2021年2月22日 (月)

今こそ会社法上の「会計監査人設置義務」への関心を高めよ-フタバ図書粉飾案件に思う

日曜日の夜の東京新聞ニュースでは「電子機器や服飾を含む日本の主要小売り・製造業12社が、中国新疆ウイグル自治区などでの少数民族ウイグル族に対する強制労働への関与が取引先の中国企業で確認された場合、取引を停止する方針を固めたことが21日、共同通信の取材で分かった」と報じています。先日、東京オリ・パラ元組織委員会会長の発言問題について、スポンサー企業がどのようなコメントをしたのか、という点が(比較されて)話題になっていましたが、もはや「ESGは企業価値向上に役立つか」などとフワっとした議論をしている時代ではなくなってきましたね(たいへんだぞ、これは・・・)。以下本題です。

2月20日の中国新聞デジタルのニュース「フタバ図書、10年間粉飾 在庫や資産償却を不適切記載」では、広島の書店チェーン大手のフタバ図書(非上場会社)が10年にわたって決算書に書く在庫を実際より多くしたり、固定資産の償却を小さくしたりして、不適切な計算書類を作成していたことが報じられています。また、別の中国新聞記事では、借入先の金融機関の数を少なく記載して、過小の債務総額を取引先金融機関に示していた、とも報じられていました。

これまで粉飾を説明してこなかったのは「上場会社のような開示義務がある企業を除き、企業価値を損なわないぬよう非開示が原則。信用不安からの破綻を回避しようと考えた」というのが会社側の説明だそうです。しかし、上記中国新聞の記事が正確に伝えているとすれば、この会社側の表現は誤解を招くものと思います。

上場会社ではなくても、株式会社である以上(つまり会社法が適用される会社である以上)、フタバ図書には計算書類(BSやPL)や事業報告について開示義務があります(会社法440条1項、同442条1項1号)。実際には開示義務を果たしていない非上場会社が多いことは事実ですし、また有価証券報告書の提出義務はありませんが、「法律上の開示義務がない」とは言えません。さらに、計算書類の内容についても、会社法では虚偽記載は過料の制裁が規定されていますので(同976条7号)、破綻を回避するために(会社の信用を維持するために)不適切な記載が許されるわけでもありません。

とりわけフタバ図書の場合、そもそも同社は金融機関からの借り入れだけでも総額235億円に上るということですから、会社法上の「大会社」に該当するはずです(同法2条6号。「大会社である」と断定できないのは、最終事業年度の貸借対照表に負債200億円以上が実際に計上されているかどうかはわからないため)。

ご承知の方も多いと思いますが、会社法上の大会社に該当すれば、会計監査人の設置義務がありますし(同法328条2項)、内部統制の基本方針についての決議義務も発生します(同法362条5項)。同社が会計監査人を設置していれば、まちがいなく粉飾決算を防止でき、仮に防止できないとしても、粉飾に対して早期に対応できることになり、今回のようにステークホルダーに迷惑(9割の貸付債権免除)をかけることもなかったはずです。

会社としては「当社は会計監査人設置会社である」という認識はなかったのでしょうか?あるいは、取引先金融機関として、会計監査人を設置すべきだ、と要求することはなかったのでしょうか?ぜひ、このあたりは更なるニュースで明らかにしていただきたい。

ところで、2010年に発覚した林原の会計不正事件のときにも思いましたが(2013年8月19日拙ブログエントリー「金融検査の見直しと林原の破綻」参照)、会社法上の大会社のように、会計監査人を設置しなければならないにもかかわらず、これを放置している会社が、日本にはかなり多いはずです(以前、日本公認会計士協会が、登記簿上の5億円以上の資本金を調査したことがあったように記憶しています)。林原のケースでは登記簿上の資本金5億円企業なので明確ですが、フタバ図書のように「負債額200億以上」となると、取引先金融機関でもなければ、なかなか指摘することはできないのかもしれません。

今後、金融機関も融資先の事業リスクの定量化を図り、M&A等の仲介事業なども手掛ける時代となりますと、これまで以上に融資先の会計不正には注意を向けなければならないと考えます。そうであれば、融資先に会計監査人設置義務があるのか、財務報告に関連する内部統制の構築義務があるのかどうか、という点には強い関心を示す必要があるのではないでしょうか。今回のフタバ図書の事例では「借入先金融機関の数を過少説明され、債務総額が見えにくかった」という事情があったのかもしれませんが、そもそも「会計数値」への信頼が融資業務において軽視されてきたのではないか、といった疑問がわいてきます。

当ブログでは何度も「会社法上の過料規定-976条-は時代に合わなくなってきたので、必要に応じて刑事罰規定に改正せよ」と言ってきましたが、計算書類の虚偽記載規定とともに、会計監査人の設置義務違反についても刑事罰化することが、「担保」偏重ではなく、事業リスク重視による金融機関の融資姿勢の変化を促すことになるのではないか、と考えております。

