2024年7月26日 (金)

小林製薬「事実検証委員会」調査報告書の感想(その3-さすがに「会見」は必要では?)

7月24日の朝日新聞朝刊(経済面)にて、日本ガバナンス研究学会で理事職をご一緒している遠藤元一弁護士が、事実検証委員会報告書を読んだうえでたいへん鋭いご意見を述べておられます。ここで遠藤先生のご意見をご紹介いたしませんが、(小林製薬の企業価値回復を目指すのであれば)さすがに委員会の調査報告書の開示と取締役会総括の開示だけでは済まない状況のように思います。

おそらく様々な立場の関係者の方々やリーガルアドバイザーの意見なども踏まえて「記者会見はしない」と判断されたのだと思いますが、世間はすでに①3月以降、なぜ6月まで関連死亡者数の変更を公表しなかったのか(厚労省と協議しなかったのか)、それは誰の判断だったのか、といった問題を知っていますし、また②辞任する会長さんがなぜ社内規範以上の顧問料を受けとることができるのか、といった疑問も(報道によって)抱いております。さらには③創業家会長・社長さんのリーダーとしての資質に問題があるとのことで交代するのであれば、新社長さんにはその資質があるのか(ひょっとして院政を敷くからではないか)、といった素朴な疑問も生じます。

これらの疑問は、消費者が普通に抱くものと思いますので、これからの小林製薬が被害者の皆様と真摯に向き合い、厚労省や消費者庁と協働して原因究明にあたり、さらには再発防止に向けた工程をステークホルダーに示すためにも、記者会見を開催のうえで指名委員会・報酬委員会の委員長(いずれも社外取締役)と新社長さんは上記①から③を説明し、質疑に応じる必要があるのではないでしょうか(ひょっとして、すでに準備をされているのかもしれませんが)。

このままメディアに「報じられっぱなし」の状況では、誠意をもって事業を立て直していたとしても、なかなか同社の社会的信用を回復することは困難だと思います。部分入れ歯洗浄剤「パーシャルデント」をはじめ、長年の小林製薬製品の愛用者のひとりとして、同社は「あったらいいな」ではなく「なくてはこまる」会社と理解しておりますので、ぜひこの正念場を(泥臭くても堂々と)乗り切っていただきたい。

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2024年7月25日 (木)

小林製薬「事実検証委員会」調査報告書の感想(その2-外部専門家の活用について)

新幹線開業以来初の「重大インシデント」となった「2017年12月11日新幹線のぞみ34号台車亀裂事件」では、故障を感じたJR東海が毅然と名古屋駅で運行を停止して乗客を降ろしたのに対し、故障を疑いつつも車掌と指令室とのコミュニケーションが悪く、そのまま走らせてしまったJR西日本との比較が話題になりました。私はJR西日本の当時の対応を揶揄するつもりは全くなく、「自分が有事ではなく平時にいると思いたい」という正常性バイアス、確証バイアスは誰にもあると思っています。

このたびの小林製薬の事実検証委員会調査報告書を読み、この紅麹原料問題においても、客観的にみれば1月15日以降(2月上旬以降?)小林製薬は「有事」にあったはずですが、社内関係者は有事だとは認めたくないし、経営トップに有事だと伝えたくなかったものと推測いたします。冷静に本報告書を読むと、世間では「なぜ2か月も行政報告や世間への公表が遅延したのか?」との批判が出てますが、同社は2月中旬以降、複数の外部の専門家に行政報告の要否、公表の要否について相談をしていたことがわかります。そして外部専門家からは「いますぐに行政に報告をする義務はないし、公表する義務もない(ただし報告するほうが望ましいかも)」との意見をもらっていました。したがって、正常性バイアスや確証バイアスにとりつかれていた社内関係者は「すぐに報告する必要はない、とのお墨付きをもらった!!」と解釈して、2か月が経過したというのが正しい理解かと。

