やはり出てきた-三菱自動車偽装事件の内部告発
日経ビジネス5月9日号「社員は知っていた『不正の根源』」を読みました(デジタル版です)。燃費偽装がズバリ指摘されていた、というものではありませんが、「監査には『昔からやっていることだから』といった」等、不正を疑わせる生々しい発言内容が出てきます。元幹部の方から日経記者に対して(2004年当時の)非公開資料が渡され、ご本人からの解説がなされたのですね。「組織の三菱」と言われる名門の企業でも、いったん事態が明るみに出ると有力な内部資料がマスコミに流出し、さらなる不祥事発覚の原因になる(ここでは社長さんの記者会見の矛盾点が指摘されています)、ということがわかります。
また事業再生委員会委員長の方が、「自分にも責任の一端があることは認める」としたうえで、実名で「三菱ムラの庇護が改革に水を差した」ことを述べておられます。いままであまり光があたらなかった三菱自動車さんのガバナンスにも、今後関心が向けられるかもしれません。東芝事件あたりから、日経ビジネス誌は内部告発を積極的に受け付けておられるのでしょうか。おそらく今後も多くの内部告発がマスコミに寄せられることと予想します。
5月6日のエントリーでも述べましたが、この元委員長の方や記者さんの意見と同じく、今回の燃費偽装については、経営トップが関与した事件ではないという前提が崩れない以上、三菱グループとしての驕りが20年間以上の隠ぺいにつながっているのではないか、といった仮説を検証する必要があると思います。特別調査委員会はその仮説の検証こそ最も重要な役割です。支援を要請するグループ各社に悪いことは書けない・・・といった内輪の論理はやめて、真にステークホルダーへの説明責任を尽くす姿勢を貫くべきです。
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