2020年4月 2日 (木)

経産省の不祥事(虚偽報告)は早く見つかって良かったのではないか?

本日(4月1日)の読売新聞朝刊(社会面)に「経産省職員が虚偽文書 関電改善命令 ミス隠ぺい、幹部ら処分」と題する記事が掲載されています。すでに報じられているとおり、経産省は関西電力に対して業務改善命令を発出したわけですが、手続上は取引監視委員会の意見を聴取しなければ命令を出せないにもかかわらず、委員会の意見聴取を担当者が失念していた、とのこと。後で気が付いて、慌てて委員会の意見を聴取したのですが、その聴取の日付けを命令発出前に書き換えていたそうです。担当部局の幹部も許容していたこと、担当者が相談した他の部局の職員も黙っていたことが判明しています(3月31日付け経産省によるリリースはこちらです)。

残念なのは、この隠ぺいの発覚は、改善命令に関する決裁文書への情報公開請求がなされたことがきっかけ、という点です。組織の自浄能力の欠如が露呈されてしまいました。もし情報公開請求がなければ、経産省内部で隠ぺいは(誰もトップに報告することもなく)そのまま眠ってしまうはずだったということです。

3年ほど前、人事院からの要請で、各省庁の幹部160名を集めたコンプライアンス研修の講師を務めましたが、その際「公務員の無謬性」についてお話させていただきました。なぜそこまで「無謬性」にこだわるのか?公務員だって「人生山あり谷あり」ですから不正に手を染めることだってありますし、ミスも起こします。なぜご自分の過ちを認めないのか、不思議でならないことを申し上げました。

このたびの経産省の件も同様であり、私には隠ぺいするほどのミスであることが全く理解できません。どうして「法令の認識不足で手続にミスがありました。現時点の命令を取消して、あらためて明日、命令を発出します。失礼しました」と言えないのか?上司もなぜ、その隠ぺいを了承してしまうのか・・・、私にはそれほどまでにコンプライアンスよりも「無謬性」を重視する発想がわからないのです。この公務員の発想を心底から理解できなければ、公務員の隠ぺい体質は直せないだろうし、森友問題の解明もむずかしいのではないかと考えます。

しかし、今回の経産省の件は、情報公開請求によって早めに発覚し、関係者の処分を終え、経産省にとってはとてもラッキーだったと思います。もしこのまま隠ぺい問題が放置され、数年経過してから「虚偽文書疑惑」のような形でオモテに出たとしたらどうなっていたでしょうか。おそらく「関電と経産省とのなれ合い体質(疑惑)」「手心を加えた経産省(疑惑)」といった形で週刊誌ネタになっていたはずです。経産省は強く否定したいのですが、根も葉もない噂に(確たる証拠をもって)反論できないがゆえに、手続ミスの隠ぺいでは到底すまないような組織の信用毀損に至ってしまう可能性もあります。

上記経産省リリースによると、再発防止策として「二度と起こさないための研修」をされるそうです。しかし、私は「残念ですが、どんなに立派な研修をしたとしても、また同じようなミスはかならず起きます」と言いたい。再発防止策は、起きたときにどうするのか、ということを省内、担当部署を越えて議論することです。あの大阪府警ですら、証拠偽造が頻発した折、府警本部長の指揮で「もし、偽装を署内で見つけたら、君はどう対応するか」というDVD研修に至りました。(※1)公務員の「過剰な無謬性」を捨て去ることが再発防止の第一歩です。

今年も財務省ほか、人事院研修の講師をさせていただきますが、同様のことを強く公務員の方々にお伝えしたい。

(※1)2012年、新聞でも報じられましたが、大阪府警でコンプライアンス e ラーニングの DVD が警察官 2 万 3000 人に配られました。2 年間続けて非常に大きな不祥事が大阪府警に続きました。7 年も前の事件の証拠を紛失してしまったから自分で作ってしまったとか、証言の調書を偽造してしまったとか、本当に恥ずかしい不祥事が 7 件も続きました。このことによって本部長が交代しましたが、大阪府警のコンプライアンス教育も変わりました。府警教育では「あなたが上司として、部下の不正を見つけたときにどうするか。」「あなた自身が証拠をなくしたときにどうするか、誰に報告するか」こういうことを e ラーニングで始めたのです。あの大阪府警で、警察官は不祥事を起こしてはいけないという今までのスタイルから、起こしたときにはどうするかという発想に変わったのです

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2020年3月13日 (金)

NOSを中心とした架空循環取引事件の根本原因とは?某氏の視点(下)

本日(3月12日)、ネットワンシステムズの第三者委員会報告書(最終報告書)がリリースされました。あまりにタイミングの良いエントリーになってしまいましたが、昨日に引き続き(下)をご紹介いたします。最終報告書へのコメントはまた後日とさせていただきますが、最終報告書の「原因分析」と以下のコメントで示されているところを比較していただきますと、同じ視点、異なる視点が浮かび上がるのではないでしょうか。それにしても2007年に発覚したIXI事件への関与を含め、NOS社は10年間に3度も大きな架空循環取引に関与していたわけです。「4度目の架空循環取引への関与はない」ということをこの最終報告書を読んだ東京証券取引所自主規制法人ほか、ステイクホルダーは確信できるかどうか・・・。2月17日のエントリーでも述べた通り、蜜の味漂う架空循環取引は増えこそすれ、減ることはありません。その誘惑からNOSは今後絶対に距離を置くことができるか、注目すべき点です。

