2023年11月24日 (金)

詳細が知りたい「オープンAI内紛劇」の対立構図

宝塚歌劇団に労基署の立入調査が入ったことが話題になっていますが、パワハラ問題ではなく長時間労働に関する調査なので、とくに新事実が出てくるものではなくて粛々と阪急電鉄側が応じればよいだけの話ではないかと。ただ、阪急電鉄側の自浄能力が疑われるような事態であれば「別の第三者」(たとえばBBCとか海外NPOとか国連人権委員会とか)が問題視する可能性はあるように思います(以下本題です)。

さて、対話型AI(人工知能)「ChatGPT(チャットGPT)」を運営する米オープンAIの内紛劇ですが、同法人は11月22日、理事会が解任したアルトマン氏(前最高経営責任者CEO)をCEO職に復帰させることで基本合意したと公表しました。アルトマン氏の唐突な解任からわずか4日で収束したようで、アルトマン氏の解任かかわった理事3人は退任するとのこと(朝日新聞ニュースはこちらです)。

23日にロイターが報じたところでは、この理事3人とアルトマン氏との対立は「成長」と「開発の危険性」に関する考え方の相違にあったとされていて、解任事件の直前には同法人の研究者有志から役員会に対して「人類を脅かす可能性のある強力なAIの発見について警告する書簡」を送っていたそうです。もちろん世界最先端の技術開発会社であり、非営利法人が支配権を持つという特殊事情もあったと思いますが、AI開発とそのリスクマネジメントの「不調和」がどのような経緯でトップの解任劇にまで至ったのか、ガバナンスやコンプライアンスに関心がある者としては、詳細について知りたいですね。

ガバナンス論議において「攻めのガバナンス」とか「守りのガバナンス」とか「攻めと守りは一体だ」とかいろいろと抽象的な言葉が飛び出しますが、どんな力学が働いて収束に至ったのか。従業員の9割が理事3人の退任を要求したということはもちろん大きかったと思いますが、外部不経済への対応、AI哲学、コンプライアンスなど、どのような要素がどれくらい解任劇収束に影響を及ぼしたのか・・・。なかなか真実はオモテに出ないかもしれませんが、海外のメディアによって詳細な顛末が報じられることを期待します。

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2023年11月22日 (水)

少数株主による合法的な会社乗っ取り(従業員ガバナンス)

FanseatでサッカーW杯2次予選「日本対シリア」をLive視聴しておりましたが、5-0ということで日本の強さばかりが目立った試合でしたね。シリアはほとんどシュートも打てなかったように見えました。

さて、対話型AI(人工知能)「ChatGPT(チャットGPT)」を運営する米オープンAIのサム・アルトマン前最高経営責任者(CEO)の解任をめぐって、同社の混乱が深まっています。同社従業員の約9割がアルトマン氏の復帰を求め、叶わなければ退職する意向を示したと報じられており、従業員らはアルトマン氏の解任に賛成した同社の社外取締役3名に対して解任通告を行ったそうです(たとえばこちらの朝日新聞ニュース 混乱極まるオープンAI アルトマン氏解任の背景にある「いびつさ」)。「従業員ガバナンス」を彷彿とさせる事件です。

もちろんオープンAI社の場合は記事にもあるように非営利法人が営利法人の支配権を握るといった特異なガバナンスが構築されていたり、従業員の数もかなり多いという事情もあって、「従業員資本主義」とまでは言えませんが、日本では少数株主が支配株主を会社から追い出すために「従業員ガバナンス」を活用する(?)ケースは時々あります。乗っ取り屋としては、ターゲットとなる会社のナンバー2とかナンバー3(以下「ナンバー2」といいます)で、しかも経営幹部層(部長クラス)にとても慕われている人に接近して、大株主である経営者を少数株主(主にファンドや同業者大手)が追い出すケースですね。

