2024年9月11日 (水)

「D&I」がいつの間に「DE&I」になったのですか?

インキ事業で世界ナンバーワンのDICが所有する川村記念美術館(千葉県佐倉市)の存続を巡り、同社社外取締役4名による価値共創委員会の評価(判断)が話題になっていますね(8月27日付け「価値共創委員会による「美術館運営」に関する助言並びに それに対する当社取締役会の協議内容と今後の対応についての中間報告」)。サントリーやブリヂストンのように財団が保有しているのではなく、上場会社であるDIC自体が保有している資産であり、また運営が苦しいということもあるので売却、事業縮小、廃止という選択肢が検討されているようです。これに対しては地元が存続を求めて署名活動が開始されています。

株主からの(資本効率向上への)要求が強いのかもしれませんし、外野からあれこれと批判もしにくい話題ですが、DICの事業からみても、この美術館こそ同社の存在意義(アイデンティティ)に関わる資産であることは間違いないと思います。社員のヤル気(生産性)に影響を及ぼすものかもしれませんし、同社の歴史とともに築き上げてきたブランドにも関わるように思います。このようなブランドだからこそステークホルダーをひきつける求心力があるのではないでしょうか。このあたりは社内の経営陣が中心になって議論すべき点のようにも思えて、社外取締役を中心とした委員会が決定することには、やや違和感があります(もちろん、私見です)。ということで、以下も社員のヤル気に関する話題です。

ときどき世の中から取り残されてしまった気分になるときがありますが、昨今、日経の記事を読むと「DE&I」(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)と表記されていることに(恥ずかしながら、ようやく?)気づきました。ダイバーシティがいつの間にかダイバーシティ&インクルージョン(D&I)と言われるようになり、座談会に登壇する際などにも気をつけておりましたが、そこにいつから「E」がくっつくようになったのでしょうか?

日本生産性本部のWEBサイトの解説によれば

「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」とは、従来、企業が取り組んできた「ダイバーシティ&インクルージョン」に「公平/公正性(Equity)」という考えをプラスした概念です。多様な人が働く組織の中で、それぞれの人に合った対応をすることで、それぞれがいきいきと働き、成果を出し続けるための考え方とされています。

とのこと。なるほど。そういえば以前、某社法務部長さん(女性)から「会社辞めます」といった悩みをお聞きしたところ、女性のライフスタイルに法務部長という職務がまったく合っていないことを批判されていたと記憶しています。当該会社は男女問わず管理職として活躍できるように、そもそも幹部社員の職務自体を変えたところ、社内における「根回し」のスタイルも変わったことで、また管理職候補の女性が戻ってこられました。

「女性管理職30%目標」と言われますが、そもそも社内の管理職は男性中心のライフスタイルに合った形で作られているので、これを男女を問わず務めることができるような職務に形を変えていかないと間接差別はなくならず、上記目標の実現はむずかしいのでしょうね。そのための「E(公平・公正性)」だと理解をいたしましたが、そのためには、まだまだ社内の意識改革とDXへの取組みが必要ではないでしょうか。私にはこの「E」の実践は、かなりハードルが高いように思えてきます。

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2024年4月26日 (金)

改正障害者差別解消法の施行と6月株主総会対策

銀行の取締役(監査等委員)として、支店における「改正障害者差別解消法『障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律』への対応実務」に万全を期している様子を確認することがありますが、一般の事業者においても4月に施行された改正法への対応は(銀行ほどではないとしても)ある程度は検討されているのでしょうか。

時節柄もっとも関心があるのが上場会社における定時株主総会対応です。差別が禁止されたり、合理的配慮が求められる対象者(身体障害、知的障害および精神障害のある株主)は公的な認定を受けている障害者か否か(たとえば「障害者手帳を持っている」)で判断するのではなく、申告者との建設的対話によって事業者が判断しなければならないので、きちんと対策をしておく必要がありますね(信託銀行や法律実務家による総会対策セミナーではどのように解説されているのでしょうか)。とりわけ知的障害者および精神障害者(「発達障害者」を含む)の方々は、目に見えない障害を抱えている少数株主の方が多いので、障害者雇用促進法におけるものと同様に「合理的配慮」のための建設的対話が求められます。上場会社の定時株主総会には、障害者差別解消法2条2号の「社会的障壁」がたくさんありそうなので要注意です。