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2021年2月16日 (火)

働き方改革が進む中での営業秘密漏えいリスク

少し前になりますが、先週木曜日(2月11日)の産経新聞朝刊「経済♯アナトミア」の一面特集として「転職で機密流出 デジタル社会の穴-賠償すリスク『持ち込ませない』対策急務」なる記事が掲載されており、近時の働き方改革が進展するなかでの営業秘密漏えいリスクの高まりを認識いたしました(産経新聞をお読みになれる方はぜひご一読をお勧めいたします)。

①警察庁の調べでは、令和元年の営業秘密侵害事案は、平成25年の5件から21件に急増していること、②先日発覚した元ソフトバンク社員による機密情報漏えい事件は(経産省担当者によると)「事件化できたのは、ソフトバンクが営業秘密対策をしっかりとっていたから(中小事業者であれば、おそらく気が付かないか、 泣き寝入りに終わるであろう)」であること、③高額の賠償リスクを考えると、持ち込まれる側の企業にも訴訟を念頭に置いた不正対策が必要となること等が示されています。

とりわけ、コロナ禍におけるテレワーク、兼業、副業等による秘密漏えいの「機会」が増加していること、DX戦略における他社とのネットワーク作り、合弁事業を前提としたオープンイノベーションの増加が、今後の営業秘密対策の必要性を高めているようです。ただ上記記事でも示されていますが、秘密漏えい対策を強化することによって、社員による業務遂行の効率性に支障が出ることにもなりますので、この二つの要請をどう調和させるかがポイントになります。ここでもやはり「事前規制的発想」から「事後規制的発想」に転換する施策が必要になるのではないでしょうか。

ところで統計的にみても転職者による営業秘密漏えい事犯の数が多いそうですが、そもそもライバル会社に転職する、というのは、当該社員の経験知見をみこまれたからですよね。では当該社員の頭の中にある営業秘密を転職先で活用することは不正競争防止法違反にあたるのでしょうか。

もちろん、転職元企業が秘密として管理していた情報をたまたま記憶していて、その情報を活用するとなれば営業秘密の侵害行為にあたるでしょう。しかし、当該社員が価値ある情報として把握していながら、いまだ転職先に伝えていない情報については、転職先で活用することは問題ない、ということになります。また、長年の経験に基づいて培ったノウハウについても、当該ノウハウがすでに知的財産権として保護されているものでなければ、当該ノウハウを活かして転職先でバリバリと働くということも不正競争防止法違反にはならない、ということでしょうね(ただし民事上の競業避止義務に違反するかどうかは別として)。

このあたりの法律問題は知的財産に詳しい専門家の方の意見をお聴きいただくべきと思いますが、上記のとおりポストコロナの時代の転職者増加の時代となれば、「頭の中に残る営業秘密」問題は、結構悩む方も多いのではないでしょうか。転職者だけでなく、転職者を受け入れる企業側も、できれば「分別管理」などの工夫のよって訴訟リスクを低減させる必要があるように思います。

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2021年1月 4日 (月)

社長が知りたい「法務」の話とはいったい何だろう

昨年12月29日の日経朝刊(6面)に「日本企業、また敗れるのか」と題する梶原編集委員の論説記事が掲載されていました。今朝(1月3日)の同氏の論説「日経平均3万円の条件」(5面)とも重なる内容ですが、失敗をおそれる日本企業の文化が90年代半ばのIT革命における敗北、08年直後のリーマンショックからの復興での敗北を招き、さらに今回のコロナ後の復興でも敗北を喫する要因となる、とのこと(なるほど)。

そして、失敗をおそれる企業文化とともに、「企業の変革に必要な手つかずの課題」として取り上げられていたのが「法務部門の覚醒」です。新しいことにチャレンジするためには、経営者が法務を手元に置く必要があることが示されています。グレーゾーンにおけるリスクテイクの判断やルール・チェンジ(ルールメイキング)のための企画作りに法務を活用することはとても重要だと思いますし、ここ数年「攻めの法務」は様々なところで検討されていますね。

ただ、理屈としてはその通りなのですが、上場会社の現実をみると「法務に予算をつける権限を持つ」社長さんの意識はどうか。正直、会社の有事(不祥事やM&A、重要な株主提案等)の場面では別として、「攻めの経営」に法務を活用することを重視しておられる方は少ないように思いますし、理屈と現実の間には大きなギャップがあり、まずはこのギャップを埋める作業が必要だと考えております。

