夢真 株式分割東京地裁決定について
8月1日に東京地裁のWEBページに「決定全文」が掲載されておりましたので、きょう全文を読んでみました。仮処分決定を申し立てる、というのは、債権者(この事件では夢真のことを指します)が本裁判を待っていては救済されないので、なんとか裁判所に「仮の」裁判を出してもらう、という意味の暫定措置を求めるものです。したがいまして、将来の本裁判になったときに、どんな権利を守りたいのか、その「権利」の立証を必要とします。この権利自体が成り立たない場合には、本裁判になっても救済されることはありませんから、仮処分命令申立も却下されることになります。このたびの夢真は日本技術開発が株式分割の取締役会決議を行ったことについて、通常の新株発行の不公正発行に関する商法280条の10の適用もしくは類推適用による「新株発行差止め請求権」、機関権限分配違背に基づく「取締役会の無効確認請求権」、夢真TOBを妨げられたことによる「夢真の営業権」侵害排除請求権を、上記の「守りたい権利」として主張したわけですが、いずれも裁判所からは認容されませんでした。
そこで、認容されなかった理由を、鹿子木決定の構成をおおまかに分析して、今後夢真側で検討している「日本技術開発の新株予約権発行差止め」を展望する材料にしたいと思います。なお、ここに書いておりますことはいままでと同様に、まったくの個人意見ですので、その結論がどのようになろうとも責任を負うものではございませんので、あしからずご了承ください。
なお、本日(8月2日)の日経ネットによりますと、8月12日以降で夢真側は日本技術開発側とトップ会談を行う用意があることを表明し、その際に夢真側は、日本技術開発の会計帳簿などの開示を求めるそうです。もし、開示に応じない場合には、新株予約権差止め請求も辞さないとのことだそうです。ただ、よくリリースを読みますと、9月の株主総会開催までは日本技術開発の対応を静観するようですので、日経の2日ほど前の記事にあったように今週にも差止請求を申し立てる、ということはない模様です。
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