2021年5月10日 (月)

統治指針に「人権」明記-コンプライアンスの視点で考える

少し前になりますが、5月5日の日経朝刊1面に「統治指針に『人権』明記-金融庁・東証 企業の積極対応促す」なる見出しで、6月に施行される上場企業向けのコーポレートガバナンス・コードに「人権尊重を求める規定」が盛り込まれることが報じられていました。企業の人権配慮への取り組みは欧米の投資家を中心に問題意識が高く、人権意識が低いと映れば投資対象からはずれるリスクもあるとのこと。

ガバナンス・コードに「人権尊重を求める要求」が明記されるとなると、私は企業経営において、以下の3点に留意する必要があると考えています。まずひとつめは「会社法の目的とCSR」です。株式会社の「営利性」との関係で、企業は株主利益の最大化を図ることが目的ですが、人権尊重についてコンプライするとなれば、社長を含む取締役・監査役の善管注意義務(主に経営判断原則)にどのような影響を及ぼすのか。株主の利益よりも(株主の長期的利益と同様に?)従業員の利益を優先する経営者の判断が株式会社の「営利性」との関係で矛盾を生じないのか。

ふたつめは「共助の精神」を重視することです。本来「人権保護」は国家の仕事であり、(憲法の私人間効力という問題はあるものの)そもそも民間企業の仕事ではありません。しかし、プラットフォーマーのように国家権力よりも実質的に強大な権限を行使しうる民間企業が出てきた以上、国家の仕事の一端を企業が担う(国家権力の一部を企業が行使する)、という発想も欧米ではあたりまえになってきました。おそらく、国家権力の一端を担う企業や、業界団体を統率する企業は、今後ルールメイキング、ロビー活動、ペナルティの運用において有利な立場となり、コンプライアンス経営の立場から多大なアドバンテージを持つことが考えられます。

そして最後が「経済安保への向き合い方」です。人権規制への対応において欧米政府や企業と足並みをそろえるか、それとも中国における商権を重視して中国・ロシア経済圏の考え方を重視するか、その経営判断において「人権尊重」の考え方も異なるものになるでしょう。新疆ウイグル自治区における労働問題に対して「ノーコメント」を貫いて中国における経済活動を維持する代わりに、フランスにおいてNPO団体から刑事法違反を告発されたユニクロさんのような事例が、経済安保体制の強化によってますます増えるものと予想しています。

いずれの問題も、まずは企業もしくは経営者の「経営哲学」が求められるのではないかと。ガバナンス・コードが改訂されるから、これにどう対応するか、という表層的な取り組みではなく、まずは「ポストコロナの時代に、自社はどうなりたいのか」というところを確立したうえで、上記のような問題点の解決方法を見つける姿勢が求められるものと思います。ともかく「経営と法務」の距離を相当近づける、その際、「法務」という職務内容を見直す(法務の「既成概念」を排除する)ことから始める必要がありますね。

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2021年4月20日 (火)

東洋紡・品質不正事件-出荷先の不適切受領に光をあてた記事

4月16日の日経クロステック「東洋紡、4度の隠ぺい 報告できなかった品質不正」を読みました(有料記事)。自動車部品用に東洋紡が製造している樹脂(プラナック)製品が、チャンピョン品(米国認証機関における試験用に別途製作した製品)で試験をクリアしながら、性能の異なる販売用製品を出荷していた事例でありまして、米国認証機関の抜き打ち検査で発覚したようです。未だ調査は続いているようですが、昨年末の社内調査の内容をとりあげた記事の内容がなかなか興味深い。

東洋紡は2020年10月、米国の第三者機関による認証試験に、実際の商品よりも燃えにくいサンプルを提出する不正があったと発表しておりました。同社が昨年12月に公表した調査結果によりますと、プラナック事業は2010年3月末に印刷用インク大手のDICから譲り受けたのですが、譲渡前の交渉で東洋紡の担当事業部の責任者はDICの認証不正を認識したにもかかわらず、上層部に報告しないまま不正を続けた(不正を引き継いだ)とのこと。東洋紡は、代替品の開発を断念した20年に入って経営幹部に報告され、DICから引き継いだ不正事実が発覚したそうです。

東洋紡より昨年末に公表されたのは調査概要でありますが、品質偽装品を受領した側が「偽装であること」を知りながら受領してしまったことに言及しているところに関心が向きます。上記日経クロステックの記事によれば、出荷元であるDIC社が性能偽装によって認証を受けていたことを東洋紡の担当者はデューデリジェンスによって認識していたにもかかわらず、これを経営陣に報告せずにそのまま製品を受領し、その後は不正を引き継いでしまったそうです。クロステックの記者は「その場でDICに不正事実を告げて、取引を有利に進めればよいだけの話なのに、なぜ経営陣に不正事実を報告できなかったのか」と疑問を抱いています。

