2023年10月17日 (火)

日大アメフト薬物問題-二人目の逮捕者(相当にヤバいと思う)

(記載内容に誤りがありましたので、エントリーの一部を訂正させていただきました 10月18日11:45更新)

また偉大なシンガーソングライターがお亡くなりになりました。世間の方々は「アリス」とか「昴-すばる-」「いい日旅立ち」など、故人の偉大な功績を偲んでおられますが、私はなんといってもチンペイ(谷村さん)とバンバン(ばんばひろふみさん)のラジオ番組です。お二人の掛け合いトークは間違いなく、今の時代では放送できない内容でした(笑)。高校、大学の受験はこの深夜トークに救われました。ご冥福をお祈りいたします。

すでに報じられているとおり、日大アメフト部の部員が麻薬取締法違反罪で起訴された事件において、警視庁は別の4年生の男子部員(21)を、密売人から大麻を譲り受けたとして逮捕した、とのこと(たとえば朝日新聞ニュースはこちらです)。

学校法人なので「企業」とは言えませんが、(何度も申し上げているとおり)私的にはこの日大アメフト薬物事件が、「うっかり違法配当事案」と並んで今年最大の企業不祥事と考えています。超大物弁護士の方々が第三者委員会の委員に就任されていますが、果たして委員会報告書は公表されるのか否か(警視庁の捜査がまだまだ継続しているので、簡単には第三者委員会も事実を開示できないかもしれません)。

こちらのエントリーでも述べましたが、そもそも最初の記者会見ではいろいろと世の中に不信感を抱かせる説明が多すぎました。そして会見の2日後、日大は事件について「部員1名による薬物単純所持という個人犯罪」とする見解を示していました。私は部員の不祥事よりも、この会見と、その後の一連の経緯であらわになった日大のガバナンス不全にこそ「今年最大の不祥事」と評価しうる点があるように思います。文科省への報告期限が延長されましたが、本当に真実が明らかになるのでしょうか。とりわけ8月8日の会見当日までに何があったのか、ぜひ真相をお聞かせ願いたい。

以前も申し上げましたが、大学内における学生の薬物使用と闇バイトは「反社会的勢力との癒着」を疑わせる事案です。現時点では大学としては、重大な不正リスクなので、最優先で対処する必要があります。

それにしても、今年は不祥事そのものよりも、不祥事発覚時における組織の有事対応自体が「二次不祥事」として騒がれるケースが多いですね。この「二次不祥事」にこそ、当該企業の社会に対する誠実性が如実に出てくるのでありまして、そこは有能なPR会社をつけてもつけなくてもお化粧には限界がある思います(以前は「その場しのぎ」で対応できた時代もありましたが、世間がガバナンスや内部統制に関心を示す時代となりましたので、時間軸でたどればだいたいわかります)。

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2023年10月13日 (金)

専門家としての企業の危機管理対応の極意とは?

SMILE-UP社(旧ジャニーズ事務所)問題によってエンターテインメント業界におけるタレントの労働者性が話題になっていますが、10月から始まったNHK朝の連ドラ「ブギウギ」では、いよいよ第3週、第4週で少女歌劇団の労働争議(ストライキ)が描かれるようです。主人公のモデルとなった笠置シヅ子さんも委員長(水ノ江瀧子さん、「ターキーさん」ですね、なつかしい♪)とともに高野山に籠城してストライキに参加、そのため処分を受けたそうです。ドラマでは史実どおりかどうかはわかりませんが、今後の展開をとても楽しみにしております。

さて、昨年、三菱電機の品質不正事案のお仕事をご一緒した木目田裕弁護士のインタビュー記事を読みました(中央公論2023年11月号「不祥事対応のエキスパート弁護士が語る-危機管理の要諦」)。さすがにSMILE-UP社関連のお話については「守秘義務がありますので」ということでお話はされていませんが、木目田弁護士の語る危機管理の要諦は「なるほどなぁ」と思わず納得する内容です(最後のほうは、すこし西村あさひの広報のような内容ですが)。

私も場末ではありますが「企業の危機管理対応」を仕事にしている専門家として、そのとおり!と感じたのが「個別対応よりも総合的判断」でコトにあたる、という点です。企業の危機対応は被害者対応、監督官庁対応、司法対応、銀行対応、取引所対応、顧客・取引先対応、海外対応、メディア対応、株主対応等への総合力で「いかに顧客の信用を維持するか、ダメージを最小化するか」というところが「極意」だと考えます。