理屈からすると法務かどうかはわかりませんが(むしろアヤシイ?)、社長さんに「法務らしい」ことへの興味を持ってもらうのが、このギャップを埋める早道ではないでしょうか。ということで、私が日ごろ個人的に相談相手になっている3人ほどの社長さん(会長さん)にウケる話題はなんだろうか、と考えますと、二つしかありません。ひとつは内部統制の話です。「ガバナンス」ということになると、あまり関心を示してもらえませんが、内部統制ということですと「自分の考えが間違っていないかどうか」といった場面でよく相談の依頼があります。経営者相手ですと「意見書」など読んでくれる時間もないので、ともなく相談の場で「合ってるか、合ってないか」の判断が要求されます。

そしてもうひとつが「不祥事の他社事例」の話です。これはどの社長さんもメモをとって「なぜそんなことが起きたのか」「うちの会社と組織は似ているのか」「社長は普段からどんなことをしていたのか」と(私が知らないことまで)根掘り葉掘り質問されます。幸い、ブログを15年ほど書いているので、新聞ネタだけでなく、企業不祥事発生時の調査委員会報告書なども頭に入っていますので、あれこれと同社のビジネスに近い案件などの例をお話しするととても喜ばれます。こういったことの繰り返しで「なるほど、新しい案件を進めるにあたっては法務の話を聞かないと」といった意識が社長さんに芽生えてくるのではないかと。

この「法務らしい」「法務っぽい」というところがミソでして、私は自分の関心分野から上記の二つくらいしか話題を提供できないのですが、知財や労務、競争法など、それぞれの関心分野周辺の話題であれば何でも構わないと思うのです。「それはビジネスにとって美しい、美しくない」といった価値基準にひっかかりそうな話題であれば、結構社長さんは関心を寄せてくれるのではないでしょうか。ゼネラルカウンセルやCLOの地位にあれば別ですが、しょせん最後の経営判断は社長さんが行うわけですから。

昨年、社内のある環境問題の解決が(社内でたらい回しとなり)放置されていたところ、その問題を知った反社会的勢力から揺さぶられ、大きな不祥事に発展した事例に関与しましたが、守秘義務に反しない範囲でこのお話しすると、某社の社長さんもビックリで「やっぱりESG担当に重要な人材を配置しよう」ということになりました。「これから情報セキュリティとESGがカネになる・・・」というのは、あっちの世界の方々も同じ意見なのです。

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2020年12月23日 (水)

エフオーアイ粉飾事件・最高裁判決-内部監査室長の積年の恨みは晴らせたか?

昨日(12月22日)、速報版でご紹介したとおりエフオーアイ事件(多額の粉飾を隠して上場した会社の上場手続関与者に対して、エフオーアイ社の株主からの損害賠償請求事件)の最高裁判決が出ました(損害額を確定するため原審に差戻し)。原審(東京高裁)の判断を覆して、最高裁はエフ社の上場時における引受証券会社(主幹事)であるみずほ証券の損害賠償責任を認めました。主幹事証券会社に金商法21条に基づく損害賠償責任が認められるのは初めてです。

主幹事証券会社の責任根拠となる金商法21条1項4号、同条2項3号の解釈の枠組みは原審とほぼ同様と思われますが(※)、有事における信頼の原則(会計監査人と主幹事証券会社との役割分担に由来する責任限定法理)が適用される前提としての調査確認の程度については、相当程度信ぴょう性の高い匿名投書(事実上は事件当時の内部監査室長による内部告発)の内容に(主幹事証券会社が)接していたことを考慮したうえで、財務計算書類に対する会計監査人による監査手続きの十分性自体を自ら精査する必要があるとしています。

※・・・法律家の判例解説であれば、本来金融商品取引法第21条1項および2項の解説からスタートすべきですが、ブログの読者の方々に向けたお話なので、ここでは割愛させていただきます。

この点、東京高裁は(匿名投書を受け取った主幹事証券会社は)会計監査人の追加監査手続きの証憑に依拠しながら「監査結果に関する信頼性についての疑義が払拭されたと合理的に判断していれば、引受証券会社に通常要求される注意義務を尽くしたと言える」としていました。しかし、最高裁は「それだけでは粉飾の可能性を否定するに足りる監査手続きが実施されているか否かを確認したとはいえない」と判断しています。

基本的には事例判決であり、最高裁判決の射程範囲はそれほど広いものではないと思いますが、内部監査室長からみずほ証券に対して2度にわたって内部告発がなされた点(しかもその告発内容が会計監査の信用性に疑義を生じさせるに十分である点)が、主幹事証券会社の責任を認めるにあたって、大きな影響を与えたことは間違いありません。2018年4月18日付けエントリー「会計監査人、内部告発者に参考となるエフオーアイ事件高裁判決」でも述べましたが、今後、従業員が不正を指摘するにあたって、弁護士や会計士のアドバイスをもらって上手に内部告発を行えば、東証や主幹事証券会社の法的責任が問題となりうる、つまり、相当程度厳格な上場審査が必要となる、ということです。

