2007年11月29日 (木)

GODIVA(ゴディバ)のアマい危機管理

(29日午後 追記あり)

本日報道されましたコンプライアンス関連のニュースでは日本板硝子社、旭硝子社の欧州カルテル事例がもっとも重大なものであることは承知しておりますが、私的にはGODIVA(ゴディバ)社の「線上金属片混入事件」に関する報道がとても気になった次第であります。(しかし、クリスマス商戦スタート直後のこのニュースは、企業収益としてみると大きなものですね)

それほど大きく採り上げられてはおりませんが、中日新聞ニュース読売新聞ニュースを総合して把握される事実によると、当該商品は11月16日に発売され、異物混入キャラメルは11月26日に社内の試食により「1個目」が判明、その後の社内調査で11月21日に宮崎市内の取扱店で販売されたものが、22日に異物混入の届出があった(2個目)ことが判明した、というものであります。現物はゴディバジャパン社のHPでご覧になれますが、こういった小さなキャラメルに15ミリのコイル状の針金片が含まれていたわけですから、これはかなり「ヤバイ」状態だったわけで、宮崎市内の取扱店が、この22日の届出を本社に連絡もせずに放置していたとなりますと、これはちょっと信じられないお話であります。(少なくとも、私の常識ではちょっと考えられない事態であります・・・)仮にこれが真実だとしますと、合計6万個以上もすでに販売されているわけですから、まだ全国において「届出はあったけれども本部が把握していない異物混入キャラメル」が存在する可能性を推認させるものでありまして、さらにそのままお客様の手元に存在するものもあるんじゃないでしょうか。

食品不正表示のように、行政法規違反の事実には該当しませんので、行政による立ち入り調査が開始されるわけでもなく、そのためにマスコミには詳細な情報が入らないと思いますので、このゴディバの件につきましては、今後大きな問題に発展する見込みは乏しいと思われます。ただ、ゴディバ社のHPに掲載されているお詫びとお知らせ に関する文書は、①トップページで小さく紹介されているだけであり、②文書内容も、当該商品を購入された方について返品を依頼するだけであり、どうもナットクできないように思えます。先に述べましたとおり、16日から発売されて、公表まですでに10日以上が経過しており、異物混入キャラメルの存在がある程度推認される状況にありますので、こういった場合の危機管理としましては、まずもってお客さまの生命身体の安全に向けられるべきではないでしょうか?まずHPのトップページにて、「この商品が手元にございましたら、お召し上がりになることをお控えください」と表示して、「お詫び」ページで、健康被害への対応と同時に商品回収のお願いを記載すべきだと思います。(しかも商品お問い合わせは、平日の9時半から夕方6時までって?? (^^;;)

もちろん健康被害がないことが一番の願いではありますが、健康被害への配慮をまったくされていない、このゴディバ社の対応では、かなり不誠実なものと受け止められる可能性があり、先の22日の届出放置の件を合わせ考えましても、ブランド商品販売企業としての「ブランド」そのものへの影響などが心配されるように思います。異物混入自体は日本企業のミスではないとしても、その事後対応を誤ることだけは回避すべきではないでしょうか。

(29日午後追記)11月17日に「適時開示は誰のためにあるのか?」のエントリーにて、オートバックスセブン社の転換社債型新株予約権付社債の発行中止にかかる開示上の問題点について詳しく記載いたしましたが、やはり28日、東証より再度の改善報告書提出を求められているようです。(といいますか、改善報告書を提出した当日に、内容が不十分として再度の提出を求められたそうです)この点は、今後の開示実務において参考となる書面がリリースされるかもしれませんので、備忘録としてとどめておきます。

それともうひとつ追記ですが、崎陽軒さんのシューマイにつきまして、誤表示により回収措置をとったようですが、一般市民の感覚としては「とくに製品の中身に問題がなさそうだし、もったいないのでは・・・」との声が多く聞かれます。私も同感ですが、違法状態の改善のためには、法令に基づいて廃棄処分をとる必要があるということでしょうか、それとも後日の処分のためにすこしでも情状を良くしておきたい、といった会社側の判断に基づくものなのでしょうか。ちょっと仕事中ですので、こちらも備忘録程度にて失礼します。

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2005年8月 3日 (水)

コンプライアンス委員会からの提案

昨年より、ある企業の不祥事をきっかけとして、コンプライアンス委員に就任をしておりましたが、その委員会での「改善提案」というものを提出いたしました。もちろん、いままでは原因調査や再発防止策という、その不祥事特有の問題だけを取り扱っていたのですが、今回は将来展望ということで、「トップへの委員会からの要請」というものでした。

私の提案は性善説と性悪説の折衷案です。性善説は「社員は変わることができる」をモットーとして社長からのコミットメント中心のもの。「この会社は社員に敗者復活戦を保証する。もし、あなたが会社を愛するあまり、会社に傷をつけてはいけない、仲間に迷惑をかけてはいけない、関係取引先に迷惑をかけてはいけない、という気持ちが先立ってしまい、その行動が社会に迷惑をかける事態になりそうだったら、立ち止まってください。あなたが立ち止まることを会社は評価するし、それで迷惑をかける人が出たとしても、会社はあなたの今後の努力を正当に評価することを約束します。たとえば具体例をあげると・・・・・・」

もうひとつは性悪説に基づくもの。会社トップと業界団体とのつきあいに関するものでして、「業界団体の恒例行事はトップだけでなく、社員も同行させること、業界団体行事予定については、たとえ私的な会合であっても事前に○○総務部長に申出ておくこと、業界団体が、オブザーバーとしての社員同行を認めるよう働きかけること」

いままで社長以下、役員の方にはたいへんよくしていただきましたが、上記提案が受け入れられなければ、コンプライアンス委員は辞任する旨、申し上げました。もちろん、委員会は存続しますので、個人的なものではありますが。妥協案であれば、またそのとき、進退については検討する、ということで慰留要請は受けましたが・・・

せっかく不祥事をきっかけに、社内の雰囲気を一新しようということで始まった委員会ですから、業界のリーダー的役割も果たしてほしい、というのが願いです。こういった委員は、社員さんとは違って、「トップに解任されたり、辞任してナンボ」の世界だと思っています。もちろん外部の人間ですから、企業や業界団体の実情を知ろうとする最大の努力を果たしたうえでのことですが。あとは私を、その企業に紹介していただいた方の顔が立つような形だけを工夫するだけです。

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