2018年5月21日 (月)

日本年金機構サイバー攻撃事件に思う個人情報管理のむずかしさ

本日は薬師寺にて、毎月恒例の弥勒縁日の法要に行ってまいりました。執事長から参集者に対して「すでにご承知のとおり、管主が人の道に反する行動をとり、たいへん申し訳ありませんでした。本人は責任をとって退山されました」と、不祥事の経緯を丁寧に説明されていました。週刊誌の記事が発端でしたが、こういった宗教法人でも適時適切な危機管理は(組織の信用回復のために)不可欠だと改めて認識した次第です。

危機管理といいますと、5月19日の日経朝刊社会面に、「年金機構へのサイバー攻撃、容疑者不詳のまま書類送検へ」との見出しで、ひっそりと2行ほどの記事が掲載されていました。2015年に発生した日本年金機構のサイバー攻撃事件については、私も事件解明に関与しましたので、今回の記事はとても残念です。事後規制が効かないだけに、企業としては、今後さらに事前予防が重要になると思います。

私はあまり情報セキュリティーには詳しくありませんが、詳しくない人間でも、事前予防のための重要な施策については検討しておくべきです。PCやサーバーに入り込まれた原因は、ホントに初歩的なセキュリティ保護のミス(ひとりひとりの心がけ、といっても良いかと)だからです。攻撃する側は長期戦でじっくりと攻めてきますが、情報管理の簡単なマナーさえ毎日励行していれば防ぐことができると思います。でも、ときどき仕事が忙しかったり、私的な都合で貸与パソコンを利用したりして例外を許容すると(相手が長期戦だけに)侵入されてしまうことになります。もうこのあたりは「多少、業務の効率性を犠牲にしてでも安全性を重視しよう」といった思想で動いている企業も増えてきたのかもしれません。

また、当時も書きましたが、ちゃんとしたセキュリティ会社さんとのお付き合いが大切かと(笑)。「大丈夫です。とくに問題ありませんでした」と診断されて安心しているうちに侵入者が活動を開始していた、といったシャレにならない事態がありましたので、「お医者さん選び」と同じだと痛感しました。

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2018年5月14日 (月)

コンプライアンス・リスクの格付けが始まるそうで。。。

5月13日の日経ニュースによりますと、東京商工リサーチさんが5月14日から国内外の企業の法令順守(コンプライアンス)リスクを算出するサービスを始めるそうです。40以上の国・地域の約3万5000件以上の制裁リストやメディア情報をもとに、法令順守に違反しているリスクを100段階で格付けする、とのこと。法令順守リスクなる概念は初めて知りました。

東証「企業不祥事予防のプリンシプル」に対応して、予防のための取組みの開示を準備されている企業が出てきていますが、このようなコンプライアンス・リスクが格付けの対象になりますと「なにがなんでも隠しちゃえ!」「バレたらバレたで、そん時に考えよう」といった企業も増えてくるような気がします。まぁ、そういった企業はマイナスポイントが大きく付く・・・といったことになるのかもしれませんが。

しかし、日本企業の場合、「法令順守」に問題がある企業は、むしろ「取引先に迷惑をかけてはいけない」との思いから自社に不正リスクを抱えてしまうことも多いわけでして、一概に法令順守リスクが高い企業=「おつきあいしたくない企業」とも言えないのではないかと。むしろ、こういった格付けの判断基準となるハードロー違反よりも、判断基準からはずれるソフトローを無視する企業のほうが「おつきあいしたくない企業」だったりするような気がします。

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2018年3月15日 (木)

社長の「重過失」責任を問うことはかなり難しい-ユッケ食中毒事件東京地裁判決

本日(3月14日)の朝日新聞(東京版)朝刊に、2011年に発生した(5人が亡くなった)富山のユッケ食中毒損害賠償請求訴訟の地裁判断(東京地裁)が報じられていました。被告は会社、社長、そして店長となっています。会社は賠償責任を認められましたが(もともと争わず?)、争っていた社長さんには「重過失」が認められず、賠償請求は棄却されたそうです。12年前のシンドラーエレベータの死亡事故に関する高裁判決では、本日、当時の社長さんに逆転無罪の判決が出たそうですが(ただし主として事実認定の問題)、いずれの判決でもご遺族の方々にとっては無念な結果となりました。