(以下、某氏のコメントの続き)

外資系IT企業出身者が経営幹部を占めるNOSでは、幹部の多くがハイタッチ営業経験者の可能性は高く、共有されるバックグラウンドから”営業ノルマが厳しすぎた”のでないかと指摘はある。ハイタッチ営業は”コミッションセールス”であり、業績いかんで、報酬の大きな差異はあろうし、業績への意欲、執着は相当高いかもしれない。その可能性は十分に考えられる。

ここでは少し違う視点を指摘したい。A氏の動機が、より切実なものであった可能性である。報道によればA氏は中堅営業とあり、仮に40代営業と考えれば、自分のキャリアの先が概ね見え始める頃であり、自分の”居場所”を確保、維持することが動機の一つになったのではないか。NOSはこの10年で、地味な老舗ITインフラ企業というイメージから(やや強引にも見えるが)イメージを変えつつある。ステータス高く、高感度ショップに隣接した本社を構え、HPや会社案内で見るに、社内はまるで外資系かと見紛うほど、ユニークな空間もあるようだ。評価制度、報酬制度、人事制度は当然のごとく、業績に強く連動させているであろうし、特にその運用は業績ありき、業績あっての強権、恣意と写っていた可能性はある。厳しくなっていく評価のもと、A氏は大きな失注に動揺し、自分の目先”居場所”の確保に焦り、自己防衛本能より不正に手を染め、結果的に、業績さえあれば保身以上の評価や信任を得て、その維持こそが強く目的化したのではないか。

現在、第三者委員会にて鋭意解明されつつあるが、今後、関係者から周辺情報が漏れ伝わる可能性はある。多くの不正につきものであるが、例えば、不正実行者やその部下、上司、周囲関係者に過剰、過大な接待交際費が供されていた場合である。不正部門は中央省庁が顧客であり、うかつな接待に同行同席はないであろう。万が一、社内他部署の人間の同席や、循環登場各社関係者の同席が確認されるようなことがあれば、第三者委員会報告書での事実認定や共謀性を根本から覆すこともありうる。

本件では、あらゆる面で要らぬ邪推、曲解を徹底的に排除すべく判断、行動が求められており、決算修正に託け(かこつけ)時間をおき、頃合いを見て社内外ともに穏便に対応すべし等、万が一にも誤解を与えては、社員を含め全てのステークホルダーに不実極まりなく取り返しがつかない。株価をもって正当性の強弁であれば、経営者の現状認識の甘さゆえであろう。

不祥事が繰り返す理由は明白である。不祥事は問題なのでなく、表出する現象に過ぎない。不祥事を繰り返し生み育てる組織風土こそ本質であり、その風土を修正、是正する客観的、「独立」、「公正」な目、意見を軽んじてきた可能性は否めず、現代の企業活動において逃げてはならない正しい厳しさに耐え抜く覚悟が、経営陣もとより社内外取締役、監査役幹部社員に不足していたのではないか。それらしく組織、委員会は作れど「仏作って魂入れず」。十六銀行事件の報告書に感じたことだが、「他責に逃げる」組織風土を連想させる。他責には「自分(達)は特別だ」という自意識、集団意識が強く働き、正当化される。

全てのステークホルダーの信頼回復につながる姿勢とは、まさに欠如が指摘される誠実さであろう。不祥事発覚のたび、見識権威ある第三者を招聘し委ね、不正実行者個人の瑕疵に激しく、欠ける当事者意識。再発防止策は第三者委員会の提言待ちに徹する、傍観者然たる姿勢。現場のガンバリに支えられた業績、株価回復に期する対応のみでは、長い目でみて投資家株主、全社員の信任に違えかねない。

NOSは商材や人材に小さくない成長余地を秘めており、顧客や市場に恵まれてきた。反面、売上や株価に自ら踊り踊らされ、言動と行動、素地と実像、は看板に追いついておらず”不都合な真実”はないか。幹部の内輪意識の強さゆえかウチに甘く、ソトに不感不堪な姿がここに映る。「他責に激しい」組織風土を変えぬ限り、これからも不祥事を生み育て、見逃し続けるのであろう。一考察にすぎぬが、山口氏の指摘に強く同意するゆえである。

(某氏のコメントおわり)

上記コメントには、私(山口)の意見は全く含まれておりません。あくまでも某氏の意見です。しかし、架空循環取引の根本原因に遡るためのヒントが含まれています。これはコメントを読んだ私(山口)の感想ですが、そもそも大口取引の相手方(出荷先や納入・発注先等)に対して、営業担当の幹部の方々は年に数回程度は挨拶に出向かないのでしょうか?私などは、上記A氏の取引先に経営幹部が出向いていれば、異常性は認識できたのではないかと思うのですが。

(上)(下)のコメントを通じて、私は「不可侵感」という某氏の言葉が印象的でした。本日リリースされた最終報告書でも、このあたりが強調されていたように読めます。架空循環取引の闇は本当に深いのですが、取引のリスクに真正面から向き合える組織風土こそ、他社が学ぶべき点ではないでしょうか。なお、私個人の「架空循環取引を防止・発見するために必要なこと」は近日、某会計専門誌に論稿として掲載予定です。また、なにかの機会に当ブログでも内容をご紹介したいと思います。

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2020年3月12日 (木)

NOSを中心とした架空循環取引事件の根本原因とは?-某氏の視点(上)