ところが上記対応は「あちらを立てればこちらが立たず」となりまして、何を最優先で守るべきかという点は、有事に置かれた個別企業の状況から判断せざるを得ないわけです(たとえばSMILE-UP社の件では、エンターテインメント業界であるがゆえに被害者対応、メディア対応、海外対応あたりが最優先かと)。本当にマニュアルが存在しない世界であり、バランス感覚が求められる。結果の善し悪しの責任はすべてかぶる覚悟が必要です。ただ、そこに「プロでないとできない仕事」の醍醐味があると感じております。様々な分野の専門家の方のご意見なども拝聴しながら、また会社の経営陣とコミュニケーションを図りながら進めるのが常道ですね。

ちょっと気になりましたのが「(危機管理対応では)メディア対応も重要になってきました(ね)」との質問者のフリに対して

(木目田弁護士)「当たり前のことですが、嘘はつかないことです。もちろん言えること、言えないことはありますが、問題があれば隠さないで公表し、対応する。これが重要だと思います」

(;^_^A・・・・・頑張ってください!!m(__)m。

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2023年9月29日 (金)

ジャニーズ事務所問題-若年女性の「ジャニーズ離れ」加速(元NHK解説委員寄稿)

9月28日の夕刊フジWEB版「若年女性の〝ジャニーズ離れ〟加速、視聴率から読み解く 頼みの綱のタレント人気、NHK【ザ少年倶楽部】が大幅減」を読みました。元NHK解説委員でメディアアナリストの鈴木祐司氏が分析したものだそうです。いやいや驚きました。「タレントに罪はない」というフレーズがよく聞こえてくるので、少なくとも現時点のジャニーズ・タレントが出演している番組の視聴率は(応援の意味を込めて)上がっているのかと思っておりましたが、現実には多くの番組で視聴率を下げているのですね。とくに若年女性への影響が大きいようです。ジャニーズのタレントは海外でもファンが多いので、今後は海外ファンの動向についても調査が行われるかもしれません。

こうなるとタレントのイメージ回復のためにはジャニーズ事務所、メディアともに早期の抜本的な改革が必要です。メディアにおいては、昨日のNHK会長会見、本日のテレビ東京の声明にあるように、①現時点での番組出演を継続するものの、今後は新たなジャニーズ事務所タレントは起用しない、②ジャニーズ事務所の調査委員会報告を受けての自社検証はするが、第三者委員会による調査はしない、という方向で「横並び」することが予想されます。一方、ジャニーズ事務所の改革については(中間報告的ではあるが)10月2日の会見待ち、ということでしょうか。スポンサー企業、メディアともに、この10月2日の「ジャニーズ事務所改革」の報告内容を今後検討する、ということになろうかと。

私個人の意見としましては、上記①は妥当な判断ではありますが、②については各テレビ局(とりわけ在京の民放キー局)に「有事意識」が乏しいと思います。つまり、このような視聴率分析が出て「これはたいへんだ」と思っておられるかもしれませんが、いま、抜本的な対応をしなければ将来的にはもっとテレビ局の経営に影響を及ぼす状況が到来すると考えるからです。といいますのも、すでに以前のエントリーで申し上げているとおり、テレビ各局は、今後海外の巨大通信事業者と共同制作が必要になる、つまりテレビ局の持続的成長のためには放送と通信の融合が不可欠だからです。今回のジャニーズ事務所問題で徹底的な検証をしておかなければ「人権侵害を許容する日本の放送局とは共同制作の事業はできない」との世界的な評価を受けるはずです(これはエライことやと思います)。おそらく海外の事業者によるスポンサー契約もとれないでしょう。

コンプライアンス経営はよく「守りの経営」と言われますが、とんでもない。上記のとおり「攻めの経営」に必須のマネジメントであります。だからこそ、コンプライアンス担当役員、CSR担当役員に任せておけばよい、というものではなく、まさに社外役員を含めた経営トップの「攻めの判断」としてコンプライアンス経営重視の姿勢が必要となります(いや、必要とされる時代になった、と言ったほうがいいかもしれません)。