上記朝日の記事によりますと、当時、生食の提供が禁じられていたわけではなく、また肉の表面を削り取る国の衛生基準が周知されていたわけではない、との理由で重過失は認められなかったそうです。社内の内部統制として、国の基準に沿うように徹底していなくても、社長に重過失(著しい注意義務違反)があったとは言えない、という結論です。事実関係や法律上の主張等を正確に確認したいので判決全文を読んでみたいです。

私は当時、こちらのエントリー(ユッケ食中毒事件に伴う規制強化とコンプライアンス上の苦悩)等にて、いくら食肉に関する衛生基準が厳格化されても、規制の実効性は乏しいのではないか、と疑問を呈しておりましたが、なるほど重過失の有無を問うような場面では、社長さんの民事責任を追及しやすくなる、という意味で実効性はあるようにも思えます。ただ、日本システム技術最高裁判決では、社長さんの内部統制構築義務違反について重過失は否定されましたので、なかなか実業会社の経営トップの損害賠償判決を(内部統制構築義務違反を根拠に)勝ち取ることはむずかしいですね。

 

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2018年3月 1日 (木)

企業不祥事の予防と対応のプリンシプルは「車の両輪」

「新幹線台車亀裂事件」では新事実が公表され、先日の宇部興産さんに続き、川崎重工業さんの「物づくり」の品質が問われています。3月6日には神戸製鋼さんの調査報告書が公表されるとのことで、またそちらの話題も取り上げたいのですが、本日は2月21日に日本取引所からリリースされました「上場会社における企業不祥事予防のプリンシプル(案)」について、すこしだけ持論を書かせていただきます(もちろんパブコメ募集中なので、今後正式版は若干修正されるかもしれません)。以下は、個人的見解にすぎません。

ちょうど2年前の2016年2月に公表されました「上場会社における企業不祥事対応のプリンシプル」については、不祥事が発覚した多くの上場会社の行動規範として確立したと言っても過言ではありませんね。有事に至った上場会社が、公表前に東証と相談をするわけですが、そこで「対応プリンシプル」が参照されるわけです。会計不正であれば監査法人のレビューや意見にも影響が及ぶわけですから無視することもできません。

ただ、有事が現実化した上場会社とは異なり、「予防のプリンシプル」は平時の上場会社の行動指針ですから、上場会社にとっては「指針に沿った行動をとるインセンティブ」がなかなか思い浮かびません。「たしかにプリンシプルにはいいことが書いてあるけど、ウチはコンプライアンス意識は高いし、そもそも不祥事は起こらないし・・・」というのが経営者のホンネではないでしょうか。

そこで「予防のプリンシプル」の前文に「対応と予防のプリンシプルは車の両輪」と解説されていることに注目すべきです。実は「予防のプリンシプル」に沿った組織づくり(とくに運用面)に尽力している上場会社には「それなりに」メリットがあります。たとえば「費用対効果」の側面です。

どんなに体制を整備しても不幸にして不祥事は発生します。しかし、その会社が「予防のプリンシプル」に準拠した体制作りに尽力していた場合には、「(経営者の関与は認められず)企業不祥事は判明した不祥事だけであった」との説明にステイクホルダーの理解が得られます。しかし準拠した体制作りを怠っていた場合には、「発覚した不祥事は氷山の一角にすぎず、他にも類似案件がたくさんあるのではないか」との疑惑を払しょくできません。これは投資者保護の視点から検討される上場維持の審査、改善報告書の審査にも影響します(もちろん内部管理体制の評価基準と『あるべき方向性』を定めたプリンシプルとは異なりますが、親和性は高いはずです)。最終的には企業の信用は回復されるかもしれませんが、そこに至るまでの時間や費用には格段の差が生じます。