(以下の事実の記載は、東京地裁の一審判決が認定した事実からの引用であります)エフオーアイ社の元内部監査室長による投書を受け取った主幹事証券会社は、エフオーアイ社経営陣から「あいつは精神的に不安定」「会社の和を乱しているから」といった説明を真に受けて、直接ヒアリングをすることはありませんでした(結局、その後、内部監査室長は異動されています)。もちろん、それまでに何度か主幹事証券会社も当該内部監査室長と面談をしているのですが、「なんだかプライドが高くて独善的な人」ということで、上場妨害因子だとレッテルを貼っていました。常勤監査役からの信任も得られていなかったようです。

そもそも最初に投書が届いた際、エフオーアイ社から「これは内部の不満分子によるものだ」との説明を受けたことで、主幹事証券会社は「内部の不満分子が第1投書を作成したのであれば、そもそも御社の労務管理体制自体に問題があることになる。この投書の作成者が特定されなければ御社のレピュテーションリスクが内在し続けることになる。このまま上場したければ、まずは投書者を特定し、内部者であれば社内処分をすべき」と述べています(第一審判決書130頁~131頁)。今から10年以上前の話なのでやむをえないかもしれませんが、公益通報者保護法の改正法が施行される2022年以降は、これは犯罪行為になりうるので注意が必要です(改正法12条違反行為の教唆)。

一方、主幹事証券会社の立場からすると、「東証にも同じ投書が届いたので、監査法人と東証と三者で対応を協議して、調査方法については東証も納得していたではないか。また、有事対応については顧問弁護士にも相談し、さらに大手法律事務所にも意見書をもらってOKが出ていたではないか。どうして当社だけが責任を負うのか」といった気持ちもあると思います(引受審査に関する資料の正確性を前提とした意見書だったので、そもそも資料が偽装されていたことについて思いが至らなかった点はマズいと思いますが)。このあたりが高裁での判断では重視されていたのかな・・・と。

いずれにしましても、社内で「異常者」のレッテルを貼られ、事実上の不利益処分まで受けていた元内部監査室長の告発の正当性が、ようやく認められたのではないでしょうか。改正公益通報者保護法が施行される前に、内部告発への対応に光をあてた最高裁判決が出た意味はとても大きい(公益通報者保護法の改正作業に関与してこられた宇賀先生が判事として関与していた点も見逃すことができないように思います)。

 

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2020年12月21日 (月)

そういえば12月22日は重要な最高裁判決(エフオーアイ損害賠償請求事件上告審判決)が出る日です。

年の瀬ではありますが、12月22日はエフオーアイ損害賠償請求事件に関する最高裁判決が予定されています。ご存じのとおり、同社は2009年11月の東証マザーズ上場後に粉飾決算が発覚。売上高の97%が架空で、東証は10年6月に同社を上場廃止としました(当時の同社社長らは金商法違反罪で実刑判決が確定)。

上場廃止となった同社の粉飾決算で損失を受けたとして、株主らが上場時の主幹事だったみずほ証券や日本取引所に(金融商品取引法に基づいて)損害賠償を求めた訴訟の経緯については本ブログでも過去に取り上げておりました。一審・東京地裁は、粉飾を示唆する投書がみずほ証券に届いていたことなどから「主幹事としての注意を尽くしていたとは認めがたい」として、同証券の賠償責任を認定していましたが、二審・東京高裁は、同証券がエフオーアイの販売実績等を調査していたことで注意義務を尽くした、として、みずほ証券勝訴の判断となりました。

新聞でも報じられているとおり、最高裁第3小法廷(宮崎裕子裁判長)は今年11月17日、当事者の意見を聞く弁論を開き、判決は12月22日に言い渡される予定です。最高裁は結論を変更する際には弁論を開きますので、賠償責任を否定した二審・東京高裁判決を見直す可能性がありますね(破棄自判もしくは破棄差戻し)。企業法務において、たいへん注目される判決です。

公益通報者保護法が改正され、2号通報(行政機関への通報)、3号通報(不正を抑止する事実上の権限のある第三者への通報)の要件が緩和されたため、今後は同様の内部告発は増えることが予想されますが、このような公益通報を受領した組織がどのような対応に出なければ(金商法上の)注意義務違反となるのか、考察するためのヒントについて(たとえ事例判決であったとしても)最高裁の判断の中で触れてほしいですね。年末ではありますが、早めに最高裁のHPにて判決全文が公開されることを希望しております。

今年、上場前後から不適切な会計処理を行っていた会社の第三者委員会の仕事を経験しましたが、監査法人に対して業績を良く見せることと、主幹事証券会社に業績を良く見せることとでは、粉飾の質が違うものであることを理解いたしました。そのあたりは、また来年にでも(守秘義務に反しない範囲で)ブログで解説したいと思います。

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2020年8月 5日 (水)

