2021年9月 9日 (木)

新時代(VUCA)と対峙するCFE(公認不正検査士)-第12回ACFE JAPANカンファレンスのお知らせ

12当ブログの毎年恒例となりましたACFE JAPANカンファレンスのお知らせでございます。本年も10月7日、8日に日本公認不正検査士協会の年次大会(カンファレンス)が開催されます。私が同協会理事を退任してすでに3年ほどが経過しましたが、ずいぶんとパワーアップしております。昨年同様、今年もリモート会議となりますが、ライブ配信は2日間開催となり、中身もたいへん充実したものとなっておりますね。(第12回ACFE JAPANカンファレンスのお知らせはこちらです。WEBデザインもずいぶんとスマートになりました)。今年のテーマは「新時代(VUCA)と対峙するCFE」ということでして、リード文を引用しますと、

不安定(Volatility)、不確実(Uncertainty)、複雑(Complexity)、曖昧(Ambiguity)の頭文字から「VUCA(ブーカ)」と呼ばれる新時代は、先行きが極めて不透明。時代の不安感と相まって企業の成長軌道も不安定になり、統治(Governance)、規律(Discipline)、モラル(Moral)が弱体化する恐れが強まっています。不安定な時代がゆえ、変化に流れされない自律的な公平性や倫理性、社会性が企業に問われています。このような時代で矜持を持った企業活動をいかに進めるか、そして監査部門やCFE(公認不正検査士)はその守り手として、どんな役割を果たすべきか。今回のカンファレンスは、新時代における「不正対策」「監査」「CFEの役割」の定義を根本から考える2日間となります。

とのこと。上村達男先生の基調講演「VUCAの時代:法的規範と企業意識」から始まり、理事長(藤沼亜紀氏)と上村先生との対談、オリンパス事件をずっと追い続けてきたエコノミスト誌編集部次長の稲留氏の講演と続き、次から次へとたいへん興味深い内容の講演、シンポが続きます。2日目も日本公認会計士協会の手塚会長の講演「監査人は不正とどのように向き合うべきか」から始まり、八田進二先生と手塚氏との対談、日ごろ不正調査に関わっておられる実務家メンバーによるシンポ「コーポレートガバナンス機能を支える適正な不正調査とは?」まで、いずれもたいへん力作の企画が目白押しです。私ももちろんWEBにて拝聴させていただきます。

ただ若干違和感を覚えるのは・・・「相変わらずオッサンばっかりやなぁ」。CFEの仕事は女性のほうが向いていると思っておりますし、実際に女性資格保有者もそれなりに多いとは思うのですが、登壇者の中では18分の2、ということで、ACFE JAPANの顔であるカンファレンスとしてはちょっと冷静に考えたほうが良いです(ちょっとハラハラしております💦)。たとえば同時期に開催されるこちらのカンファレンスの顔ぶれがイマドキの傾向ですよね💦

ACFE JAPANの創設時から企画に関わってきた者として、これほど立派なカンファレンスを開催するまでに至ったことは素晴らしいですし、コロナ禍でも企画をまとめ上げた関係者の皆様の情熱には敬服いたします。今後は改正公益通報者保護法の施行によって公益通報対応業務従事者の育成は喫緊の課題です。またビジネスと人権原則(人権デューデリ)の実践によってサプライチェーン企業への監査担当者も求められます。気候変動リスクの開示が求められる時代となれば、グリーンウォッシュに関する調査なども必要になるでしょう。私は今のところ、第三者委員会調査や社内不正調査においてCFEの資格を活用しておりますが、今後は皆様方のスキルをもってさらにCFEの活躍の場が飛躍的に拡大するものと期待しております。

10月7日、8日のライブ配信のご都合がつかない方にも、期間限定の録画配信がご用意されております。CFEの資格にご興味がある方も、また今後CFE資格者を活用してみたいと考えておられる方も、「公認不正検査士の現在地」を知っていただくよい機会となりますので、ぜひご視聴いただければ幸いです。そしてまたアフターコロナとなれば、いろんなところでリアルに意見交換ができるようになることを楽しみにしております(お申し込みは上記URLからお願いいたします)。最後になりますが、現理事の皆様、本当にお疲れ様です(でも、カンファレンスの準備って、けっこう楽しいんですよね・・・・・(*^-^*))。

| | コメント (2)

2021年8月18日 (水)