なお、調査報告では「おそらく製品を受領する担当者のリスク感覚が希薄だったことが原因」と分析しているようです。たしかに要求基準に満たない品質が判明した場合には(まだ品質偽装事件が頻発していない時期であれば)「この程度なら問題ないか」といった意識だったかもしれませんが、さすがに性能偽装によって米国規格を通した、という場合にまで「リスク感覚が希薄だった」といった分析では済まないように思われます。なぜ問題を認識しながら報告できなかったのか、という点の深堀は私も必要だと考えます。

これまで多くの日本企業において「品質偽装事件」が発覚していますが、出荷する側の問題だけでなく、偽装製品を受け取る側の問題に光をあてた記事は初めてではないでしょうか。当ブログにおいては2017年10月18日付け「神鋼品質データ事件の責任は神鋼だけが負うべきなのか?」、2018年4月3日付け「グループ管理、サプライチェーンにこそ不祥事の『根本原因』があると考える」等で何度も申し上げているように、品質偽装事件は不正を行った企業だけの問題ではないと考えております。偽装製品を受領する側においても、偽装を知りながら受領せざるを得ない事情があり、その事情にこそ光をあてなければ日本企業の品質偽装事件はなくなりません。

近時発覚した小林化工の薬剤混入事件でも社長さんの弁明に出てきましたが「納期を守れず、サプライチェーンを構成する他社に迷惑をかけるくらいなら法令違反や社内ルール違反もやむなし」「効率的な経営を最優先する企業風土があった」という理由は、社内でコンプライアンス違反を正当化してしまうのでしょうか。東洋紡のように、自社の技術が高まれば高まるほど、他社の不正にも気づきやすくなるのですが、サプライチェーン全体の納期を遅延させるくらいなら、他社の不正を許してしまおうと考える、その根本要因はどこにあるのか?それは諸々考えられるところですが、不正競争防止法違反や独禁法違反、景表法違反事件などを本気で防止するためには、他社との協働作業を通じて不正を根絶する取組みが、そろそろ必要になるのではないかと。

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2021年3月29日 (月)

花王「美白・ホワイトニング」表現撤廃に他社は追随するか?

ようやく調査案件が終了しましたので、今週からまたブログを更新できそうです。ここ3週間ほど情報をインプットする時間がなかったのですが、できるだけ頑張ってエントリーしますので、またよろしくお願いいたします。

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ところで、上のPPTシートは、現在研修講師を務めておりますリスクマネジメント研修(日本監査役協会)の資料からの抜粋でございます。昨年から私がずっと気になっておりました実例を「設問」として取り上げ、現役の監査役、監査等委員の皆様に考えていただくために作成しております。

ちょうど3月27日の日経朝刊の記事では、「花王、美白表現を撤廃-人種の多様性議論に配慮」なる見出しで、花王さんが今後3年ほどの間に、全商品における「美白」「ホワイトニング」なる表現を漸次廃止していくことを決定した、と報じられていました。花王の執行役員の方によると「多様性の観点から議論して決めた。美白という表現によって白い肌がベストと伝わるのは良くないと考えた」とのこと。

日本には化粧品大手がいくつか存在しますが、ユニリーバやロレアル等の世界的企業が「ホワイトニング」表現撤廃に動く中で、どこがどのように対応するのだろうか、と関心を持っておりましたが、花王さんが遂に動き出した、ということと理解しました。ポストコロナの時代を見据えて、企業のコンプライアンスやESG経営への動きがどうなるのか・・・ということについて、改めて私見を述べたいと思いますが、上記記事にもあるように、日本の他の化粧品メーカーさんは花王さんに追随するのか、それとも別の視点で意見を述べられるのか、今後も注目しておきたいと思います。

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2021年2月24日 (水)

企業不祥事の発生は「必然」だが発覚は「偶然」である-小林化工事案の考察

(2月25日 事実関係に誤りがありましたので修正いたしました。ご指摘いただきまして、ありがとうございます。)

薬剤に睡眠薬が混入し、2月に業務停止命令が下された小林化工の(経営者が関与したとされる)企業不正については、すでに多くのメディアが報じています(たとえば時事通信ニュースはこちら)。福井県の名門企業であり、ジェネリック大手として地域経済の活性化にも大きく貢献している同社が、なぜ長年にわたって試験結果の捏造等の不正に手を染めていたのか・・・。

問題発覚の原因は、イトラコナゾールに睡眠薬が混入し、死亡例を含む健康被害が出たことにあります(自動車事故や転倒など、健康被害は239人にのぼるー2月8日時点)。その後の福井県による立ち入り調査で、①2人で作業すべき原料取り出し作業を1人で実施(内部統制違反)、②国に提出している手順書とは別の「裏手順書」による原料の継ぎ足し(法令違反)、③平時の立ち入り調査用に虚偽記録を作成、④品質試験結果を捏造(法令違反)、⑤長年、これらの法令違反を経営陣が黙認・放置、といった事実が明るみに出ました。