さらに、(講演等で毎度申し上げているとおり)オリンパス事件、東芝事件以降、金融庁審査、東証審査、監査法人の監査、いずれの場面においても、関心の対象は実業を持った企業で起きた不祥事の「根本原因の究明」に移っています(5~6年前までの「ハコ企業」「フトドキモノ企業」の排除に当局の関心が向いていた時代と比較してみてください)。そこで、予防のプリンシプルに沿った企業行動がなされていれば、この「根本原因の究明」についても(ガバナンスに問題があるのか、業務プロセスや統制環境といった内部統制に問題があるのか、それとも組織風土としてのコンプライアンス意識に問題があるのか)深堀りができ、投資者保護に向けた実効的な再発防止策の検討も可能になると思います。一方、予防のプリンシプルに沿った企業行動がとられていない場合には、根本原因に関する合理的な説明が困難となり、第三者委員会のやり直しや行政調査を余儀なくされる事態に発展します。

以上は、予防のプリンシプルに準拠するメリットの一例であり、実はもっと多くのメリットがあります(とりわけ経営陣のリーガルリスクに関わるメリットなども、対応するためのインセンティブになりえます。そのあたりは、また講演等で解説させていただきます)。ただ、上記のようなメリットは、日本取引所が「車の両輪」と解説する意味合いを如実に示すものではないでしょうか。

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2018年2月19日 (月)

日本取引所グループ「上場会社における不祥事予防のプリンシプル(案)」について

日経新聞の日曜版(2月18日)一面で、「日本取引所グループ 企業不正防止へ指針」なるフライング記事(?)が出ておりました。その記事によりますと、日本取引所は(もうすぐ)企業不祥事予防のプリンシプル(案)を公表するそうです(おそらく、公表されるのは指針の草案なので、今後パブコメを経て正式版になるものと思います)。

ご承知のとおり「上場会社における企業不祥事対応のプリンシプル」はちょうど2年前(2016年2月)に公表されていますが、そちらは企業不祥事の発覚時、つまり有事における危機対応の指針として策定されました。会計不正発覚時の企業対応など、現在では多くの上場企業がその指針に影響を受けているのが現状です。しかし、上場会社における昨今の企業不祥事の頻発をみるに、「早めに不正の芽」を見つけ、これに対処することが(株主、投資者にとっても)重要ではないか、という考え方のもとで、取引所も不祥事予防に力点を置いたプリンシプルの策定に至ったというところかと思われます。

日経記事にもありますように、指針は6原則から構成されているようですが、各原則にはそれぞれ解説文も付されているのではないかと推測します(笑)。本指針に関する私なりの意見につきましては、また正式に草案が公表された後に当ブログでも申し上げたいと思います。ただ、原則の中には「監査・監督機関」に向けての行動規範となる指針が含まれているようですので、そのあたりについては監査役、監査等委員の皆様に(もちろん正式公表後になりますが)解説させていただきます。

なお、ここから先は本当に私の推論にすぎませんが、公表予定の「上場会社における不祥事予防のプリンシプル」については、文字通りの「企業不祥事の予防」という視点だけで捉えられる内容ではないということに注意が必要かと思われます。たとえばプリンシプルに従った行動を遵守していて、不幸にして不祥事が発覚した場合にも、それなりに「(指針を遵守していれば)おいしい結果」が待ち受けているのではないかな・・・と(笑)。つまり、平時からのコンプライアンス経営への取組みが、実は有事の「危機対応」にも活きる・・・、という点をぜひとも読みとっていただければと思う次第です(いつも日本取引所の役員の皆様には「ブログで書いていただいているが、ここは間違いですよ」とご指摘いただきますので、この推論部分も間違いがあれば指摘されるかもしれません・・・笑)。

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2018年1月12日 (金)

子会社不正について「親会社による公表は不要」なる選択肢

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週刊エコノミストの最新号(1月16日号)に、拙著「企業価値を向上させる実効的な内部通報制度」の書評を掲載いただきました。おかげさまで、アマゾンのランキングもそこそこ復活してまいりました(どうもありがとうございます)。以下本題です。

1月11日の毎日新聞1面および2面では、ガラス最大手の旭硝子さんの子会社(AGCテクノグラス社)が、2015年以降、実験や臨床検査に使われる「遠沈管」の一部について、必要な検査項目の一つを実施していない製品を大学や研究機関に納入し続けていたことが報じられています(たとえば毎日新聞ニュースはこちらです)。とりわけ同紙2面記事では、子会社不祥事について親会社が会見をせず、また子会社HPのみで不祥事を公表している親会社(旭硝子社)の情報開示姿勢に疑問を投げかけています。

