケーションを図っていますので、あとは業務監査(会381条)と書面監査(同384条)に注力すればよい、というところです。

しかしながら、今年はコロナ・ショック、つまり有事における定時株主総会です。業績を伸ばしている企業もありますが、多くの企業の決算発表で示されているとおり、経営状況の悪化を回避できないまま株主総会に突入します。したがって、会社債権者や株主の方々は、計算書類や財務報告にはどこまでコロナ・ショックの影響が織り込まれているのか、そもそもそれらの書類は本当に信用できるものなのかどうか、高い関心を寄せることになり、当然のことながら開示情報をもとに、財務関連書類の信用性の高さを探ろうとします。

そこで、コロナ・ショックが当年度決算及び翌事業年度の決算にどのような影響を及ぼすのか、ステークホルダーが開示情報から把握することに有用なのが監査報告における「重要な後発事象」に関する記載です。決算日以後に生じた会計事象が今期もしくは翌期に適切に反映されるように、きちんと注記されているか(もしくは今期業績に織り込まれているか)会計監査人がチェックを行い、会計監査人自身が「重要な後発事象」を記載することが可能です(会社計算規則126条2項)。

会社法監査と金商法監査の役割分担ということで、どちらかというと会社法監査は「(書類が適正に作成されていることの)保証機能」が重視されがちですが、「後発事象」に関する記述は(本来は金商法監査が負うべき)「情報提供機能」としての役割を担うものといえます。金商法監査の結果は実務上株主総会の後に出てくるので、会社法監査の結果にも情報提供機能を果たしてもらわないといけない、というところです。

ただ、当ブログ5月12日付けエントリー「株主の出席を禁止してでも6月総会実施?-定時総会は(やはり)完全延期すべき」でも述べましたが、私の予想に反して、決算短信の注記には(コロナ・ショックによる業績への影響について)「重要な後発事象」への記載はほとんど見られませんでした。事業上のリスクとして、翌事業年度へのコロナ・ショックの影響に関する記述はみられるものの、結局は「コロナ・ショックの影響がそもそも重要性があるかどうかすらわからない」というのがホンネだったと思われますし、会計監査人もこれをやむをえないと判断しているものと推測されます。したがって、会計監査人による監査報告には「重要な後発事象」は記載されないことが予想されます。

ところで、計算書類への会計監査人による意見が監査役(監査役会)に通知されてから監査役監査意見の形成(決算承認取締役会)に至るまで、およそ3週間ほどの期間が経過します。3月期末日には、まだコロナ・ショックの影響がどこまで業績に及ぶのか判明していなかった上場会社も、すでに2カ月弱が経過して、そろそろ業績への影響も判明してくる頃ではないでしょうか。そこで有事の監査役監査として問題となるのが会計監査人設置会社における監査役(会)の監査報告の中身です。上場会社の監査役(監査等委員の場合は「監査等委員会」)は、(会計監査人による監査報告に「重要な後発事象」が記載されていない場合には)重要な後発事象の内容を監査役等の監査報告として記載することになります(会社計算規則114条、127条、128条、128条の2)。

具体的には、会計監査人が監査報告の内容を監査役や監査等委員会に通知し、監査役等がその監査報告の内容を取締役に通知するまでの間に生じた「重要な」後発事象については、監査役等の監査報告において報告されます。先に述べた通り、会計監査人がチェックをしている決算短信では、ほとんど後発事象が記載されていないので、(短信は監査の対象ではありませんが)計算書類に対する会計監査人の監査報告(会社計算規則126条)にも「後発事象」に関する記載がないものが増える可能性があります。※

※・・・(27日午前 追記)当該記載につきましては「名無しさん」から「私の思い違いである」として意見をいただきました(ありがとうございます)。記載の一部を修正したうえで、名無しさんからご指摘を受けた点について、ミスリーディングのないよう、ご意見部分を引用させていただきます。