同社社長さんの会見では、「安定供給が最優先であり、決して欠品で医療関係者・患者の皆様に迷惑をかけてはいけない」「生産性の向上を図るために、できるかぎり効率的な作業を優先していた」「ジェネリックという患者様を救う新たな領域を社会に浸透させたかった」という言葉が何度か出ていました。同社の不祥事を並べると、とんでもない悪質企業のようにも思えますが、コンプライアンスを秤にかけて自らの正義に重きを置く企業はとても多い、というのが実感です。毎度申し上げるとおり、どんなに立派な企業でも不祥事は発生するのであり、同業他社としのぎを削る以上、発生は「必然」です。

今回は「たまたま」現場作業担当者のミスによって薬剤混入事件が発生したことから明るみに出たのであり(事故発生→不祥事発覚)、もし当該ミスがなければ、今も同社は福井県の地域貢献企業として、厚い内部留保のサステナビリティ・カンパニーの代表格であったはずです。

ただ、ここから先は私の推測を含むものであり、間違っていれば福井県に失礼になるのですが、本件は福井県が「本気の調査」を行ったからこそ、同社の長年の不祥事発覚に至ったのではないかと推測しております。というのも、今回の件の発端は、ひとりのベテラン内科医師による通報にあると考えられるからです(こちらのヤフーニュース参照)。

外部からの通報によって小林化工としては薬剤と健康被害との因果関係を認めて調査に乗り出すわけですが、福井県としても、医療関係者のエビデンスに基づく通報が先行している以上、性悪説に基づいた調査を徹底しなければ県民に説明がつかない。ということで、県の徹底調査によって長年の不正が一気に(しかもスピーディーに)明るみに出ることになったと思われます。なお、新聞報道された後に「会社関係者の証言」も出てきましたので、内部告発もあったと思われます。

いずれにしても、(たとえ事故が発生していたとしても)63歳のベテラン内科医師の勇気ある行動がなければ、地域の名門企業の不祥事は明るみに出なかった可能性が高く、不祥事の発覚は「偶然」です。過去の不正を是正するところまではできたとしても、これを「なかったことに」して公表しない、という企業は多いと思います。多くの企業が、本件の「63歳のベテラン医師」のような人が出てこないことに期待を寄せるのです。そして、この「偶然」を「必然」に変えていくのが公益通報者保護制度、ということになります。

ちなみに今週月曜日(2月22日)、いよいよ消費者庁HPに「公益通報者保護法に基づく指針等に関する検討会・報告書案」が公表されました。同検討会では、企業実務に大きな影響を及ぼす改正公益通報者保護法第11条1項、同2項の指針の内容が検討されてきましたが、その全貌が見えてきました。上場会社の社長ですら「前科1犯」になりかねない法改正なので、経済団体代表委員の個別意見の内容は(公益通報に基づく社内調査の実効性を上げる、という意味では)まことに当を得たものと考えます。本報告書案に関する当職の意見はまた別途エントリーで述べたいと思います。

 

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2021年2月18日 (木)

経営者が交代すれば風通しが良くなる-曙ブレーキ検査不正事件の公表

2月16日、自動車部品大手の曙ブレーキ工業は、国内工場で製造するブレーキとその部品に関して、検査データの改ざんなど約11万4000件の不正行為があったと発表しました。不正検査があった部品のうち、自動車メーカーと取り決めた基準値に達しなかったものは約5000件あったそうです(曙ブレーキ工業2021年2月16日付け「当社国内生産子会社が製造する一部製品の定期検査報告における不適切な行為について」参照)。

なお、弁護士4名で構成された特別調査委員会報告書は開示されておらず、報告書の内容が会社名で紹介されています。また、最終報告書は昨年9月に会社が受領していたのですが、発覚した不正の内容の開示が5か月後というタイミングになっています。会計不正事件は別として、神戸製鋼、日立金属と同様、最近のグローバル企業における製品偽装事件の調査報告書はそのまま開示されないケースが増えたような気がしますね(やはり弁護士秘匿特権との関係でしょうか?-たとえば拙ブログ2018年3月27日付け「報告書の全文公表と弁護士秘匿特権の放棄」参照)。

また、再発防止策の決定や顧客への検査不正の影響調査などに時間を要したとして開示が遅くなったことについて、同社社長は「安全性の問題は発生していなかったため、緊急性を判断していなかった。安全の確認を最優先し、すべて終わった時点で報告したいと考えていた」と釈明されています(2月16日日経ニュースより)。なお、この点はとても重要なポイントですが、私なりの考えを、追って別エントリーにて述べたいと思います。

