2009年2月17日 (火)

財務報告に係る内部統制報告制度対応状況結果(監査役協会)

(ご紹介した書籍の編著者名に誤りがありましたので、訂正いたしました。ご指摘いただいた元PwCの方、どうも失礼しました。ときどき恥ずかしい誤りがありますので、ご指摘いただけますと助かります。。。)

ここのところ、世間で話題になりつつも、自分の頭では理解できないことを書きつづることが多くなっておりますが、「かんぽの宿」騒動もそのひとつであります。総務相が問題視したことによってかんぽの宿の売却にあたり、「企業価値算定」(バルクセール?)と入札のデュープロセスという、二つの論点が浮かび上がってきたことは皆様もご承知のことと存じます。私が疑問に思いますのは、これほど世間で「企業価値」が話題となっている今こそ、「継続事業のお値段とはこういったもの」というMAご専門の方々の意見が日本中に広まるのではないか、(もしくは国民が耳を傾けるのではないか)と期待するのでありますが、ほとんど聞こえないのであります。なぜ「私はこういった理由から日本郵政の行動を擁護する!」といった声が聞こえてこないのでしょうか?マスコミで報道されているように、一方的にケリがついてしまった話題なのでしょうか?著名な金融機関に3億円ものアドバイザリー報酬契約を締結したうえでの「企業価値算定」なるものは、ひとりの政治家に一喝されただけでめげてしまうような「砂上の楼閣」程度のものなのでしょうか?(もちろん違いますよね?)「反社会的勢力」について語ることは、そんなにタブーなのでしょうか?合理的な根拠を示して日本郵政の立場を(ある程度)理解することはそんなにむずかしいことなのでしょうか?ダイヤモンドオンラインにおいて、慶応大学の先生が「こういった局面でこそ、ネットでの意見が民主主義を支えるべきなのに、そういった声が上がらないということは、やはりネットというものはゴミの山にしかすぎない」とおっしゃっておられましたが、(ちょっと悔しいですけど)まったく同感であります。こういったときにこそ、ご専門家の方々の賛否両論についていろいろとご意見をお聞きしたいと思うのでありますが、私の知る限りでは中央大学の野村先生、木村剛さん、貞子ちゃん、こばんざめさん、そして入札手続きの公正性の面からgo2cさんあたりが堂々と反論を述べておられますが、そういった意見がマスコミで採り上げられているケースはほとんどみられないのではないでしょうか。(私が情報に疎いだけなんでしょうかね・・・・・・・以下、本題です)

さて、個人的にはたいへん興味のあります内部統制関連の話題でありますが、2月12日付けにて、日本監査役協会より「第2回・財務報告に係る内部統制報告制度に関するインターネット・アンケート調査結果(速報)」がリリースされております。また、このアンケート結果をもとに、異例の緊急告知が出されておりまして、内部統制報告制度の下での期末監査のスケジュール(モデル)も併せて公表されました。(なお、内部統制報告制度の下での監査役監査報告書の記載の在り方についても、4月上旬ころに監査役協会よりなんらかのモデルが公表される見込みのようです)ちなみに緊急告知の中身は、①期末監査のスケジュール及び対応方法を早期に固める必要がある、②対応計画に遅れを来たさぬよう、円滑な進捗に努める必要がある、というものでして、このアンケート結果をもとに会員企業への緊急のコメントとして発信されております。

回答時期は平成20年12月中旬から本年1月中旬ころ、回答社数は約1500社(有効回答)で、そのうち東証1部、2部上場企業が70%(その他新興市場上場会社が30%)ということでして、上場企業の内部統制対応の進捗状況を知るうえでは、かなり信頼に足る調査結果ではないかと思われます。なお、3月末決算日の企業は全体の8割です。