監査人は決算短信の数値について大きな誤りがないかどうかといったレベルでの数値確認は行っていますが、何も保証は与えていません(短信にもそのように記載されています)。後発事象や追加情報、GCに関する記載内容も計算書類監査終了までに表現が変更になることは多々あります。増資しましたといった事実のみの後発事象であれば、記載内容の修正は生じませんが、将来見積に係る記載ですので、短信にこのように記載したからもう直さないという会社の主張に対しては、監査人は相当に抵抗するはずです。会計士協会やASBJから将来見積に関する仮定への影響については、積極的に開示するように発信されていますので、監査人も記載内容について慎重に検討を行っています。なお、コロナの将来見込に対する影響、仮定については「追加情報」として記載される場合も多くなります。(引用おわり)

そこで「では(会計監査人を監督する立場にある)監査役、監査等委員からみて、御社の今期もしくは翌期の業績に対するコロナの影響はどうなのか」と関心が向くわけです。債権者や株主にとっては情報収集のための重要な機会となります。監査役の場合には、独任制ですから、常勤監査役、社外監査役において「重要な後発事象」の判断が異なる可能性もあります(その場合には、監査役会監査報告に個別意見が付されることになります)。

当社業績に対するコロナ・ショックの影響が判明してきたので、今期の会計監査の修正を求めるべきなのか(会計監査人に対して監査のやり直しや限定付意見を求めるべきか)、それとも翌期の決算に影響を及ぼすものとして後発事象を報告すべきなのか、あるいは(やはり?)「後発事象」は認めるものの、業績に影響を及ぼすほどの「重要性」があるかどうか未だ不明なので記述は控える、とすべきなのか、監査役(監査等委員)が個別判断もしくは協議(監査等委員会の場合は決議)をしておかなければ、監査役、監査等委員の方々は善管注意義務違反に問われることになります。また重要な後発事象があるにもかかわらず、あえて何らの記載もしないとなれば、当該監査役等の方々は会社法976条6号(株主総会に対する監査役等の虚偽申述)によって過料に処せられる可能性もあります。

したがって定時株主総会において株主から質問を受けた監査役等の方々は、「重要な後発事象の有無、およびそのように判断した理由」について、口頭であっても説明義務が生じます。例年とは全く異なる「有事の6月定時株主総会」を実施する上場会社の監査役、監査等委員の皆様には、監査報告のご準備も含めて、この点十分にご留意いただいたほうがよろしいかと思われます。

なお、会計監査人による監査報告の通知前に、すでに生じていた「後発事象」で、会計監査人が看過したゆえに、その監査報告に記載されていないものについても、監査役監査報告で補充してよいものと解されていますので(「会社法コンメンタール10」216頁片木教授の解説参照)、監査役等の皆様は、会計監査人と意見が相反してでも真剣に検討すべき事項であることを理解しておかれるべきと考えます。

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2020年5月25日 (月)

緊急事態宣言解除後の6月定時株主総会は(やはり)完全延期すべきである

5月22日、経産省は「株主の皆様へのお願い -定時株主総会における感染拡大防止策について-」として、6月に予定されている上場会社の株主総会に参加される予定の株主の皆様へ向けて「呼びかけ」を行っています。とくに株主総会の会場への来場については

企業では、株主総会の開催に当たって様々な感染拡大防止策を講じていますが、多数の株主が会場へ来場した場合、結果として3つの密(密閉・密集・密接)が生じてしまう懸念があります。このため、御自身を含む来場株主の健康への影響等を十分考慮いただき、原則会場への来場はお控えいただくようお願いいたします。

として、出席自粛を呼び掛けています。株主の健康への影響を考えた場合、経産省がこのような呼び掛けをされるのは適切と考えます。しかし、株主に出席自粛を呼びかけるほど6月に総会を開催することが危険なのであれば、そもそも会社側には延期を呼び掛けるのが当然ではないでしょうか。