ところで、曙ブレーキ工業で2001年頃から20年来続いていた検査不正がなぜ今になって発覚したのか、という点(私が最も関心を寄せる点)ですが、こちらのニュースが詳しく報じています。一部引用しますと、

同社(注-曙ブレーキ)は事業再生ADRを申請、成立して2019年10月に新しい経営体制に移行した。同年11月に品質保証部門から社長に対して、子会社の曙ブレーキ山形製造が、ブレーキパッドの一部について、顧客に提出する定期検査報告書の数値を改ざんしていたとの報告があった。これを受けて社内調査を開始したところ、一部納入先から、曙ブレーキ岩槻が製造するディスクブレーキの定期検査報告書に不審なデータが記載されているとの指摘を受けた。

上記公表文書では明らかにされていませんが、社長会見では、2018年6月時点で社内の品質保証部門からデータ改ざんなどの不正行為について旧経営陣に報告があったものの、生産手法を変えるなどの作業を進めただけで「安全性には問題なし」として不正行為を放置していたことが明らかにされています(2月16日毎日新聞朝刊記事より)。その後、日経ニュースによると、2019年11月に品質保証部門から社内通報があった、とのこと。

曙ブレーキ工業といえば、創業一族ではない方が長期にわたり経営を支配しておられたそうですが、米国事業の不振から資金繰りが悪化し、事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)の申請に至ったことはご承知のとおりです。2018年には前会長氏らが経営不振の責任を取って辞任し、上記ADRにおける金融機関からの承認が得られた2019年10月、日本電産で常務執行役員を務めた方が現社長として就任しています。

自動車ブレーキの世界的名門企業として、役職員にも安全品質には誇りがあったのでしょうね。上記公表文書にもありますが、たとえ取引先から要求されていた品質検査を省略したり、検査結果を偽造していたとしても、「社内検査が厳格なのだから安全性に支障が出ることはない」「要求されている検査は、ウチでやっている検査と重複感があるから、省略しても大丈夫」という気持ち、そして「お客様のために欠品を出さないことこそ部品メーカーの『正義』である」といった誇りが品質偽装を容認する「正当化理由」になってしまったと思います。

メーカーさんの製品偽装、検査偽装事件が明るみに出るたびに「コンプライアンス意識の欠如」が指摘されます。しかし、それは原因究明においての「思考停止」です。この規模の会社の社員の皆様は、決してコンプライアンス意識が低い、というわけではありません。たとえば曙ブレーキ工業の例でいえば「検査に重複感がある、過剰な品質を求められる、ということであれば、なぜトヨタや日産に契約変更を要請しなかったのですか?」「品質検査で問題が出たからジャストインタイムのシステムを止める、ということがなぜトヨタに言えないのですか?」---本当の理由はそこにあるのではないでしょうか。

そこが解消できないために、やがて「誇りは驕りに」「自信は過信に」と変わっていく組織風土の中で、品質保証部門の地位も失われていく、というのが本当の原因ではないかと考えます。つまり、(トヨタやホンダのようなティア1は別として)不正は簡単にはなくならない、不正と共存共栄で業務を継続していくしかない、ただし企業の存続に影響を及ぼす不正だけは回避する、ということです。

しかし上記のとおり、経営者が変わると「品質保証部門の叫び」が社内で通ることになります。現場の情報提供は、経営者の経営姿勢が変わらなければ活かされない、という典型事例ではないかと。皆様方の会社の社長さんはいかがでしょうか?「過去に不正をやっていたが、今はもうやってないんだから調査も公表も必要ない」と考えるのか「今はやっていなくても、過去に不正をやっていたのなら、たとえ安全性に問題がないとしても公表するのがあたりまえ」と考えるのか。この問題は、(決してきれいごとではなく)取締役会で議論すべき重要な課題だと思います。

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2021年2月 4日 (木)

「不祥事を避ける企業」から「不祥事に負けない企業」へ-高まるコンダクトリスクへの関心

7170thbqrml 本日(2月3日)は全国財務局長会議にて、各財務局の局長さんに向けた講演をさせていただきました(リモートですが、万一の回線不良を回避するために近畿財務局に伺いました)。もちろん、財務省全体のコンプライアンス推進の一環として、外部講師の研修を受講することが主たる目的です。ただ、財務局は金融庁の事務委託の一環として、証券市場の健全性確保のための職務も担っています。そこで、金融機関だけでなく上場企業のコンプライアンスリスクについても理解を深めていただく必要もあり、お招きいただいたようです。

講演の中で「コンダクトリスク」についてもお話しさせていただきましたが、昨年12月から「勘違いの話だけはしないように、この本だけは事前に勉強しておかなければ」と思い、読了したのが写真でご紹介しております「コンダクトリスク」(東浩著 金融財政事情研究会 2020年12月24日初版)です。