東芝の株主総会決議結果の開示-国広エフィシモは大健闘と考える

(8月5日 夜 追記あり)

ドラッグストアの店頭から「うがい薬」が消えておりますが、こういった場合、塩野義製薬や明治ホールディングスから、なんらかの「コロナへの効用」に関するコメントは出されるのでしょうか?大阪府知事からは生産体制にも踏み込んだ発言がありましたので、かなりむずかしい対応を迫られているようにも思えますが。。。(以下本題)

本日(8月4日)、7月末に開催された東芝の定時株主総会における議案の決議結果(議決権行使結果)が開示されました(東芝8月4日付け臨時報告書はこちらです)。大株主であるエフィシモ側の取締役候補者3名については、賛成率が43%、42%、38%です。一方で社長さんは58%。いや、これは驚きました。国広弁護士がアドバイザーについたエフィシモは大健闘といえそうです。定時株主総会が1カ月延期されたことも、本件では微妙に影響しているのかもしれません。

先日のブログでは、「まあ、この結果(会社側上程議案がすべて可決)はおおよそ予想していた通りでした」と書きましたが、こんな結果になるのがわかっていたら偉そうに書かなければよかった(国広さん、候補者の皆様、たいへん失礼いたしました)。なんといってもISSもグラスルイスも会社側提案に賛成推奨をしておりましたので「うーーん、かなり厳しいかな」と思っておりました。

もちろん、この議決権行使結果について会社側は(遅くとも総会前日までには)わかっていたと思いますが、これ結構東芝側にとっては難題ですよね。ここからはまた勝手な野次馬的意見ですが、エフィシモの株主提案はすべて議決権の4割程度の賛成を得ていますので、来年もまた実質的に同様の株主提案が出た場合には過半数の賛成が得られる可能性が出てきました。東芝グループ全体として、コンプライアンス経営への取り組みを「目に見える形」で運用しなければ、そもそも「両立する議案」だけに株主提案に賛成票が上積みされるかもしれません。

私は東芝の株主構成を把握しているわけではありませんが、たとえば3%でも5%でも保有している大株主がいれば「俺たちの要求を呑まないと、来期は社長を信認せず、また株主提案に賛成するぞ」といった要求が出てくるかもしれません(まさに漁夫の利)。もちろん利益供与にあたるような要求はできませんが、「株主共同利益のため」として、様々な大株主からの要求が会社側に届くのかもしれません。株主総会の機能は「会社意思決定機能」だけでなく「経営に対する定量的な評価機能」もありますが、この結果の開示は、これからの東芝と株主との「建設的な対話」を促すものとして大きな意味がありそうです。

もちろん国広さんは本気で株主提案を通すつもりで総会に乗り込んだと思いますので、「大健闘では意味がない」とおっしゃるかもしれませんが、上記のとおり「株主との建設的な対話を今後も促進する」という意味では、たしかに国広エフィシモは株主提案を行ったことで、(誰が得をするのか・・は別として)実質的な目的は達成しているのかもしれませんね。

(追記)なお、当エントリーに対して、ある方から以下のようなコメントをいただきました。たいへん有益なものと思い、本文中に追記させていただきます。

東芝株主総会 ではエフィシモが取締役候補として株主提案した代表の今井氏が43.43%の賛成を得たことについて、先生のブログ「東芝の株主総会決議結果の開示」、私どもも注目しています。ご存知のように、この提案については外為法の事前審議(安全保障の観点から、1%以上保有する株主が密接な関係者を取締役として提案する場合として)の対象とされました。エフィシモのプレス・リリースでは持ち株比率を10%未満とすることで事前審査は承認されたとあります。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000052455.html
今回の賛成率を見る限り関東財務局が承認の条件とした持ち株比率を10%に下げる意味の不可解さが残るだけであり、特に海外投資家の納得は得られないと思います。外為法の不透明性についての財務省、経産省の説明責任が問われます。東芝の外人持ち株比率は70%以上です。同社が苦境にあったときにゴールドマンが幹事で大量に増資し外人株主が異常に増えました。外為法審査での10%以上(公表はされていませんが)の「基準」がブラック・ジョークに思えます。

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2020年7月27日 (月)

上場会社の役員報酬に関する説明責任について

先週、機関投資家の方々と(改正会社法の条項に関連する)意見交換をする機会がありました。私個人とては、とりわけ役員報酬に関する令和元年改正会社法の改正事項についての運用会社の方々の意見が興味深かったので、またブログ執筆の時間が取れる時に別途詳細にご報告したいと思います。