経営者が大株主の地位で当該ナンバー2を排除しようとすると、多くの支店長や工場長が「ナンバー2のほうについていきます」と宣言して会社の機能をマヒさせてしまう、というもの。もちろんナンバー2が乗っ取り屋の支配下で社長になる、ということです。前回のエントリーでも書きましたが、経営者は「自分にはリーダーシップがある」と考えている人が多いのですが、実はフォロワーシップがない(実は自分のことを客観的に評価できる人はとても少ない)ことに有事になって初めて気が付く、というもの。

ナンバー2の反乱に気づいたときには、もうほとんどの幹部層がナンバー2に賛同しているという始末。乗っ取り屋としては、あとは適正価格で経営者から持分を買取る手続きに移行するというストーリーです(抵抗して株式を紙屑にしたほうがよいか、適正価格で換金したほうがよいか、現経営者は法律家と相談して決断します)。医療法人や社会福祉法人の統合にもよく使われる手ですね。画策に社長が早期に気づけば社長にも対抗手段が考えられますから、乗っ取るほうは秘密裡に動く(そのために社内力学に精通している必要あり)ことが肝要です。

大会社においても、たとえば三越事件やヤマハ事件、セイコーインスツルメンツ事件など、経営者交代に従業員ガバナンスが機能した事例はいくつかあります。前回エントリーで述べた通り、私が指名委員会の委員として気を付けていたのは、当該社長候補者にフォロワーシップが認められるかどうか、という点でした。昨今の人的資本充実の要請とも合致すると思います。

 

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2023年11月20日 (月)

サクセッションプラン(後継者計画)に真摯に対応するための前提条件

11月17日の日経ニュース「トップ後継者計画、対応企業は26%どまり 民間調査」という法務ガバナンス関連の記事を読みました。記事によりますと、日本の上場企業において、経営者の後継を選別・育成する「サクセッションプラン」の導入がなかなか進んでいない、とのこと。民間調査では、サクセッションプランを策定して、これに対応している企業が全体の26%であり、「指名委員会」などトップ人事を監督する体制づくりは進んでいますが、企業価値向上を担える経営者選びなど機能面ではまだまだ課題が多いとされています。

1120 私自身が指名委員会委員をやったり、社外取締役アドバイザーとして支援をしている経験からみて、逆に「26%ものプライム上場会社がサクセッションプランを運用している」という回答のほうが驚きで、どうやって適切に運用しているのか教えてほしいです。私はサクセッションプランをうまく運用できない失敗からの反省は以下の2点です。これらが真摯に対応するための前提条件ではないでしょうか。

ひとつは(前も当ブログで少しボヤきましたが)社長候補者リストの作成とアフターケアーです。3人の最終候補者を選定して、育成して、その中から社長を選ぶのは良いとしても、では選ばれなかった2人に対してどう処遇すればよいのか?指名委員会には現経営者も委員として意見を述べるわけですが、社外取締役の委員と「残る2人の処遇をどうすべきか」あらかじめ議論しておいたほうが良いと思います。

もうひとつは「リーダーシップ」よりも「フォロワーシップ」こそ、社長候補者として大事、という点です。ガバナンスコードでは事業戦略のほうばかりに目が向きますが、どんなに立派な将来計画を立てたとしても、現場がこれを実践する力がなければ絵に描いた餅です。オープンAIのCEOの方が取締役会で解任されたそうですが、今後自分で会社を作り、多くの経営幹部もそちらへ移動する可能性が高いとなるや、今度は会社が引き止めにかかっていると報じられています。中間管理層も現場社員も、社長の方針に賛同するのは簡単ですが、これを実行に移すために必要なものはフォロワーシップだと思います。指名委員会が、このフォロワーシップをどのように評価するのか、ここがいつも苦心するところです。

指名委員会の運用は、下手をすると現社長の専横を許すことになり(「指名委員会が決めた」という事実が現社長のわがままにお墨付きを与える結果となって、かえってガバナンスの後退、機能不全を招く)、委員会を任意で作ったのであれば真摯に運用する覚悟が必要です。記事にもあるように、サクセッションプランの運用について、どう開示するか?という課題がありますが、上記のとおりサクセッションプランの運用はそもそも開示には一切なじまないものであり、指名委員会が汗をかいて根回しをして、ときには密室で喧嘩をして初めてうまく運用できる(結果として業績や収益が向上する)ものと(少なくとも失敗を繰り返した私は)考えております。