いつも当ブログをお読みいただき、ありがとうございます。さて、当ブログの2月17日付けエントリー「会計不正事件の王道「架空循環取引」は増えることはあっても、減ることはない」では、ネットワンシステムズ社(NOS社)を中心とした架空循環取引について取り上げましたが、そこにある方(某氏=私が勝手に関係者と思っている方)からコメントをいただきました。

後日、この方の了解を得て、以下にコメント内容を掲載いたします。なおコメント内容は、(コメントされた方や関係会社にご迷惑がかからないように)当ブログへのコメントとして許容できる範囲で修正させていただきました。また、このエントリーは、けっして関係会社を非難したり、揶揄するためにコメントを掲載するものではありません。(2月17日エントリーでも述べておりますとおり)どこの会社でも架空循環取引は起こりうることから、講学上、他社にも参考になるものと考えご紹介する次第です。

実は、「なるほど」と参考になる深い内容もあったのですが、関係会社の信用問題、またコメントされた方が(関係者かどうかは不明ですが)特定されるおそれもあったため、省略しております。あくまでも公表された第三者委員会報告書および当職エントリーへの某氏のコメント、としてお読みください

(以下、某氏のコメントです) 

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第三者報告書の中間報告に目を通した。不正は「公共営業部門のシニアマネージャー(課長級)A氏が全ての指示役であり単独犯」、「大きな失注をリカバーするために始めた」と記される。個人的動機による個人による不正である、との見解は、2013年の十六銀行事件同様である。第三者委員会による調査、報告である点は厳に留意すべきであり、溜飲下げたステークホルダーも少なくないかもしれない。以下に強く印象が残った。

A氏=不正首謀者(課長)、B・C・D・E氏=不正補助者(課員)、貴社=NOS
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(カ) 監査対応等の発覚防止工作
A 氏は、前述の見積明細作成の指示を受けて、事前に金額が決まっていることや顧客と向き合うはずの営業担当者が認識していない案件の存在について疑問を抱く部下らに対し、事実関係を明らかにせず、あるいは叱責して質問をさせないなどの対応をとっていた。例えば、A 氏は、B 氏に対しては、「先にお金が必要なお客様がいる。お金を先に払う代わりに、利子がついて返ってくるというビジネスで、悪いことはやっていない。」などと説明し、D 氏に対しては「銀行がお金を回す必要があってこのような取引があり、悪いことをやっているわけではない。」などと説明し、そのようなビジネスもあると思わせ、従わせていた。E 氏に対しては、納得できる回答をせずに「とにかく急ぎの案件である。」と述べ、指示に従わせていた。さらに、C 氏に対しては「お前疑っているのか。」と叱責し、それ以上の質問を受け付けずに指示に従わせていた。
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(エ)A氏による上長らへの報告、説明
貴社においては、見積金額が貴社社内規程所定の基準以上の案件について、受注先(顧客)に見積書を提出するには、事業本部長の決裁を得る必要があるが、それに先立ち、部下が上長らに対し、来期の案件の見通し等につき説明を行う場が設けられている。A 氏は、上長ら(本部長、副本部長、部長及び副部長)に対し、実在する案件に架空取引を織り交ぜた来期の見込みを巧みに説明していた。かかる上長らへの説明は、多くの案件では営業担当者が行うが、本不正行為に係る案件については、営業担当者でなく、マネージャーである A 氏が単独で行っていた。A 氏は、その後、具体的に架空の商流取引に係る顧客宛ての見積書を提出するに先立ち、営業担当者ではなく自ら、上長らに対し、順次、上記の事前説明に沿って、当該架空商流取引の背景事情や商流、粗利率、入出金の予定等を資料に基づいて説明し、上記管理職らをして実体のある商流取引であると信じさせ、決裁を得ていた。
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報告書に記載された事実認定をまとめると、重要なのは以下の2点。
(1)「国税指摘以前より、A氏部下4名から不安、不審の声が上がっていたこと」
(2)「A氏案件は、承認手続において例外対応を続けていたこと(全ての案件説明に営業担当者を同席させずA氏のみ単独実施)」

5年以上続けたA氏の狡猾さとともに、上記2点には疑問も残る。「客先注文書の偽造、捏造という誰もが疑いようのない不正行為を指示、命令され、部内で騒ぎになっていないのはなぜか?」、「部下4名は不安不審を訴えていたとあるが、上長は対応したのか?課長の否定、叱責が続けば、部長に相談するであろう。部長は上長や監査室、コンプライアンス室に相談可能なはず。現場の信頼関係は崩壊していたのか?」、「案件承認制度、社内監査は、たった一名の悪意ある営業にこれほど無力なのであれば、現場の対応で防ぎようがない。今後、どうやって不正を防ぐの?」社内の動揺は小さくないであろう。他部門においても何らかの不作為、不正が行われているのではないか、自分の周囲を信用できなくなった、現場には声にしない声、疑念未満の不安が起きても不思議はない。不審のコストほど高いものはない。

十六銀行事件で不正の温床となったのは、機器調達になくコンサル、設計、構築といった実役務費用、科目にあり、外注費用の操作による不正と解明された。本件(十六銀行事件)の第三者委員会報告書を丁寧に読むと、このような古典的かつ典型的な手法が7年も見過ごされ続けたことに驚く。その根因を察するに、不正実行者は本部長という上級幹部であり、高い社内評価が「特別感」「不可侵感」となり、不正を拡大、長期化させたように見受けられる。今回の件のA氏は課長級であるが、自身で演出した「秘匿」感や高業績が一種の不可侵になっていた可能性はあるだろう。