ただ、役員報酬に関する会社法改正後の実務については一言だけ備忘録程度に記しておきたいと思います。先日(7月13日)、上場会社の役員報酬はダブルチェックの時代が到来する、といったエントリーを書きましたが、いろいろと意見交換を行うなかで、やや機関投資家の方々とは意見が違うことに気づきました。株主の関心は「(開示された報酬決定方針に基づき、個別の取締役の報酬が高いのか、低いのか」といったところでのチェックではないようです(それだけの時間的余裕はない、というところか)。むしろ会社が示す事業戦略と、個々の取締役のもらっている報酬との関係が(説明責任を通じて)明確になることへの期待が高いことのようでした。

役員報酬の重要事項が事業報告に記載されるようになれば、機関投資家は「我々に約束した中長期の事業戦略を『うまくいっている』と評価するのか『十分実行できていない』と評価するのか、その評価に関する取締役会の姿勢について知りたい」ということのようです。つまりこれからの役員報酬の決定は、機関投資家にとっては事業経営に関する説明責任を尽くすことと密接に結びつくわけでして、「これだけ報酬を受領することが正当である、と取締役会が評価しました」という説明を前提に、個々の役員の信任を評価する、というところが大切なポイントのように思いました。

業績連動性報酬を採用する企業が増え、また連動報酬の比率がどの企業でも高まりある中で、取締役会が本当に役員報酬の決定について関与(具体的な決定もしくは再一任のプロセスの監視等)しているのかどうか、令和元年改正会社法の施行はまだだいぶ先かもしれませんが、今からでも取締役会の関与の在り方について、きちんと議論(?)しておく必要があると思います。私個人の考えとしては、このたびの会社法改正によって、役員報酬への取締役会の監督機能は少しばかり高まるのではないかと思います。

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2020年7月10日 (金)

ファミマ、大戸屋TOBで上場子会社に思惑買い-親会社側取締役の善管注意義務

7月9日夕方の日経WEBニュース「上場子会社に思惑買い ファミマ・大戸屋はストップ高」なる見出しで、同日の東京株式市場では上場子会社に思惑買いが広がったことが報じられています。外食大手のコロワイドが大戸屋ホールディングス(HD)に、伊藤忠商事がファミリーマートに対してTOB(株式公開買い付け)が行われるとのリリースで両社の株価が急伸しました。そこで、ローソンなど上場子会社株全体がグループ再編期待から株価が上昇。親子上場の解消は今後も増える見通しで、上昇傾向は中長期的に続く可能性がある、とのこと。

コロナ禍において証券市場の効率性が高まることは予想されるところであり、伊藤忠商事やコロワイドのような経営戦略が今後も増えることは間違いないと思っています。しかし事業の切り出し、つまり上場子会社を持つ親会社が、子会社株式を売却するような経営戦略も今後増えていくものと市場は想定している、ということのようです。この方向性は、経産省・事業再編研究会からもうすぐ公表される「事業再編実務指針-事業ポートフォリオと組織の変革に向けて-」とも合致するところです。

また正式版がリリースされた時点で詳しく検討したいと思いますが、上記「事業再編実務指針(案)」では、たとえば事業の切り出し(子会社株式の売却等の事業売却やスピンオフ等を想定)に関して、これを検討する親会社取締役の行動規範(善管注意義務)にまで踏み込んだ内容が含まれています。コングロマリット・プレミアムが生じているのであればよいのですが、いわゆるコングロマリット・ディスカウントが生じている状況であれば、社外取締役や経営陣が何らの対応もとらない、というのは善管注意義務を尽くしていないとの評価を受けかねない、とのこと。もはや取締役会や任意の委員会等できちんとした議論をすることが当然、ということで、このあたりは昨年6月に策定された「グループガバナンスの実務指針」の流れに沿った内容です。

たとえば今年2月のエントリー「浸透するか?-ガバナンス改革3.0と上場子会社が目指す『アスクルモデル』」でもご紹介したように、親子上場問題では、上場子会社側の取締役さんの善管注意義務(親会社との利益相反状況における行動指針等)に焦点があたることが多かったと思うのですが、今後は上場子会社を持つ親会社の取締役さんの善管注意義務も注目されることになる、ということでしょうか。先々週、私が役員を務める会社の株主総会で、私が受けた質問内容を(こちらのエントリーにて)ご紹介しましたが、そこでも上場子会社(東証1部)との関係についてご質問を受け、金商法や東証のディスクロージャ-・ルールに反しない範囲で検討経緯をお話しいたしました。

ただ、事業の切り出しについては、上記「事業再編実務指針(案)」でも課題として取り上げられているように、日本的雇用慣行のなかで、切り出される事業の従業員の方々に、どう納得してもらえるのかとても悩むところであり、だからこそ日本では事業売却が進まない、というのも当然のことだと思います。相談役や顧問の方が経営トップだった時代に買収した事業、創業家の方々の諸事情の理由から「赤字でも抱えている」事業等、誰かが言い出さないと取締役会で議論することすらタブー、という問題もあります。その他、リーガルリスクという視点ではブランド、企業秘密、特許権等の知財の保護という問題もあります。