ただ、私もよく相談を受ける立場なので申し上げるのですが、こういった相談の際に注意すべきは「法的義務なし」との意見がほしくて、依頼者は(社長の顔がちらつくのか?)そちらの方向の返事が返ってくるように上手に事実を説明する(けっして虚偽説明ではない)傾向があるということです(上記「のぞみ34号事件」における車掌と指令室とのコミュニケーションもまったく同じ問題です。詳しくは2019年のこちらのエントリーをご参照ください)。このあたりは説明を受ける側も「依頼者にとって不利益な事実はないか」きちんと留意しながら聞き取りを行う必要があります。皆様が外部の専門家に危機対応について相談をされる場合にも、御社にとって有益な回答を得るためにはできるだけ不利益と思われる事実も包み隠さず説明するという姿勢は必要かと思います。

また、小林製薬の本件事案では存在しないと思いますが、「それだったら直ちに行政に報告すべき。また取引先も含めて、被害拡大のおそれがある以上は即刻公表すべき」と述べた外部専門家については追加相談を見合わせる(相談しなかったことにする)ということも十分起こり得ます。私も別事件において、後で重大な企業不祥事として公表せざるを得なくなった事件の初期対応の時点で「自浄能力を発揮すべきだからすぐに公表すべし」との意見を述べましたが、実はこれは「セカンドオピニオン」として扱われ、社長や社外取締役からの反対を受けて不採用となったことが何度かございました。

なお、世間では小林製薬の創業家経営者の問題が報じられていますが、報告書を読むと、2月20日ころ、詳細な報告を受けた創業家会長が「広告は打つな」と命じていることがわかります。しかし現場責任者は「因果関係が明確になったら広告は中止せよ」との意味だろうと理解して、そのまま広告を継続していたそうです。そもそも因果関係が明確になれば広告を停止するのはあたりまえのことだと思いますし、(事後的には会長の承諾を得たものの)ここでは関連性が疑われる以上は広告は停止するという意味だったのでは、と思いますが、ここでも正常性バイアス、確証バイアスに由来するコミュニケーション不全が起きていたのではないかと。

いずれにしても、世間の雰囲気は「機能性表示食品は悪くない、このたびの被害発生は小林製薬のガバナンスと管理体制に問題があったがゆえに発生したのだ、だから小林製薬が厳しく社会的な制裁を受け、被害者と誠実に向き合うことで問題は解決する」といった方向に向かっているように思いますし、またこれに迎合するような報道が目立ちます(私には社会全体が「正常性バイアス」にとりつかれているように思えます)。ただ、上記報告書を読むと、そのような「世間からみれば不都合な真実」もたくさん詰まっているような印象を持ちましたし、この時点でオアシスが5%以上の小林製薬株式を取得したことも、このアービトラージを賢く狙ったものと推測しています(まだ続きます)。

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2024年7月23日 (火)

小林製薬、23日に事実検証委員会の報告書公表か

本日は本業が少し忙しいので短めのコメントです。すでに日経ニュースや読売ニュース等で小林製薬の会長・社長が紅麴問題の責任をとって辞任(社長は取締役として補償等に従事)の意向、正式決定は23日の臨時取締役会で、との報道がなされていますが、私的に気になったのが「23日に事実検証委員会が報告書を公表する」と報じる日経記事の内容です。こちらも取締役会で正式に報告されるのでしょうね。

報告書の作成は、会社と利害関係のない外部弁護士によって構成された委員会によるものですが、会社が1月15日ころに死亡事故に関する情報を入手してから公表に至るまでの2カ月間に何が起きていたのか、という点が明らかにされるようです(関係者の経営責任も諮問事項?)。ただ、6月下旬まで関連の疑いのある死亡者数が明らかにされなかった経緯については調査対象外かと思われます。ちなみに私がもっとも気になっているのは「なぜ消費者庁や厚労省への報告が遅れたのか」という点です(すでに7月4日のエントリー「警鐘-企業不祥事に対する行政の対応を見くびってはいけない(と思う)」でも述べたところですが)。そこは委員会への諮問事項になっているかどうか不明ですが、ぜひとも事実調査委員会の報告書で明らかにしていただきたいと思っております。

また、「社外取締役への報告が遅れたことについて問題あり」との指摘がなされているようにも報じられていますが、もし指摘がなされているのであれば、かなり実務への影響は大きいですね。これまで大きな企業不祥事が起きるたびに、社外取締役には公表直前に事実が知らされることが多かったように思います(だからこそ責任が問われなかった)。しかし、不祥事ではなく「不祥事の疑い」が生じた時点で社外役員にも情報提供すべき、との判断が示されると、他社における今後の「守りのガバナンス」への問題提起となりそうです。ぜひ、23日中には拝読したい。