素直に考えれば、中央省庁に向けた営業部署という性質上、公示入札案件の対応が本来主業務であろう。プライムで応ずるか、他社スキームの下に入るケースも多いと考えられる。A氏はもっともらしい虚偽を重ね、承認審査に対応していた光景が指摘されている。個人情報保護法や特定秘密保護法の対応を持ち出し「情報共有しない」盾としたのだろう。個人情報や機密情報に関わる取引は存在するだろうが、専用仕様に基づく機器、ソフトウェアは随意契約による製造元への直接受注が常套であろうし、NOSが介入する余地は考えにくい。報告書では、A氏しか知りえぬ案件や、案件詳細を担当営業さえ知ることができない状態が、社内でまかり通っていたと読めるが、これが日常光景であるならば「秘匿」を通り越し、「不可侵感」が漂ってきそうだ。極めて不自然な状態を5年以上放置した上長、強化してきた承認制度の「不備をつかれた」と経営者は一言で表したが、何の「不備」だったのだろうか。

本件の理解にあたり、IT業界の特異性、公共案件の特殊性、秘匿性などディテールに目を奪われがちだが、前述(1)および(2)より見えてくる光景は、日常業務での機能不全、不作為を予想させる。(1)、(2)といった「社内における不正未満の例外、異常」が、部内、本部内、監査室、コンプライアンス室と正しく報告、上申されていれば、注視、精視は継続的に実施され、不正を自主的に発見すらできた可能性もある。仮に発見できなくとも、その報告、対応こそがコンプライアンス、ガバナンスの第一歩、必要要件であるはずだ。(1)、(2)の放置があったとすれば、上長に留まらず、掌握取締役や常勤監査役に善管注意義務違反すら疑われるのではないか。当たり前のことが当たり前に行われない代償はこれほどに大きい。

以下、某氏のコメントは(下)に続きます。

コロナ・ショックにより、NOS社が開発するテレワーク・ICTネットワークソリューションの重要性を改めて認識します。ぜひとも、今回の不祥事を契機として健全な組織風土が醸成されることを祈念いたします。

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2020年1月29日 (水)

不正調査におけるデジタルフォレンジックスは「打出の小槌」ではない

1月28日の朝日新聞(朝刊9面)に、「かんぽ不正報告に批判 特別委調査 専門家ら『まだ不十分』」なる見出しの記事を見つけました。かんぽ生命の不正販売問題で、昨年末、特別調査委員会が調査報告書を公表しましたが、その内容が未だ不十分だと指摘されていることを報じた内容です。

同委員会が、延べ600名の職員からヒアリングを行い、詳細な事実認定を行った点は評価できるものの、記事では「経営幹部が不正の横行をうかがい知る機会があったのに、なぜ止められなかったのか、という点は明らかになっていない」と報じられています。同記事に掲載されている竹内朗弁護士のコメントでも「どの程度の(経営者の)認識があったのかで、必要な再発防止策も変わる」とあり、第三者委員会調査としての不十分性を述べていて、私もまったく同感です。

こういった指摘を受けてかどうかは不明ですが、かんぽ生命特別調査委員会は、デジタルフォレンジックス調査も行っているので、経営幹部らの認識については3月末の報告書では明らかにしたい」と述べておられるそうです。スルガ銀行の第三者委員会も、こういったデジタルフォレンジックス調査によって経営陣の「不正の認識」に関する証拠を収集していましたね。

ところで第三者委員会調査では、もはや当然のこととしてデジタルフォレンジックス調査が行われるわけですが、私もいまフォレンジックス調査に関与しているなかでの感想ですが、この調査は万能の証拠収集方法ではない、と痛感します。まずフォレンジックス調査が成功するためには、保全対象となるデバイスが存在すること、(たとえ復元が可能だとしても)解析対象となるデータが十分に存在することは大前提ですし、これらの提供については会社側の全面的な協力がなければ奏功しません。また、担当者のスキルによって、メールが復元できる場合とできない場合があることも現実です。

そしてなんといっても、私はフォレンジックス調査を担当する技術者、レビューワーと調査委員との協働関係が最も重要だと思います。解析にはAIが活用されますので、電子文書やメールの絞り込み作業は効率化されていますが、ではどんなワードを検索すれば証拠価値のある文書やメールが出てくるのか、という点は調査委員による適切なワードの選択が不可欠です。

そしてそのワードは適切な調査活動の中から選択されます。有効な調査活動があってこそ、適切なワードの選択が可能になります。調査委員の適切な指揮がなければ、レビューワーの方々が非効率な作業に振り回され、その結果として会社側が膨大な費用を無駄に(?)負担することになります。

最近の様々な調査報告書を読んでいて、この「レビューワーと委員との協働作業の内容」まで踏み込んで調査過程を記載しているものは案外少ないように思います。調査委員は、どうしても「フォレンジックス調査までやったけど、出てこなかった」と会社側に説明したいのかもしれませんが、その気持ちが強いと調査を技術者とレビューワーに丸投げしたくなります。しかし、これでは中立・公正な第三者による調査とは言えなくなってしまいます。

ときどき「諮問を受けた調査をやっていたところ、思いがけず他の不正が見つかったので調査期間を延長します」といった中間報告が出されますが、これこそ会社側の気持ちを忖度しない(?)真の第三者委員会の姿勢の現れかと。もし、ステイクホルダーの皆様が、第三者委員会報告書を読まれる際には、このフォレンジックス調査の作業過程(委員との協働作業)がキッチリ書かれているかどうか、精査していただければ、本当に中立・公正な立場で調査を行っていたかどうかを理解できるかもしれません。

