今年の「会計監査界隈」で注目すべき事件(サンテック事案を追加)
本日発売の竹内まりや「プレシャス・デイズ」を入手いたしました。デビュー45周年記念アルバム、前作から10年ぶりということで、学生時代からずっと「杉真理(まさみち)&竹内まりや」を追いかけてきた者としては、新曲「Days Of Love」をはじめ、ナミダモノの18曲です。69歳にして衰えない「まりや節」を拝聴できました。全曲解説付きの豪華44頁ブックレットを「老眼鏡」で読んでいる私はすっかり高齢者であることを実感します(笑)。
さて、10月17日に「今年の『会計監査界隈』で注目すべき三大事件について」なるエントリーを書きましたが、匿名さん(開示は控えてください、とのことでコメントは載せておりません)から「これも重大事件では」とご教示いただいたのがサどうもありがとうございます!)。たしかに第三者委員会報告書を読むと、中堅規模の上場会社や中堅監査法人では笑えないお話ですね。
会計監査人が意見不表明の報告書を提出するケースは、財務諸表に対する意見表明ができないほど会計記録等が不十分な場合や、監査証拠が入手困難である場合等に限られるわけでして、2024年3月末決算の上場会社においては当該1件のみです。電気設備工事などを手掛けるサンテック(東証スタンダード)において、前々事業年度に受注した特定の特殊工事に係る見積り工事原価の増額等について、監査人が適切な監査証拠を入手できなかったことで意見不表明となりました。
当該意見不表明により、第1・第3四半期財務諸表等に対して公認会計士等による期中レビューを受けることが義務付けられましたが、監査人の退任後、新たな監査人と監査契約が締結できず、監査人が不在状態になりました。そして、同社は、四半期末後45日以内に第1四半期決算短信を開示できない旨を適時開示していましたが、ようやく9月9日付で別の監査法人を一時会計監査人に選任した旨を公表しています。
意見不表明を出した監査法人は、監査を受託した初年度の監査だったわけで、会社との信頼関係が構築できなかった様子が報告書からうかがわれます。また、それまで40年も監査を担当していた監査法人の監査を「伴走型」と解説されていますが、会計監査人の監査の在り方として、何が正しいのか、ぜひこの案件から勉強してみたいと思いました。また、おそらくまじめな会社だとは思うのですが、上場会社としての会計監査との向き合い方にかなり大きな問題があったのではないかと(上場廃止リスクとかって、どんな風に社内で感じておられたのでしょうかね?)。このあたりは(私も存じ上げている)「てりたまさん」のブログをお読みいただいた方がわかりやすいと思います。
なるほど、本件はまさしく「会計監査界隈」では今年注目の案件ですね。以前は(わりと時間的余裕があったので)適時開示もマメにチェックしていたのですが、最近はサボっておりまして見落としておりました。マスコミやSNSで話題になっていないけれども「マニア受け」のする案件を見出すには、やっぱり自分で適時開示をチェックしないといけませんね。