(セミナーのご紹介)企業経営の新しい課題に法務・コンプライアンス部門はどう向き合うか

Dsc_0055_512本日(8月17日)の商事法務メルマガの冒頭でご紹介いただきましたが、商事法務主催のBUSINESS LAW SCHOOL企画として「山口利昭弁護士が語る-企業経営の新しい課題に法務・コンプライアンス部門はどう向き合うか」と題するWEBセミナー(有料)が開催されることとなりました。来る8月27日から10月7日まで視聴可能となっております(お申込みは9月30日まで、とのこと)。ということで、昨日(8月16日)都内某スタジオにて収録が行われました。インタビュアーはのぞみ総合法律事務所の結城大輔先生でして、3時間に及ぶロングインタビューとなりました。

実はこの企画、少し前に法務や総務、財務担当者が出席される某WEBセミナーで「ほぼ40分企画」として(結城先生からお誘いをうけて)同様テーマで対談したのですが、たまたまその対談をご覧になっておられた商事法務の関係者の方が「これはオモシロイ。ウチで拡大版をやりましょう」とお声をかけていただいて実現することになりました(もちろん商事法務さんのセミナーは有料セミナーでございます)。

3時間も何を語ったのか?・・・ということでありますが、内容につきましてはこちらの商事法務さんのWEBチラシをご覧いただければ、概要だけでもおわかりになると思います。予定時間は2時間半でしたが、結城先生と語り合っていると3時間となりました。おそらく収録したものは、編集することはせず、ほぼそのままご視聴いただけるものと思います。具体的な事例をご紹介するにあたっては、極力個社名も出しておりますが、決して個社対応を揶揄するつもりはなく、あくまでも多くの企業の法務担当者の方々が「他山の石」「明日は我が身」として実感していただけるように配慮したつもりです。

Dsc_0059_512 商事法務さんのビジネスセミナーといえば(法務担当者の方々はご存じのとおり)専門分野に精通した弁護士の方々が、当該専門分野の最新情報を提供したり、制度対応に向けた問題解決のノウハウを惜しみなく提供する、というものですが、おそらくそういった「常識」を超えた内容だと思います。このような名門法律事務所の番頭格でいらっしゃる弁護士の方をインタビュアーとして、「最先端の専門領域も持たない私が語る」という企画が(商事法務の社内で)よく通ったものだなあと(^^;)

ただ、対談の冒頭でもお話ししましたが、VUCAの時代の法務部門がなぜ「経営と接近」しなければならないのか、その理由とともに、いまこそ法務部門が(経営課題を見つけるための)「良質な問い」を社内で作り出さねばならないし、「役に立つESG」よりも「意義のある(人から共感される)ESG」でなければ「ヒト、モノ、カネ、情報」が企業に届かない、そこに法務が経営に関与する機会と実益がある、という私の「思い」を各種事例等を交えてお話ししたかったのであります。ちなみに結城先生の狙いは「動画版ビジネス法務の部屋に仕上げる」ということで、その方向性でのノリもかなり加味いたしました。

Img_20210817_212850_512なお、上記2枚の写真は昨日の某スタジオでの収録風景です。この写真を帰宅後に妻に見せたところ「なんだか深夜のテレビショッピングみたい」と言われました(なるほど・・・)。ただ、私も結城先生もこの日のために相当準備してまいりましたので、私は「おねだん以上」の出来ではないかと自負しております。

旬刊商事法務の最新号(2270号)の裏表紙にも左のようなチラシが掲載されております。ずいぶんと商事法務さんに企画を広報していただいておりまして恐縮ですが、ぜひ法務担当の皆様方、経営に関わっておられる皆様方、そして日ごろ経営者や法務担当者の方々と接しておられる法曹の皆様方に(御異論、ご批判覚悟のうえで)ご視聴いただければ幸いです。

| | コメント (0)

2021年7月30日 (金)

取締役会における多様性とLGBTQ社内ガイドライン

本日(7月30日)の日経朝刊で、イギリスでは取締役の4割を女性取締役とする旨のガバナンス指針の改訂が検討されている、と報じられています(2022年1月以降に開始する会計年度より適用)。

本当に悩ましく、まじめな疑問です。日本でも(4割はないとしても)同様の指針改訂が今後予想されますが、たとえば社内のLGBTQガイドラインに沿って男性役員(戸籍上の男性)がトランスジェンダーであることをカミングアウトした場合、多様性の要件は満たされるのでしょうか?現時点での世の中の風潮からすると、私個人としては要件を満たすように思うのですが。