具体的には障害者差別解消法8条1項(事業者による不当な差別的取扱の禁止)、同法5条(合理的配慮のための事業者による環境整備-努力義務)、同法8条2項(事業執行上の障害者に対する合理的配慮-法的義務)あたりの解釈と実務対応が重要です。企業における株主総会の開催も「事業の執行」にあたるので、①招集通知の記載、②障害者による事前表明の有無、③事前表明なき場合の当日の現場対応、「字幕」や「手話」の準備、当日議事の要旨説明の可視化、④バーチャル株主総会(参加型含む)の運営上の聴覚障害者への対処などが5条対応、8条対応として必要かと。当日の現場対応(8条2項)としては、株主ではない介護者同伴をどうするか、障害者のための洗面所の確保や株主権行使のための付き添い社員の体制整備等もありそうです。

法令違反があった場合、主務大臣による行政処分や株主に対する(役職員および事業者の)損害賠償責任が発生する可能性があるほか、(SNS等を通じて)「人権への配慮を欠いた企業」としてレピュテーションリスクの顕在化は避けられないでしょう。「環境の整備」は法的には努力義務ですが、「環境整備に後ろ向きな企業」というレッテルは「ビジネスと人権」が尊重される時代に貼られたくありません。したがって5条関係では障害者差別解消のための指針(ポリシー)の策定と従業員の研修・周知は必須かと(←最近は、障害者であることを社会に示す携帯マークがいろいろとありますので、対応する社員はマークの種類をひととおり理解しておくべきです)。その他、リスクマネジメントの視点からは、障害者株主の要求を拒絶する場合に、なぜ障害があることを根拠に拒絶できるのか(もしくは事業者による代替提案に応じなければならないのか)、その正当理由について事前に検討しておくことが必要でしょう。

また、これは障害者差別解消法とは直接関係ありませんが、株主総会参考書類等の電子提供が当たり前となりますと、株主は会場で堂々とWIFI接続中のスマホやタブレットの画面を見ることができますね。そうすると電子提供された書面の画面をみているのか、それともカメラで外部にWEB実況中継をしているのか、外部からはわかりづらくなります。議長の議事進行権限の行使がとてもむずかしい状況になりそうですね。

 

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2024年4月16日 (火)

株主エンゲージメントの活性化と金商法上の「重要な事項」の解釈(追記あり)

(追記:梅本先生のブログへのリンクを貼っておきました)

大谷翔平選手の元通訳であるM氏の証言は以前からよくわからないところがありますね。(M氏が24億円を窃取していたとされる)3年もの間、大谷選手が委託していた会計士に、M氏は「大谷氏は口座を会計士に開示することを望んでいない。」との要望があり、「利息や贈与の事実はなかった」とのM氏の報告だけで、それ以上に会計士は口座を確認していなかった、という証言は本当でしょうか?大谷氏との委託契約がどのようなものであれ、会計士は受託された業務のために口座を確認するのが最低限の役目ですので、会計士が口座を確認していなかったということはあり得ないと思うのですが(ドジャースからの報酬が入金されていた口座ですからプライベートな口座とは言えないはず)。おそらく日本中の人たちが「公認会計士の仕事って、その程度のもの」と理解しますよ、きっと。以下本題です。

調査委員会が終わったら、ぜひ触れておきたいと思っていたのが金商法197条1項1号の虚偽有価証券報告書提出罪の「重要な事項につき虚偽の記載のあるものを提出した者」における「重要な事項」とは何をさすのか・・・という法律上の論点です。有価証券報告書によって開示された非財務情報(とりわけサステナビリティ開示)が、いよいよ第三者保証の対象となるか・・・という時期において、この非財務情報の正確性はどういったエンフォースメントによって担保されるのか、という問題です。