著者である東浩弁護士は東京の田辺総合法律事務所のパートナーであり、法律雑誌「ビジネスロージャーナル」2019年12月号にて、コンダクトリスクへの企業対応実務を解説する論稿を発表しておられました。私はその論稿にとても感銘して、(恥ずかしながら告白しますと)さも自分が考え抜いた上での成果のように(笑)、いろんなところで講演のネタにさせていただきました※1。そのあたりのネタの内容は、こちらのエントリーをご参考にしてください。

※1・・・いちおう、講演の際には上記東弁護士のご論稿を紹介しております(言い訳)

なぜ今コンダクトリスクを学ぶべきなのか・・・一口に説明いたしますと「たとえ(役職員に)法令違反が認められないとしても、組織を取り巻くステークホルダーの期待を裏切るような行動を、役職員もしくは組織としての企業がとった場合には、その行動自体が社会的な批判にさらされ、組織の価値を毀損してしまう」という時代になった、ということです。金融機関だけでなく、一般の事業会社でも同様の事態となることは、近時の企業不祥事を眺めても明らかです。

(本書でも東弁護士が解説していますが)たとえば関西電力の金品受領問題では、受領した役員に刑事的な法令違反が認められないとしても、歴代の役員の方々が厳しい提訴リスクを負っています。「法律専門家の監査役が適法と意見を述べているのだから取締役会に報告しないでおこう」とか、(報酬補填問題について)「きっちり説明すれば適法であることは理解してもらえるが、『誤解を招くおそれがあるから』公表しないでおこう」といった対応こそ、役職員の行動(コンダクト)に問題があるということになります。

2050年脱炭素時代に向けて、関電さんは原子力エネルギーの比率を高めることを検討しておられますが、そのためにはこれまで以上に利用者(国民)との信頼関係、原子力事業の透明性(説明責任)を高めることは不可欠です。つまりコンダクトリスクは「守りのためのコンプライアンス」だけでなく、中長期の事業戦略の遂行にも不可欠な企業姿勢とも深い関わりを持ちます。誤解をおそれずに申し上げるならば、「一切不正行為はしない」という意味での信頼関係ではなく、「(リスクテイクの結果として)不正・不祥事が起きた場合には、逃げずにきちんと説明し、今後の対策を明らかにする」という意味での信頼関係が必要でしょう。「不祥事は絶対に起こさない」というカルチャーでは、おそらく今後も「不都合な事実は隠す」という方向性を軌道修正できないと考えます。

本書は、コンダクトリスク管理の手法や企業カルチャー醸成のポイント等を中心に、「企業不祥事に強い組織」を構築するための実践について、先行する海外の事例などを紹介しながら解説するものです。以前執筆しました拙著も少しばかり本書で引用していただいております。私個人としては後半の「行動規範改訂のポイント」が実務的にたいへん参考になりました(おそらく、個人で動いている私と、大きな法律事務所を動かしている著者との経験の差が如実に現われる点だからこそ有益に感じたものと思っております)。

本日の日経朝刊(13面)では、アップルとFacebookの間で、個人情報保護方針を巡って対立が深まっている状況が報じられていました。両社とも「自社の行動こそ最終利用者の利益保護につながるのだ」という意見をもち、アップルは「個人情報保護方針」に沿った行動を、そしてFacebookは競合事業を優越的地位の濫用によって阻害している、つまり、アップルの独禁法違反行為を批判する行動(提訴の可能性もあり)をとっています。両社の「正義」のうち、いずれが世間や(世界各国の)政府当局の支持を得るのか、おそらく私は「コンダクトリスク」への対応をきちんと説明できる側が有利に展開できるのではないか・・・と考えています(そのあたりは、また興味深い内容なので別エントリーで述べてみたいと思います)。

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2021年1月27日 (水)

企業の事業売却は取締役にとって「有事」と考える

本日(1月26日)の日経ニュースでは、「企業の事業売却、11年ぶりの多さ-鬼滅缶好調のダイドーも」との見出しで、コロナ禍において日本企業が事業の組み替えを急いでいることが報じられています。

企業の合併・買収助言大手のレコフによると、2020年に上場企業やその子会社などによる事業やグループ企業の売却が判明した件数は399件に上り、リーマン・ショック後の09年以来11年ぶりの多さだったそうです。上記ニュースの分析では、新型コロナウイルスの感染拡大による環境悪化に加え、資本効率への意識の高まりが売却を活発にしている、とのこと。

たしかに業績低迷のために「事業を売却せざるを得ない」ということで動いている企業も多いと思いますが、近時のコーポレートガバナンス改革の一環として「資本効率の向上を図ること」が推奨されているので、資源の最適配分を目的として動いている企業も増えているのではないでしょうか。なかには機関投資家から「〇〇部門(子会社)を売却せよ」と厳しいプレッシャーをかけられている会社もあります。

