関西スーパーは「ディスカウントはやらない」はずではなかったのか?
2021年に勃発したH2Oとオーケーとの関西スーパー争奪戦については、当ブログでも何度もご紹介しましたが、たとえば2023年のこちらのエントリーでご紹介したように、関西スーパーの社外取締役(特別委員会委員)のご活躍はとても印象的でした。
本日(4月23日)の日経ニュースでは、その関西スーパーが大阪市内のスーパー激戦地においてディスカウントスーパーとして改装開店したことが伝えられています。「H2Oが関西スーパーの買収を争ったオーケー(横浜市)などの後手にまわっていた『安さ』で売る店でも対抗する。」とのこと。最近、私が住む南大阪にもロピアが開店して、ものすごく繁盛しております(万博とは異なり、レジでは「現金のみ取扱い」ですね)。ロピアやオーケーが関西人の心をつかむ中で、関西スーパーとしても「衝撃プライス」で関西における牙城の切り崩しを阻止する決意に至ったのでしょう。
しかし、2021年の臨時株主総会開催当時、関西スーパーはH2Oとオーケーのどちらと組んだほうが企業価値を向上させることができるのか、真摯に検討していたはず。当時の社外取締役で構成される特別委員会メンバーは、株主の皆様に対してH2Oが有するITやネットビジネスのスキルを用いて関西スーパーのビジネスが向上する、と説明しておられました。さらには、ディスカウントスーパーとは取扱商品の質の違いを強調しておられました(「関西スーパー争奪ドキュメント 混迷の200日」日本経済新聞出版社編 2022年 118頁)。また統合が決まったH2Oの会見では「(関西スーパーでは)ディスカウントはやらない」と述べておられました(同136頁)。
結局のところ、ロピアやオーケーの人気に対抗して(一部店舗ではありますが)ディスカウントスーパー事業に乗り出したわけでして、「まぁ、安くて美味しければいいやんか」ということになったのでしょう。しかし4年前に、あれだけシナジー効果について一生懸命議論したことについて、誰も素朴な疑問をもたないのでしょうかね?ディスカウントスーパーを展開するのであれば、オーケーと組んでいたほうが消費者にも喜ばれたのではないでしょうか。以前のブログでご紹介しているとおり、私個人は昔からの「関スー・ファン」なので、ディスカウントスーパーは大歓迎なのですが、企業買収の場面において特別委員会のメンバーが企業価値(シナジー効果)を語る意味はどれほどあるのだろうか・・・と、思い悩む次第であります。