また、各局は「故ジャニー喜多川氏による性加害の事実が最高裁で認定された2004年当時は、男性性被害による人権問題への認識が甘かった」という弁明を繰り返していますが、これではジャニーズ事務所が設置した調査委員会報告への回答にはなっていません。同報告は、故ジャニー喜多川氏が2004年以降も(2019年頃まで)性加害を繰り返していたと報告しています。したがって、問題を取り上げなかっただけでなく、そのような事実を認識しながらタレントを使い続けてきたこと(つまり2004年以降、2019年に至るまでジャニーズ事務所の収益に貢献してきたこと)が、喜多川氏の性加害継続を助長した、その結果、性被害を受けた被害者を拡大させた、と指摘しています。これに真摯にメディアが向き合うとすれば、なぜ性加害を認識しながら使い続けてきたのか、テレビ局と番組制作会社と再委託事業者との具体的なやりとりにジャニーズ事務所による圧力や忖度はなかったのか、という点の第三者による検証が不可欠だと考えます。これはテレビ局も(「加害者」とまでは申しませんが)「加害者と同視しうる存在」と調査委員会から評価された以上、テレビ局の責務ではないでしょうか。

「あまりにもジャニーズ事務所に忖度しなかった調査委員会」と評されるほど、8月の調査委員会報告書の内容は厳しいものでした。あの報告書をみて、テレビ局も「うちも第三者委員会を設置したら、あれほどのことを書かれるのか」と恐怖を感じたのかもしれません。しかし16年前の「あるある大事典」事件の際、関西テレビは純粋な第三者委員会を設置して厳しい事実認定を示され、さらに67分に及ぶ検証番組を制作して世間の批判にさらされました。有事意識があればテレビ局も(番組制作、編成の独立性を超えて)抜本的な対応はとれると思います。しかし本当の「有事」になってからでは遅すぎます。いまこそ、日本のテレビ局が世界の巨大通信事業者との協働に向けた基盤作りのために、さらには日本のエンターテインメントが海外進出する際の足かせを排除するために、毅然とした対応をとるべき時期ではないでしょうか。世界に向けて「人権方針」を掲げているのであれば、その看板に嘘はないことを行動で示さなければならないと考えます。

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2022年10月24日 (月)

三菱電機・ガバナンスレビュー委員会最終報告書を提出いたしました(これにて任務終了)

昨年10月20日のガバナンスレビュー委員会設置以来、ちょうど1年経過した2022年10月20日、当職が委員長を務める三菱電機・品質不適切問題に関するガバナンスレビュー委員会が最終報告書を提出いたしました(全文版はこちらです)。この週末、委員会の残務処理を済ませまして、ようやく1年に及ぶ委員会活動が終了いたしました。

記者会見(メディアの皆様の出席50名、機関投資家の皆様を含めオンライン120名)は昨年12月の第1回目と同様、たいへん緊張しましたが、委員長をサポートする両委員の方々に助けられて、なんとか90分耐えました(笑)。元社長の法的責任、現社長の経営責任を否定した点に質問が集中したのですが、ガバナンスレビュー委員会としては課題と再発防止策の提言にもっと注目していただきたかった・・・というのが素直な印象でした。しかし、これでこの数カ月のストレスから解放されます( *´艸`)ホンマ、精神的にしんどかった(でも体調はまったく問題なく元気でしたね)。

ということで、長い間更新ができなかった当ブログについても、少しずつ更新していきますので、またご愛顧のほどよろしくお願いいたします。といいましても、三菱電機の品質不正問題に関連する話題はちょっとお話できませんので、ガバナンス関連の話題や内部統制報告制度の改訂に関する話題あたりからお話できればと思っております。

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2021年8月26日 (木)

会計不正事件の発覚に備えはあるか-取締役会で共有すべきガバナンス・コード補充原則3-2②

今朝(8月25日)の日経18面記事「会計不正 公表46%減-在宅勤務普及、発見に壁」によりますと、2021年3月末までの1年間で、会計不正事件を公表した企業(上場会社)が25社にとどまり、前年比46%減少したそうです(日本公認会計士協会調べ)。一見すると会計不正事件自体が少なくなったようにも思えますが、KPMG-FASのディレクターの方の話では「不正が減ったのではなく、発見しにくくなった」とのこと(なお「会計不正」とは取締役の横領等の「資金流用」と財務報告への虚偽記載等の「粉飾」の双方を含みます)。

これは当ブログで昨年来申し上げているところと全く同じでありまして(たとえばコチラコチラ)、当職の受けている相談内容や内部通報者の支援活動等からみても、昨年来のパンデミックに由来する経営環境下での会計不正は間違いなく増えています。また、監査環境の制限により、会計不正は発見しにくい状況となっており、あと1年~3年後に発覚するケースが多いと予想しております(良い悪いは別として、もし軽微なものであれば、いまのうちにコソっと修正しておいたほうが良いですね)。