「事業の切り出し」が、当該企業にとってどの程度の資産規模なのかはマチマチですが、私は事業の切り出し(事業売却が中心)は、どのような規模であれ、当該企業の役員にとっては有事だという認識です。といいますのも、資源配分の変更に利害関係を有する社内および社外の関係者(たとえば従業員、取引先、顧客等)への根回し(事前説明やその優先順位)を間違えると、会社の社会的信用を毀損するような不祥事に発展するおそれがあるからです。

昨年11月、資生堂は長年お付き合いのある化粧品販売店に事前の説明もなくEC販売戦略に特化した化粧品販売を開始し、驚くことにEC戦略の対象商品について値引き販売を行いました。これまで、資生堂との厳しい取引条件を守りながら、一緒になって資生堂のブランドイメージを築き上げてきた化粧品小売店はこれに激怒したため、資生堂は昨年12月にこの販売を中止、代表取締役社長名で化粧品小売店に対して謝罪文を提出したそうです(こちらのライブドアニュースを参照)。

上記の日経記事でも取り上げられているとおり、資生堂は(ネームバリューは高いけれども)比較的低価格な商品の販売を他社に委ねて、高級価格帯の商品の製造・販売に特化する経営方針をとられるようです。資生堂のガバナンスは昔から定評がありますので、今回も前向きな事業戦略の一環として資本効率の向上策が実践されていると思いますが、その資生堂がどうして取引先事業者を敵に回すような戦略を実践してしまったのか、私自身もちょっとよくわからないところです。

上記ライブドアニュースの元ネタである東洋経済の記者は、

資生堂が値引き販売を敢行した背景には何があったのか。2019年に那須工場(栃木県)を稼働し生産能力を増強していた同社だが、そこにコロナ禍が直撃した。売上高は2020年1~9月時点で、前年同期比20%以上減少している。「工場新設とコロナ禍によって過剰になった在庫の消化を急いだからではないか」。専門店オーナーたちの指摘はおおむね一致している。

と解説されています。思えば今から20年ほどまえ、資生堂は化粧品小売店との間で「不公正な取引方法としての拘束条件付取引」の有無を巡り、独禁法上の紛争にまで発展したことは有名です。小売店の協力があって資生堂のブランドが維持されていることは、この紛争でも取り上げられていました。今回、「天下の資生堂」でさえ、事前にこのような「取引先リスク」について配慮できなかったのは、おそらく有事の意識が乏しかったからではないかと考えます。

資生堂の場合には、社長の謝罪文で収まったものの、最悪のケースは、このような紛議をきっかけとして、取引先から「日ごろの優越的地位の濫用行為」を公取委に持ち込まれたり、従業員から商品偽装や不適切な表示、あるいは労基法違反の事実を監督官庁に持ち込まれることです。つまり、事業の切り出しは、取引先や下請先、サプライチェーン、そして従業員が我慢しているトップ企業の違法行為をあぶりだす誘因となる、ということは認識しておくべきです。トップ企業にとっては通常取引かもしれませんが、相手方取引先にとっては「我慢の限界の取引」かもしれません。

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2021年1月12日 (火)

京セラ・サンプル偽装事件の公表-忖度しない若手社員の存在

クラウドサービス等で業績好調なサイボウズが、「私が当社の次期取締役としてふさわしい」と自薦してきた新卒1年目社員や現社長を含む計17人の役職員を、次期取締役最終候補者に選出したことが話題になっています。人から推薦されるのを待つ人間よりも、自分から「私がふさわしい」と自薦する人間のほうが取締役としての能力を発揮できる、というのが理由だそうです。新しいコーポレートガバナンスへの挑戦として

選任基準につきましても、ビジネスの経験ではなく、サイボウズの理想とする風土である「理想への共感」「公明正大」「多様な個性を重視」「自立と議論」を理解し、「理想の番人」として実行していける者を公募する

というもので、大真面目に(株主からの承認を条件に)取締役を選任するそうです。外からみると、「ひとつの話題提供」の意味が強いようにも思えましたが、社長以外の現取締役は退任する(立候補しない)、ということなので、本当に新たなガバナンスへの挑戦のようです。たしか機関投資家が求める「ダイバーシティ」には「ボード構成員の広い年齢構成」というのも含まれていましたので、これも一つの考え方なのかもしれません。また会社法に反しない範囲で、取締役の役割を自社なりに定義する、というのも斬新です。

さて、今年初の「不正発覚→特別調査委員会の設置」のリリースは、なんと京セラでしたね。京セラ社HPリリースによると、電機用樹脂ボード等6製品について、米国の第三者安全機関の認証を取得するにあたり、不適切な対応があった、とのこと。実際とは異なるサンプルを提出して認証を受けており、その認証を取得した製品の販売先は約160社に及ぶそうです。