しかし日経とか読売とか、「会長、社長辞任」といった情報をどこから事前に入手するのでしょうかね?憶測では書けない情報なので、よほど経営の中枢とのコンタクトが出来ているのでしょう。昨年10月29日、小林製薬の会長さんがテレビ初出演ということで「関西リーダー列伝」を拝見し、若い時に小林製薬のビジネスモデルの大転換を(多くの役員の反対を押し切って)進めて成功したお話を興味深く拝聴しました。1年足らずでまさかこのような事態になるとは、誰も想像できなかったはずです。

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2024年7月19日 (金)

会計不正事件はますます発覚する(コロナ禍のツケがいよいよ出てくる)

7月16日の日経ニュース「企業の会計不正が3年連続増、過去最多に迫る 24年3月期」では、日本公認会計士協会の調べとして、2024年3月期に会計不正を公表した企業が前の期比9社増の45社に上ったことが判明したそうです。公表企業は3年連続で増え、過去最多だった20年3月期(47社)に迫る、とのこと。架空仕入れや在庫の過大計上などの粉飾事案が多かったようです。

コロナ禍で監査が機能しなくなった2020年以来、すでに多くのエントリーでコメントしてきましたが(たとえば2021年のこちらのエントリー)、会計不正事案の発覚が急増するのは当然であり、おそらく2025年から26年ころにかけてコロナ禍に始まった会計不正事案の発覚はピークを迎える(発覚して5年遡って過年度決算を訂正する)ものと推測しています(いや、確信かもしれません)。そんなに人間は強くないわけでして、あれだけ多くの企業でリモート監査やリモート協議などが行われた以上、役員や現場責任者が「これさいわい」と粉飾に手を染める(また、粉飾を知りつつ黙認する)のはしかたがないと思います(これは「性悪説」ではなく「性弱説」に立脚した考え方です)。

当時の日本企業は「どうしても6月に定時株主総会を開催したい(延期はしたくない)」という意向が強かったため、監査意見を述べないといけない資料が監査役員に回ってきた当日に(とりあえず)意見を出す、という異常事態となりました。会計不正が横行してもやむを得ないですよね。

ただ、記事にあるように国税の税務調査が正常化したことや、会計監査人に内部告発が増えたこと、フォレンジックス調査の精度が上がってきたことなど、モニタリング機能も正常化するなかで、会計不正は発覚しやすい環境が整ってきました。先日、こちらのエントリーでご紹介したようなアクティビストによる会計不正疑惑の追及やこちらのエントリーのように会社と意見が食い違うことも厭わない会計監査人の姿勢なども「会計不正発覚」急増の要因になろうかと思います。

なお会計不正の発覚について忘れてはならないのが「粉飾事案」だけでなく「横領事案」も増えるということです。2020年から21年当時、当事務所にご相談のあった案件については、粉飾よりもむしろ横領(会社資金の不適切使用)事案のほうが多かった。粉飾は財務報告内部統制がしっかりしていた企業に多かったのですが、横領は内部統制が破綻している企業に多かった記憶があります。前者は不正を認識していた社員が多いのですが、後者はブラックボックス化しているなかでの不正となり、内部告発でも表面化しにくい。今後は次第に横領事案の会計不正が発覚するケースが増えるものと予想しています。

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2024年7月 4日 (木)

警鐘-企業不祥事に対する行政の対応を見くびってはいけない(と思う)

新幹線開業以来初めての「重大インシデント」だった台車亀裂事件の際、調査委員会委員を務めた川崎重工業社ですが、架空取引で「裏金」をねん出して自衛隊員に金品や飲食代を提供していた疑惑が浮上しています(たとえばMBSニュースはこちら)。同社は特別調査委員会を設置したそうですが、防衛省側の調査との整合性は大丈夫なのでしょうかね?いろいろと気を遣うことが多そうで難しい調査委員会ではないかと。それにしても、6月総会で新しく社外取締役(監査等委員)に就任された金融庁ご出身のご高名な方(会計不正事件などを厳しく取り締まる立場におられましたよね。私もご著書で勉強させていただきました)は「架空取引って?なにそれ!?聞いてないよ!」とお悩みかもしれません。以下本題です。