会見を開くかどうかは、不祥事の軽重によって会社側の裁量に委ねられるところが大きいように思いますが、たしかにグループ会社のHPのみ公表しながら親会社では一切公表しないという「公表判断」については少し考えてみる必要があると思います(なお、親会社である旭硝子さんは、今回のマスコミ報道を受けて1月10日に親会社HPで簡略に不適切行為の内容を公表しました)。

親会社側は、経営幹部の方が「(品質検査を実施しなかった製品については)消費者が使う製品でなく、不正な保証書を出した納入先もわかっていたため、問題ないと判断した」と釈明しておられるようです。ただ、子会社の公表文章を読みますと、品質検査の未実施が2015年2月から開始されていたとのことで、約3年間も続いていたことがわかります。品質検査書の偽装が特定の社員によってなされていたとしても、ほかの社員も「見て見ぬふりをしていたのではないか」つまり組織ぐるみのルール違反ではないか、との疑問も湧きます。また、取引先への製品回収等に関する呼びかけがなされていますので、子会社HPのみでの広報で本当に情報収集の姿勢に問題がないのか、これも疑問が生じるところです。さらに、親会社の方が説明されているような理由であれば、子会社でも公表する必要はなかったのではないか、と思います。わざわざ子会社だけで公表した、というのは、(少なくとも文面を読んだかぎりでは)内部通報者に外部へ情報提供をさせないための方策に過ぎないのではないか、とも疑われそうです。

他社事例では、公表しない不祥事は一切しない、公表する場合には親会社と子会社双方のHPで公表する、といった取扱いケースが多いのではないでしょうか。「不正が重要とは判断しなかったので一切公表しなかった」といった理由は明確ですが、子会社では重要だが、親会社では重要とは思わなかった、という理由は果たして世間的に理解されるのかどうか。今後、他社でも同様の公表姿勢が選択肢のひとつになるかもしれませんので、少し考えてみる必要がありますね。

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2018年1月 9日 (火)

相次ぐ企業不祥事-最新事例から導く『ガバナンス』を機能させる視点と実践策

本日はお知らせでございます。ひさしぶりに東京でコンプライアンス経営に関する一般向けセミナーを実施することになりました。みずほ総研さんにご協力いただいたものでして、「最新事例から導く『ガバナンス』を機能させる視点と実践策」と題する講演でございます(副題は「不祥事の抑止・早期発見、有事対応に不可欠な、健全なガバナンス構築とは」とついております・・・かなり長い 笑)。すでに30社ほどからお申込みをいただいておりますが、当ブログをお読みの方々にも、ぜひご聴講いただきたく告知させていただきます。

今朝(1月8日)の日経朝刊11面(法務面)でも「汚職リスク 投資家が評価」と題する詳細な特集記事が掲載されていました。資本市場がSDGs(国連の持続可能な開発目標)への関心を高める中、長期リターンを目指す機関投資家の期待に応えるために、不正リスクを低減させるためのガバナンスを対外的にアピールすることはとても重要です。当ブログでも、昨年8月にこちらのエントリーにて「コード・オブ・コンダクトの実効性」を(清原健弁護士の小稿を引用しつつ)紹介しております。このあたりは海外企業はかなり先行しています。

上記日経記事にあるように、2017年後半からDOJ(米国司法省)は、ふたたび海外企業のFCPA(外国政府高官への贈賄禁止)違反への摘発を強めており、日本企業の摘発も例外ではありません。汚職だけでなく、不正についても捜査の手が延びていることは最近の神戸製鋼さんへのDOJの書類提出要請からもうかがわれます。記事中の信越化学工業さんや三菱商事さんのように、平時からの防止体制を積極的にアピールする企業も出てきています。とりわけ日本では、健全なリスクテイクに向けた「ガバナンス改革」が進む中でのアピールなので、攻めと守りのガバナンスは一体的に考えることが不可欠です。ということで、上記のようなタイトルのセミナーを緊急開催することといたしました。みずほ総研さんのHPでの告知文を以下引用いたします。