5月25日には緊急事態宣言が首都圏でも解除される予定ですが、全面解除後の政府の「基本的対処方針」原案によれば、(事業者に対しては)職場への出勤について、在宅勤務や時差出勤など、人との接触を減らす取り組みを続けるよう、今後も求めるそうです(NHKニュースはこちらです)。もし6月総会をそのまま実施するとなれば、これから関係社員や機関投資家、印刷会社、証券市場の関係者、さらには有報監査に向けた会計監査人の勤務状況は繁忙を極めるわけです。もし、緊急事態宣言後の基本的対処方針を遵守して、総会関係者の健康への影響は考慮するのであれば、6月総会は完全に延期すべきでしょう。

また、延期したとしても、いつまでコロナ禍が続くかわからない、といった意見も出ていましたが、東京都が5月22日に公表した「新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ」によれば、段階的ではありますが、100名から1000名のイベント開催も(モニタリング指標に従って)段階的に容認される見込みが示されています。もちろん「第二波」が生じないこと、事業者や株主が基本的な感染防止対策を怠らないことが前提ではありますが、総会を延期することによって、株主および総会関係者いずれの健康にも配慮した株主総会を開催する可能性が高まります。もはや完全延期のための条件はほぼ出揃ったものと考えます。このような状況であるにもかかわらず、なにゆえ「出席自粛」などといったイレギュラーな形をとってでも6月に総会を開催しなければならないのか、本当に理解が困難です。

「イレギュラーな状況での6月総会」という意味では、コロナ禍という緊迫した事態において、簡素化した総会を6月に開催することも、また7月以降に総会を延期することも同じです。ただ、「意味」の内容は大きく異なります。株主に示した配当の基本方針を守るために「つつがなく総会を終わらせる」こと、株主には議決権の事前行使を保障することが重要と捉えるのか、総会を取り巻くステイクホルダーの健康を重視し、また会計監査の役割を重視するために、短期的利益を喪失させることは申し訳ないれども、長期的利益を重視して経営したいというメッセージを示すことを重要と捉えるのか、という違いがあります。

5月24日のNHKスペシャルに、700兆円の運用を誇るブラックロックの日本法人代表の方が出演されていましたが「我々はコロナ禍でも変化できる企業、変化に強い企業を見極めたい」と述べておられました。コロナ・ショックにおいてビジネスモデルをどう変えていくのか、提供する商品やサービスに、「どのように役に立つのか」だけでなく「どんな意味を持たせるのか」という点へのメッセージにこそ注目しています。私は、株主総会ひとつとっても、その株主総会の運用にどのようなメッセージがあるのか、株主を含めたステイクホルダーに示す機会と捉えるべきではないか、と考えます。

かつての「上場会社の株主総会」といえば、総務担当者や法務担当者が主導して「つつがなく終わらせる」ことがなにより大切だったわけですが、私はもはや時代が変わった、株主総会は広報担当者や社外の広報コミュニケーション事業者と総務・法務部門との協働作業が必要になってきたのではないか、と考えております。とりわけ提訴リスクが極めて低い日本の上場会社の場合には、(バーチャル株主総会の実施も含めて)株主総会の在り方も、おおいに議論すべき時期が到来しているのではないでしょうか。

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2020年5月22日 (金)

監査役等による株主総会の適法性維持に関する職務執行について

毎年恒例となっておりました日本監査役協会の春期リスクマネジメント講座ですが、全国7回の開催が予定されておりましたところ、ご承知のとおり大阪の2講演のみ開催後に中止となりました。その講演では、(レジメをお持ちの方は参照いただきたいのですが)監査役、監査等委員は株主総会の手続きに問題が生じた場合に、何らかの対応をとれるのか(とる義務があるのか)、それとも傍観者にすぎないのか、というテーマで例題をお出ししておりました。

昨年、一昨年のアドバネクス社の株主総会では、大株主による動議、出席株主の行動と委任状の処理等の適法性が問題となりましたので、もし同様の事態において、出席株主から「そこに座っている監査役さんの意見はどうなの?」と質問されたらどうしますか?といった例題です。