本日は、企業不祥事対応に従事する者としての雑駁な感想です(あくまでも個人的な感想です)。小林製薬の厚労省への対応などをみていて、製品事故が発生した際の行政対応について、コミュニケーション不足が大きな不祥事を招いた(大きな不祥事に発展させてしまった?)ように思えてなりません。最初になぜ消費者庁や厚労省、自治体と適宜適切にコミュニケーションがとれなかったのか、また最近まで(公表すべき)死亡者数や入院患者数に関する算定方法について厚労省と協議の場をもてなかったのか、いろいろと疑問が湧いてきます。ただ、小林製薬を批判することは簡単ですが、これは他山の石として御社でも教訓とすべきではないでしょうか。

ご承知の方も多いと思いますが、厚労省マターの問題に限っても「こども家庭庁」や「デジタル庁」、そして骨太方針を推進する内閣官房に優秀な官僚がたくさん派遣されていて、行政目的を達成するための企業規制に物的・人的資源を投下する余裕はありません(これは金融庁なども同様かと)。このような状況の中で、企業規制の目的を、いかに効率的に達成するか・・・というところが、企業と向き合う優秀な官僚の腕の見せ所であります。

本日(7月3日)の読売新聞一面トップで報じられた独禁法違反企業への確約プロセスを改定する(弁護士らで構成された第三者機関によって5年間の監視・検証を行う)とか、労働者や取引先、会計監査人によって内部告発を行う仕組みを整備して不正をあぶり出すとか、昨年のビッグモーター、損保ジャパン事案のように民間の第三者委員会の調査結果をみてピンポイントで立入調査に入る、といった(民間活力を利用した)効率性重視による企業規制の手法がとても目立ちます。カルテル防止という規制目的で活用されるリニエンシーなど、企業と行政とのウイン=ウインの関係を活用した施策として一番わかりやすいですよね。

したがって、わが国全体の福祉国家政策が肥大化するいっぽうで企業規制はできるだけ効率化したいという政府(行政)の方針を企業もよく理解しておく必要があります。とくに昨年3月から始まった「PBR1倍割れ解消要請」に始まる一連のアクションプログラム(機関投資家、アクティビスト、同業他社を活用して市場の活性化という行政目的を達成する)が「株価爆上がり」で大成功と評価されていますので、この傾向はますます強まるはずです。つまり不祥事に直面した企業としては、行政との信頼関係次第で「企業不祥事による社会的な信用の毀損度(レピュテーションリスクの顕在化)」が変わるといっても過言ではないと思います。わざわざ行政や司法が「正式な権力」によって制裁を科さなくても、民間の力を利用して事実上の制裁や「自然淘汰」を招来させることで、規制当局が、その目的を達成する仕組みを機能させることができるからです。

これからも企業規制、とりわけコンプライアンス経営の実現に向けた行政の施策については、かならず(できるだけ税金を使わず)民間の力を借りて達成することを考えるはずです(これを首尾よく達成できた官僚が出世することになるはず)。トヨタグループやMUFGの不適切行為で明らかなとおり、不祥事はどんなに頑張ってみても起こしてしまうわけですから、(言葉は悪いですが)起きた時に、どれだけ行政とのウイン=ウインの関係で「おめごぼし」してもらえるかという点がコンプライアンス担当者の腕の見せ所、ということになります(もちろん被害者救済については行政と協働して徹底しなければなりません)。

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2024年6月20日 (木)

企業不祥事の再発防止策は二極化する可能性が高い(と思う)

若い頃は少年事件も家事事件もたくさん担当していましたが、「虎に翼」を視聴していて「家庭裁判所の5つの性格」というのを(恥ずかしながら)初めて知りました。我々は先達が失敗を繰り返して築いてきた知的資産を「当然の道具」として仕事に活用していることを思い知らされます(自分たちは将来の法曹に何を残せるのでしょうか)。