不正会計、品質データ改ざん、情報漏えい、労基法違反など、日本を代表する名門企業における不祥事が連日報じられていますが、とりわけ業績に大きな影を落とす不祥事が目立ちます。不祥事対策というと、どうしても有事の対応ばかりが注目されますが、実は平時の健全なガバナンスの構築こそ、不祥事の抑止、早期発見、そして信用回復の場面に欠かせません。また、ガバナンスの「攻め」と「守り」は表裏一体の関係です。 本セミナーでは、「攻めのガバナンス」への真摯な取り組みが不祥事防止につながり、また「守りのガバナンス」への取り組みが中長期的な企業価値向上、競争力の強化につながることを、精神論ではなく実践論として解説致します。企業法務分野を専門とし、大手企業の社外取締役や社外監査役を務め、コンプライアンス経営の最前線に立つ講師が、最新の事例を交えながら説明致します。

昨年話題となった「原因と結果の経済学」ではありませんが、企業不祥事の発生原因やガバナンス構築と不祥事防止の関係といったことについても、「因果関係があるのか」「単なる相関関係にすぎないのではないか」といったところの検証が必要だと思います。また文化心理学の発想による「ボスだけを見る欧米人、みんなの顔まで見る日本人」ではありませんが、議決権行使助言会社や機関投資家が企業を見る目を意識することも必要だと思います。まだまだ試論にすぎませんが、持続可能な企業経営に必要なコンプライアンスについて、私なりの(精神論ではなく)実践論を3時間半の講演でお話したいと考えております。みずほ総研さんのセミナーということで、お値段は若干高め(?)ですが、お時間と興味がございましたらぜひ内幸町のセミナールームにお越しいただければ幸いです。

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2017年12月29日 (金)

のぞみ34号台車亀裂事件-JR東海運行責任者への称賛こそ重要

12月11日に発生した「のぞみ34号台車亀裂事件」ですが、台車の亀裂が発見されたことで新幹線開業以来初めての「重大インシデント」として取り扱われています。マスコミは、なぜJR西日本の関係者が新大阪駅で緊急検査をしなかったのか、安全性軽視の姿勢は福知山線事故以来変わっていないのではないか、と批判をします。

社員間の情報伝達ミス、JR東海への引継ぎミスは批判されても当然であり、一歩間違えれば大惨事につながりかねなかったことを考えますと、再発防止策を真剣に検討しなければならないことは誰も否定しません。重大な事件を契機に、可能な限り亀裂に至ったプロセスを分析することも(私は専門家ではないのでどこまで可能なのかはわかりませんが)必要なのでしょう。ただ、私がこの事件において一番関心を抱いたのは、名古屋駅での緊急検査および運行休止を決断したJR東海の運行関係者の姿勢でした。

のぞみ34号が京都駅を出発した時点で、13号車付近で異臭を感じた(JR東海の)車掌さんがいらっしゃったそうです。とくに乗客からの苦情もなかったようですが、「異臭」から新幹線ダイヤを大幅に狂わせてでも緊急検査が必要と判断したことに躊躇はなかったのでしょうか。さらに名古屋駅の緊急検査で判明したことは床下のオイル漏れでした。その時点でも台車の亀裂までは発見していませんが、乗客約1000名を別の列車に移して運行を止める行動にも躊躇はなかったのでしょうか。

異臭の原因はたいしたことではなかったとなれば、「人騒がせな緊急検査で多くの乗客が迷惑を受けた」「ダイヤの混乱を生じさせた」と言われ、「本当に異臭がしたのか?」「車掌の疲れが原因だったのではないか?」と逆に責められる可能性もあるでしょう。しかし、私は台車の亀裂が見つからなかったとしても、このJR東海の車掌さんの行動こそ称賛されるべきであり、また「ダイヤを混乱させ、結果としてたいした故障が発見されずとも、乗客の安全のために新幹線は止めるべし」とするJR東海の組織風土こそ重要だと考えます。