「当職の相談案件」といった偏った知見からではありますが、会計不正事件が急増しているものの発見ができない状況が生じる要因は3つあります。まず1つめは「コロナ禍における監査の後退」です。品質不正と同様、会計不正も組織内の力学的バランスが崩壊することによって発生する場合が多いのであり、内部監査部門や監査役監査が強い立場にない組織では、どうしても現場の理屈に負けてしまう(簡略化した監査手続きを余儀なくされ、不正リスクは残っているものの泣く泣く監査を終えざるを得ない)。

つぎに2つめは「ガバナンス改革の深化」です。2014年から始まったガバナンス改革は「攻めのガバナンス」が主流であり、上場会社には資本の最適配分が求められます。具体的には採算の合わない部門、子会社の整理、売却です。攻めのガバナンスのしわ寄せが迫る部門、子会社では(誠実な社員の皆様が)自身や家族の生活を守るために「部門一丸となって」粉飾に走るわけで、まさに「組織防衛」なる正当化理由のもとで粉飾を継続することになります。「急場しのぎ」「今だけだから」といった正当化理由も聞こえてきます(後日、粉飾を修復することは困難だと思いますが)。

そして3つめは「社内における不規則コミュニケーションの不足」です(これもコロナ禍ということと関連しますが)。会計不正の情報が(関係者以外に)漏えいするのは「社内の噂話」「飲み会でのココだけの話」によるところが大きいのですが、リモート勤務や飲み会の禁止によって不規則コミュニケーションの場が減っています。したがって「疑惑」を本社が知る機会に乏しい。また、内部通報や内部告発も、ハードな内容の場合には支援者の存在は不可欠でありますが、こういった支援者も不規則コミュニケーションの不足によって見つけにくい状況です。

ということで、会計不正事件は実際には発生しているのでありますが、パンデミックが未だ収束するめどが立たない中で、発覚にはもう少し時間がかかるということになります。そこで上場会社の皆様は、いまから準備しておくべきなのがコーポレートガバナンス・コード補充原則3-2②ⅳに対する対応です(ほとんどの本則上場会社がコンプライしているはずです)。「外部監査人が不正を発見し適切な対応を求めた場合の会社側の対応体制の確立」です。会計監査人に内部告発が届いた場合や会計監査人が自ら不正の疑いを抱いて調査を要請した場合、どのような対応をとるのか、(コンプライを宣言している以上)どこの会社でも確立しているはずです。

もしコンプライしながら体制を確立していない会社、体制は確立していたけれども、有事に対応できなかった会社の役員には、訴訟を提起され善管注意義務違反が認定される可能性は高いと思われます。もちろん不正が大きくなってから発覚する、ということになりますので株主にも多大な損失が生じることになり、会社の信用も毀損されるリスクは高いはずです。改正公益通報者保護法が施行されて、内部通報と内部告発の「制度間競争」が奨励される前に、せめてガバナンス・コード補充原則3-2②への対応(体制の確立)だけはきちんと役員間で共有しておいたほうがよろしいのではないでしょうか。

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2021年7月14日 (水)

国税庁職員のイケナイ事件についてひとこと(私は謝罪すべき立場なのでしょうね・・・)

国税庁職員が「居酒屋で5回送別会、国税庁職員14人参加し7人感染…『2人以下90分以内』守らず」(読売新聞ニュース)ということで、財務省のコンプライアンス・アドバイザーである当職から深くお詫び申し上げます。適切な納税の促進といったところでの世間と国税との見解の相違などはときどき起きてしまうのはしかたがないのですが、こういった納税者の信頼を裏切るような行動こそ注意せよ、と常々申し上げているのですが。ホンマ、反省してほしいです。

先日の経産省の集団飲食&感染の件が明るみになったときにも、また接待問題で総務省の件が明るみになったときにも「まさか財務省では起きてないよな」と心配をしておりました。幸い、国家公務員倫理法に違反するような問題はなかったようでホッとしていたところでした。国税庁は20年ぶりに組織理念を新しくしまして(現場の職員の皆様にもわかりやすく、常に参照していただけるようなスタイルにしました)、納税者からの信頼を今まで以上に高めるため、省内一丸となってコンプライアンス意識の涵養に努めているところでありました(ということで、本件の報道には本当にガックリ_| ̄|○ でございます。。。)

なんでこんなことになるんやろな(悲)。コロナ禍における飲食自粛についてはいろいろな意見もあると思うのですが、さすがに自粛を要請している立場だから信頼を失ってしまいますよね。。。ものすごい大所帯だから・・・というのは理由にならないですよね💦新年度となりますので、また新たな気持ちでアドバイザーとしての責任を果たしてまいります。

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2021年3月 2日 (火)

10年周期のみずほ銀行システム障害-運用面の問題はどこにあるのか?