4月15日の日経ビジネス「増える開示規制、NGO批判、ESG訴訟 法務と連携し、勇み足防ぐ」でも「サステナビリティ(非財務)情報の開示拡充が喫緊の課題になっている」として、①サステナビリティ情報の開示義務化でリスクが増大、②根拠があいまいな開示は訴訟や批判の的になる危険、③開示の信頼性向上に法務部門との連携強化が不可欠等と指摘されています。当ブログは「人の褌で相撲を取るのはご法度」という暗黙のルールがあるのですが(私が勝手に作ったルールですが)、甲南大学の梅本教授のブログに感化されて本件について備忘録として記しておきます。

梅本先生のブログでご紹介されていた証研レポート最新号のご論稿はこちらですね。梅本先生は上記ブログにおいて

有価証券報告書など法定開示書類に記載される事項は投資判断にとって重要と考えられる事項です。ここで念頭においている重要性は,抽象的・一般的な重要性といってよいでしょう。これに対して民刑事責任や課徴金で要件となっている「重要な事項」とは,当該虚偽記載が投資判断に影響を与えたか否かを問うもので,具体的な重要性を指しています。条文において「重要な事項」という同じ文言を使っていても,異なる2つの意味がある,という理解が重要です。

と述べられていますが、その理論的根拠(条文解釈)が上記ご論稿で示されています(24頁)。抽象的重要性と具体的重要性という区別はあまり意識していなかったのですが、よくよく考えてみると、たしかに梅本教授のおっしゃるとおりかと。私は、あまり理屈にはこだわらず「非財務情報はそもそも株主エンゲージメントの活性化や議決権行使に必要な情報の提供、という意味であり、そこに虚偽記載が含まれて問題になるのであれば経営責任を問われるもの(株式売却、役員交代等)。投資判断に影響を及ぼす定型的に重要な事項のみが法的責任の対象となる」と理解しておりました。金融庁の開示ガイドラインに示された解釈などをざっくりと参考にしています。

機関投資家としても、非財務情報(とりわけ将来予測)の内容が本当に重要だとすれば、その真偽の評価は過去の財務情報の信用性と財務報告内部統制によって判断するのが筋だと思います。そうでも理解しなければ、会社のIR担当者は(ハードロー違反のエンフォースメントに)委縮してしまって「おもしろみのない非財務情報」「金太郎あめの非財務情報(ボイラープレート化?)」ばかりになりそうです。これでは近時の企業統治改革2.0の趣旨は失われますよね。そのあたりのモヤモヤが、梅本先生のご論稿でかなりスッキリしました。

ただ、学者の方々の間でも、裁判実務でも、上記論点はこれまであまり議論されてこなかった、とのこと。うーーーん、でもガバナンス改革が進む中でもっと議論されてもいいのではないでしょうか。ちなみに日産ゴーン氏の役員報酬開示が争点となった裁判(ケリー氏が争っている金商法違反被告事件裁判)では、争点にはなっていないそうです。

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2024年2月22日 (木)

大正製薬HDのMBO価格(もっと話題になってよいのでは?)

いつも回覧しているブログではENEOSの「二度あることは三度ある」事件に話題が集中していますが、大正製薬ホールディングス(およびその経営者)によるMBO価格に関するアクティビストの動きについてももっと話題が集まってもよいと思うのは私だけでしょうか。2月20日の四季報オンラインでは、「大正製薬HDのMBO、『物言う株主』キュリRMBが反対の方針-MBO価格の精緻な検討を行わず」と題する記事が掲載されています。

オーナー家管理会社による大正製薬ホールディングスへのTOBが、買い付け予定数の下限を上回る応募を得て成立し、同管理会社が73%超の議決権を取得しました。しかし、キュリRMB、オアシス、カタリスト投資顧問等のアクティビストファンドが「TOB価格が安すぎる」とのことで臨時株主総会で反対する可能性が高いようです。とりわけキュリRMB(細水さんのところですね)はMBOのプロセスに問題があるとのことで、おそらく伊藤忠・ファミマのMBO事件と同様、強く反対意思を表明されているようです。

たしかに上記記事にあるように、同MBOプロセスには(2019年の経産省M&A指針や昨年の伊藤忠・ファミマ価格決定裁判の趣旨に照らして)構造的な利益相反を排除したといえるのか、MBO価格は独立した第三者との取引価格と同等といえるのか等、いろいろと議論となりそうな論点があります。今後、価格決定申立事件となれば興味深い裁判となりそうです。こういった事案は裁判になる前にもっと様々な立場の人たちが議論をしてTOBの価格や成否に当該議論の結果が影響する、というのが本筋ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