さて、6月15日の日経ニュースでは、不適切な情報共有により証券取引等監視委員会から処分勧告を受けた三菱UFJグループにおいて、不正な情報共有への対策として人工知能(AI)での通話記録の検査が検討されている、と報じられました。本日の朝日新聞ニュースでは、すでに関連証券会社の「主幹事はずし」が始まっており、「顧客本位の営業」とは言えない不祥事、しかもグループ経営のトップに近い方々にも問題行為があったとされる不祥事が業績に及ぼす影響はかなり大きいようです。

上記のとおり、三菱UFJグループとしては、「同じ過ちを二度と繰り返さない」として、徹底した不祥事予防措置を採用するようです。早期発見・早期是正では足りない、不正は事前に防止すべきとの思想による対策です。品質不正に関する調査委員会の活動でも感じるところですが、たしかに不正をしたくてもできない体制を構築している工場だったり、米国のIT大手が取引先のケースのように「不正の疑惑を当社が認めた場合には、当社の不正調査専門家の徹底した監査を容認する」との条項を巻いている製品分野の場合等は、本当に不正が起きる確率が低いですね。

ただ不祥事防止・事前予防主義による再発防止策は、その対応に人的・物的資源をたくさん必要とします。とくに、最近は「長寿商品」が少ないので、製品のモデルチェンジが速くなればなるほど、この事前予防策にもたくさんの資源を投入することになります。また、そうは言っても不正は完全に防止できないわけですから、現場で不正が発見された場合には「見てはいけないものを見てしまった」ということで当然のことながら本社には隠します。

一方「不正はどんなに頑張っても再び起きる」という前提で早期発見・早期是正による再発防止策を重視するケースでは、日ごろの事業活動へのストレスは少ないので費用は低額に抑えることが可能ではありますが、人に依存する措置がメインとなるので組織風土が変わらなければ再び同様の不祥事を繰り返し、さらなる信用毀損に陥ります。要は現場の情報がどれだけ早く正確に本部に届くか、というところが生命線となります。

昨今の企業不祥事発覚企業の再発防止策をみていて、「事前防止型」と「早期発見型」とは二極化しているような印象を受けます。トヨタ会長さんの会見で述べていたように「トヨタは完全な会社ではない」「ひとつひとつ問題をつぶしていくことが必要」というのは、典型的な早期発見型です。行政機関や金融機関のように、たとえタテマエであったとしても「組織の廉潔性」が社会的に求められる組織においては、やはり事前防止型を本旨とせざるを得ないのでしょう。もちろん上記三菱UFJグループのAI記録検査のように、「証拠保全機能」によって早期発見にも資するという面もあるので完全に分類できるものではありませんが、基本思想においては(将来的に)再発防止策は二極化するのではないかと考えています。

なお、私見としては、企業は国内外の同業他社と競争をすることが宿命である以上、儲けのためには「グレーゾーン」には突っ込まなければならないので、事前防止型には無理があると思います。もし事前防止型を採用できるだけの資金的余裕がある場合には、リスクアプローチの思想によって「疑惑」をあぶり出すところまでは事前防止型措置を活用しますが、誠意をもって企業不祥事を向きあう以上、不祥事はかならず起きると考え、起きた時に組織はどう動くのか、という「早期発見・早期是正型」による再発防止策を基本に置くことが最適ではないかと考えています。

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2023年12月30日 (土)

有事対応が話題となった企業不祥事2023一覧

(12月30日10:25 更新)

ようやく本日(30日)で仕事納めとなります。本年は前半が忙しく、後半は(就任を予定していた社外取締役になりそこねたこともあり(^^;))比較的時間に余裕ができましたので、結構熱心にブログを更新しました。個人的には世間で話題のいくつかの事件に(当事者として)関与でき、とても有意義な一年でした。まぁ、東洋建設の社外取締役にあと(議決権過半数に)0.4%届かず落選したのはとても残念でしたが。。。💦東洋建設さんについては最近までいろんな動きがありましたが、さすがに(落選したとはいえ)当事者であるがゆえにコメントは控えさせていただきました。でも、多くの教訓を含んだ一連のTOBでしたね。