これが満たされる場合、真にトランスジェンダーなのか、そうでない偽装(ESGウォッシング)なのかはどうやって調べるのでしょうか?いくら金融庁でも「あなたがトランスジェンダーであることを証明せよ」というのは(守秘義務とか議論する以前に)個人の尊厳を侵すものとして明らかな国際法上の不正行為ですよね。いや「この10人の取締役のうち、誰がトランスジェンダーなのか報告せよ」といったこともできないかもしれません。取締役の選任議案に記載する、もしくは個別の株主からの問合せに回答する、ということも人権保護の見地から困難ではないでしょうか。

「これまで当社は10名の男性取締役ばかりとされていたが、今後は(当社LGBTQガイドラインに従い)3名の女性によって構成されているため、多様性の要件を満たしている」と開示する会社は、まさにESGの先頭に立つ優良企業ということになるのでしょうか。どなたかSDGsに詳しい方がいらっしゃったら(メールでも結構ですので)ご教示いただければ幸いです。

 

| | コメント (1)

2021年7月25日 (日)

「ビジネスと人権」を時間軸で考える-長島愛生園見学

Line_111038789583650_400 連休を利用して岡山県瀬戸内市にある国立療養所長島愛生園に行って参りました。瀬戸内海に浮かぶ長島は、1987年に架けられた「人間回復の橋」によって車で行けるようになりましたので、見学に訪れる方も多いようです。

最近はESGL経営の一環として「ビジネスと人権原則」の実践に関心が寄せられることもあり、日本でも人権デューデリジェンスを義務化する国内法が制定される前に、一度「差別と偏見」に関する重要な歴史を検証したいと思いました(なお、すでに昨年来、日本の「差別と偏見」の長い歴史を持つ場所に何カ所か伺っておりますが、長島は「世界遺産登録」を目指している土地、ということなので紹介させていただきます)。現在もハンセン病の後遺症をもつ患者の方々が100名ほど入院されていて、その生活ぶりも初めて間近で拝見することができました。

少年時代、家族に別れを告げてここに連れてこられた方の人生日記など、感傷的になりそうなエピソードはここでは控えます。ただ、この島は今でこそ「差別と偏見」を象徴する負の遺産であると誰もが認める場所ですが、現在進行形で隔離政策が実施されていたころの日本人の考え方に思いを寄せる必要があると思います。私たちも、ひょっとしたら50年後、100年後に「あれは差別と偏見だった」と後世から批判されるような誤認や誤評価を日常生活においてやっていないのだろうか、と。いや、そういった誤認や誤評価でやり過ごしているからこそ(愚かなバイアスに支配されながらも)、なんとか生活ができているところもあるのではないか、と。

近時、国際的にも「ビジネスと人権」への対応が企業に求められていますが、国内にせよ、海外にせよ、人権問題に企業が踏み込むにあたっては、その時間軸から理解をしなければ、かえって企業の存立に重大な影響を及ぼしかねないリスクを背負い込むのではないでしょうか。環境問題への対応にも「企業哲学」が必要ですが、人権問題への対応にはさらなる困難があるように感じております。2年前に国が控訴を断念したハンセン病家族国賠訴訟の歴史を眺めただけでも、事業経営者が人権を取り扱うことにためらいとかおそれを感じてしまうのは私だけでしょうか。

写真は、かつて病棟として使用されていた建物の1階にある喫茶室(5周年だそうです)から眺めた瀬戸内海の風景です。このあたりにかつては「船着き場」があったそうです。この風景と島の歴史とのギャップはとても大きい。まだまだ疑問がたくさんあるので、また愛生園に伺おうと思っております。

| | コメント (0)

2021年6月22日 (火)

特別調査委員会の仕事終了・・・ブログ再開いたします。

某社の取締役会が特別調査委員会を設置したのが本年4月21日でしたので、丸2か月間、調査委員会委員長の仕事に没頭しておりました。今回も他の委員、委員補助者の皆様、フォレンジック・チームの皆様にたいへんお世話になり、本日(6月21日)、報告書最終版の提出とともに某社取締役会に出席して調査結果を報告することができました。

私の場合、3月~6月まで、計2社(いずれも東京本社)の調査委員会(委員長)の仕事をほぼ休憩なしでやり通しましたので、「よく体調を崩さずに4か月間仕事ができたなぁ・・」というのが実感でして、周囲に迷惑をかけずに全うできたことにホッとしております。対面によるヒアリングもこなしましたが、時節柄「リモートによるヒアリング」も併用できたので、なんとか体力が続いたのかもしれません。