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2023年10月 3日 (火)

SMILE-UP(旧ジャニーズ事務所)問題-P&Gジャパンの素早い対応(タレント個人とすでに契約済)

(10月3日14:50更新)

昨日のSMILE-UP社(10月17日商号変更予定の現ジャニーズ事務所、今後は性被害を受けられた方々の心情に配慮して極力「ジャニーズ」の名称は使わないようにいたします)における記者会見を前提とした企業対応については別途ブログで書かせていただくとして、まずはP&G社ジャパンの素早い対応について。朝日新聞ニュース「P&G、ジャニーズ事務所とのCM契約終了 タレントと直接方式に」を読みましたが、すでに過去のSMILE-UPとの契約はすべて解消し、CM出演の4人のタレントとそれぞれ個人契約を締結した、とのこと。これまでのSMILE-UPの対応では不十分と判断したうえでの対応だそうです。

※・・・すいません、諸事情ございまして個別の取材はお断りしております。

ちなみにP&Gジャパンは他の企業のように広告へのタレント使用を中止することなく、これまで粘り強くSMILE-UPの問題への対応について要望を出していたそうです。たとえば朝日新聞ニュース「P&G社長-責任ある広告主でありたい-ジャニーズ起用続ける意図」によると、BBCによる番組がアップされた直後からのようです。

これがグローバル企業の典型的な対応かと。世間では「個人契約など、エンターテインメント業界の掟がありすぎて困難」と指摘されていましたが(私も実はそう思っておりました・・・)、実際には個人契約もできてしまうのですね。たしかV6の岡田准一氏も自身の設立した会社とスポンサー契約等を締結するようですし、こういった流れが企業側、タレント側からも進んでいくものと思います。ただ「ファンクラブ運営」や「諸々の著作権」をSMILE-UP側とどう調整するのか、かなり難しそうですが、各個人、グループが前を向きながら考える、というスタンスになるのでしょう。

(10月3日14:50 追記)

現時点で、私がもっとも共感できる記事はこちらです(ITメディア 窪田氏-「SMILE-UP.」社名を変えても“再生”は難しい なぜ日本企業は素人を「社長」にさせるのか- たしか昨日の記者会見でも実話ナックルズとしてご質問されていたのではないかと)。SMILE-UP問題にかぎらず、日本の企業はこのような閉塞感があるなぁと感じます。

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2023年8月 9日 (水)

日大アメフト部員薬物事件の記者会見を閲覧して感じたこと(追記あり)

(8月8日15:05追記あり)

8月8日に開催されました日大アメフト部員薬物事件に関する理事長、学長、副学長による記者会見をすべて閲覧いたしました(YOUTUBEで2時間15分全編閲覧)。すでに各メディアで報じられているとおり、私も昨年10月から12月にかけての某部員による薬物使用の自己申告事案、そして本件(逮捕事件)に関する7月6日から警察へ報告した18日までの「空白の12日間」に関心を持ちました。とくに気になった点は以下のとおりですが、やはり日大のガバナンスにかなり問題があると思います。

昨年10月から12月にかけての某部員による自己申告事案ですが、本件(逮捕案件)を取り仕切っておられる副学長さんすら、今年の7月まで(つまり本件調査が始まるまで)知らなかった、とのこと。昨年の自主申告案件について、現場を取り仕切る部長さんクラスの方々で警察相談を含めて対応しておられたのは良いとしても、なぜ副学長、学長、理事長まで報告が上がっていなかったのか?自己申告事案の証拠がなくなっており、警察が立件できないのは良いとしても、自己申告があった時点でその薬物の入手経路を調べたり、学内外の共犯関係者の有無を調べたりはしなかったのでしょうか?(うーーん、これはかなりナゾです)そもそも学生の闇バイトと薬物使用は大学が反社会的勢力と癒着するリスクを高めることは間違いないはず。もはや教学ではなく日大の経営問題なので、理事長と情報を共有していないというのはかなりマズイ。