Fushoji004 今年1年を振り返り、私自身が興味を持ちました企業不祥事ほか企業の有事対応事例を表にまとめてみました(もちろん「代表例」ということであります。図をクリックしていただくと、拡大版でご覧になれます)。日大、タカラヅカ、BM、旧ジャニーズ事務所問題等が今年の4大不祥事かと思いきや、最後になってダイハツ品質不正事件が加わったので、5大不祥事と言えそうです。世間を騒がせる不祥事が多かったことの影響で当ブログが何度も「ココログ人気ブログランキング」で5位以内となり、ご愛読者層も広がりました(本日は10位です。ありがとうございます!)。(追記)30日10:25→図表に示した企業の方より一部修正要請がございましたので図表およびタイトルを修正いたしました。

2024年1月4日9:45→一部事件内容に誤りがございましたので、関係事件の記載を訂正いたしました。

ちなみに5月に発覚したダイハツ品質不正事件ですが、なぜ12月になって火がついてしまったのかと申しますと、①「内部通報」ではなく「内部告発」で社内発覚したことが判明(つまり自浄能力が欠けていた)、②最初の(海外販売中心の)6車種だけでなく、ほぼ(国内販売を含む)全車種において認証不正が判明(予想以上の規模感)、③現場の社員よりも経営陣に責任がある(つまりガバナンス、内部統制、組織風土の問題)と指摘された、④以上の結果、外部第三者による安全性認証が必要となった、ということによるものですね。地域経済に及ぼす影響も無視できません。なお、①から③は第三者委員会報告書によって明らかになりました。報告書には様々な批判もありますが、やはり第三者委員会の存在意義を改めて感じるところです。

上記図表は(今年の当ブログエントリーを参考にして)私が作成したものであり、下書きを含めてChatGPT等の生成AIは一切使用しておりません。よって著作権フリーとさせていただきますので、よろしければご自由にご活用ください。また、漏れている重要案件、記載の誤り等ございましたらご指摘いただけますと幸いです。上図は企業不祥事を切り口とした有事対応を取り上げていますが、M&Aを切り口とした有事対応を取り上げてもおもしろいと思いますよ(ご自身で作成してみると、いろいろと面白いことに気づくはずです)。

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2023年10月17日 (火)

日大アメフト薬物問題-二人目の逮捕者(相当にヤバいと思う)

(記載内容に誤りがありましたので、エントリーの一部を訂正させていただきました 10月18日11:45更新)

また偉大なシンガーソングライターがお亡くなりになりました。世間の方々は「アリス」とか「昴-すばる-」「いい日旅立ち」など、故人の偉大な功績を偲んでおられますが、私はなんといってもチンペイ(谷村さん)とバンバン(ばんばひろふみさん)のラジオ番組です。お二人の掛け合いトークは間違いなく、今の時代では放送できない内容でした(笑)。高校、大学の受験はこの深夜トークに救われました。ご冥福をお祈りいたします。

すでに報じられているとおり、日大アメフト部の部員が麻薬取締法違反罪で起訴された事件において、警視庁は別の4年生の男子部員(21)を、密売人から大麻を譲り受けたとして逮捕した、とのこと(たとえば朝日新聞ニュースはこちらです)。

学校法人なので「企業」とは言えませんが、(何度も申し上げているとおり)私的にはこの日大アメフト薬物事件が、「うっかり違法配当事案」と並んで今年最大の企業不祥事と考えています。超大物弁護士の方々が第三者委員会の委員に就任されていますが、果たして委員会報告書は公表されるのか否か(警視庁の捜査がまだまだ継続しているので、簡単には第三者委員会も事実を開示できないかもしれません)。

こちらのエントリーでも述べましたが、そもそも最初の記者会見ではいろいろと世の中に不信感を抱かせる説明が多すぎました。そして会見の2日後、日大は事件について「部員1名による薬物単純所持という個人犯罪」とする見解を示していました。私は部員の不祥事よりも、この会見と、その後の一連の経緯であらわになった日大のガバナンス不全にこそ「今年最大の不祥事」と評価しうる点があるように思います。文科省への報告期限が延長されましたが、本当に真実が明らかになるのでしょうか。とりわけ8月8日の会見当日までに何があったのか、ぜひ真相をお聞かせ願いたい。

以前も申し上げましたが、大学内における学生の薬物使用と闇バイトは「反社会的勢力との癒着」を疑わせる事案です。現時点では大学としては、重大な不正リスクなので、最優先で対処する必要があります。

それにしても、今年は不祥事そのものよりも、不祥事発覚時における組織の有事対応自体が「二次不祥事」として騒がれるケースが多いですね。この「二次不祥事」にこそ、当該企業の社会に対する誠実性が如実に出てくるのでありまして、そこは有能なPR会社をつけてもつけなくてもお化粧には限界がある思います(以前は「その場しのぎ」で対応できた時代もありましたが、世間がガバナンスや内部統制に関心を示す時代となりましたので、時間軸でたどればだいたいわかります)。

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2023年10月13日 (金)

専門家としての企業の危機管理対応の極意とは?

