私的独占と民事訴訟
日本AMDがインテル株式会社を被告として、2件の損害賠償請求訴訟を提起しました。独占禁止法違反の事件に関する民事訴訟というのは、かなり件数が少ないので私的にはたいへん注目している裁判です。(アメリカではAMDとインテルの訴訟の歴史はけっこう古いですけど、日本の民事訴訟制度を利用するところの紛争としてみると新鮮ですね)
2件といいますのは、審決前置主義を採用している東京高裁専属管轄の独禁法25条訴訟と通常の民法709条による東京地裁への不法行為による損害賠償請求訴訟です。なぜ2件かといいますと、25条訴訟というのが、公取委で審決の対象となった事実に基づく損害だけを特別に審理する(そのかわり被害者側にかなり有利な立証上のシステムが適用される)というもので、ほかにも審決の対象とされなかった不正行為によって損害が発生したという場合には、通常の民事訴訟を利用せざるをえないからです。読売ネットの記事では「合計115億円訴訟」とありますが、「55億円」と「60億円」の中身が重複していますので、合計「60億円」が正しいと思います。(ちなみに、日本AMDの代理人は今年も高額納税弁護士ベスト10に名を連ねている著名な弁護士さんですね。さすがですね・・お金というのは寂しがりやなんで、「集まるところに集まる」みたいで)
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