副学長さんの回答によると昨年12月の警察による(アメフト部員に対する)薬物講演会は、11月下旬の某部員による自己申告とは無関係とのこと。ということは厳重注意という処分で自己申告事案は一件落着ということになります。しかし、そもそも自己申告の端緒となったのは、昨年10月29日のアメフト部員保護者会で「学生寮内で大麻を使用していないか、調査せよ」との依頼を受けて寮生活をしている30名ほどの部員へのヒアリングを行ったことにあります。だとすれば、少なくとも自己申告者が存在したこと、警察での立件には至らなかったこと、厳重注意処分を行ったこと程度は、その時点で保護者会に説明をすべきでしょう。そうでなければ、保護者会がなんらかの(薬物使用疑惑に関する)情報を取得している(または、今後も取得しうる)可能性は高いので、さらなる内部告発が行われ(現にそのような告発があったと推測されます)、「隠ぺいしていた」と指摘されるリスクが高まることは当然です。この時点で日大関係者はリスク管理を誤ったように思えます。

「空白の12日間」に何が起きていたのか・・・という点は、副学長さんが回答しておられたように捜査との関係上なかなか話ができないというのは理解できます。ただ、7月18日に警察へ回収物を持参するきっかけは「理事長のところに父兄会と名乗る人物から手紙が届き、理事長から説明を求められたから」「もうそろそろ中間報告的なことを警察にしなければならないと思ったから」と副学長が回答しておられました。では、父兄会と名乗る人物から理事長に手紙が届いていなかったら、いつまで警察に報告しないつもりだったのか。今年の6月まで、警察にはアメフト部員による薬物使用の疑惑に関する情報提供が何度か届いていたようですが、これは日大が保護者会にわかるように経過を説明してこなかったからではないかと。自主的に調査を行い、自主的に不正行為を公表する姿勢がなければ、何度でも情報提供は繰り返されていたと思います。

先ほども申し上げた通り、警察が大学生の薬物使用と闇バイトに目を光らせているのは、反社会的勢力と組織との癒着の防止(犯罪収益移転防止法や暴排条例に基づく)が大きな目的です。大学はゲートキーパーとして、大学と反社会的勢力との関係断絶に向けた対応をとらなければブランドの毀損は免れないと思います。日大にはリスクマネジメントとしての初動対応にやや問題があったのではないかと思いますし、これもガバナンスの機能不全と言えそうです。

(追記)以上のとおり書いておりましたところ、時事通信ニュースは警察幹部の話として「警視庁として、学長や副学長の説明にあったような対応はしていない。相談は日大OBの警視庁職員が個人的に受けたもの。自首するように、などと勧めるわけがない」とのこと。これはたいへん!!このニュースが真実なら相当やばい状況ですよね。日大どうする?こういった一連の経過をみると、やはりプロの危機管理コンサルタントの役割はとても重要であることを痛感します(いつも仕事をご一緒する〇〇〇のみなさん、ありがとうございます!)

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2023年6月23日 (金)

会社債権者保護-うっかり違法配当事案に思う(続編)

Img_20230622_123026305_512 ひさしぶりに法律雑誌に拙稿を掲載していただきました。ビジネス法務2023年8月号「創刊25周年記念特集-会社法の歩き方(軌跡と展望)」なる特集におきまして、「ガバナンスと企業不正」という論稿を執筆しました。会社法上での企業不正問題の取り上げ方の歴史を踏まえて、今後は企業不正の防止に向けて会社法規制は機能するのかどうか・・・といったあたりの持論を述べたものです。私的にはおもしろい視点だと思っておりますので、ご一読いただければ幸いです。

さて、この特集において、弥永真生先生が「分配規制のパラダイム転換」と題する論稿をお書きになっていて、とても興味深く拝読いたしました。昨今、上場会社の配当性向が高まり、株主還元という錦の御旗のもと、自己株式取得や剰余金配当が積極的に行われるようになってきたのであれば、単体の計算書類の作成にあたって適用する会計処理の原則、手続きは(情報提供の観点だけでなく)分配可能額算定の観点からも考え直す必要があるのではないか、とのご意見はホントにそのとおりかと。現状の分配可能額算定ルールが誕生した歴史をたどれば「うっかり違法配当事案」が発生したとしても、たしかに会計監査人の「見逃し」を一方的に責めるわけにはいかない、という感想を持ちました。たとえば情報提供目的での負債評価と分配可能額算定目的での負債評価とでは計算基準も方法も異なり得るわけでして、そのあたりを「会計基準」ではなく「会社法」がどう捉えるかは、議論の余地があるように思います。