SMILE-UP社(旧ジャニーズ事務所)問題によってエンターテインメント業界におけるタレントの労働者性が話題になっていますが、10月から始まったNHK朝の連ドラ「ブギウギ」では、いよいよ第3週、第4週で少女歌劇団の労働争議(ストライキ)が描かれるようです。主人公のモデルとなった笠置シヅ子さんも委員長(水ノ江瀧子さん、「ターキーさん」ですね、なつかしい♪)とともに高野山に籠城してストライキに参加、そのため処分を受けたそうです。ドラマでは史実どおりかどうかはわかりませんが、今後の展開をとても楽しみにしております。

さて、昨年、三菱電機の品質不正事案のお仕事をご一緒した木目田裕弁護士のインタビュー記事を読みました(中央公論2023年11月号「不祥事対応のエキスパート弁護士が語る-危機管理の要諦」)。さすがにSMILE-UP社関連のお話については「守秘義務がありますので」ということでお話はされていませんが、木目田弁護士の語る危機管理の要諦は「なるほどなぁ」と思わず納得する内容です(最後のほうは、すこし西村あさひの広報のような内容ですが)。

私も場末ではありますが「企業の危機管理対応」を仕事にしている専門家として、そのとおり!と感じたのが「個別対応よりも総合的判断」でコトにあたる、という点です。企業の危機対応は被害者対応、監督官庁対応、司法対応、銀行対応、取引所対応、顧客・取引先対応、海外対応、メディア対応、株主対応等への総合力で「いかに顧客の信用を維持するか、ダメージを最小化するか」というところが「極意」だと考えます。

ところが上記対応は「あちらを立てればこちらが立たず」となりまして、何を最優先で守るべきかという点は、有事に置かれた個別企業の状況から判断せざるを得ないわけです(たとえばSMILE-UP社の件では、エンターテインメント業界であるがゆえに被害者対応、メディア対応、海外対応あたりが最優先かと)。本当にマニュアルが存在しない世界であり、バランス感覚が求められる。結果の善し悪しの責任はすべてかぶる覚悟が必要です。ただ、そこに「プロでないとできない仕事」の醍醐味があると感じております。様々な分野の専門家の方のご意見なども拝聴しながら、また会社の経営陣とコミュニケーションを図りながら進めるのが常道ですね。

ちょっと気になりましたのが「(危機管理対応では)メディア対応も重要になってきました(ね)」との質問者のフリに対して

(木目田弁護士)「当たり前のことですが、嘘はつかないことです。もちろん言えること、言えないことはありますが、問題があれば隠さないで公表し、対応する。これが重要だと思います」

(;^_^A・・・・・頑張ってください!!m(__)m。

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2023年9月29日 (金)

ジャニーズ事務所問題-若年女性の「ジャニーズ離れ」加速(元NHK解説委員寄稿)

9月28日の夕刊フジWEB版「若年女性の〝ジャニーズ離れ〟加速、視聴率から読み解く 頼みの綱のタレント人気、NHK【ザ少年倶楽部】が大幅減」を読みました。元NHK解説委員でメディアアナリストの鈴木祐司氏が分析したものだそうです。いやいや驚きました。「タレントに罪はない」というフレーズがよく聞こえてくるので、少なくとも現時点のジャニーズ・タレントが出演している番組の視聴率は(応援の意味を込めて)上がっているのかと思っておりましたが、現実には多くの番組で視聴率を下げているのですね。とくに若年女性への影響が大きいようです。ジャニーズのタレントは海外でもファンが多いので、今後は海外ファンの動向についても調査が行われるかもしれません。