ところで、そのような例題が参考になりそうな事案が相次いでいます。ひとつは乾汽船さんの4月30日付けリリース(監査役による臨時株主総会開催禁止の仮処分に関する和解のお知らせ)、そしてもうひとつが本日(5月21日)付けプロスペクトさんのリリースです(当社監査等委員による臨時株主総会開催禁止の仮処分申立てのお知らせ)。いずれも大株主と現経営陣との経営権争いが表面化した株主総会に関する事案であり、この6月総会においても参考になるところだと思います。実際の例では、諸々の背景事情があるはずですが、そこは捨象して、理屈の問題として考えてみたいと思います。

監査役、監査等委員において、会社が上程する議案を通じて総会の適法性をチェックする、というのであれば会社法上の根拠があるのですが(たとえば会社法384条、399条の5等)株主側の提出する議案(および参考書類)を通じて適法性をチェックする、というのは、おそらく「株主総会の決議取消に関する提訴権」(会社法831条1項、同828条2項1号)くらいしか根拠はないと思います。いずれにしても、監査役等は取締役の職務執行の監視・検証を職務としますが、これに付随する職務として、株主総会の手続きの適法性を審査する義務もある、と考えることができるのではないでしょうか。

そうしますと、冒頭の例題のような場面においても、監査役さんは「私は取締役の職務執行の適法性を判断するのが職責であり、総会運営権は社長である議長の専権。議長交代の動議が成立して議長が交代してしまえば、その議長による専権。よって私は意見を述べる立場にはない」と逃げ切れるかというと、そうもいかないのでは、と考えております。

昨日のエントリーでも、少しだけ頭出しをしましたが、そろそろ6月総会に向けた株主提案権の内容が公表されるようになり、今年も株主総会で経営権争いが繰り広げられる事案がいくつか出てきそうですね。そういった経営権争いが表面化した総会、不祥事が明るみに出た企業の総会では、さすがに株主総会の簡素化はむずかしいかもしれませんね。

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2020年5月21日 (木)

コロナ禍における有事株主総会に潜む「会計不正の芽」に注意せよ

当ブログで「これは他山の石として教訓にすべし」と、2度ほど取り上げた天馬社の件ですが、なんと6月の定時株主総会において注目の「お家騒動」が繰り広げられる見通しとなりましたね(東洋経済のニュースはこちらです)。このたびの同社の不祥事についても、やはりそれまでの経営権争いが色濃く影響していたのでしょうね。公表された資料や記事などをもう少し読んだうえで、またコメントしたいと思います(以下本題です)。

さて、(コメント欄でtyさんも指摘しておられましたが)本日(5月20日)のフジサンケイビジネスアイに「企業の株主総会 延期3%止まり」なる見出しで、令和2年5月19日付け一般社団法人信託協会の「『新型コロナウイルス感染症の影響による株主総会対応』に係る要望書」の内容が紹介されていました。見出しのとおり、3月決算会社2400社のうち、6月定時株主総会を完全延期(基準日変更)する予定の会社は75社にすぎず、全体の3%程度であり、95%の企業は(継続会方式も含めて)6月に予定どおり定時株主総会を開催する、とのこと。

総会が簡素化され、また集中化されればされるほど、総会関係者の負荷が高まることも懸念されますが、私がもっとも懸念しているのが「監査の空洞化」です。大手監査法人の方々にお聞きしたところでは、期中監査の末期2カ月(3月、4月)と期末監査のほぼ全期(3月、4月、5月)については在宅勤務で監査作業が行われていたようです。また、内部統制監査の中心となる経営者とのコミュニケーション、経理・内部監査担当者との相談、監査法人内の社内審査等も原則として在宅勤務です。

その結果として、5月中旬に会社法監査を終了させた会計監査において、①国内外の子会社監査未了、②実地棚卸の立会率の低下、③取引先の残高確認の未了、④証憑確認(突合作業)のサンプル不足、そして⑤内部統制システムの運用評価未了といった問題が現実に発生しているようです。このような問題に直面しつつも、会計監査人は「特別な検討を要するリスク」を中心に、限られた時間内での監査手法に工夫をこらしながらリスクアプローチによって適正意見のための心証を形成しているのが現実ではないでしょうか。