2002年、2011年に続き、3度目の勘定系システム障害を起こしてしまったみずほ銀行ですが、4000億円、最大8000名の人員を投入して2018年に稼働した新システムでの障害なので、今回は当事者にとって、きわめて大きな衝撃だったはずです。新システム導入に関与した富士通は「システムに問題なし」と発表し、みずほ頭取さんは「運用上の問題」を会見で述べておられたので、どう考えても銀行側の問題が大きかったようです。

定期預金のデータ移行作業でシステムに想定を上回る負荷が生じたことが直接の原因とのことですが、では「銀行側の運用上の問題」であるとすれば、どこに根本原因があったのか、とても興味があります。私は全くの素人的発想ですが以下の3点に注目しています。

まずひとつは「構築よりも更新のほうが圧倒的に障害発生のリスクが高い」という点です。効率性の向上を目指してシステムの更新を行うわけですが、そもそも「よくわからないけどうまくいっている状態」で稼働させているので、更新によって効率性が向上する分、どこかに副作用が生じます。更新作業ですから「動かしながら修正する」わけで、不具合が発生すれば利用者の損失に直結します。たぶんシステム障害の本当の原因はわからないまま再稼働していると思いますが、そのあたりのリスク感覚があったのかどうか。

ふたつめは旧富士銀行、旧日本興業銀行、旧第一勧銀の組織力学をいまだにひきづっているのではないか、という点。三井住友、三菱UFJは「片寄方式」でシステム統合を図りましたが、みずほだけが「片寄方式」が採用できず、またそれぞれが提携していた富士通や日立、NTT等4社で統合作業が行われた、という点は、これまでの2度のシステム障害でも問題にされていました。どうしてもチームがひとつになれない、というのが運用面での問題として残っているのではないかと。

そして3つめがみずほの「働き方改革」との関係です。ご承知のとおりみずほ銀行は週休3日制を導入したり、25%の在宅勤務制度を導入しましたので、DXの推進とともに大規模な組織で更なる職務の分業化・専門化が進んでいると推測されます。したがって「システム全体を理解する社員」「隙間を埋める社員」が存在しない。これまでの労務慣行からすると、なにかイレギュラーな状況が生じた場合には、誰の業務なのかグレーであったとしても、誰かがそこを埋める作業ができたわけですが、そこに手を伸ばす社員が存在しなくなった(これはコロナ禍における他社の不祥事にも通じるところですね)。

いずれにしても、過去最大級の新勘定系システムの構築が稼働していたわけですから、運用上のどこに問題があったのか、(限界はあると思いますが)前回と同様、調査委員会を設置して公表していただきたいと思います。

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2021年1月14日 (木)

ソフトバンクvs楽天モバイル・営業秘密侵害事件-双方の主張が食い違うのは当然かも・・

本日(1月13日)の日経朝刊12面では「サイバー攻撃 広がる裏口(上)-『社内は安全』死角を突く」との見出しで、近時の情報セキュリティリスクに対する企業の内部統制(リスク管理手法)の変遷について報じられていました。これまでは外部への防御は厳しく、そして社員(内部)への監視は緩めるという手法をとる企業が多かったのですが、機密情報を盗まれてしまう事例が相次いでいるため、「ゼロトラスト(あらゆる人物や端末を信用せず、データへのアクセスがあるたびに認証するセキュリティ対策)」を前提とした対応をとる企業が増えているそうです。

とはいえ、他社との厳しい競争に打ち勝つため、業務の効率性を(発生確率が低い情報セキュリティリスクのために)犠牲にすることはできず、また技術社員の例外的取り扱いはどうしても必要な場面があります。したがって、記事に登場する大和ハウス工業の執行役員の方がおっしゃるように「火の手はあがるがすぐに消す、というのが現実解」ではないでしょうか。私の日ごろの有事対応の経験からみても、もはや攻撃から機密情報を完全に守ることは不可能であり、むしろ侵入されることを前提に、これを早期に発見して破壊する作業にこそ内部統制の資源を重点的に投入すべきと考えます。