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2023年10月 6日 (金)

松田教授の日経「経済教室」-能力を伴う多様性確保について

SMILE-UP事案については「NGリスト」などが世間を騒がせており、少々ステークホルダーである企業の対応を論じるタイミングからは逸脱している様子なので、すこし傍観しております。しかしスポンサー企業としても対応に困るような状況になってきましたね。そもそもSMILE-UP社の開示情報をどこまで信用してよいのでしょうか。

さて、今朝(10月6日)の日経朝刊「経済教室-企業統治の課題(下)」では、東京都立大学の松田千恵子教授の論稿が掲載されており、サステナビリティへの企業の取組み(企業の視点と投資家の視点のズレ)や、ガバナンス改革の実質化に向けた多様性の考え方についてきわめて示唆に富む解説がされています。なかでも注目すべきは女性役員比率と業績(ROA)との関係です(これまで、学者の方がここまで明確に意見を述べられた方はいらっしゃらなかったのではないかと)。

私の講演等をお聴きいただいた方ならご存知かと思いますが、私はダイバーシティへの取組みについて「いくら女性の社外取締役を増やしても株価は上がるかもしれないが、業績との関係で有意性は認められない。しかし女性の部長や執行役員の比率が高まれば、間違いなく業績に影響を及ぼす。そのような意味でダイバーシティは重要」と(ここ3年ほど)いろんなところで述べてきました。

本日の松田先生のご論稿(後半部分)では、昨年の学会発表資料に基づいて、「同条件の比較では、女性社外取締役の存在は業績とは無関係だったが、実力で勝ち上がってきた女性執行役員の存在は業績にプラスの影響を与えた」と述べておられます。私は単純に日頃の仕事(ガバナンス構築や内部統制システム構築のお手伝いや有事対応、通報に基づく調査活動等)の中で自身が経験したことに基づいて述べているだけですが、松田先生は調査結果に基づいたご意見。上記ご論稿の中で示された図表をみると、女性執行役員比率と女性社外取締役比率との差は歴然としています。

なぜこのような差が生じるのか・・・という理由については、もちろん私なりの(数々の失敗に基づく)持論がありますが、ブログでは差しさわりがあるので述べません。また、「攻めの経営」との関係では女性社外取締役の果たす役割があまり目立たないとしても、ROAとは関係のない「守りの経営」ではかなり力を発揮する傾向があることから、もちろん女性社外取締役の役割は大きいものと考えています。ただ、企業業績の向上は、なんといっても社員を動かす力が必要であり、そこに女性管理職がどのように関与するか・・・というところで本気のダイバーシティの発想が求められるはずです。

なお、「デモクラフィー型多様性」と「タスク型多様性」の分類についても、「タスク型多様性」は業績にプラスの有意性が認められた、という点には同感です。ただ世間はタスク型多様性を「ダイバーシティ」とは認めない傾向にあるようにも感じています。このあたり、もっと掘り下げてお話をお聴きしてみたいと思いました。

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2023年9月14日 (木)

日大アメフト部員薬物事件は個人の問題では済まないようで・・・

本日(9月14日)は神戸ポートピアホテルで日本監査役協会のスタッフ全国会議が開催されますね。近くの甲子園球場で「アレ」の真っ最中に懇親会が開催されるとは、まさに絶妙のタイミングですね。(以下本題)

さて、ビッグモーター保険金不適切請求事案、ジャニーズ創業者性加害事案があまりにもインパクトが強いために、やや報道のトーンが下がっている日大アメフト部員薬物事案でありますが、ちょっと驚きのニュースが報じられています。FNNプライムオンラインの記事によると、