実は二つの調査委員会には共通点がありまして、いずれも著名な弁護士の方々が作成した調査報告書が存在しているにもかかわらず、(諸々の理由により)その報告書を超える「再調査報告書」を作成しなければならない、といった「とても要求水準の高い仕事」でした。果たして超えられたかどうかは、読まれる方のご判断に委ねるしかありませんが、いろんな方にお尻を叩いてもらったから出来たことでありました。とりあえず次の調査案件の予定は入っておりませんので、少し休みたい(笑)

ということで、ブログのほうも長い間ほとんど書けていなかったので、(私が役員を務めております会社の)定時株主総会が終了したころから、少しずつ更新頻度を高めていくつもりです。また御贔屓によろしくお願いします。

| | コメント (2)

2021年5月21日 (金)

当職の調査委員会案件は折り返し地点です(あと1か月・・・)

いつもブログをご覧いただきありがとうございます。関西は梅雨入りして鬱陶しい天気が続いております。

さて、某社の第三者委員会(委員長)の仕事もようやく折り返し地点となり、6月下旬の最終報告書提出まで1か月となりました。ヒアリング業務だけでなく、深夜まで、自分でキーワード検索をかけてフォレンジック調査を行ったり、あれこれと考える(妄想する?)ことも多くて、なかなかブログを更新する時間がとれません。なので、もうしばらくブログの更新頻度は少なくなりますが、どうかご容赦ください。

この時期は株主総会関連の話題も豊富ですし、気になる事件も増えていますね。ブログネタはたくさんあるので、また一段落しましたら気合を入れて書きたいと思います。とりいそぎ「元気にしております!」ということで。🐱

| | コメント (0)

2021年4月22日 (木)

改正公益通報者保護法に基づく指針案報告書が公表されました(その他、お知らせ)

本日、某社の不正案件に関する特別調査委員会の設置が決まり、当職が委員長を拝命いたしました。6月下旬の取締役会に報告書を提出する予定でして、それまでまた東京と大阪を行ったり来たりの生活となります。ブログの更新がむずかしくなりそうですが、どうかご容赦ください。

さて、昨年6月に成立した「公益通報者保護法の一部を改正する法律」では、事業者に対し、内部通報に適切に対応するために必要な体制の整備等が義務付けられることになりましたが、具体的な義務の内容については指針で定めることとされています。消費者庁は、指針の内容等について検討するため、昨年10月から「公益通報者保護法に基づく指針等に関する検討会」を開催していましたが、本日(4月21日)、検討会報告書が取りまとめられ、消費者庁ウェブサイトに掲載されました

まだきちんと読めておりませんが、来年の改正法施行に向けて、企業実務的にも重要なので告知だけさせていただきます。

| | コメント (1)

2021年3月25日 (木)

(速報版)改正公益通報者保護法の指針案(素案)が公開されましたね

本日(3月25日)、消費者庁HPに改正公益通報者保護法の「指針案」の素案が公開されました。検討会が「指針案」を出すわけですが(指針を策定するのは政府)、その指針案の素案が会議資料から明らかになりました。

今後改訂が予想される平成28年12月「民間事業者向けガイドライン」と同様、指針の理解はとても重要です。今後、「指針の解説」が作成されることになりますが、これまでの民間事業者向けガイドラインは「指針の解説」と統合されるかもしれませんね。中身はまた時間のあるときにじっくり拝見いたします。ブログ更新に全く時間がとれませんので、とりいそぎ速報版ということで。

追記 3月26日午前

そういえば少し前のエントリーに、サンダースさんが「昨晩のJIJI.COM のニュースに、「告発の元部長、解雇無効 神社本庁が全面敗訴 東京地裁」とありました。是非、お時間のある時に解説を頂けたらと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。」とおっしゃっておられました。遅くなりましたが、こちらも判決文が読めるようでしたらぜひご紹介したいと思います。

| | コメント (2)

2021年3月10日 (水)

週刊エコノミスト特集「企業法務担当者が選ぶ『頼みたい弁護士13選』」に選出されました。

1615200496562_512 週刊エコノミスト2021年3月16日号におきまして、「企業の法務担当者が選ぶ『頼みたい弁護士13選』」に選出していただきました。「危機管理部門」からの選出です。投票していただいた法務担当者の皆様、どうもありがとうございました。こんな個人事務所の弁護士でも選出していただけるのは、(紹介文にも書かれているとおり)監査法人系のコンサルティング会社、リスクマネジメント会社、そして同業者の方々から繰り返しお声かけいただいていることが大きいようです。