今後さらに技術が進歩して、ビッグデータを活用したフォレンジックス調査も可能になり、委員のワード選択も不要となるかもしれません。しかし、現時点におけるフォレンジックス調査のレベルを考えますと、万能の証拠収集手法とまでは言えず、そこには調査委員の「人による泥臭い作業」による補完がなければ証拠収集の実効性は上がらないものと考えています。

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2020年1月27日 (月)

第三者委員会報告書公表後わずか2年で不正開始?(NOSの架空循環取引事例)

1月24日の日経ニュースによりますと、東芝子会社の東芝ITサービス(川崎市)を巡る架空取引で、東証1部上場のシステム開発会社、ネットワンシステムズが主導的な役割を担っていたことがわかった、と報じられています。しかも架空取引は遅くとも2015年に始まり、総額で400億円を超えていた、とのこと。

当ブログの常連の皆様ならご記憶あるかもしれません。そうです。ネットワンシステムズ社といえば、2013年の会計不正(幹部社員が他社と共謀して起こした横領)事件で7億9000万円ほどの損害を発生させてしまいました。当時の第三者委員会報告書がとても秀逸で「経理財務部門・内部監査部門必読!NOS第三者委員会報告書」なるエントリーで事件をご紹介しましたね(しかし昔はずいぶんとエントリーが長かったなぁ)。

たしかネットワンシステムズ社は、この2013年報告書の事例を教訓として、その後、某監査法人系のアドバイザーのもとで「二度と不正会計に手を染めてはいけない!不正を根絶できる体制を築かねばならない」ということで、社を挙げて内部統制システムの向上に取り組んでおられたように(風のうわさで?)お聞きしておりました。

しかしながら、前回の不正と同様、今回も(不正の種類は異なるものの)国税の調査で指摘を受けて発覚した、とのこと。これでは全く自浄能力がないことを示してしまったようで、たいへん残念であります(これが「内部通報を端緒とする社内調査で発覚した」ということだと「なるほど、前と違って自浄作用が機能したのだな」と評価できるのですが・・・)

全社挙げて不正防止に取り組む姿勢は真摯なものであったに違いありません。ただ、それでも第三者委員会報告書が公表されたわずか2年後から架空循環取引が始まっていたとなりますと、やはり「会計不正は蜜の味」なのでしょうね。以前、アイ・エックス・アイ社の架空循環取引事件に関わった経験からすると、架空循環取引は本当に発見が困難です。「怪しい」と思える取引を「怪しい」と口に出して調査できる環境がなければ内部監査も機能しないのではないでしょうか。

「間違っていたらどうしよう・・・」と思うと、誰でも「怪しい!」と人前で口に出すことに臆病になります(私もそうです)。しかし架空循環取引かどうか、調査をする中での教訓は「人は嘘をつくのは簡単だが、過去に嘘をついたことを憶えているのはむずかしい」ということです。ていねいに調査をすれば、関与者はどこかでボロを出します。また嘘の上塗りには協力者が必要ですが、そこでも協力が得られず取引に破たんを来すことも多いようです。

昨日(1月25日)、日経新聞朝刊15面に「不適切会計最多に 昨年3割増の70件に」との見出しで、上場会社で開示された会計不正事件が極めて増加していることが報じられていました。発覚まで5年ほど要する事例が多い状況からしますと、まだまだ現在進行形の発見されていない会計不正事件はたくさんあるわけでして、これからも監査法人への内部告発や国税の告発によって表に出てくることが推測されます。機関投資家の皆様が、企業のリスク情報に関心を抱くのも当然ですね。

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2019年10月31日 (木)

企業行動規範の開示は不祥事の重篤化を防ぐ(コンダクト・リスクマネジメント)

先日、こちらのエントリーにて、危機管理・有事対応の世界で著名な弁護士の新刊書をご紹介して「恥ずかしながら、私は『コンダクト・リスク』なる概念は存じ上げませんでした」と述べました。しかし、ちょうどビジネス・ロー・ジャーナル2019年12月号に、東浩弁護士(田辺総合法律事務所)の「コンダクト・リスク管理と企業カルチャー革命」なる論稿が掲載され、すでに金融コンプライアンスの世界では7年ほど前から不正リスク管理のために使われている概念と知りました(まだまだ修行が足りませぬ・・・)。

ご承知のとおり「コンプライアンス」なる言葉が「法令遵守」を超えて、広く「企業が、社会からの要請に適切に対応すること」と訳されるようになりました。たとえ企業行動に「法令違反」が認められなくても、社長・会長が辞任しなければならないほど「企業の信用が低下する事態」が生じてしまう時代です。そのような不祥事を予防・発見するために「コンダクト・リスク」を抽出して管理することが要請されます。東弁護士の整理を引用すると、①社会規範に悖る行為、②商慣習や市場慣習に反する行為、そして③顧客の視点の欠如した行為こそ、コンダクト・リスクが顕在化するおそれのある行為だそうです。検査データの改ざん、不適切な契約勧誘、不適切な個人データの取扱い等、最近の不祥事例を掲げながらコンダクト・リスクの顕在化事例が紹介されています。