日大アメフト部員による違法薬物事件をめぐり、きのう学内で評議員会が開かれ、林真理子理事長らから、これまでの経緯や調査の進捗状況について報告された。関係者によると、この評議員会で、逮捕された男子部員の他にも、現時点で9人の現役部員について、警視庁から任意聴取などの依頼を受けていたことが報告され、違法薬物に関与した可能性がないか調べていることが新たにわかった。

とのこと。また、読売新聞ニュースによると、

日本大学アメリカンフットボール部の寮で大麻と覚醒剤が見つかった事件で、日大が、今月15日の調査報告書の提出期限を延長するよう文部科学省に申し入れたことが分かった。第三者委員会による徹底的な調査を行う時間が必要だと判断した。文科省も容認する方向だ。

と報じられています。大学にとって文科省への説明は最重要課題だと思いますが、第三者委員会による調査にかなり時間がかかるようですね。

8月9日のエントリー「日大アメフト部員薬物事件の記者会見を閲覧して感じたこと」でも私の違和感として「なぜ自己申告がなされた時点で共犯関係についてヒアリングをしたり、自ら調べなかったのだろうか」と書きましたが、「やっぱり」という感じであります。実際のところは当然調べていたものと推測します(当時、ここへの疑問として記者から質問が出なかったのはなぜでしょうか?)。ということは、共犯者が存在する(もしくは同様の犯行に及んだ仲間が複数存在する)ことについては隠していたのではないか、という疑問が(素直に)生じます。日大はこれからどう説明をするのでしょうか。

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2023年5月 2日 (火)

弁護士資格を有する取締役であるがゆえに高度な善管注意義務あり、との裁判例

旬刊商事法務の最新号(4月25日号)の「新商事判例便覧」を読んでいて初めて知りましたが、弁護士である取締役による他社の買収・管理に問題があり、会社に損害を発生させた場合に、当該取締役には弁護士資格者であるがゆえに高度な善管注意義務があるとして、当該善管注意義務違反に基づく損害賠償が認められた高裁判決が出ているのですね(令和4年9月15日東京高裁、なお原審東京地裁判決もほぼ同旨)。

A社がある会社を買収するにあたって、金融機関から融資を断られたため、A社オーナー経営者が「このままだと(買収が不成立となって)契約上の責任を負わないといけないかもしれないがどうしよう」と悩んでいたところ、弁護士資格を保有するA社取締役が「確定申告の控えをみると、対象会社には資産があるから財務的に大丈夫」「1億円ほどの資産があるので債務についても十分に返済可能」「自分はM&Aを専門とする弁護士であり、DDの経験もある」といったことを述べ、最終的にはトップも納得して経営判断として資金調達のうえで企業を買収しました。その後、この買収対象会社は統合後に破綻したため、A社が当該弁護士資格を有する取締役に会社の損害について賠償請求した、といった事案です(事案の解説はジュリスト2023年3月号の舩津教授(同志社大学)の解説記事から引用しています)。

これも判決全文を読んでおりませんので、あくまでも推測ですが、弁護士という資格をもって「当該取締役には高度な善管注意義務あり」との判断はそれほど聞いたことがありません。ちなみに過去の判例としては、小会社の監査役について、弁護士資格を有する監査役であるために代表取締役の粉飾決算を見抜けなかったことについて「重過失あり」とされ、対第三者責任が認められた下級審判決はあります(東京地裁平成4年11月27日 判例時報1466号146頁)。令和4年判決の弁護士の方は監査役や社外取締役ではなく、業務執行を担当していた社内取締役ではないかと思いますが、いずれにしましても、同業者としましてはちょっと気になる判決であります。会社社長に対する忖度もあったのでしょうか。

これも推測ではありますが、単に弁護士資格を有する監査役、取締役だからといって善管注意義務のレベルが高くなる、という単純な判断基準が示されたのではなく(事案をよく読むと)「うちの会社は弁護士が役員やっているから信用しなさい」とか「おれは弁護士だから安心しなさい」といった、やたら信用補完の材料として弁護士資格をちらつかせたことが「関係当事者の期待を高めた」として問題視されたのではないかと思います。属性要件に行為要件が加わったようなところがあるのではないかと(あくまでも希望的観測ですが)。