これからも、企業の経営者の方や社員の方々の目線に合わせたコミュニケーションを大切にして、与えられた仕事に取り組みたいと思います。3月中は(同業者の方からお声かけいただいた)緊急案件のためにブログの更新は少なくなりますが、今後ともよろしくお願いいたします。

山口利昭 拝

| | コメント (5)

2021年3月 3日 (水)

関電金品受領問題で私が読み間違えたもの-関電改善実行報告書より

新たに調査案件に関わることになりそうで、またブログの更新が滞るかもしれませんが、元気にやっておりますので、どうかご容赦ください。ただ、私が十数年ほど東京で定宿としておりましたホテルがこの3月末で閉館(廃業)されるそうで(;゚Д゚)、また新たに定宿探しをしなければならないのはつらいところです。東京は緊急事態宣言の延長もありそうで、まだまだ厳しい状況ですね。

さて本日(3月2日)、関西電力による(業務改善命令に対する)実行状況報告書(3回目)が開示されました。そこに昨年11月に全社社員向けに行われた「CSRに関する全従業員アンケート結果」が公表されています。このたびの金品受領問題が社員の方々にどのような意識の変化をもたらしたのか、という点について様々な角度から光が当てられています。

私は金品受領問題が発覚して以来、当ブログでも、また講演等でも「これは原子力部門の組織風土に関するものであって、全社的な風土とは言えない。他の事業部門の社員の人たちも困惑しているのではないか」と書いてきました。しかし、このアンケート結果を読む限り、どうも私の推測はかなり「はずれ」だったようです。

「今回の金品受取問題は、当社グループにおける一部の役職員の問題だったと思いますか」との質問に対して、いいえと回答された方が61%、はいと回答された方が39%という結果であり、全体の6割の社員が「金品受領問題は全社的な問題だ」と捉えているそうです。このアンケート結果に「忖度」はないでしょうから、金品受領問題を発生させた組織風土は(グループを含めた)関電さん全体に存在する、ということなのでしょうね。これは私の読み間違えでした。損失補填問題は他の部門でも起きうる、と回答された方が多いことも、私にとっては意外でした。

なお、「私は関電が好きだ」と回答している社員数が減っていること、「将来、仕事のやりがいが高まる」「当社は持続的成長する」との回答が少なくなっていることは、経営陣にとっても気がかりな点と思います。脱炭素社会のためには原子力はどうしても必要、といった経営方針をとるのであれば、ステークホルダーからの信頼を得ることが「稼働における安心、安全」の大前提です。今回の事例を契機に「当社の未来は明るい」と社員の方々に確信をもっていただけるといいですね。