以下は弥永先生のお話とは異なりますが、昨今の違法配当事案に対して「資産状況が健全であるかぎりは、たとえ違法配当があったとしても誰にも迷惑はかけないのだから、そんなに厳しく指摘する必要はないのでは」「人間はパーフェクトではない。関係者は一生懸命頑張っていたんだから」というご意見もちらほら出てきて、それ以上にツッコミが入らない状況がうかがわれます。ただ、やはり分配可能額を超えた剰余金処分によって会社資産は不当に流出しているわけでして、その流出分を株主からも返還を求めない、役員も責任を負わない、会計監査人にも問題はなかったということで、そのまま放置してもよいのでしょうかね?たしか過去の事例では、(良いか悪いかは別として)計算方法を再度見直して「違法配当はなかったことにする」とした事例や、カリスマ経営者が自腹を切って流出分を補填するとした事例など、恰好が悪くても、会社の違法状態を是正する努力を続けていた会社が多いと思うのです。このあたりの対処がないと、なんか気持ち悪いなぁと。

6月5日、某上場会社の分配可能額を超えた配当が行われた近時の事案を参考に、「会社法の会社債権者保護の考え方はむずかしい-うっかり違法配当事案に思う」をリリースしたところ、たいへん多くの方からコメントをいただき、まだすべてにお礼も述べておりませんが、関心のある方が多そうなので本日は続編ということで、思うところを一言だけ。といいますのも、某社の違法配当事案に関する調査委員会報告書が早々に公表され、興味深く拝読させていただいたことによります(調査委員の皆様、お疲れ様でした)。

調査委員会報告書において、某社の会社役員の皆様が故意に違法配当に手を染めたわけではないこと、さらに会社法上の違法配当時の役員責任の根拠規定における「違法配当(自己株取得等による違法な剰余金処分)となってしまったことに関して取締役としての注意を怠ったと評価しえないこと」についてはおおよそ予想していた結論です。この結論をもって某社の監査等委員会は議案を上程した取締役(議案に賛成した取締役)への責任追及訴訟を(とりあえず)提起することは差し控えることになろうかと思います(胸をなでおろす方もおられるような・・・)。

たしかに会社法上の違法配当時における取締役の責任規定の解釈とその評価についてはそのとおりかとは思うのですが、では分配可能額算定に関する内部統制には問題なかったのか、とりわけ監査等委員である取締役には違法配当とならないような仕組み(内部統制)への監視義務、もしくは直接的に2022年4月時点における今回の配当計算の正確性を監視する義務はなかったのか。また、財務部や経理部のミス、責任執行役員の確認不足が原因だったとしても、業務執行上の信頼の原則、取締役間での監督義務を尽くす上での信頼の原則を適用する際には、信頼が保護されるための最低限度の確認作業が必要であるが、当該「確認作業」はなされたのか(エフオーアイ事件判決において社外監査役の法的責任が認められたことを参考に)。

調査委員会報告書の結論にもっとも関心を持つ監査等委員の皆様自身の法的責任はとくに問題ないかどうか。このあたりが少し気になりました(諮問事項ではなかったのかもしれませんが・・・)。まぁ、目立った会社の損害はない・・・ということでしたら、それまでの話ですが、何もエンフォースメントが働かないという状況がちょっと気持ち悪いように思います。

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2023年5月31日 (水)

非公開会社の少数株主と「非流動性ディスカウント」

2015年4月にこちらのエントリー「中小上場会社の社外取締役が注目すべき最高裁決定(道東セイコーフレッシュフーズ事件)」にて、非公開会社の少数株主が事業再編によって排除される場合、非流動性ディスカウントは適用されるべきではない、とする最高裁決定をご紹介しました。「中小上場会社の社外取締役は」とタイトルをつけましたが、「少数株主を支援する、もしくは少数株主対策を行う企業担当者は」と書いたほうが適切でしたね。ちなみに非流動性ディスカウントとは、非公開会社の株式には(上場会社の株式と異なり)流動性に乏しいため、短期的な現金化は困難であることから、当該リスクに応じた価値の減額を行うことを指しています。