今月号のFACTAでは、会計評論家の細野祐二氏が「無形固定資産(のれん)の減損処理がコロナ決算の最大の問題点」と述べておられますが、私も基本的に同じように考えております。要するに、コロナ禍における各上場会社の将来見積り自体は不明確なものは仕方がないと思うのです(おそらく、より正確な見積りについては、今後開示されていくものと期待します)。しかし、この「仕方がない」状況を利用(悪用?)して、過去の会計処理上の問題点を表面化させず、これが次第に大きな額となって、もはや隠蔽しかありえない状況になってしまうリスクを懸念しております。

「監査の空洞化が会計不正を招く」といっても、なにも大げさなことを申し上げているつもりはありません。というのも、私なりに、上場会社において「会計不正」が生じる、もしくは発覚する現実を見据えたうえで懸念を抱いているからです。

ちなみに、会計監査人が不正を発見する、というのは(かつてのNHKドラマ「監査法人」の主人公のように)、かっこよく被監査会社の倉庫から粉飾の証拠となる書類を見つけ出して経営者を糾弾する、というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、何度か内部告発の代理人や第三者委員会委員として経験したところから申し上げるならば、そんな「不正発見」の場面に遭遇したことなどありません。水戸黄門や遠山の金さんのような会計監査人はたぶん存在しないと思います。なぜなら、会計不正問題というのは、シロとクロの間に、とても深いグレーゾーンが存在し、このグレーゾーンはシロにもクロにもなりうる領域だからです。どんなにAIが不正発見に有用な時代になったとしても、これは変わりません。

「とりあえず今年は重要性がないということにしておきますが、来年は修正が必要でしょうね」「これくらいの目標を達成しないと減損の対象になるのではないでしょうか、来年までの宿題にしておきましょう」「まあ、会社のほうで修正を認めていただけましたら、今年度の損失で済ませて、過年度決算の訂正までは必要ない、ということにしておきましょう」

といった具合に、会計監査人は「不正の芽」をひとつひとつ、会社側とのコミュニケーションの中でつぶしていくことが「会計監査人が不正を発見する」平均的な姿だと思うのです。これはとても地味な作業です。

そして、この6月総会で最大の問題は、会計監査人と経営者、監査役、もしくは経理責任者との間で、この「不正の芽をつぶしていくためのコミュニケーションの時間」がとれなかった、不十分であった、という点ではないかと。早い段階で「不正の芽」をつぶしておけば「粉飾」などと指摘されることもないわけですが、会計監査人が会社と協働して「つぶす」ことができないほどの金額的重要性が認識されるに至った場合には、もはや会計監査人も(原則に立ち返って)批判的立場を前面に出さざるを得ない、ということになります。

もちろん、日本公認会計士協会から「留意事項(2)」が公表されていますので、経営者の見積り、とりわけ減損会計や税効果会計(繰延税金資産)に関する処理については厳格な姿勢で監査はなされていると思います(したがって、とくに問題はない企業も多いはずです)。また、経営者確認書のドラフトには「新型コロナウイルス感染症の業績への影響にも慎重に配慮しました」といった項目を追加しているはずですから、会計監査人のリーガルリスクには一定の保険がかけられているものと思います。

ただ、そのようなリーガルリスク以前の問題として、やはり会計監査人も会社になかなか物言えない立場になってしまい、最終的には株主の損失が発生してしまうのではないか。そのような会社がいくつか出てきてしまうと、会計監査の信頼、ひいては証券市場の健全性維持にとってマイナスではないか、との懸念が生じます。やはり私は6月の定時株主総会は完全延期すべき、もしどうしても6月総会を開催するのであれば、計算書類、事業報告の品質確認が大前提、と考える次第です。

いつも長文を最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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