| | コメント (3)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

fiduciary duty(信認義務) iso26000 IT統制とメール管理 M&A新時代への経営者の対応 MBOルールの形成過程 MSCBと内部統制の限界論 「シノケン」のリスク情報開示と内部統制 「三角合併」論争について 「乗っ取り屋と用心棒」by三宅伸吾氏 「会社法大改正」と企業社会のゆくえ 「会計参与」の悩ましい問題への一考察 「会計参与」の有効利用を考える 「公正妥当な企業会計慣行」と長銀事件 「公開会社法」への道しるべ 「内部統制議論」への問題提起 「執行役員」「常務会」を考える 「通行手形」としての日本版SOX法の意義 すかいらーくのMBO関連 なぜ「内部統制」はわかりにくいのか ふたつの内部統制構築理論 アコーディアゴルフの乱 アット・ホームな会社と内部統制 アルファブロガー2007 インサイダー規制と内部統制の構築 ウェブログ・ココログ関連 カネボウの粉飾決算と監査役 カネボウTOBはグレーなのか? グレーゾーン再考 コンプライアンス体制の構築と社外監査役の役割 コンプライアンス委員会からの提案 コンプライアンス実務研修プログラム コンプライアンス研修 コンプライアンス経営 コンプライアンス経営はむずかしい コンプライアンス違反と倒産の関係 コーポレートガバナンス・コード コーポレートガバナンス関連 コーポレート・ファイナンス コーポレート・ガバナンスと株主評価基準 コーポレート・ファイアンス入門 サッポロHDとスティールP サンプルテストとコンプライアンス ジェイコム株式利益返還と日証協のパフォーマンス スティールパートナーズVSノーリツ スティール対日清食品 セカンド・オピニオン セクハラ・パワハラ問題 セレブな会社法学習法 タイガースとタカラヅカ ダスキン株主代表訴訟控訴事件 テイクオーバーパネル ディスクロージャー デジタルガレージの買収防衛策 ドンキ・オリジンのTOB ドン・キホーテと「法の精神」 ニッポン放送事件の時間外取引再考 ノーリツに対する株主提案権行使 パワハラ・セクハラ パンデミック対策と法律問題 ビックカメラ会計不正事件関連 ファッション・アクセサリ フィデューシャリー・デューティー ブラザー工業の買収防衛策 ブルドックソースの事前警告型買収防衛策 ブルドックソースvsスティールP ヘッジファンドとコンプライアンス ペナルティの実効性を考える ホリエモンさん出馬? モック社に対する公表措置について ヤマダ電機vsベスト電器 ヤメ検弁護士さんも超高額所得者? ライブドア ライブドアと社外取締役 ライブドア・民事賠償請求考察 ライブドア・TBSへの協力提案の真相 ライブドア法人処罰と偽計取引の関係 リスクマネジメント委員会 レックスHDのMBOと少数株主保護 ロハスな新会社法学習法 ワールド 株式非公開へ ワールドのMBO(その2) 一太郎・知財高裁で逆転勝訴! 三洋電機の粉飾疑惑と会計士の判断 上場制度総合整備プログラム2007 上場廃止禁止仮処分命令事件(ペイントハウス) 不二家の公表・回収義務を考える 不動産競売の民間開放について 不当(偽装)表示問題について 不正を許さない監査 不正リスク対応監査基準 不正監査を叫ぶことへの危惧 不正監査防止のための抜本的解決策 不祥事の適時開示 中堅ゼネコンと企業コンプライアンス 中央青山と明治安田の処分を比較する 中央青山監査法人に試練の時 中小企業と新会社法 事前警告型買収防衛策の承認決議 井上薫判事再任拒否問題 企業の不祥事体質と取締役の責任 企業不正のトライアングル 企業不祥事と犯罪社会学 企業不祥事を考える 企業会計 企業価値と司法判断 企業価値研究会「MBO報告書」 企業価値算定方法 企業法務と事実認定の重要性 企業秘密漏洩のリスクマネジメント 企業買収と企業価値 企業集団における内部統制 会社法における「内部統制構築義務」覚書 会社法の「内部統制」と悪魔の監査 会社法の施行規則・法務省令案 会社法の法務省令案 会社法を語る人との出会い 会社法改正 会社法施行規則いよいよ公布 会計監査の品質管理について 会計監査人の内部統制 会計監査人の守秘義務 会計監査人報酬への疑問 住友信託・旧UFJ合意破棄訴訟判決 住友信託・UFJ和解の行方 住友信託・UFJ和解の行方(2) 佐々淳行氏と「企業コンプライアンス」 債権回収と内部統制システム 元検事(ヤメ検)弁護士さんのブログ 八田教授の「内部統制の考え方と実務」 