8年前の上記最高裁決定は少数株主が強制的に排除される場合の補償措置としての価格決定申立事件に関するものですが、少数株主側から譲渡承認請求によって非公開会社から任意に退出するケースを扱った事件の最高裁決定が2023年5月24日に出されたようです(最高裁HPの全文はこちらです)。

事業再編によって排除される少数株主の株価算定には非流動性ディスカウントは適用されないが、任意で投下資本を回収する少数株主の株価算定には原則として非流動性ディスカウントは適用される、とのこと。これまで同様の結論に至った下級審決定は(公表されているものとしては)2件ほどありましたが「非流動性ディスカウント適用の有無」について、平成27年最高裁決定の事案との区別を明確にした、という意味では実務的に参考になろうかと思います。

同族会社の紛争案件などに関わっておりますと、少数株主側の株式売却価格で揉めるケースが多いですね。株価算定方法(DCFが主流ではありますが)、マイノリティ・ディスカウント、非流動性ディスカウントあたりが争点となるのですが、「非訟手続」(裁判所が自身の裁量によって価格を決定する)とはいえ、代理人がどれだけ頭を使い、汗をかくかで決定内容が変わる「かなり厳しい案件」だと思います。ディスカウント率が15%あたりから30%あたりまで事実認定次第で変わりうるからです。

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2022年3月28日 (月)

「社外役員特化型D&O保険(会社役員賠償責任保険)」は必要と考える

今年も日本監査役協会の研修講師を担当させていただいておりまして、「攻めと守りのガバナンスを支える会社役員賠償責任保険と会社補償契約」とのテーマで講演いたしました。しかし、この16年間でもっとも低調です(笑)。いつも企業不祥事や有事のガバナンスをテーマにすると満員御礼の日が続くのですが、今年はホントに聴講される監査役員さんが少なくて閑古鳥が鳴いております(´;ω;`)。聞くところによると「サイバー保険」に関連する講演も集客力が低いそうで、会社役員の皆様の「保険や補償ということへの関心」がやや低いことを知りました。

ということで、少しへこみぎみだったのですが、旬刊商事法務の最新号(3月25日号)にて、オリックス グループ人事部報酬チーム兼グループ総務部 担当部長でいらっしゃる山越さんの論稿「社外役員のリスクと特化型D&O保険」を拝読して、「うんうん、そうだよなあ」と少し元気が出ました。業務執行役員とは別に社外役員(社外取締役や社外監査役)だけに特化した会社役員賠償責任保険を締結することも検討する必要があるのではないか、とのご意見はまさにそのとおりかと。

山越さんの上記ご論稿に書かれているわけではありませんが、私が会社役員全体を通して保険や補償契約に関心を持っていただきたいと考えているのは、以下の4つの理由(役員責任をめぐる近時の経営環境の変化)からでして、敗訴リスクはあまり高くなくても、提訴リスクは確実に高まっており、弁護士費用を含めた個人負担についての付保は必須の時代ではないかと思うからです。とりわけ社外役員は「保険に加入しているから安心」「責任限定契約を締結しているからリスクを回避している」では済まないのではないかと。

まずひとつめは「世間を騒がせる企業不祥事の頻発」により、会社自身が自浄作用の一環として不祥事発生当時の役員を提訴することが増えていることです。つぎに国内外でのM&A(組織再編)が急増し、支配権の交代によって旧経営陣が提訴されるリスクが増えていることです(これは上場、非上場にかかわらず役員のリスクです)。3つめにモノ言う株主(機関投資家)が、その背後の実質株主への説明責任を果たさねばならない状況が増えているということ(つまり、どれだけ回収できるかわからないが、役員を提訴して司法判断を仰ぐことで説明責任を果たす、ということ)です。4つめは役員を提訴する株主の「代表訴訟のハードルが低くなってきた」ことです。証拠収集には公益通報が活用されることが増えていますし、原告側訴訟代理人の力量も変わってきたことによるところかと思います。