上記内容は京セラ自身が開示しているところですが、各社報道をまとめますと、不正は約35年間続いていた(1986年ころから続いていた可能性あり)そうで、2020年11月、社内の意見交流の場で、問題の製品を担当するケミカル事業部の若手社員が報告をしたことから不正が判明したようです。なお、このケミカル事業部は、京セラが平成14年に東芝ケミカルを買収したものであり、平成28年に京セラ本体が吸収しました(注-ということは、30年前から継続していた不正というのは、そもそも京セラの内部で起きていたということではなく、東芝のグループ会社で起きていた、ということだと推測されます)。

新聞各紙でも「ベタ記事」程度の扱いであり、また京セラの業績に重大な影響を及ぼすような不正ではありませんが、やはり記事の中で気になるのが「若手社員が意見交流の場で不正を報告した」という件(くだり)です。報じられたニュースソースは会社側の広報に基づくのか、それとも別の取材源なのかはわかりませんが、30年にも及ぶ不正を社内会議の場で(ひょっとするとリモート会議か?)カミングアウトするというのは相当の覚悟(勇気?)が必要なのではないかと。それとも私の推測は世代ギャップによるバイアスが働いたものであり、いまの20代、30代の社員の方々は「不正の片棒を担ぐなんてまっぴらごめん、公表して職場環境をよくするのが当然でしょ」という感覚なのでしょうか。

そういえば2017年12月の日経ビジネス「謝罪の流儀」で報じられましたが、神戸製鋼社の孫会社「神鋼鋼線ステンレス社」でJIS強度偽装事件が発覚した事件において、これを本体神戸製鋼に報告したのは、神戸製鋼からステンレス社に派遣されて間もない社員でした。それまで何人もの出向社員がいましたが、「これはおかしいだろう」と憤って親会社に報告したのは当該社員が初めてだったそうで、この社員は本体の副社長による謝罪会見でも副社長の隣に同席していました。当該社員を同席させた理由について、神戸製鋼広報部は「この社員の姿勢こそ、当社グループとして真っ当な姿であることを社内外に示したかったから」だそうです。

いずれにしましても、本件では外部有識者を含めた特別調査委員会による事実解明、原因究明がなされるそうなので、なぜ30年もの長期間、この不正が放置されていたのか(事業承継の様子も含め)、また、この若手社員がどのような状況で不正事実を告白したのか、できれば調査の中で解明していただき、報告書の内容については明らかにしていただきたいと思います。

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2021年1月 6日 (水)

コロナ禍における不祥事リスクとの向きあい方-東電元エースの告白から考える

本日(1月5日)の朝日新聞WEBでは、企業不正に関与した中堅幹部の、トップに逆らえない悲哀を報じた記事が重なりました。ひとつは日産ゴーン氏・金商法違反被告事件でケリー被告の証人に立ったO氏(検察庁との間で司法取引を行った方)の証言内容を報じた記事であり、もうひとつは東京電力を数年前に退職された50代の企画部出身の方(出世街道を走っていた元エース、ここではA氏としておきます)の告白記事です。とりわけ後者の記事は、匿名であるものの、詳細な経歴と年齢、所属部、退職時期が記されており、覚悟のうえでの告白であることがわかります(有料版記事ですが、「原発事故、起こるべくして起きた」東電元エースの告白)。

東電自身による事故調査委員会が立ち上げられたとき、A氏は報告書のとりまとめを命じられたそうです。A氏が肝心の事故原因の分析結果をまとめようとしたところ、東電の当時の会長ら経営陣から厳しく「なんでお前が事後原因を決めるんだ。事実以外は書くな」と命じられたそうです。要は「想定外の事故だった」というシナリオに落とし込むことが求められていた、ということ。もちろんA氏は東電社員であるがゆえにこれに従うわけですが、これを後悔して「2002年に発覚した原発のトラブル隠しが(東電原発事故の)すべての始まりだった」と告白しています。

このトラブル隠しを契機として、東電は原子力部門の内部統制を強化することになりますが、その強化の手法は「細かな事故・不具合があれば全部報告せよ」ということで、現場には詳細な内部統制ルールの整合性が求められていた、とのこと。しかしながら、A氏が現場責任者に「もしチェルノブイリやスリーマイル島のような事故が発生した場合、放射能を外部に放射するようなリスクシナリオはないのですか」と質問したところ「そういったリスクは全部排除されているのであり得ません。安全はすでに確立しています」との回答が返ってきたそうです。

事故は起きない、起こしてはいけない、という発想でリスクマネジメントを実践することは理解できるのですが、事故は起こる、起きた時にどうするのか、という発想でリスクマネジメントを実践することも当然必要です。そのような発想が欠落しているのであれば、経営陣に法的な責任が及ぶこともありうるように思います。