当該コンダクト・リスクの管理手法等については、また東弁護士の上記ご論稿をご参照いただくとして(とてもわかりやすく解説されています)、私が上記ご論稿のなかで関心を持ちましたのは同氏によるデータ分析の結果です。多くの上場企業のHP等で開示されている「企業行動規範」「倫理指針」等を分析し、最近大きな企業不祥事を発生させてしまった会社(たとえば商工中金、日本郵政グループ、リクルートグループ、神戸製鋼所、東芝、野村グループ等)に共通する「企業行動規範の特徴」を示しておられます。他の(不祥事が発生していない)企業では「行動規範」等に「当然のこと」として書かれているものが、4~5項目ほど、これらの企業には共通して書かれていない・・・ということが判明しています(なるほど・・・)。

どのような項目が不足しているのか、という点は上記ビジネス・ロー・ジャーナル12月号をお読みいただければ「添付図表」からわかります。ただ、私の感想としては、近時大きな不祥事を発生させた企業においても、開示されている行動規範の中では「足りない」とされる項目についても、実は社内的には規範化されているものも多いのではないかと推測します。ただ、これを開示していない・・・ということは、行動規範の遵守を対外的に誓約していないことに等しいわけで、担当者任せで行動規範を策定したことも推認されます。つまり、開示しない姿勢自体が組織風土の問題にも通じているのではないかと考えます。「コンダクト・リスク」なるものが、このような姿勢に如実に現れるのではないでしょうか。

そういえば昨日(10月29日)の日経WEBニュースでは、九州電力が、社員や役員が守るべき企業倫理などをまとめた「コンプライアンス行動指針」をホームページで公表した、と報じられていました。九電の広報部門は「これまで社内文書として取り扱い『非公開』にしてきたが、関西電力幹部の金品受領問題を受けて、九電の姿勢をアピールするため公表に踏み切った」と説明しています。九電のコンプライアンス行動指針は2002年に策定されたそうですが、これまでは社内文書化しているだけでした。関電の問題発覚後、九電は(同様の事実がないか)社内調査を行ったうえで、行動指針の開示に踏み切ったそうです。

企業行動規範や倫理指針を対外的に公表する、ということは経営者の明確なコミットメントがなければ実現しないわけで、この「行動規範の開示」こそ、現場社員の不正防止だけでなく、いわゆる「二次不祥事」の予防にも良い影響を及ぼすものではないかと思います(私が「なぜ行動規範の開示が良い影響を及ぼすと考えるのか」という点については、また別途エントリーで述べたいと思います)。もちろん、宣言する以上は、規範に沿った行動が社内外から期待されるわけですから、力を持った法務部門や内部監査部門が必要になるでしょうね(うーん、そこが一番の課題かも・・・)。 

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2019年4月18日 (木)

日産前会長の追放画策-日経と文春のストーリーで気になる「時期のズレ」

本日(4月17日)リリースされた日経ビジネスの有料版スクープ記事「ゴーン氏宛てメール入手 政府、日産・ルノー統合阻止へ暗躍か-仏政府向けの『覚書』の存在も明らかに」は興味深いものでした。ゴーン氏のルノーCEO続投(向こう4年間)が昨年2月に発表され、3月にはルノーと日産の研究開発、生産技術、物流・購買、人事での連携を発表。さらに4月からは三菱自動車もこれに加わる、といった状況のなかで、経産省と日産との(統合阻止に向けた)やりとりが関係者のメールから判明した、というもの。もちろん取材源は秘匿されるべきですが、いったい誰が資料を(この時期に)日経さんに持ち込んだのでしょうね。

ただ、この日経ビジネスのスクープ記事を、昨年12月の週刊文春の記事(日産社員からの取材とされる)と比べてみると、登場人物はピッタリ一致するものの、前会長の不正調査や追放の画策を練っていたとされる時期が微妙にズレていることに気が付きます。日経のスクープ記事では昨年3月~5月の時期には、現CEO含め、関係者と前会長との信頼関係は厚く、不正調査や追放画策は昨年6月以降に行われたものとされています。しかし文春の記事では、すでに3月の時点で関係者が集まって前会長追放の画策は始まり、5月の時点では(司法取引を活用することも含めて)追放のストーリーは出来上がっています。この時期のズレは前会長逮捕劇のストーリーを考えるにあたっては大きな差です。さて、日経と文春ではどちらが真実なのでしょうか。経産省がやけにヒートアップしているところを(日産の)キーマンの方が冷静に対処されようとしている雰囲気が読み取れますが、このあたり、未だ理解に苦しむところです。

このような記事が出ますと、またまた「国策捜査」といった憶測も出てきそうですが、メールでキーマンの方がおっしゃるように「あくまでも民間企業内で処理すべき問題」として(日産側は)対応されたのではないかと推測します。ただ、そこに「日本版司法取引制度」という、これまで検察も使ったことがない武器が活用されたわけです(ここは前会長の弁護人の方々も狙いドコロだと思います)。立件されている事実のどこまでを司法取引がカバーしているのかは不明ですが、(金商法違反で起訴されている)法人としての日産と司法取引当事者とが画策していた、といった事実が出てくることは(追放を画策する側からすると)かなりマズイわけでして、前会長逮捕に至るまでの半年間の真相というものは、なかなか表面化することはないだろうな・・・と予想しております。

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2017年11月30日 (木)

品質検査データ偽装に気づいた企業は素直に公表できるだろうか

(最近はこの話題が多くて恐縮です)経団連の会長さんが会員企業1300社に対して品質検査データに問題がないか、調査を要請することを決めたと報じられています(モノ作り企業を対象に・・・ということかと思いますが)。日本企業の国際的信用を毀損しないための要請だと思いますが、もし会員企業において検査データに問題が認められた場合には、果たして事実を公表できるのでしょうか?