しかしそうなりますと、ガバナンスや内部統制に関する議論がさかんになった現時点では、この「行為要件」のところは結構重要なポイントになるかもしれません。世間では「ボード・スキルマトリクス」などが開示されることも増えており、そこには取締役会構成員の「法律」とか「財務会計」のスキルも掲げられるケースも多いようです。ちなみに会計士資格を保有している取締役(あるいは監査役)の場合には、会計不正事案の発生を防止するため、もしくは早期に発見するための「高度な善管注意義務」も認められるケースが増えるのでしょうかね?このあたりは当該判決がどこまで個別事情によって「高度な善管注意義務」を認めたのか精査する必要がありそうです。また、もう少し詳細な情報が集まりましたら続編を書きたいと思います。

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2023年4月 7日 (金)

全国の社外取締役(候補者含む)のためにも黒塗り公開を希望-ファミマTOB価格決定事件一審決定の内容

4月3日に「もう少し話題になってもいいのでは?-ファミマTOB価格・東京地裁決定事案」なるエントリーをアップしておりましたところ、本事案の複数の関係者の方から「講学上の目的であること、当職限りとすることを条件に(つまり、当職が関係当事者への支援をしないということを約束して)」株式買取価格決定申立事件の決定文(黒塗り版)の写しを頂戴いたしました(どうもありがとうございます!<(_ _)>)。

当事者のうちの1社であるRMBキャピタルさんのリリース(時事通信より)からも東京地裁決定の概要は読み取れますが、なにぶん100頁程度の決定文でありまして中身が濃い。まだざっと拝見しただけですが、あの関西スーパー統合差止仮処分事件の神戸地裁決定を読んだとき以来(いや、それ以上かも)の興味深い内容です(東京地裁第8民事部合議ですね)。現役の社外取締役として、これは心して職務を全うしなければと、身の引き締まる思いをあらためて実感しております。

マスキングが多いので若干読みにくいのですが、当時のファミリーマートの社外取締役で構成された特別委員会が、なぜ伊藤忠によるTOBに賛同意見(ただし価格については非推奨意見)を形成するに至ったのか、その経緯が時系列に沿って(20回以上開催された特別委員会を克明に記述して)明らかにされています。各時点において、財務アドバイザーや法務アドバイザーがどのような意見を述べたのか、という点も詳細に記載されており「私も同じ意見を言うだろうな」とか「なるほど、それは説得力があるなぁ(悔しいけど、私は気づかなかった)」とか「それって、社外取締役の確証バイアスを助長する結果にならないか」とか、いろいろつぶやきながら読んでおります。

また、地裁は特別委員会がその役割を果たしていなかったと結論付けて、あらためて裁判所の裁量で公正な価格を判断するとして、詳細に検討のうえTOB価格(2300円)よりも300円高い2600円が公正な価格だと判断しています。

既報のとおり本件は東京高裁に抗告中であり、公正な価格に関する裁判所の最終結論が出ていません。しかし、日本を代表する財務アドバイザー、法務アドバイザー(東京の大手法律事務所等)の意見を聴きつつ、特別委員会が悩みながら(苦しみながら?)意見形成を行った過程は、最終的に公正な価格がどのように決着したとしても、社外取締役の有事対応にとって参考になる内容です。

プロの企業価値算定のプロセス及び結論がたくさん出てくる決定文なので、マスキング処理が必要であることは理解できますし、やむを得ないところかと。ただ、ガバナンス改革によって社外取締役が急増している時代であり、また事業再編に向けたM&A事案が増えている中で、資本市場関係者の予見可能性を高めて、M&Aにまつわる紛争コスト(関係者のレピュテーションリスクも含む)を低減するためにも、なんとか公開はできないものでしょうかね?法律雑誌に掲載される価値は高いと思うのですが・・・(;´・ω・)