興味深いのは(監査役としての立場だからかもしれませんが)「重要な欠陥の存在は極力避けなければならず、そのためには万全を期すが、決して無理な対応はせず、かりに期末に解消されない重要な欠陥が存在したら、適切に開示すればいい」と考えている監査役さんが全体の18%もいらっしゃることです。(ちなみに無理をしてでも重要な欠陥を解消すべき、が20%、いまの状況からすると重要な欠陥はない見込みというのが58%)また、取締役と監査役との間で「重要な欠陥」に関する評価についてほぼすべての企業で「認識に相違はない」とされているなかで、適用初年度においては「重要な欠陥が残る可能性が高い」「内部統制監査で意見不表明となることが相当程度懸念される」との回答が合計で8%程度存在するところにも注目です。しかも、この8%の中身は、いわゆる東証1部、2部上場企業のほうが、新興市場企業よりも圧倒的に数の上では多いといった事情にも留意する必要がありそうです。(まだ真剣に重要な欠陥が残るのかどうかを協議していない企業さんも多いのかもしれません)

たしかに問19-1(期末監査のスケジューリング)において、約半数の企業が「まだ期末監査に関するスケジューリングについては話をしていない」と回答されておりましたので、上記のような緊急コメントになったのかもしれませんが、ただ(3月決算の場合)第3四半期の決算報告会の席上でスケジューリングについての協議がなされたところも多いと思いますので、それほど対応が遅れている・・・というところも多くはないような気もいたします。

最近、「IFRS(国際会計基準で企業経営はこう変わる)」(東洋経済新報社 PwC Japan プロジェクト室 編著)を拝読いたしましたが、IFRS実務の前線にいらっしゃる方々も、アドプションに向けた取り組みの第一に「IFRSの原則主義」をとりあげておられますし、また原則主義のもたらす不正リスクについても言及されています。IFRSが導入されることで、「なぜそのような会計処理方針を採用したのか」といったあたりは各企業は詳細な説明が要求されるそうであります。こういった原則主義の適用や、公正価値会計重視の方針が、ますます企業における内部統制構築への要請を高めるものと思われますし、まさに内部統制報告制度が「原則主義の第一歩」として、企業に浸透していくことに期待をしております。

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2008年10月 1日 (水)

監査役からみた日本版SOX法対応Q&A(ニュースリリース)

本日は東京霞が関にて、会計制度監視機構の第2回会合に出席してまいりました。初めて弥永教授とお会いし、帰り道も弥永教授と「法と会計の狭間の問題」について、すこしばかりですがお話をさせていただき、また勝手な持論なども述べさせていただきました。なおこの会合の件は(内容的にはたいへんおもしろい方向に進んでおりますので)また別の機会にエントリーさせていただきます。

さて、日本監査役協会では注目すべきニュースリリースがいくつか出ておりますが、当ブログとの関連では「監査役からみた財務報告に係る内部統制報告制度に関するQ&A」が見逃せないところであります。実は私も来週、日本監査役協会全国会議(10月7日から10日まで神戸にて)の司会兼報告者という(とんでもない)大役を仰せつかっております。第二分科会「内部統制に係る監査事例報告」の担当ではありますが、当分科会に延べ2000名近くの監査役の方が出席されるご予定だそうでして、恥をかかないでつつがなく大役を務めさせていただくためにも、この時期に本部からニュースリリース付きで公表された上記Q&Aの内容は、どうしても気になるところであります。第二分科会では会社法および金融商品取引法上の内部統制と監査役の対応をメインテーマとしておりますので、このQ&Aよりも少しフォーカスが広がりますが、神戸へお越しの監査役の皆様方には、ぜひ事前にお目通しいただきたい内容になっております。

ちょうど10年ほど前、日本監査役協会では鳥羽教授のもと、「企業経営に果たす内部統制の役割」と題して、内部統制の構築とそこに果たすべき監査役の役割についての研究が始まったわけでありまして、これはかの有名な大和銀行事件で「内部統制システム」なる概念が登場するよりも以前のお話であります。今回の全国会議も、またこのQ&Aも、そういった歴史の重みを感じつつ、またこの10年の世の中の流れなども斟酌しながら受け止めたいと思いますが、なにぶんにも私自身にこれを受け止めるだけの実力が備わっていると自負できるものはございませんので、雑駁な感想のみ記しておきたいと思います。

