2005年9月28日 (水)

内部統制システムと♂と♀

つい2,3日ほど前、慶応大学経済学部の学生さんが大麻取締法違反の罪で逮捕されたというニュースがありました。同居していた女性からの通報で発覚したということですが、これは薬物犯罪の捜査端緒としては「よくあるケース」です。刑事弁護人の経験からして、こういった女性は「男性から別れ話を持ち出されたハライセ」のようなケースは割と少なく、もっと崇高な動機「あたしの力であなたを本当のいい男にしてみせる。あなたが少しばかり遠くへ行っても、生まれ変わってまた再会できるまで待っているから」によるケースがほとんどです。(だからこそ、逮捕に至るまでのめんどくさい手続などに「衝動的」でなくつきあっていけるんだと思います)明日からの暮らしにも困る、という妻の立場にある人でさえ、自分の夫を警察に突き出して、その法廷では情状証人として泣きながら「二度と同じ過ちを犯さないように私が監督します」と証言されますので、(オトコの私には)なかなか理解できない男女のミゾというものがあるようです。

また、女優の杉田かおるさん(このブログでは二回目の登場ですがΣ(^o^;))が来年のNHK大河ドラマの役を降板した、とのニュースもありました。なんか、ニュースのイメージからしますと、杉田さんの「わがまま」かしら・・・との印象を受けますが、これも見方を変えますと「当然の降板」かもしれません。杉田さんの役は、山内一豊の親友の妻ですから、年間を通じて非常に重要な役どころです。常時20%前後の視聴率を誇る大河ドラマに年間を通じて出演するメリットは計り知れないものですし、かねてより「大河ドラマに出演したい」と公言していた杉田さんにとっては、まさに「2006年は願ってもない私の再スタート」だったはずです。しかし、NHK、杉田さん双方に帰責性のない事実(悪天候)によって、収録が延期され、急遽出演者の予定調整となった、大河ドラマですから脇役とはいえ、大物俳優ぞろいです、なかなか調整がつかない、なんとか杉田さんに「バラエティ番組」キャンセルのお願い・・・という経緯が推察されます。で、ここに暗黙のルールがありまして、(NHK)「あのね、杉田さん、これ大河ドラマよ、『た・い・が・どらま』。普通はみなさんこっちがお願いしなくても、私のほうで予定合わせます、って言ってくれるんだけどね」しかし、杉田さんには別の合理的なルールが譲れないものとして横たわっていたんですね。「だって、先に約束したものは守るのがルールでしょ。それを反故にしてもいい、というのは何かちゃんとした理由があるんですか?」(NHK)「・・・・・・、」で、すみやかに降板の合意に至った、というところでしょうか。無理難題を押し付けられることがなければ、杉田さんが最後までしんどくても頑張り通すのは、あのマラソンを見ていてもよくわかりました。オトコの私からみて、こんな美味しい役どころを無にしてでも50万円か60万円のバラエティを優先する(というよりも律儀に約束を守る)というのはやっぱりわかりません。

こういった事件に触れるにつれ、女性特有の感覚といいますか、価値観というのは、これからの企業における内部統制システムの構築にとって非常に有効な活用が期待できるのでは、と(ひそかに)思っています。「経営に女性の視点を取り入れる」といったものではありません。その理屈自体、すでに女性が男性社会に取り込まれている匂いがします。しかし「ねじ込まれると鼻につくんだけど、オモテだって反論できない正義感」ってありますよね。そういったものこそ、業務執行ライン上の重要ポイントに生かすことが可能ではないでしょうか。意識的に女性をそういったポイントに配置している企業でしたら、私なら「企業価値ポイント」をひとつ上げると思います。男性同士なら、「まあここでは俺の胸のうちにとどめておいてやる。だがこれからは・・」みたいな説教で済ますことができ、いわゆる嫉妬、ねたみ、争いなどの「突発的事象」が触媒にならなければ「不正告発」には至らないのでありますが、(だからこそ、男性の不正告発は、その経緯が外部に漏れることのほうがおそろしい)女性の場合ですと「いや、私はこの会社を本当によくするために、○○さんは許せない。○○さんが憎くてするんじゃないの、そういったことを許す会社が認められないの」という具合で、職場は和気藹々としていても単発的に告発がとんでくるわけです。

そこで、内部統制システム構築にとって最も大事なのは「トップのコミットメント」だと言われますが、このコミットメントも、もちろん女性と男性には使い分ける必要があります。男性には牽制理論に基づいて「こんなシステムなんだから、かならず不正はばれちゃう」、女性には性善説に基づいて「あなたの不正発見の一言が、この会社を本当に変えていけるんです」この傾向が正しいと思いますよ。

COSO報告書にも書かれておりますように、内部統制システムというのは、社会からの信認を得るための絶対的保証を目指すのではなく、合理的保証を目指すものですから、例外はつきまといます。たしかについ先日の三菱銀行関連のパート従業員のようなケースもあるでしょう。しかし、本気で企業コンプライアンスを検討しているなら、こんな議論もしていいんじゃないでしょうかね。(いや、実際にしている企業もあるかもしれませんが・・)

なお、上記の試論は、企業の現状を想定してのものです。もし、役員、幹部、一般社員すべてにおいて女性、男性の人数が変わらない時代が到来するなら、「女性」と「女性」というオトコの私には永遠に体験不能な「領域」がありますので、そこでのシステム機能については確証をもった話はできません。また、この意見は、女性の職場における地位確立の問題とは「中立」であることを意識しながら書きましたので、誤解を生むような記述がありましたらお許しください。

9月 28, 2005 内部統制システムと♂と♀ | | コメント (2) | トラックバック (0)