今後、当ブログでは(公開されない場合には本事案の関係者の皆様にご迷惑がかからない範囲で)一般論として「このようなケースでは①委員に就任した社外取締役、②特別委員会の答申をもとに取締役会で意見を求められた社外取締役は、どのように振舞えば法的責任を問われないか」という形でご紹介できればと思っております(なお、決定文の中で、某法務アドバイザー(著名な法律事務所)の方が「TOB価格が結論として公正な価格ではないとしても、そこから取締役個人の善管注意義務違反が認められるかどうかは別問題である」とおっしゃっておられますが、その意見は私もまったく同感でございます)。

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2023年3月25日 (土)

社外取締役・監査役と機関投資家との対話内容を開示せよ

金融庁の井上審議官のロイターインタビュー記事を読んでおりまして、ガバナンス改革の方向性として、私が当ブログ(たとえばこちらの記事とかこちらの記事)で5年前から述べている「ポピュレーション・アプローチからハイリスク・アプローチへの移行」が、いよいよ現実味を帯びてきたのではないかと期待をしております。

第二次安倍内閣のもとで日本再興戦略が策定されて丸10年。その「1丁目1番地」とされたガバナンス改革が施行されて丸9年が経過します。改革によって上場会社の株式価値は上がったかもしれませんが、企業価値は上がったのでしょうかね?制度対応は「なんちゃってガバナンス」に終始している企業が多いので、あまり効果は上がっていないようですね。

社外取締役を増やしても、任意の指名報酬委員会を設置しても、さらに監査等委員会設置会社に移行したとしても、もはや「ガバナンスの深化」は限界です。ただガバナンス改革は「終わりのない旅」だそうですから(前記・井上審議官)、自民党・金融調査会でも4月中旬に金融庁が策定予定である「アクションプログラム」を機に議論がなされるそうですね。

各社が「中計の見直し」で言い訳としている「新型コロナウイルスの影響」「ウクライナ情勢」「経済安保によるサプライチェーンの分断」「想定外の円安傾向」とガバナンス改革実施との関係についても検証された形跡はほとんどないですね(つまりリスクマネジメントの面においてもガバナンス改革は実効性がない?)。ということで、これからのガバナンス改革には、どうしても機関投資家の皆様のご尽力が必要です。機関投資家の皆様が活躍できる環境整備、おそらくハードローの面でも、ソフトローの面でも、開示促進、対話促進、協調行動促進の流れが大きく進むはずです(前記・自民党調査会でも有報の総会前提出が論点に上がっているのも当然の流れでしょうね)。

そして社外取締役や監査役の能力評価、研修促進という要請を効率的に高めるに、個人的な意見ではありますが「社外取締役・監査役と機関投資家との対話の有無、対話内容の開示」を提案したいと思います。私自身は社外取締役として国内・海外の機関投資家と対話した経験はわずか3回しかありませんが(海外の投資家とは同時通訳付きで)たいへん勉強になりましたし、是々非々の議論は投資家サイドにも参考になったのではないかと思います。また、議決権を持たない監査役さんが、経営判断にどのような影響を及ぼしているのか、知ることも貴重ではないかと。

わざわざ「取締役会改革3.0(社外取締役を通じた株主による経営関与)」などと言わなくても、目の前の社外取締役が機関投資家と同じ方向を向いているのか、それとも社長の顔色だけを窺っているのか、お茶を濁す物言いに終始するのはなぜか(単に知らない?fair disclosure?複雑な社内力学への配慮?)、いろいろと投資家が理解する良い機会でもあります。社外取締役との意見交換を通して機会損失を回避できるかもしれません。スキルマトリクスの開示よりも開示情報としては価値があり、また社外取締役の資質向上の機会にもなり「一石二鳥」だと思います。

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2023年3月18日 (土)