公正な買収防衛策・論点公開への疑問 公益通報の重み(構造強度偽造問題) 公益通報者保護制度検討会WG 公益通報者保護法と労働紛争 公認コンプライアンス・オフィサー 公認コンプライアンス・オフィサーフォーラム 公認不正検査士(ACFC)会合 公認不正検査士(ACFE)初会合 公認会計士の日 内部監査人と内部統制の関係 内部監査室の勤務期間 内部統制と「重要な欠陥」 内部統制とソフトロー 内部統制と人材育成について 内部統制と企業情報の開示 内部統制と刑事処罰 内部統制と新会社法 内部統制と真実性の原則 内部統制と談合問題 内部統制における退職給付債務問題 内部統制の事例検証 内部統制の原点を訪ねる 内部統制の費用対効果 内部統制の重要な欠陥と人材流動化 内部統制の限界論と開示統制 内部統制を法律家が議論する理由 内部統制を語る人との出会い 内部統制システムと♂と♀ 内部統制システムと取締役の責任論 内部統制システムと文書提出命令 内部統制システムの進化を阻む二つの壁 内部統制システム構築と企業価値 内部統制報告制度Q&A 内部統制報告実務と真実性の原則 内部統制報告実務(実施基準) 内部統制報告書研究 内部統制報告書等の「等」って? 内部統制実施基準パブコメの感想 内部統制実施基準解説セミナー 内部統制支援と監査人の独立性 内部統制構築と監査役のかかわり 内部統制構築と経営判断原則 内部統制理論と会計監査人の法的義務 内部統制監査に産業界が反発? 内部統制監査の品質管理について 内部統制監査の立会 内部統制監査実務指針 内部統制義務と取締役の第三者責任 内部統制限界論と新会社法 内部通報の実質を考える 内部通報制度 刑事系 労働法関連 原点に立ち返る内部統制 反社会勢力対策と内部統制システム 取締役会権限の総会への移譲(新会社法) 同和鉱業の株主安定化策と平等原則 商事系 商法と証券取引法が逆転? 営業秘密管理指針(経済産業省) 国会の証人喚問と裁判員制度 国際会計基準と法 国際私法要綱案 報告書形式による内部統制決議 夢真 株式分割東京地裁決定 夢真、株式分割中止命令申立へ 夢真による会計帳簿閲覧権の行使 夢真HDのTOB実施(その2) 夢真HDのTOB実施(予定) 夢真HDのTOB実施(3) 夢真TOB 地裁が最終判断か 夢真TOBに対抗TOB登場 大規模パチンコ店のコンプライアンス 太陽誘電「温泉宴会」と善管注意義務 太陽誘電の内部統制システム 委任状勧誘と議決権行使の助言の関係 学問・資格 定款変更 定款変更議案の分割決議について 専門家が賠償責任を問われるとき 小口債権に関する企業の対応 工学倫理と企業コンプライアンス 市場の番人・公益の番人論 市場安定化策 市場競争力強化プラン公表 帝人の内部統制システム整備決議 常連の皆様へのお知らせ 平成20年度株主総会状況 弁護士が権力を持つとき 弁護士と内部統制 弁護士も「派遣さん」になる日が来る? 弁護士法違反リスク 弁護士淘汰時代の到来 情報システムの内部統制構築 情報管理と内部統制 投資サービス法「中間整理」 掲示板発言者探索の限界 改正消費生活用品安全法 改正独禁法と企業コンプライアンス 改訂監査基準と内部統制監査 敗軍の将、「法化社会」を語る 敵対的相続防衛プラン 敵対的買収と「安定株主」策の効果 敵対的買収への対応「勉強会」 敵対的買収策への素朴な疑問 敵対的買収(裏)防衛プラン 断熱材性能偽装問題 新しい監査方針とコーポレートガバナンス 新会社法と「会計参与」の相性 新会社法における取締役の責任 日本内部統制研究学会関連 日本再興戦略2015改訂 日本版SOX法の内容判明 日本版SOX法の衝撃(内部統制の時代) 日経ビジネスの法廷戦争」 日興コーディアルと不正会計 日興コーディアルの役員会と内部統制 日興CG特別調査委員会報告書 明治安田のコンプライアンス委員会 明治安田のコンプライアンス委員会(3) 明治安田のコンプライアンス委員会(4) 明治安田生命のコンプライアンス委員会(2) 書面による取締役会決議と経営判断法理 最良のコーポレート・ガバナンスとは? 最高裁判例と企業コンプライアンス 未完成にひとしいエントリー記事 本のご紹介 村上ファンドとインサイダー疑惑 村上ファンドと阪神電鉄株式 村上ファンドと阪神電鉄株式(その2) 村上ファンドの株主責任(経営リスク) 東京三菱10億円着服事件 東京鋼鐵・大阪製鐵 委任状争奪戦 東証の「ガバナンス報告制度」の目的 東証のシステム障害は改善されるか? 