さて、情報セキュリティといえば「営業秘密」の管理も重要ですが、すでにご承知のとおり、ソフトバンクの元社員が、同社の通信技術情報を退職日にメール添付の方法で社外に持ち出したことで逮捕されました(※)。また、同社員がすぐに楽天モバイルに中途採用で入社したことから、ソフトバンクは法人としての楽天モバイルを「自社の営業秘密を不正に取得した」として不正競争防止法違反に基づいて民事提訴する方針であることを表明しました(損害賠償請求と営業秘密の不正使用の差止請求)。そういえば昨年10月、エディオンと上新電機との間における営業秘密侵害に基づく損害賠償等請求事件の一審判決が出ましたね(エディオン側が一部勝訴、刑事事件では上新電機は不起訴処分)。

※・・・本日のニュースによれば、当該実行者は、実際には退職日まで約30回にわたり、合計170のファイルを抜き出していたそうです。今後動機の解明が待たれますが、退職から就職までのタイムラグが存在しない中で、かなり大胆な犯行のようです。

営業秘密侵害事件の法律的な解説はご専門の方々にお任せするとして、(コンプライアンス経営の視点から)私は先のサイバー攻撃の課題と同様、どんなに頑張っても重要な営業秘密の漏えいは防げないだろうと考えております。もちろん侵害事件の裁判で重要とされる「秘密管理性」の要件を満たすためにも、事前の予防は必要です。ただ、働き方改革が進むなかで、どんなに秘密保持誓約の合意をしていたとしても、またどんなに不正行為の視認性を高めていたとしても盗む人は盗みます(笑)。したがって、営業秘密を侵害された場合、もしくは不幸にして秘密を取得してしまった場合の事後対応にこそ関心を向ける(資源を重点的に投下する)必要があろうかと。(※)

※・・・もちろん、予防のための内部統制を徹底することで営業秘密の漏えいを防止する対策もあります。たとえば技術系のキーマンが存在するのであれば、そのキーマンだけを徹底してマークする(普段から社内メール等をチェックしておく)、当該キーマンが転職するということであればガーデン・リーブによって強制的に重要情報から隔離する、といったところでしょうか。しかし、これらの対策は副作用を伴いますので、会社としても相当の覚悟が必要です。

ところで、営業秘密の管理ミスや不当な取得行為が企業不祥事として登場する例はあまり見受けられません。裁判例も少なく、先のエディオンの例、ソフトバンクの例などは本当に「氷山の一角」であり、ほとんどの事例は泣き寝入りか水面下での解決となり公開されない、というのが実態だからです。営業秘密を取得した(と思われる)法人にも刑事罰が科されますが、これまで一度も適用されたこともありません(上記の上新電機も不起訴処分)。「タダ乗り」という競争上の不正を許さず、誠実な企業の営業秘密を保護するために、国の規制を強化したり、企業行動指針を策定することも考えられますが、あまり行為規範としては実効性がないような気もします。むしろ民民訴訟を活性化させることで、事後対応次第では企業のレピュテーションリスクが高まるという事態を生じさせるほうが営業秘密管理に向けてのインセンティブになりうるように思います(あくまでも私の個人的な意見ですが)。

ここ数年、新日鉄住金(当時)とボスコの例、日本ペイントと菊水化学の例などをみても、日本企業の「オープン&クローズ戦略」が推奨される中で、営業秘密の保護の社会的要請は高まっているように感じています。そして今後は(営業秘密の適正管理、不正取得防止のために)「民民裁判」を活用する風潮が広がることは十分考えられます。営業秘密を適切に守るためにも、また、不当に他社の秘密を取得しないようにするためにも、裁判手続きを活性化させることで関係企業の内部統制の強化を図る、という考え方です(※)。

※・・・たとえば平成27年の不正競争防止法改正によって、生産技術等の不正使用についての立証責任の軽減措置が導入され、同年1月の営業秘密管理指針の全面改訂により、「秘密管理性」の解釈が緩やかになされるように(要件該当性が認められやすくなるように)指針内容が変更されました。いずれも当事者が裁判を提起しやすくすることが狙いです。

また、不正行為の実行者が逮捕される等によって事件が表面化した場合、秘密が漏えいした企業については秘密管理上の問題が指摘され、一方で秘密の取得が疑われる企業については他社秘密の不正入手防止に関する問題が指摘され、どちらの法人も役員の内部統制構築義務(善管注意義務)違反による損害賠償責任が問われるおそれがあります。したがって将来のリーガルリスクを考えた場合、双方とも最初からミスを認めるはずはなく、(株主利益の最大化のために双方の取締役は全力を尽くしているわけですから)法人としてのコメントも正反対になるのは当然ではないかと思います。