資本効率を上げる、という企業統治改革の流れとか、親子解消のメリット・デメリットを比較する、といった教科書的な行動だけでは事業の売却はうまくいかない、つまり株主の期待や機関投資家からの圧力への対応だけで決断できるような問題ではない。むしろ(事業切り出しという問題以前に)取締役会で何を議論しているのか(本当に「経営方針の決定」を議論しているのか)、といった普段の取締役会の在り方とか、親子関係についての歴史を十分に理解して、子会社側の意見を十分に聞くことに注力すること等、かなり労力を要するプロセスを踏んでいるかどうかが成否を分ける決め手ではないか。私自身の経験からは、そのように感じます。

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2020年6月16日 (火)

関電金品受領問題-現旧監査役を提訴しなかった関電取締役会の判断

本日夜7時に、関電から「当社現旧取締役および現旧監査役に対する提訴請求への当社の対応について」と題する文書が公表されました。新聞報道のとおり、法人としての関電は、元経営トップであり、関西財界の重鎮でいらっしゃった方々5名を相手に19億円余の損害賠償請求訴訟を提起することを決定しました。昨年来「関電が本気で変わる気持ちがあるのであれば、株主代表訴訟を待たずして、自ら元経営陣を提訴することである」と何度もブログで意見を述べてきました。そういった意味では、関電の機構改革の第一歩を踏み出したのではないか・・・と、私は高く評価いたします(しかしD&O保険でどれだけカバーできるのでしょうかね?)

ただ、先日の「取締役責任調査委員会」の報告書を読んだ私としては、他の取締役の方々についても善管注意義務違反の疑義はぬぐえないように思います(たとえば、金品を受領した取締役の方々の中には、当該事実について監査役会に報告する義務があった人もいるのではないか・・といった論点)。もちろん報告書の結論に従った判断といえばそのとおりですが、株主代表訴訟が提起されることも想定して、もう少し広く提訴すべきではないか、との意見もありうるところと思います。

そして、昨日のリリースには、もうひとつ興味深い論点が含まれていました。6月11日の当ブログエントリー「関電金品受領問題-関電は現旧の監査役を提訴するのだろうか?」で予想しておりましたとおり、(やっぱり?)関電の取締役会は、株主から提訴請求を受けておりました現旧の同社監査役の皆様を被告とする損害賠償請求訴訟を提起しないことに決定しました。関電の監査役の方々に「善管注意義務違反」が認められ、損害についても認定できるにもかかわらず、関電取締役会は「現旧の監査役は誰一人として提訴しない」という判断に至りました。

少しだけ法律の解説をしますと、株主から取締役や監査役への「提訴請求」を受けた会社としては、提訴すべきかどうか調査のうえ、提訴しないという決定ができます(取締役に対しては監査役・監査役会が、監査役に対しては取締役会が判断します)。そして提訴しないとの判断に至った場合には、その理由(不提訴理由)を株主に通知することになります(会社法847条4項 なお、不提訴理由通知制度の詳細は、昔の私のエントリー等をご参照ください)。しかし会社法には、どのような場合に提訴しない、という判断ができるのか、その内容については何ら示されていませんので、そこは解釈の問題となります。

上記関電のリリースによりますと、取締役会としては、たとえ特定の監査役に法的責任が認められる可能性が高いとしても、かならず責任追及の訴えを提起しなければならないわけではなく、そこには一定の裁量が認められる、とされています。これは、おそらく取締役が第三者に対して訴訟を提起しなかったことが善管注意義務違反に該当するかどうかが争われた裁判例を参考にしているものと推測されます(東京地裁判決 平成16年7月28日 判例タイムズ1228号269頁以下参照)。当該判例によれば、訴訟不提起が善管注意義務違反に該当するためには、①勝訴の高度の蓋然性、②勝訴した場合の債権回収の確実性、③訴訟追行により回収が期待できる利益が、そのために見込まれる諸費用等を上回ること、等が必要としています。今回の監査役に対する不提訴理由についても、当該判断基準に沿ったものと理解できます。

ただ、上記裁判例は取締役が第三者を訴える場合の事例であり、取締役会が同じ会社の監査役を訴える場合にも同様のことが言えるかどうかは疑問があります。そもそも「不提訴理由通知制度」というのは、平成17年の会社法制定時に「株主代表訴訟の提起を委縮させてしまう」との理由で、国会で修正-訴権濫用却下制度の削除-された形で導入されたので、「どのような場合に提訴しない、との判断ができるのか」という解釈も、あまり会社側に有利に解釈すべきではない、という学説も有力です。