ほかにも損害賠償債務が「不真正連帯債務」であるがゆえに、責任限定契約は求償権に対抗できないのではないか、といった論点もありますが、ここでは法律論については言及いたしません。いずれにしても、こういった問題に社外役員はどのように対応されているのでしょうか。以前にも書きましたが、私はニッセンホールディングスの社外取締役を退任する際、D&O保険についてはランオフ・カバー条項を付けていただきましたし、さらに念のため会社側と補償契約(役員退任後も一定期間は補償する)を締結しました(幸い、法人が消滅することはなかったですし、リーガルリスクが顕在化することはありませんでしたが・・・)。

大株主から社外取締役が選任されることが増えて、社外取締役や社外監査役も「一枚岩」ではなくなってきた時代となりました。社外役員ではありませんが、会社から(辞任要求を拒否した)常勤監査役さんが損害賠償請求訴訟を提起される事件も最近の判例時報に掲載されています。これだけ取締役会改革が進んでいる状況ですから、役員間や株主との間で意見の食い違いが裁判沙汰に発展することが増えても当然です。したがって会社側の保険料負担で「社外役員だけを被保険者とする会社役員賠償責任保険」を締結することも、約款(社外役員特別枠特約)だけでは対処しきれない部分をカバーするものとして検討する必要があるように思います。また、(社外役員に限った話ではありませんが)この3月総会までに、ネットで確認できるだけでも40社ほどの上場会社(比較的大規模な上場会社が多い)が役員と補償契約を締結していることが確認できますので、会社補償契約の活用も検討すべきです。

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2022年1月 7日 (金)

関電金品受領問題-取締役責任調査報告書の信用性はどうなる?

昨年12月23日の朝日新聞ニュースによりますと、関西電力の役員らによる金品受領問題で、法人である関電と関電株主らが元会長ら旧経営陣6人に損害賠償を求めている訴訟に関連して、大阪高裁(大島真一裁判長)が関電側の代理人弁護士3人のうち2人を、訴訟から排除する決定をしたそうです(12月22日付け)。訴訟代理人からの排除の対象とされた弁護士2人は、金品受領問題をめぐり、関電が旧経営陣の法的責任を調べるために設置した「取締役責任調査委員会」の委員を務めておられたようです。

関電元会長らもその調査に応じていたわけですが、元会長らは、調査委の調査に対して「独立性を担保された委員の立場を信頼して、問われるまま供述した」「(調査委員である弁護士が損害賠償請求訴訟でも関電側の代理人に就いていることについては)被告らの内情を知り尽くした両弁護士を代理人とする行為は、関電として信義則に反する」として、昨年7月、当該弁護士2名を訴訟から排除するよう大阪地裁に申し立てていました(大阪地裁は今年3月、申し立てを却下し、元会長らが抗告していたものです)。

そういえば本件については、当初、元会長が代理人を飛び越えて直接関電側に「けしからん!」と圧力をかけたとして、元役員のほうが世間的に批判をされていましたよね。

調査委員会委員を務めていながら、その後、会社側の代理人に就任する、という点については(諸事情ございますので-笑)あまりツッコミを入れないことにしますが、どのような理屈から「排除」という法的効果が生じたのか、その判断プロセスについては知りたいところです(2020年8月に、「コンフリクトの疑われる代理人を相手方は裁判で排除できる-特許権侵害事件・知財高裁決定の衝撃」と題するエントリーを書きましたが、この決定と同じような理屈で排除決定が出されたのかどうか。

また、大阪高裁の排除決定によって、訴訟が継続している大阪地裁の審理、とりわけ「責任調査委員会報告書の事実認定の信用性」にどのような影響が生じるのか、こちらも興味があります。中立性のある弁護士⇒代理人弁護士という流れだから影響はない、ということなのか、後日平然と代理人弁護士に就任している経過からみれば、そもそも中立性はなかった(よって事実認定は会社寄りであり信用性に乏しい)、ということなのか。調査委員会委員を経験する者として、裁判所がどのような見方をするのか、参考にさせていただきます。

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