毎度申し上げるとおり、こういった発想には副作用が伴います。「たいした故障でもないのに新幹線が頻繁に遅れて乗客に迷惑だ」「一部の新幹線の検査で東京から博多まで全ての列車が迷惑する」「こんなに故障が多いとなれば安全神話も昔の話、世界への売り込みもできなくなるだろう」などと揶揄されることになります。しかしどんなに整備を万全にしたところで事故は100%防止できるものでもなく、また人的ミスも同様です。だとすれば(間違っているかもしれないけど、みんなのために警告を出そう、という意味で)「オオカミ少年」を許容する寛容さを社会に求めることまでは無理だとしても、せめて鉄道会社自身としては組織風土として構築しておかねばならないと考えます。

重大な事件の発生を踏まえて、JR西日本では「運転停止判断のための緊急時のルール作り」「亀裂を感知するセンサーの設置」「目視だけに頼らない事前検査体制の整備」といったことが再発防止策として実施されることになると思います。しかし、いくら体制を整備しても、人間は有事を有事として捉えることには限界があります(人は常に平時でいたいというバイアスが働きます)。おそらく危機に直面した社員にマニュアル通りに合理的な判断を求めることはむずかしい場面があると思います。

だとすれば、「乗客の安全を最優先とした判断は、たとえ結果が間違っていても称賛する」といったメッセージが求められるのではないでしょうか。JR西日本の組織風土に問題があるとすれば、そのようなメッセージをいかにして社員の方々に浸透させることができるか、そこに光を当てることが有用ではないかと。いろいろとご異論もあろうかとは思いますが、短期的に見れば企業の利益を損ねる行為かもしれませんが、長期的にみれば企業の競争力(ひいては新幹線の国際的信用力)を高めることにつながると思います。

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2017年12月21日 (木)

不祥事防止、発見に向けた創業者(創業家)の役割

今年は年末まで「企業不祥事が次々と報じられる一年」となりました。当ブログでも、会社法改正等、ガバナンス改革関連の話題を書きたいと思っておりましたが、どうしても不祥事関連の報道に反応してしまいました。

今年も役員セミナー等で多くの会社にお招きいただきましたが、セミナーの前後で、不祥事関連の話題を中心に創業者、創業家の方々とお話する機会が多かったように思います。オーナー経営者として経営の最前線にいらっしゃる創業者だけでなく、ビジネスの第一線はプロパー経営者に任せて「文化の伝承」だけに従事される創業者ともお話をしました。さらに本業でも創業家の方々の(諸々の?)お手伝いが多い一年でした。

創業者、創業家の力が強い企業では「経営トップの暴走を食い止めにくいガバナンス」が形成されているがゆえに不祥事は発生しやすいのではないか(不正リスクが高いのではないか)・・・と言われています。組織ぐるみの不祥事のリスクということでみれば、たしかに正しい一面もあると思いますが、最近世間を騒がせる不祥事は創業者、創業家の力の強い会社では発生しないのではないかと考えています。なぜなら、創業者、創業家は「組織のバランス」を慎重に見極められるからです。

どの事例とは申しませんが、工程ラインを止める、車両の運行を停止する、新規上場を延期することには勇気が必要です。多大な関係者に迷惑をかけ、多大なコストを必要とする以上、声を上げる人にはそれなりの覚悟と責任が求められます。おそらく、自分と家族の生活がかかっている一般の社員が自力でこの覚悟と責任を負担することは至難の業です。だとすれば、営業や研究開発、経営企画にモノが言えない品質管理や内部監査、法務や経理部門といった組織のバランスを変える必要があります。

業績と経営効率の向上が求められる企業において、創業家や創業者の重要な役割は、この組織間の力学上のバランスを図ることだと思います。「おかしい」と思えばラインを止める、運行を中止する、新規上場を延期する、という行動を執行部門のトップに進言することは、なによりもこの組織間のバランスがとれていなければむずかしい。ラインを止める覚悟と責任は、すくなくとも品質管理・保証部門や経理法務部門の組織全体で背負う必要があると思います。

「おまえら、法務の●●課長が『調査の必要がある』と言うとるんや!納期間に合わんのやったら謝ってこい!調べるほうが先や!」とオーナー経営者が怒鳴れば、これがひとつのストーリーになります。これでやっと法務や監査部門が「おかしい」と声を上げる土壌が生まれます。もちろん、この「おかしい」と声を上げた担当者が自身のスキル(社内の根回しなど、組織力学上のスキル)を磨かなければ評価されないことは当然です。しかし「声を上げても何も変わらない」といった組織風土だけは変えなければ、同じような不祥事は何度も繰り返されるでしょう。