カプコンのように、重要な営業秘密を盗まれて身代金を要求され、これを断固拒否するや実行犯から情報公開をちらつかせて脅される、といった悪質な事例も出ていますので、営業秘密保護のためには海外当局とのネットワークも必要かもしれません。また、刑事事件の威嚇をもって社員に営業秘密侵害の重大性を認識してもらうことも不可欠です。

ただ、特許もとらない、技術公開もしない、しっかり情報は社内で守るという戦略を第一に考えるのであれば、今後は営業秘密を日本としてどう守っていくべきか、官民で真剣に検討すべきであり、ソフトバンク・楽天モバイル事例のように、司法手続きの活用を推奨して積極的に当事者に争わせて、その裁判例の集積のなかで(判決内容だけでなく、当事者のレピュテーションリスクなども考慮しながら)ベストプラクティスを見つけることもコンプライアンス経営の実現という視点からの現実解ではないかと考えるところです。

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2020年8月17日 (月)

ワイヤーカードの会計不正事例-日本の「第三者委員会」制度では不正を暴くことはできただろうか?

先週に引き続き、会計不正に関連する話題です。連休中にドイツのワイヤーカード社の一連の会計不正事例に関する記事などを整理しておりまして、ふと疑問に思ったことを簡単に記しておきます。

2019年10月21日、ワイヤーカード社は、前週のフィナンシャルタイムズによる不正疑惑報道(及びその後の株価下落)を受けて、KPMGに独立監査を依頼しました。KPMGにはグループ全社の全情報へのアクセス権する、との取締役会、監査役会決議がなされたそうです。そして半年後である2020年5月1日、ワイヤーカード社はKPMGによる独立監査の結果を公表しました。

調査結果の内容は「ワイヤーカード社の不正を示す証拠は見つからなかったものの、真相解明に必要な証拠を十分に入手することはできなかった」というものです。この結果を受けて、ワイヤーカード社の会計監査人(EY監査法人)は財務報告の承認を拒否、その後、2200億円にも上る架空預金口座の存在が明らかになっていきます。

このワイヤーカード社の会計不正事件の発覚経過を眺めていますと、KPMGの「独立監査」の調査結果が大きな役割を果たしていることになります。そういえば、これまでの日本企業の会計不正発覚の経過において、第三者委員会が独自調査によって不正を発見した、ということがあったでしょうかね?比較的最近の事例では、たとえば雪印種苗の第三者委員会が調査対象範囲外で大きな不祥事を発見したこと、関西電力の第三者委員会が金品受領問題とは別に「報酬後払い疑惑」の存在に光を当てた、といった事例もありました。しかし、それらは極めて稀なケースであり、今回のワイヤーカード社の会計不正の存在を日本の第三者委員会が暴くことは困難だったのではないか、と考えています。

ここからは全くの私見にすぎませんが、先日ご紹介した八田進二著「第三者委員会の欺瞞」でもメインテーマとなっておりましたように、最近の第三者委員会は経営者との距離感が近すぎて、中立・公正な第三者たる立場での調査に疑問を抱くことが多い。「疑惑」の対象とされた不正事実の存否を明らかにするにあたり、当該事実の存在を示す証拠の有無については熱心に調査を行いますが、「この事実が存在しない、といったすべての『仮説』について否定的評価が揃った場合には『不正は存在しない』と推測してもよい」といった、仮設を立てての調査については熱心ではないように思います。

これだけ第三者委員会調査の影響力が大きくなってくると、往々にして「委嘱された対象事実の存在を認めるに足りる証拠はなかった」という調査結果が、「不正事実は存在しなかった」といった調査結果と同等であるかのように誤解されるケースが増えており、おそらく経営陣もバイアスが働いているので「不正はなかった、とのお墨付きを第三者委員会からもらった」と公表するケースが散見されます。しかし、もしこれらの仮説のひとつでも、要求された証拠によって明らかにならなかった場合には、第三者委員会としては「疑惑とされた事実は(証拠によって)認められなかったものの、不正は存在しなかった、と確信を持てる心証は得られなかった」という調査結果を出すことも必要ではないでしょうか。弁護士が中心となる委員会よりも、監査経験のある会計士さんのほうが馴染みのある調査結果ではないかと。

もしワイヤーカード社の会計不正が「独立監査」の調査結果によって明らかになったのであれば、このKPMGによる「独立監査」と日本の「第三者委員会調査」のどこが違うのか、ぜひともきちんと検証すべきだと思います。

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2020年4月 2日 (木)

経産省の不祥事(虚偽報告)は早く見つかって良かったのではないか?