また、監査役を提起することによる「訴訟が会社の信用に及ぼす影響」が(判断理由として)考慮されています。たしかに「金品受領問題を裁判で争う」ということが長く続けば会社のイメージダウンにつながる、という考え方もあるかもしれませんが、一方において、株主代表訴訟によるものではなく、会社自身が監査役を提訴することの「自浄能力」「自浄作用」の発揮こそ、毀損された会社の信用を回復させるための絶好の機会ではないか、とも考えられます(むしろ、私は後者の意見のほうが今回の事例では適切な判断ではないかと考えます)。

おそらく、提訴請求を行った株主の方々は、この関電の判断を前提に株主代表訴訟を提起することになると思われますが、ぜひとも取締役および監査役の責任調査が行われたわけですから、その調査の成果である資料については、原告株主にすべて開示していただき(それが会社法における提訴請求制度の趣旨ではないか)充実した株主代表訴訟及び会社請求訴訟が係属することを希望いたします。

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2019年12月16日 (月)

コクヨvsぺんてる・プラス株式買収紛争-私なりの素朴な疑問

先週末、コクヨ、ぺんてるとも株式買収紛争に関するリリースが出ておりまして、過半数の株式取得を目指していたコクヨさんが46%ほど取得、つまり保有予定株式が過半数に到達しなかった、ということが報じられています(たとえば時事通信ニュースはこちら)。逆にぺんてるさんはプラスさん側の友好的買収の結果と併せて、過半数を超える株式を確保したそうです。ということで(現時点では)コクヨ側の敵対的買収は不発に終わった、と評価されているようです。

本件の報道の途中から「くだらん疑問かもしらんけど、ようわからんなぁ」と思うことがありまして、本件に関するコメントは(一応の結論が出るまでは)書かないでおこうと思っていました。まぁ、とりあえずの決着は先週末に出たように思いますので、このコクヨさんとぺんてる(プラス)さんの買収合戦に関する素朴な疑問を少しばかり書かせていただきます(いえ、本当に思いつきの素朴な疑問です)。

今回、コクヨさんはぺんてるの株主の方々から(たとえぺんてるさんの承認がなくても)確定的に株式を取得し、取得と同時に委任状をもらったと思います(株式譲渡契約書の内容が明らかではないのでメディアの報じるところからの推測です)。この委任状は、臨時株主総会において現ぺんてる役員を解任するために使い、新たにコクヨ側が希望する取締役候補者を選任して、株式譲渡承認に関する取締役会決議を得ることが目的です。

しかし、委任状を取得する目的が「承認決議を得るために取締役を解任する」というのは、権利濫用にはならないのでしょうかね。たとえば取締役の解任、新たな取締役の選任の決議が「特別利害関係人による議決権行使によって不当な決議がなされた」として、株主総会の決議が取り消される、といったこと(会社法831条1項3号)は考えられないでしょうか。

経営していくのに不都合な人が入ってこないようにするために株式に譲渡制限をかける制度があり、ただし一方で株式の自由譲渡性を保障するために譲渡承認に代わる換価手続きが定められているのですから、上記のやり方は会社法が株式の譲渡制限を認めた趣旨を没却するおそれがあるように思うのですが。ちなみに江頭先生の「株式会社法」を読んでも、譲渡先が第三者でも株主でも、この「経営支配への介入を防止する」という意味は同じとされています(江頭「株式会社法」第7版 234頁注3参照)。

ぺんてる経営陣の譲渡承認がなくても、コクヨさんとぺんてる株主との間で株式売買契約が有効に締結できるのは、閉鎖会社の譲渡承認のない株式譲渡の有効性が争われた昭和48年6月15日の最高裁判決(民集27巻6号700頁)が「相対効説」に立ち、平成2年の商法改正も「株式取得者からの譲渡承認請求」を認めたからだと思います。相対効説は「会社に対して効力が及ばないとすれば目的を達成でき、当事者間の契約の効力まで否定する必要はないから」というものです。しかし、コクヨさんのやり方を認めてしまえば、この相対効説の根拠も否定されることになってしまうのではないでしょうか。

もちろん名義書換え未了の時点で譲受人が譲渡人に議決権行使を指示すること、会社債権者が株主の議決権行使に指示を与えることなどもありますから、委任状自体の効力まで否定されることはないと思うのですが、委任状取得の目的が閉鎖会社の支配権取得にある、ということであればちょっと違和感を覚えるところです。

もし、今後コクヨさんのような手法で「閉鎖会社でも敵対的買収が行われる可能性がある」ということになりますと、以前のエントリーでも書きましたとおり、株式が拡散するおそれのある閉鎖会社の場合、早めに定款を変更して「議決権に関する属人的定め」(会社法209条2項、同105条1項5号)を設けることも検討すべきではないかと思います。株主平等原則との関係で、そのような定めを設ける目的が正当かどうか争われた重要判例もありますが、ともかく相続による売渡請求権行使と並んで、会社側の知恵として検討するだけの価値はありそうです。

 

 

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