これまで品質データの偽装を公表した神戸製鋼所、三菱マテ・グループ、東レ・グループでは、いずれも自ら不正を発見して、すでに取引先に申告済です。しかし、これから調査をして不正を発見した会社は、おそらく取引先にも不正を隠ぺいしたままの状態です。その状況で公表するとなりますと、顧客、取引先の混乱は相当なものになります。いままで公表した企業以上に「なぜ隠ぺいしていたのか」「なぜ不正に気付かなかったのか」と世間から大きな批判を浴びることは必至です。

また、これまで公表した企業の場合、取引先や顧客からの問い合わせが増えたことで「やむなく」公表に至ったわけですが、取引先に説明もしていない企業の場合は、内部告発でもないかぎりはバレる可能性は薄いはずです。だとすれば、やっぱり公表せずに隠し通すことに賭ける(墓場まで持っていく)ことを選択するのではないでしょうか?

「品質検査には誤差はつきもの。トクサイが認められている以上、品質検査官には裁量が与えられているのだから、これは誤差の範囲内での修正と判断したんだろうね。だから公表するほどでもないだろう」

経営者が隠すことを正当化するバイアスは十分に働くと予想します。

たしかに「隠し通すことに賭ける」ことでバレずに済む会社もあると思います。ただ、私の経験上、そのような会社には「負のストーリー」が脈々と受け継がれて、悪しき組織風土が根付くものと思います。何かあっても、社員は「この会社は不正は隠すことを容認している」として、現場の不正がトップに届かない風潮が増幅されます。内部通報制度も機能しないはずです。

そこでひとつの提案ですが、今回の品質検査データの調査にあたっては、公認不正検査士(CFE)資格者に「社内調査が公正に行われているか、その情報が経営トップに正確に伝わっているか」といった点についてチェックを委託して、CFEのお墨付きをもらうことを検討されてはいかがでしょうか。現在、日本には公認不正検査士が2000名以上います。弁護士、会計士等の資格保有者も多数存在します。社内調査の公正性担保、ということだけであれば費用対効果、という面においても適切ではないかと(こういったときにこそ、CFEが活躍すべきではないかと思います)。

そこまではむずかしい、ということであれば、せめて公正なプロセスチェックが期待できる監査役等による監視・立会は不可欠ではないでしょうか。ぜひとも、不正を隠すような事態、告発によって後日発覚してしまうような事態をなくすためにも、適切な不正調査の在り方についてご検討いただきたいと思います。

 

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2017年1月23日 (月)

変わる企業不祥事対応-第三者委員会設置企業が減少傾向

先週、「企業不祥事対応のトレンド・・・」といった講演についてご紹介しましたが、顕著なトレンドのひとつに不祥事調査の傾向が従来と変わってきたことが挙げられます。10年ほど前、加ト吉さんの架空循環取引に第三者委員会が設置されたあたりから、企業不祥事を発生させた企業がリスク管理(もしくはステイクホルダーへの説明責任の履行)として第三者委員会を設置するケースが増えました。

とりわけ2010年に日弁連が東証さんや金融庁さんの要望に応える形で「企業不祥事発生時における第三者委員会ガイドライン」を策定したことをきっかけとして、会計不祥事が発覚した企業では日弁連ガイドラインに準拠した第三者委員会を設置して、発生事実、その原因究明、そして再発防止策を公表するというパターンが急増しました。しかし第三者委員会の信用性はかなり高まった一方で、その信用性を悪用するような弊害も出てきました。みなさまご承知のように日弁連ガイドラインに準拠している、とリリースしながらも、その実質は経営者の責任回避のための「隠れ蓑」に使われているケース、いわゆる「なんちゃって第三者委員会問題」への懸念が強まり、民間団体による第三者委員会の格付け機関も動き出すようになりました。

ところで、この第三者委員会制度ですが、最近の傾向が少し変わってきているようです。これまで、会計不正事件を中心に、企業不祥事が発覚するケースにおいては第三者委員会を設置することが多かったのですが、最近になってどうも第三者委員会に代わって社内調査委員会が設置されるケースが増えているようです。これは私が直接調査したのではなく、上記の格付け機関の事務局を務める東京の法律事務所さんが調査した結果でありますが、2015年1年間に不祥事調査を公表した45件のうち、第三者委員会を設置した企業が25件、社内調査委員会を設置した企業が20件でした。しかし2016年は合計41件のうち、第三者委員会は16件、社内調査委員会は25件と、大きく逆転現象が起きています。

つまり企業不祥事が発生した際に、第三者委員会を設置する企業が減少傾向にあります。その理由として私が考えますのは、ひとつは東証の企業不祥事対応のプリンシプル(2015年3月公表)の影響が挙げられるのではないかと。不祥事発覚時において、できれば第三者委員会の設置が望ましいとされていますが、状況によっては社内調査委員会の設置でも目的を達成することができるケースもあるといったことが浸透しました。たとえば会計不正事件の第三者委員会の設置は数千万から一億円以上の費用が必要とされますので、企業にとっても「社内調査で済むか否か」は重大課題です。そのあたり「プリンシプル」(原則主義)の解釈には幅があるとみて、社内調査委員会を設置する企業の数が増えているように思えます。