本日(4月1日)の読売新聞朝刊(社会面)に「経産省職員が虚偽文書 関電改善命令 ミス隠ぺい、幹部ら処分」と題する記事が掲載されています。すでに報じられているとおり、経産省は関西電力に対して業務改善命令を発出したわけですが、手続上は取引監視委員会の意見を聴取しなければ命令を出せないにもかかわらず、委員会の意見聴取を担当者が失念していた、とのこと。後で気が付いて、慌てて委員会の意見を聴取したのですが、その聴取の日付けを命令発出前に書き換えていたそうです。担当部局の幹部も許容していたこと、担当者が相談した他の部局の職員も黙っていたことが判明しています(3月31日付け経産省によるリリースはこちらです)。

残念なのは、この隠ぺいの発覚は、改善命令に関する決裁文書への情報公開請求がなされたことがきっかけ、という点です。組織の自浄能力の欠如が露呈されてしまいました。もし情報公開請求がなければ、経産省内部で隠ぺいは(誰もトップに報告することもなく)そのまま眠ってしまうはずだったということです。

3年ほど前、人事院からの要請で、各省庁の幹部160名を集めたコンプライアンス研修の講師を務めましたが、その際「公務員の無謬性」についてお話させていただきました。なぜそこまで「無謬性」にこだわるのか?公務員だって「人生山あり谷あり」ですから不正に手を染めることだってありますし、ミスも起こします。なぜご自分の過ちを認めないのか、不思議でならないことを申し上げました。

このたびの経産省の件も同様であり、私には隠ぺいするほどのミスであることが全く理解できません。どうして「法令の認識不足で手続にミスがありました。現時点の命令を取消して、あらためて明日、命令を発出します。失礼しました」と言えないのか?上司もなぜ、その隠ぺいを了承してしまうのか・・・、私にはそれほどまでにコンプライアンスよりも「無謬性」を重視する発想がわからないのです。この公務員の発想を心底から理解できなければ、公務員の隠ぺい体質は直せないだろうし、森友問題の解明もむずかしいのではないかと考えます。

しかし、今回の経産省の件は、情報公開請求によって早めに発覚し、関係者の処分を終え、経産省にとってはとてもラッキーだったと思います。もしこのまま隠ぺい問題が放置され、数年経過してから「虚偽文書疑惑」のような形でオモテに出たとしたらどうなっていたでしょうか。おそらく「関電と経産省とのなれ合い体質(疑惑)」「手心を加えた経産省(疑惑)」といった形で週刊誌ネタになっていたはずです。経産省は強く否定したいのですが、根も葉もない噂に(確たる証拠をもって)反論できないがゆえに、手続ミスの隠ぺいでは到底すまないような組織の信用毀損に至ってしまう可能性もあります。

上記経産省リリースによると、再発防止策として「二度と起こさないための研修」をされるそうです。しかし、私は「残念ですが、どんなに立派な研修をしたとしても、また同じようなミスはかならず起きます」と言いたい。再発防止策は、起きたときにどうするのか、ということを省内、担当部署を越えて議論することです。あの大阪府警ですら、証拠偽造が頻発した折、府警本部長の指揮で「もし、偽装を署内で見つけたら、君はどう対応するか」というDVD研修に至りました。(※1)公務員の「過剰な無謬性」を捨て去ることが再発防止の第一歩です。

今年も財務省ほか、人事院研修の講師をさせていただきますが、同様のことを強く公務員の方々にお伝えしたい。

(※1)2012年、新聞でも報じられましたが、大阪府警でコンプライアンス e ラーニングの DVD が警察官 2 万 3000 人に配られました。2 年間続けて非常に大きな不祥事が大阪府警に続きました。7 年も前の事件の証拠を紛失してしまったから自分で作ってしまったとか、証言の調書を偽造してしまったとか、本当に恥ずかしい不祥事が 7 件も続きました。このことによって本部長が交代しましたが、大阪府警のコンプライアンス教育も変わりました。府警教育では「あなたが上司として、部下の不正を見つけたときにどうするか。」「あなた自身が証拠をなくしたときにどうするか、誰に報告するか」こういうことを e ラーニングで始めたのです。あの大阪府警で、警察官は不祥事を起こしてはいけないという今までのスタイルから、起こしたときにはどうするかという発想に変わったのです

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