架空循環取引 株主への利益供与禁止規定の応用度 株主代表訴訟と監査役の責任 株主代表訴訟における素朴な疑問 株主代表訴訟の改正点(会社法) 株主総会関連 株式相互保有と敵対的買収防衛 検察庁のコンプライアンス 楽天はダノンになれるのか? 楽天・TBS「和解」への私的推論 構造計算偽造と行政責任論 構造計算書偽造と企業コンプライアンス 構造計算書偽造問題と企業CSR 民事系 法人の金銭的制裁と取締役の法的責任 法人処罰の実効性について考える 法令遵守体制「内→外」 法務プロフェッショナル 法律事務所と情報セキュリティ 法律家の知名度 法科大学院のおはなし 海外不祥事リスク 消費者団体訴権と事業リスク 消費者庁構想案 無形資産と知的財産 無形資産の時代 特別取締役制度 特設注意市場銘柄 独占禁止法関連 独立取締役コード(日本取締役協会) 独立第三者委員会 王子製紙・北越製紙へ敵対的T0B 環境偽装事件 田中論文と企業価値論 痴漢冤罪事件 監査役からみた鹿子木判事の「企業価値」論 監査役と信頼の権利(信頼の抗弁) 監査役と買収防衛策(東証ルール) 監査役の報酬について 監査役の権限強化と会社法改正 監査役の理想と現実 監査役の財務会計的知見 監査役制度改造論 監査法人の処分と監査役の対応 監査法人の業務停止とは? 監査法人の法的責任論(粉飾決算) 監査法人ランク付けと弁護士専門認定制度 監査法人改革の論点整理 監査法人(公認会計士)異動時の意見開示 監査社会の彷徨 監査等委員会設置会社 監査論と内部統制報告制度(J-SOX) 相次ぐ食品表示偽装 相続税9億8000万円脱税 破産管財人の社会的責任 確認書制度の義務付け 社内文書はいかに管理すべきか 社員の「やる気」とリスクマネジメント 社員は談合企業を救えるのか? 社外取締役と株主価値 社外取締役に期待するものは何か 社外取締役・社外監査役 社外役員制度導入と体制整備事項の関係 社外監査役とゲーム理論 社外監査役と監査役スタッフとの関係 社外監査役の責任限定契約 神戸製鋼のデータ改ざん問題 神田教授の「会社法入門」 私的独占と民事訴訟 税理士の妻への報酬、「経費と認めず」 第1回内部統制ラウンドテーブル 管理部門はつらいよシリーズ 管財人と向き合う金融機関そしてファンド 粉飾決算と取締役責任 粉飾決算と罪刑法定主義 粉飾決算に加担する動機とは? 経営の自由度ってなんだろう?(会社法) 経営リスクのニ段階開示 経営統合はむずかしい・・・・ 経営者のためのサンプリング(J-SOX) 経済・政治・国際 経済刑法関係 経済法 経済産業省の企業行動指針 耐震強度偽造と内部監査 耐震強度偽造と内部統制の限界 自主ルール(ソフトロー) 蛇の目ミシン工業事件最高裁判決 行政法専門弁護士待望論 行政系 裁判員制度関連 裁判員制度(弁護士の視点から) 裁判所の内部統制の一例 製造物責任とCSR損害 製造物責任(PL法)関連 親子上場 証券会社のジェイコム株利益返上問題 証券会社の自己売買業務 証券取引の世界と行政法理論 証券取引所の規則制定権(再考) 証券取引所を通じた企業統治 証券取引等監視委員会の権限強化問題 証券取引等監視委員会・委員長インタビュー 証券業界の自主規制ルール 課徴金引き上げと法廷闘争の増加問題 課徴金納付制度と内部通報制度 議決権制限株式を利用した買収防衛策 財務会計士 買収防衛目的の新株予約権発行の是非 買収防衛策の事業報告における開示 買収防衛策導入と全社的リスクマネジメント 辞任・退任の美学 迷走するNOVA 道路公団 談合事件 重要な欠陥」と内部統制報告書虚偽記載 野村證券インサイダー事件と内部統制 金融商品取引法「内部統制」最新事情 金融商品取引法と買収防衛策 金融商品取引法案関連 金融商品取引法関連 金融専門士制度の行方 関西テレビの内部統制体制 阪急HDの買収防衛プラン 食の安全 飲酒運転と企業コンプライアンス 黄金株と司法判断 黄金株と東証の存在意義 ACFE JAPAN COSO「中小公開企業」向けガイダンス CSRは法律を超えるのか? IFRS関連 IHI社の有価証券報告書虚偽記載問題 IPO研究会関連 ISOと内部統制 ITと「人」の時代 JICPA「企業価値評価ガイドライン」 LLP(有限責任事業組合)研修会 NEC子会社幹部による架空取引 PL法 PSE法と経済産業省の対応を考える TBS「不二家報道」に関するBPO報告書 TBSの買収防衛策発動の要件 TBSは楽天を「濫用的買収者」とみなすのか(2) TBSは楽天を「濫用的買収者」とみなすのか? TBS買収と企業価値判断について TOB規制と新会社法の関係