上場、非上場にかかわらず、こういった「組織バランス」を慎重に見極めている創業者(創業家)が多いことに、最近気づきました。現在日本では2000名以上の組織内弁護士(企業内弁護士)がいらっしゃいますが、(これは独断と偏見かもしれませんが)オーナー色の強い企業で勤務している組織内弁護士の方々は、責任が重い代わりに大きな権限をもって仕事をされているように感じます。格付け会社がESG指標を評価基準に採用する時代となり、また内部通報制度の充実がSDGsの目標8および12に資すると消費者庁が宣言する時代です。どうすれば不祥事に強い組織となるのか・・・、これも企業価値の向上につながる課題ではないでしょうか。

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2017年12月12日 (火)

取引先社員による内部告発の脅威-大手ゼネコン役員辞職

本日(12月11日)ある会合で、新刊の拙著をお読みになった方から「以前出された本よりも読みやすくなったが、『内部通報』と『内部告発』の区別はわかりにくい。せめて『内部告発』は『外部告発』と表記すべきだ。そうすれば内部通報との区別もイメージしやすい」とのご意見をいただきました。外部第三者への社員による情報提供は「内部告発」という用語が一般的に使われているのですが、一般の方に向けた本であれば、たしかにイメージしやすい表記をすべきだったかもしれませんね(法律上の用語でもないので、今後は検討いたします)。

さて、当ブログの本日の話題はといえば、間違いなく多くのマスコミで取り上げられているこちらの記事になってしまいます(清水建設、執行役員辞職。下請け業者に実家の雪下ろしさせ・・・毎日新聞ニュースより)。最初に報じたのが毎日新聞ニュースでしたが、テレビニュースでは、多くの下請け事業者の社員が清水建設執行役員の方の実家に集まり、雪下ろしではなく「草むしり」をしている映像が映し出されておりました。報道では「マスコミからの照会により社内調査を進め、本件が発覚した」とありますが、テレビニュースには下請業者社員の方が(顔ボカシをして)インタビューに応じておられたので、まちがいなく内部告発(外部告発)でマスコミに情報が提供されたものです。

大手ゼネコンさんの不祥事といえば、偽計業務妨害罪容疑で捜査が進行している談合や賄賂といった事例が思い浮かびますが、(もちろん競争不正という意味ではとても違法性は高いのですが)「会社のためにやった」という意味では、日本人はやや寛容なところがあると思います。しかし「実家の草むしり、雪下ろしを下請け業者にやらせた」というのは私利私欲のための優越的地位の濫用であり、社会的批判はとても強いものとなるはずです。当該下請け業者の資本金が3億円以下なのかどうか不明ですし、ゼネコンさんが法人として利益(役務の提供)を得たわけではないので、下請法違反には該当しないのかもしれません。しかし、この下請け業者さんは福島の除染作業を請け負って100億円もの売上を計上していたそうですから、ゼネコンさんが見返りに業務を委託していたのではないか・・・といった疑惑を持たれてもしかたのない行為です。

本事件に関連するネット掲示板を読んでおりますと「ゼネコンと下請けの関係からすれば、こんなの日常茶飯事だろ」「告発した社員は下請け業者から解雇されるだろうな、余計なことしたんだから」といった書き込みが散見されます。もし、本当に掲示板の書き込みが正当な意見だとすれば、ゼネコンさんの社内調査は(税金が使われている受託事業である以上)かなりスコープを拡大する必要があると思います。また、清水建設さんのヘルプライン(内部通報規程)では、おそらく取引先社員による内部通報も許容しているはずですから、当該下請け業者社員による内部通報の有無も調査すべきです(もちろん、このような不適切行為が「公益通報」に該当しないとしても、下請け業者への報復的な取引制限については民事上問題になりうるものと考えます)。

かりに「こんなのゼネコンの世界ではあたりまえ」であったとしても、世間の常識とかけ離れていれば告発の脅威にさらされます。人手不足の折、今後は同様の不祥事発覚がさらに増えるものと思われますが、社内で問題行為を早期に発見するためにも内部通報制度を充実する必要があります。

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