まず「はじめに(金融商品取引法上の『財務報告に係る内部統制』における監査役の職責と責任について)はぜひお読みいただきたいところであります。いわゆる日本版SOX法と監査役との適正な立ち位置(そのなかでも最も重要な点)が簡潔に記述されております。ただ、ここだけ読んでも何が重要なのか理解できないところもあるかもしれませんが、それは後のQ1からQ9までの内容を理解することで補うことが可能になっております。なお、監査役も日本版SOX法における評価対象である(統制環境のひとつである)ことを明言し、監査役がその職責をまっとうしないことが「重要な欠陥」になりうる点を監査役協会がはっきりと示されたことは、私には少し新鮮に映りました。(この点はQ3でも触れられております)

具体的なQ&Aの内容につきましては、ホットな話題となっております「重要な欠陥」と取締役の法令違反、善管注意義務との関係、事業報告における「期ずれ」問題、外部監査人による内部統制監査に対する報酬同意権限の問題、監査役会議事録、監査調書の監査人への開示問題など、どの企業でも参考となるような論点への原則的な回答が簡潔にまとめられております。ただし、いずれの問題も「はじめて監査役協会で検討された」というものではなく、すでに2~3年ほど前から検討され、回答が模索されてきた論点について、やっと「わかりやすい内容」をもって書きだされたものといった印象を受けました。この「わかりやすい」というのが重要でして、平易な文章で説明しても、ツッコまれないだけの理論的な展開がここ数年で繰り広げられた結果であると評価できるのではないでしょうか。

ただ、私なりの疑問点を申し述べるとするならば、Q6の「会社法において行う必要のある監査役の会計監査と、財務報告内部統制の報告制度において監査人が行う内部統制監査との関係」についての、監査役のスタンスの説明は、未だ一般の監査役の皆様方には理解が困難ではないかと思います。(どうにかもすこし、わかりやすい説明にはならないもんでしょうか)また、内部統制への監査役のチェックは、そのプロセスをチェックすることが重要である以上、たとえ重要な欠陥が是正されたとしても、次年度以降ふたたび重要な欠陥が顕在化することは普通にありえることだと認識しております。このQ&Aも「是正することが重要」ということを強調している点は評価できるのでありますが、いったん重要な欠陥が是正されたり、内部統制が有効と評価されてしまえば、あとは問題がないといった 誤解を監査役の方々に与えてしまう懸念がある、といった印象を少し持ちました。たとえば、当ブログでも以前議論させていただいたように、企業業績が思わしくなくなり、内部監査部門の人数を減らしたり、経理部の有能な人材が離れていってしまったような場合、会社の経費削減が内部統制の有効性にどのような影響を及ぼすのか・・・という問題も、2年目以降の日本版SOX法のなかでは大きな論点になってくるのではないかと考えております。(さらに、重要な欠陥があること自体は取締役の職務執行上の法令違反はあたらないけれども、是正をしないことが法令違反に該当する、といった整理だと、「なにをもって是正されたと判断するのか」とか「どれほど放置すれば是正しないことにあたるのか」といった監査役にとっては悩ましい問題が新たに発生することは事実であります)また、最近は監査法人さんのほうから業務プロセスの評価範囲の問題として、売上、売掛金、棚卸資産以外の評価項目の追加(たとえば人件費、固定資産等)を求められるケースも増えているようでありますが、そういった場面で全社的内部統制が良好であることを、監査役なりの業務監査結果(リスク評価)をもって(項目の追加が不要であることを)説得することも、まさに「監査人と監査役の連携協調」の一場面であります。なにかのマニュアルに頼ることなく、企業が直面する財務リスクに臨機応変に対応することでなければ「プロセスチェック」は困難ですし、また監査役の職務自体が「統制環境」のプロセスに組み込まれていることとも矛盾するものであります。そういったあたりを、もう少しQ&Aの中で表現していただければ・・・と私なりに考えたような次第であります。

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2008年5月28日 (水)