こうなるとタレントのイメージ回復のためにはジャニーズ事務所、メディアともに早期の抜本的な改革が必要です。メディアにおいては、昨日のNHK会長会見、本日のテレビ東京の声明にあるように、①現時点での番組出演を継続するものの、今後は新たなジャニーズ事務所タレントは起用しない、②ジャニーズ事務所の調査委員会報告を受けての自社検証はするが、第三者委員会による調査はしない、という方向で「横並び」することが予想されます。一方、ジャニーズ事務所の改革については(中間報告的ではあるが)10月2日の会見待ち、ということでしょうか。スポンサー企業、メディアともに、この10月2日の「ジャニーズ事務所改革」の報告内容を今後検討する、ということになろうかと。

私個人の意見としましては、上記①は妥当な判断ではありますが、②については各テレビ局(とりわけ在京の民放キー局)に「有事意識」が乏しいと思います。つまり、このような視聴率分析が出て「これはたいへんだ」と思っておられるかもしれませんが、いま、抜本的な対応をしなければ将来的にはもっとテレビ局の経営に影響を及ぼす状況が到来すると考えるからです。といいますのも、すでに以前のエントリーで申し上げているとおり、テレビ各局は、今後海外の巨大通信事業者と共同制作が必要になる、つまりテレビ局の持続的成長のためには放送と通信の融合が不可欠だからです。今回のジャニーズ事務所問題で徹底的な検証をしておかなければ「人権侵害を許容する日本の放送局とは共同制作の事業はできない」との世界的な評価を受けるはずです(これはエライことやと思います)。おそらく海外の事業者によるスポンサー契約もとれないでしょう。

コンプライアンス経営はよく「守りの経営」と言われますが、とんでもない。上記のとおり「攻めの経営」に必須のマネジメントであります。だからこそ、コンプライアンス担当役員、CSR担当役員に任せておけばよい、というものではなく、まさに社外役員を含めた経営トップの「攻めの判断」としてコンプライアンス経営重視の姿勢が必要となります(いや、必要とされる時代になった、と言ったほうがいいかもしれません)。

また、各局は「故ジャニー喜多川氏による性加害の事実が最高裁で認定された2004年当時は、男性性被害による人権問題への認識が甘かった」という弁明を繰り返していますが、これではジャニーズ事務所が設置した調査委員会報告への回答にはなっていません。同報告は、故ジャニー喜多川氏が2004年以降も(2019年頃まで)性加害を繰り返していたと報告しています。したがって、問題を取り上げなかっただけでなく、そのような事実を認識しながらタレントを使い続けてきたこと(つまり2004年以降、2019年に至るまでジャニーズ事務所の収益に貢献してきたこと)が、喜多川氏の性加害継続を助長した、その結果、性被害を受けた被害者を拡大させた、と指摘しています。これに真摯にメディアが向き合うとすれば、なぜ性加害を認識しながら使い続けてきたのか、テレビ局と番組制作会社と再委託事業者との具体的なやりとりにジャニーズ事務所による圧力や忖度はなかったのか、という点の第三者による検証が不可欠だと考えます。これはテレビ局も(「加害者」とまでは申しませんが)「加害者と同視しうる存在」と調査委員会から評価された以上、テレビ局の責務ではないでしょうか。

「あまりにもジャニーズ事務所に忖度しなかった調査委員会」と評されるほど、8月の調査委員会報告書の内容は厳しいものでした。あの報告書をみて、テレビ局も「うちも第三者委員会を設置したら、あれほどのことを書かれるのか」と恐怖を感じたのかもしれません。しかし16年前の「あるある大事典」事件の際、関西テレビは純粋な第三者委員会を設置して厳しい事実認定を示され、さらに67分に及ぶ検証番組を制作して世間の批判にさらされました。有事意識があればテレビ局も(番組制作、編成の独立性を超えて)抜本的な対応はとれると思います。しかし本当の「有事」になってからでは遅すぎます。いまこそ、日本のテレビ局が世界の巨大通信事業者との協働に向けた基盤作りのために、さらには日本のエンターテインメントが海外進出する際の足かせを排除するために、毅然とした対応をとるべき時期ではないでしょうか。世界に向けて「人権方針」を掲げているのであれば、その看板に嘘はないことを行動で示さなければならないと考えます。

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