日産「不平等条約」解消と社外取締役の果たすべき役割

週間東洋経済の最新号(2023年3月25日号)のニュース最前線「日産『不平等条約』解消も交渉過程で乱れた足並み」を読みました。いや実におもしろい記事です。

このたびの日産・ルノーの出資見直し、新規事業への協働の件について、私は1999年の救済出資以降続いてきたルノーとの不平等条約問題が、元会長逮捕劇による紆余曲折を経て、このたび双方の合意により対等関係に至った、まさに「めでたしめでたし」のストーリーで終わったものと認識しておりました。しかし、上記記事を読むと、不平等条約解消に向けて経営執行部と5名の社外取締役との足並みがそろわず、解消話はあわやご破算のリスクを抱えていたそうです。

詳細は上記記事をお読みいただきたいのですが(東洋経済オンラインでは現時点ではアップされていないようです)、社外取締役のメンバーらは(ルノーの大株主である)フランス政府の出方が見えないことや、ルノーとの共同事業への参画による知的財産権侵害のリスクを理由として、不平等条約に向けた合意条件には難色を示していたそうです。

さらに記事によりますと、一部の社外取締役の方は、経営執行部を通さずに直接ルノーのCEOと連絡をとり、フランス政府の動向に関する情報を取得していた、とのこと。記事では「最終的には話がまとまったが、もしこじれていたらどうなったか」と社外取締役の行動を批判する幹部もおられたようです(ただし、フランス政府も最終的にはルメール経済財政大臣が「両社の交渉を支持する」旨の書簡を西村経済産業担当大臣に送付されました)。

上記記事の内容が事実だとすれば、この不平等条約解消の一連の経過は日本の社外取締役に期待された役割を考えるにあたって、多くの教訓を含むものです。ぜひ、現役の社外取締役、社外監査役の皆様も「自分だったらどのような行動に出るだろうか」と考えてみてはいかがでしょうか。たとえば・・・

①社外取締役の役割は企業の不正や不祥事がないように監視することが主たるもので、重大な経営判断は経営執行部に委ねるべきか(モニタリングモデルにおける「モニタリング」の意味は?)

②もし経営執行部の判断に納得がいかない場合、社外取締役は他の社外取締役と協議をしながら、自ら対外的な交渉の場に立つべきか(会社法上の業務執行に該当する?)

③あるいは経営執行部の判断に納得がいかないのであれば、社外取締役が多数を占める指名委員会で代表取締役を解職すべきか(そのような事態のための「サクセッションプラン」は?)

④重要な経営判断において、経営執行部の判断を否定することではなく、軌道修正をするために対立することは、そもそも社外取締役の役割ではないか(「健全なリスクテイク」の意味は?)

⑤ガバナンス・コードに実質的にコンプライすることを選択するのであれば、そもそも社内の経営が一時的に混乱することも「望ましい副作用」として機関投資家は許容すべきではないのか

等、様々な疑問が浮かんできます。みなさん、日産の企業価値向上を願う気持ちは同じだと思います。上記記事を題材として、ぜひ社外取締役に就任されている方々のご意見をお聴きしてみたいですね。

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2022年5月11日 (水)

PEファンドとコーポレートガバナンス

まったく更新できておりませんが、備忘録程度にほんの一言だけ。

本日(5月10日)は東京の某研究会にて、ユニゾンキャピタルの代表取締役の方とお話ができました(ひさしぶりにインプットする機会が得られてよかったです)。なぜ最近、PEファンドがガバナンスに関心を持っているのか・・・という点が、お話をお聞きして納得できました。もちろんガバナンス3.0への関心ということもありますが、それ以前に長期的に企業価値を向上させるためには(多少高くついても)ガバナンスの整備と適正運用が不可欠というPEの考え方がよく理解できました。

また何かの機会にお話しできればと。しかし20年以上、リスクをとりながらハンズオンで企業と向き合ってきた人の話というのは、なかなか説得力があるなぁと感心いたしました。数値化による説得力とアートの両方のセンスが必要ですね。ちょっと私にはまねできないかも('◇')ゞ。

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