監査役交代が内部統制に及ぼすインパクト

日本ハウズイング社と原弘産社における株主名簿閲覧拒否仮処分事件の東京地裁決定につきましては、昨日の日経法務インサイドで少しだけ骨子が掲載されておりましたが、結論からみて、保全の必要性がない(原弘産ホームページにて自らの主張を株主に訴えかけることが可能、法定開示書類によって議決権ベースで65%程度の株主が判明している、日本ハウズイング側が株主に発送する参考書類に提案全文を掲載予定であることなどが理由)とのことで、原弘産側の閲覧請求が認められなかったようです。(ただし即時抗告あり)ただ、本日(5月27日)日本ハウズイング社の大株主(株式会社カテリーナ・イノウエ。日本ハウズイングの創業者による資産管理会社だそうです)より、双方に対して公開質問状が届いたようで、その中身を拝見いたしますと、これがかなりおもしろい内容です。とりわけこの質問状では、株主名簿閲覧拒否事件に絡んで、昨日の法務インサイドの記事にも言及されており、日本ハウズイング社に対しては、正々堂々と株主名簿を公開するよう要求しており、もし拒否するのであれば、その理由を説明するように求めています。他の質問内容も、委任状争奪戦を前にした株主からの質問として非常に参考になるところであり、私的には(こういった質問状が出てくる背景にはいろいろなご事情があるとは拝察いたしますが)ぜひとも、この公開質問状に対する真摯なご回答を両社にいただき、勉強させていただきたいと切に願っております。

さて、本日ある研究会の席上で、小耳にはさんだお話ですが、某会社の監査役が任期満了目前の時期に、諸般の都合によって辞任をされた、ということで、適時開示もされたのでありますが、これを知った監査法人の担当者から某会社に連絡が入り、「監査役辞任後の貴社の内部統制が有効であることの証明書を差し入れてほしい」と言われたそうで、会社も顧問弁護士さんもたいそうビックリしたそうであります。私もその開示情報は読んでおりましたが、その辞任理由は、やむをえず任期満了前に辞任せざるをえない正当な理由が読み取れるわけでして、とくに不穏な空気が会社内に漂っていることを予感させるようなものではありませんでした。したがって、私も「内部統制の有効性証明宣誓書の差し入れ」というのも少し驚いた次第です。ひょっとすると、任期を残して監査役が辞任する場合のマニュアルとして、こういった有効性証明書を出させるのが、最近の傾向になってきているのでしょうか?そもそも、いったい誰がそんな内部統制に関する有効性を判断できるのか、また有効であることを証明できるのか、ちょっとよくわかりませんが、こういった慣行があるとすると、監査役もずいぶんと辞めるのにプレッシャーがかかりますよね。。。だいたい、監査役辞任のお知らせには、辞任理由として「一身上の都合により」とか「諸事情により」といった簡単な理由が付されているだけでありますが、監査役が辞任することが会社の不穏な空気を想像させるものであるならば、もう少し「不穏な辞め方なのか」、「平穏に辞めたのか」想像がつく程度の理由が必要になるのかもしれません。以前にもエントリーのなかで少し述べましたが、監査役の任期は(上場会社の場合)4年ということで非常に長いものですから、とりわけ社外監査役(非常勤)のように他の仕事を兼任しているような方でしたら、本業の関係で途中辞任しなければならないケースもけっこう多いと思います。また、年齢的なところからくる「健康上の理由」もあるでしょう。したがいまして、監査役の(任期半ばにおける)辞任というのは、本当に「不穏な理由」と「平穏な理由」がけっこう数の上では拮抗しているのではないでしょうか。(もちろん、そんな統計結果などあるはずないでしょうが)

「社内に不穏な空気が流れているのかどうか」ということだけでなく、モニタリングの重要な役割を担う監査役がいなくなったこと自体が、内部統制の有効性に影響を与える場合もあるかもしれませんので、一概には申し上げられませんが、内部統制の有効性評価にあたって、監査役の社内における行動が参考とされるのが一般的ということであれば、少しずつ会社制度における監査役監査の地位も向上するのかもしれませんね。

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2007年3月22日 (木)

監査役協会「内部統制監査の実施基準」草案公開(その2)