もちろん電力会社が「事故は起きる、ということを想定した対策」をとれば、発電所の地域住民から「ほらみろ、運転している電力会社自身が安全でないことを認めているではないか」と厳しく指摘されます。しかし、そこを逃げずに説明を尽くすこともリスクマネジメントの実践です。「面倒なことには蓋をしろ」という姿勢は、もはや現在ではコンプライアンス違反(コンダクト・リスクの顕在化)になりそうです。

昨年4月以来の緊急事態宣言が明日にも発令され、海外とのビジネス交流も途絶えそうな状況の中で、日本企業の今後の経営環境は全く見通しが立ちません。今年から来年にかけて、「不正リスク」をはじめとする多くの事業リスクが日本企業に顕在化することは間違いないでしょう。ただ、福島原発事故から10年が経過した今日、なにか重大なリスクが顕在化したとき、企業の経営陣からは「想定外」という言葉がよく聞こえてくるようになりました(そのような言葉が出ないようにBCPも整備してきたはずだとは思うのですが・・・)。情報漏えい事件を起こした企業などは、「情報セキュリティの脆弱性については想定外だった」と言い訳するのが常套手段となりました。

もちろん、本当に想定外の事態も考えられるのですが、そもそも「事故や事件は起きる。不祥事もかならず起きる。起きたときに、御社はどう対応するのか?守るべきステークホルダーの優先順位はきちんと共有されているのか?」といったことを考えてこなかった(いや、考えてこなかった、というよりも社内での適切なコミュニケーションができていなかった、といったほうが適切でしょうか。たとえば「根拠なき安全神話」への妄信、会計不正事件の発覚を前提としたコーポレートガバナンス・コード補充原則3-2②ⅳの無視等)のであれば、もはや現状では(社外役員も含めて)取締役や監査役の善管注意義務違反と評価されてもしかたがないのではないか。

コロナ禍での会社経営は、それほどの有事に立ち至っているように思います。金融緩和政策と並び、近時の株高の根拠とされている308兆円もの手元資金が活用されるべきであれば、ESGと同様、有事を想定したリスクマネジメントという「無形資産」に投資することも不可欠だと考えます。

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2020年11月10日 (火)

第一生命は「オオカミ少年」を歓迎する組織に変えなければ不正は発見できない

11月9日の日経ニュースによりますと、第一生命保険さんは、相次ぎ発生した営業職員の金銭詐取事件を受け、年度内にも本部に営業職員を監視する統括組織を設置することを柱とした再発防止策を正式発表した、としています(第一生命HP「元社員による金銭の不正な取得」事案についての経過報告ならびにお客さまへの注意喚起」)。

朝日新聞ニュース(有料版)の記事などを読みますと、社内で当該営業職員の不審な取引が疑われるようになった後でもコンプライアンス部門に情報が共有されていなかった、ということなので、モニタリング機能を強化しなければならないのは当然のことと思います。ただ、(毎度申し上げるとおり)どんなに内部統制を強化したとしても「あやしい」と思った人が「あやしい」と声を上げる雰囲気(組織風土)が醸成されなければ統括組織に情報は上がってこないでしょうし、結局は絵に描いた餅になってしまいそうです。その組織風土の改革に取り組む「本気度」がなければ、今回のような不正は防げない(正確にいえば「不正を早期に発見できない」と考えます。

一番わかりやすい例が、「不正があるのではないか」と誰かが声を上げたときに、社内調査を徹底し、結局のところ不正事実が認定できなかったとしても、この「声を上げた人」を会社が称賛できる体制を採用することです。さらに、社内でそのような体制がとられている、ということをストーリーとして組織構成員に伝えることも必要です。

また、徳山で発生した事例については「特別調査役」だった89歳の職員は特別の存在であり、社内で声を上げにくかったことが指摘されていますが、そのような聖域(ブラックボックス)は一切許さない、といった組織風土に変える必要があると思います(そもそも上場会社に聖域を許容する組織風土が残っていること自体、私は構造的な欠陥があると考えます)。

もちろん、このような体制をとることには現場からは批判的な意見が出るはずですし、拒絶反応も出るかもしれません。ただ、不正防止に向けた教育研修や内部統制によって営業職員の日常の営業に制約が増えるよりも、不正はまた起きるものである、という前提で、起きた時にはアラートが鳴る仕組みを整備したほうが営業の効率性を維持するためには得策だと思います。

要は第一生命さんの経営陣が「今後は二度と不正を発生させない」という方向性で考えるのか、「また起きるかもしれないが、今度は早期に必ず発見する」という方向性で考えるのか、そこの割り切りが重要です。「多数の営業職員を抱えている上場会社」という現実を見据えた場合、私は断然後者の考え方でコンプライアンス経営を進めるべきだと思います。

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