また次の理由としては社外役員の急増による影響が考えられます。社外取締役や社外監査役さんが委員になって不正調査を進めることで、対外的には第三者と同等の公正性、独立性を委員会が確保できるのではないか、といった考え方が企業において浸透しているように思います(ただし、私自身としては社外役員が委員に就任することで、第三者委員会と同等の公正性が確保されるかというと、やや懐疑的です・・・もちろん個別案件にもよりますが)。

そして最後の理由として、社会的に「なんちゃって第三者委員会問題」がかなり浸透してきたことではないかと思います。このブログでも過去に何度か取り上げましたが、最近は会計監査人(監査法人)が、事実解明が緩い委員会報告書にはノーを突きつけることが増えています。また、社会的に話題となった委員会報告書に対しては、第三者委員会格付け機関が厳しい目でチェックして、そのこと自体が話題になりましたし、さらに「委員を選定するに至った過程まで説明せよ」といった社会的風潮も高まってきています。このように経営者が従来のように「不正追及に対する隠れ蓑」として第三者委員会を活用する傾向に歯止めがかかりだした、ということの顕れではないかと推測しています。

第三者委員会ブームが、弁護士の新たなビジネス領域を作出する一方で、せっかくの信用性に世間の疑惑の目が向けられることにもつながりました。上記のような第三者委員会報告書の減少傾向は、これに歯止めをかけるものとして、私は好意的に受け止めています。なによりも、このように厳しい目が向けられる中で、第三者委員会報告書の信用性が(厳しいチェックによって)再び高まることが期待されますし、また企業側においても、経営者自身が社内調査と第三者調査の比較基準を意識し、調査の公正性、独立性をどのように担保するのか自らの責任で判断することにつながるものと思われます。このあたりは不祥事が発覚した企業に対する東証さんや金融庁さんの指導内容にもよりますし、もう1年ほど傾向をみたほうが良いかもしれませんが、今後も不祥事調査の品質は、社内調査であれ、第三者委員会調査であれ、よりレベルが高まることに期待したいと思います。

 

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2016年11月 7日 (月)

企業不祥事対応のトレンド-企業の自浄能力がますます要求される時代

フォルクスワーゲンの排ガス不正事件は、いよいよドイツ検察がワーゲン社の最高意思決定機関のトップにも及ぶという展開になりました。株価は事件発覚前よりも4割下落し、多くの訴訟が提起されていますが、それでも予想外に(?)販売実績は低迷していないようです(たとえばこちらのニュース等)。企業不祥事がどれほど企業の社会的信用を毀損し、企業価値を低下させるかは、なかなか予想できないのが現実です。

不祥事が企業の社会的信用をどれだけ毀損するか・・・ということは、竹を割ったように「Aが原因でBという不正が発生した」といった単純な事実に対する評価で決まるわけではありません。不祥事の発生は人的・組織的な複合的要因によるところが大きい(言いかえれば「運」に左右されるところも大きい)ことについてはほぼ社会的な合意が得られていると思います。そして、その社会的信用毀損の大きさは、やはり社会情勢を含めた様々な事情によって変動するところが大きいと言えます。

したがいまして、ときどき企業を取り巻く社会情勢(社会環境)に目を向けることも大切です。不正リスクという視点で捉えた最近の話題としては、消費者裁判手続き特例法が施行されたこと、改正刑事訴訟法が成立して合意制度(いわゆる司法取引)も2年後から施行されること等でしょうか。また、TPP関連法案が国会で承認されますと、今度は独禁法改正による確約手続が導入されますし、アメリカ大統領選挙の行方によって空白となっている連邦最高裁判事のポストが埋まりますと、FCPA等の域外適用(米国司法省の動向)にも注目が集まります。

このような法令改正で留意すべき点としては、いずれも実体法的な改正ではなく、手続法的な改正ということです。法改正等によって、企業に新たな行為規範が設定されるわけではなく、手続きの運用に変更が加えられるわけですが、そこにソフトローとしての行政のガイドラインや解釈指針等が影響を及ぼすことが予想されます。

いずれの場面でも、企業が平時においては自主ルールを運営し、不幸にも有事に至った場合には自浄能力を発揮しなければ、企業不祥事によって重大リスクが顕在化します。企業の信用損害をもたらした末に、役員には取引先もしくは同業他社からの損害賠償請求リスク、株主からの代表訴訟リスクが顕在化するものばかりです。このような傾向は、規制緩和が進み、行政規制がハードローからソフトロー中心に移行する時代となればなるほど、顕著なものとなるはずです(行政官僚は、規制権限行使の主導権を握りつつも、自らの責任を巧妙に回避するシステムとして、いよいよ本格的にソフトローを活用する時代になったと思います。一見「とても腰の低い人たちだなあ」と思えますが、深謀を垣間見るととても賢い人たちだなぁと感心します)。

このような時代において、企業が重大な不正リスクをどのように低減すべきか、という点については私なりに考えているところがあり、一言でいえば「事業戦略を進めるうえで、組織運営のホンネとタテマエのバランスをどのように調整していくべきか・・・」に尽きるものと考えています。内部通報や内部告発といったかなり狭いフィルターを通した知見に基づくものではありますが、「働き方改革」といっても、それほど日本企業の労使慣行、雇用慣行は揺らがないように感じていますので、おそらく私の見立ては正しいのではないかと。また詳しくはブログや講演等で少しずつ解説をしていきたいと思います。

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