監査役による内部統制監査の実施基準への感想(その1)におきましては、saraさんや、とーりすがりさんよりご意見をいただきました(どうも、ありがとうございます)私は、saraさんが深読み(?)されておられるほどのことは考えているわけではありませんよ(^^;・・監査役協会さんには普段からお世話になっておりますので、あんまり滅多なことは実名ブログとして書けるものではございませんし・・・・・(^^;;そこのところ、ご理解くださいませ。私が前回のエントリーにて、社外取締役と監査役監査との関係が若干不明瞭ではないか、と考えたところを、すこし敷衍して書かせていただきます。

この監査役協会の監査基準(内部統制監査の実施基準)の冒頭で、会社法上の内部統制システムの整備は「良質な企業統治体制の構築にとって必要不可欠である」(4条1項)と明記されておりますので、内部統制システムの整備はコーポレートガバナンスの議論と密接な関係にある、といった立場を鮮明にされています。J-SOXにおける内部統制報告制度は、ガバナンスの議論と一線を画していること(一般的にはそう理解されております。このあたりは先ごろ発売された「内部統制実施基準を考える」八田、町田教授の冒頭部分でも、話題になっております)とは対象的だと思われます。(このこと自体は、私も同意見であります)ただ、ガバナンスの問題と密接に関わっているとするならば、これまたガバナンスの重要論点である「社外取締役」に対する内部統制への位置づけというものも、どこかで検討されるべきではないのかな・・・と単純に考えた次第です。もし、そのことを7条3項(代表取締役の意思決定過程に関する内部統制整備への監査)で表現されているのであれば、すこし不明瞭ではないか、と。

といいますのも、このあたりは、以前から個人的にも非常に興味を抱いていたところでありました。監査役の立場からみて、社外取締役さんをどう位置づけたらいいのだろうか、と。この監査役による内部統制監査実施基準は解説のところで「おもに大会社であり、上場会社を念頭に置いている」ものとされております。つい先日(3月19日)の東証の上場制度整備懇談会の7項目の提言のなかにも、東証が模範となるべき企業統治のあり方を公表すべき、とありました。その中間報告には「親会社となんらの関係のない社外役員の導入」が明記されております。(こちらのフジサンケイビジネスアイの記事をご参照ください)そうしますと、今回の内部統制監査に関する実施基準のなかでも、この社外取締役さんに対峙する監査役の立ち位置のようなものをどう考えるべきなのか、素直に関心を抱くところであります。たしかに、とーりすがりさんのご指摘されているとおり、この監査役監査実施基準の6条2項におきましても、監査役が内部統制の整備状況を把握するためには、代表取締役および業務執行監査役からの事情聴取によるべし、とされておりますので、業務監査の範疇では、そもそも監査役と社外監査役の接点はあまり問題視するほどのことはない、と考えるべきかもしれません。

しかしながら、この内部統制監査実施基準では、「統制環境こそ、監査役として最も重要な監査対象」と明記されております。(4条2項)社外取締役による業務執行全般に対する意思決定への関わり方(たとえば社外取締役の意見形成に必要不可欠な情報の伝達方法が確立されているか、社外取締役の意見が取締役会、執行役員会議等において反映される仕組みが運用されているか)といったあたりは、ガバナンスと密接に関わる内部統制システムの整備事項として不可欠ではないか、と私は考えておりますし、このあたりの視点は「統制環境」を着眼点とするならば、内部統制監査としては見逃してはならないところだと認識しておりますが、いかがなものでしょうか?もちろん、このたびの実施基準が、そもそも取締役会が決定した内部統制システムの整備の「相当性」を判断するわけでありますし、当該企業が決定した内容に「社外取締役制度導入予定」がなんら記載されていないのであれば、そこまで監査役実施基準で一般化しなくてもよい、との考え方もあるかとは思いますが、すでに多くの企業で「社外取締役」の方々が就任されているのが現実ですし、この実施基準も上場企業の監査役監査指針(しかも内部統制整備に関する評価)を念頭に置かれているわけでありますから、もうそろそろ「社外取締役と監査役監査」の関係についても一般的な指針を設けてもいい時期に来ているのではないでしょうか。会社法上の内部統制システム整備の目的を考えた場合、そこには「経営の効率化」「法令順守」「企業のリスク管理体制の整備」など、いろいろと揚げることができますので、たとえ社外取締役への期待というものが「経営者への助言」「株主への説明義務の徹底」「株主の代弁者」といったように分かれている現状におきましても、それぞれの企業が導入したい目的に合わせて内部統制システム整備の一貫として社外取締役を位置づけることはできるものと考えております。(すいません・・・・、今回も財務報告内部統制のお話まで言及する余裕がなくなってしまいました。。。)

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2007年3月19日 (月)

監査役協会「内部統制監査の実施基準」草案公開

本日(3月18日)は早朝から日本NPO学会年次大会のシンポジウムにて、パネリストとして参加させていただきました。主に一般社団法人における内部統制システムの整備(大規模一般社団法人)について発表いたしました。昨年成立した一般社団法人法におきましても、理事会の専決事項として、内部統制の基本方針を決定する義務が規定されており、ほとんど会社法の規定と変わらないものであります。ただ、自由に収益活動はできるけれども、社員に持分の概念がなく、したがって配当概念もない非営利法人たる一般社団法人について、どれほどの内部統制システム整備に対するインセンティブが理事会や執行機関に働くのか、未知数な部分が多いのではないでしょうか。(といいますか、会社法におきましても、その法制化の実効性については未知数ではありますが・・・)それと、学会に参加させていただいての印象でありますが、営利企業が一般社団法人の利用を検討しようとする場合、税務の取扱を抜きにしては実務的にはまだ十分に詰めて検討できないような気がいたしました。

会社法の内部統制の関連で申し上げますと、3月16日付けで日本監査役協会より、「内部統制システムに係る監査の実施基準(公開草案)」が公表されております。(日本監査役協会HPより)1月19日に公表されました改訂監査役監査基準の21条7項を受けて策定されてものでありますので、これは監査役監査基準21条と一体となって監査の実務指針が示されたことになります。この実施基準策定にあたり、新たに内部統制研究の専門家たる著名な実務家、学者の方々が加わって検討されているようでして、監査役の皆様方だけでなく、会社法における内部統制システムの整備(構築および運用)に関心のある方には、自社の整備状況の確認のためにも、ぜひご一読されることをお勧めいたします。(3月30日までに意見を広く募集され、最終案を固められる予定とのこと。)なお、月刊監査役をご購読の方におかれましては、毎月、取締役会における内部統制システムの整備状況に関する実例集が豊富に掲載されておりますので、これらの実例を参照しながらこの公開草案の内容を検討してみるのもいい方法かもしれません。なお、私自身としましては、(取締役会の構成員たる)社外取締役と内部統制システムの構築、運用問題について、若干不明瞭な条文構成になっているのではないか・・・といった疑問点がございますので、意見を提出してみようかと思っております。基本的には(取締役会による)内部統制システムの基本方針の決定の「相当性」と、業務執行における構築運用状況における「不備」の有無が監査対象となっておりまして、個々具体的な整備運用ポイントでは、着眼点と検証対象も合わせて列記されております。財務報告内部統制(あくまでも会社法上の)監査のあり方や、効率性確保体制に関する監査、企業集団内部統制に関する監査など、個別に検討するとなかなかおもしろいところがたくさんありそうです。(そのあたりにつきましては、また後日ということで)

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2005年12月13日 (火)

内部統制構築と監査役とのかかわり(2)

12月8日に、企業会計審議会の内部統制部会より、「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準のあり方について」と題するとりまとめ案がリリースされました。すでに、7月13日に公開草案が出されており、この草案をテーマとして、私的に「内部統制構築と監査役とのかかわり」と題するエントリーを立てておりました。

7月13日の公開草案と、この12月8日のとりまとめ案とを比較しまして、(個人的に)重要な変更点と考えましたのは(1)財務諸表監査と同一の監査人が内部統制監査を行うことから、内部統制監査の検証による有効性評価のレベルも公認会計士による財務諸表監査と同一のものとして、「監査」水準とすることを明確にしたこと(2)内部統制の4つの目的(業務の有効性・効率性、財務報告の信頼性、法令遵守、資産の保全)が相互に関連性があり、企業も監査人も、これらすべての目的を満たす統制システムへの評価を行うこと(3)具体的な内部統制監査の実施基準を今後策定する方針であることを明確にしたこと(4)内部統制の機能や役割、そして対象となる情報については、全社的に共有されねばならないこと(5)企業のIT情報への対応そのものが、内部統制監査の対象となること(6)内部統制監査による投資家への開示情報として、内部統制固有の限界や、評価基準、評価方法などを含めること、といったあたりでしょうか。

以前の私のエントリー(内部統制構築と監査役とのかかわり)でも、述べたところですが、会計監査人が内部統制監査を行う場合、監査役の業務監査や会計監査人の監督など、いわゆる会社法規定との関係がどのようになるのか、注目されたところでありますが、やはり今回の「とりまとめ案」(6ページ以下)におきましても、歯切れの悪い記述となっており、かなり理解するのが難解であります。

(引用開始)

監査人と監査役・内部監査人との連携

監査人は、監査役などの監視部門と適切に連携し、必要に応じ、内部監査人の業務等を適切に利用できることとした。

なお、監査役等は、独立した立場で経営者の職務の執行について業務監査の責務を担っていることから、企業等の内部統制に係る監査を業務監査として行うとともに、大会社等においては、監査役等が会計監査人の実施した監査の方法と結果の相当性を評価することとされている。一方、本基準案で示す内部統制の監査において、会計監査人は、監査役が行った業務監査の中身自体を検討するものではないが、財務報告に係る全社的な内部統制の評価の妥当性を検討するにあたり、監査役を含めた経営レベルの内部統制の整備および運用状況を統制環境の一部として評価することとなる。

(引用終了)

この文章は一度読んだだけでは、わかりにくいように思います。結局のところ、財務諸表監査と内部統制監査を同一の会計監査人によって行うべし、という前提に立っているために、監査役の業務監査状況までを含めて内部統制の評価を行うべき会計監査人が、これまた業務監査の一環として内部統制の構築状況をモニタリングしている監査役の監査を受ける、といった「卵が先か、ニワトリが先か」といった循環論法に陥ってしまっているように思われます。会計監査人の内部統制評価としての監査役監査への評価は、統制環境の一部としてのみ評価する、として、なんとか論理矛盾を回避しようとの意図はうかがわれますが、先の疑問を解消するには至っておりません。もし、元気のいい監査役さんが、みずからの内部統制システムの実施基準をもって、会計監査人による統制評価とは異なる合理性判断を下した場合に、経営者による内部統制構築報告書はどのような記述となるのか、上の説明だけではうまく説明できないことが予想されます。

そもそも、内部統制システムの構築自体、企業が完璧なものを策定することは困難だと思われますので、開示情報として「構築のための費用」に限界があることは明確にしておくべきだと思います。(これは、内部統制システム構築義務違反が取締役に認められるかどうか、といった論点にも影響を与えるところになろうかと思います)

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2005年7月16日 (土)

内部統制構築と監査役とのかかわり

7月13日に経済産業省と金融庁(企業会計審議会内部統制部会)より、同時に内部統制構築に関連する「指針」が発表されました。

経産省、企業内部統制に指針案 監査強化など7項目(朝日ネット記事)

企業統治の監査、文書化の対象範囲縮小 金融庁ルール(日経ネット記事)

金融庁の指針はけっこう「あっさり」していますが、ルールとしての具体性はあります。経済産業省の指針は企業統治と内部統制との関連などにも言及され、また個別具体的な企業例などを詳細に調査比較しており、読み物としては面白いのですが、「じゃあ、どうしたらいいの?」と考え込んでしまうほど、具体的なルールが示されているわけではありません。それぞれの企業にあったシステムを検討しましょう、という感じです。

監査役設置会社における監査役としては、この内部統制に関する二つの指針をどのように整理したらいいのでしょうかね。

(7月17日追記あります)

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