2016年5月 6日 (金)

やはり出てきた-三菱自動車偽装事件の内部告発

日経ビジネス5月9日号「社員は知っていた『不正の根源』」を読みました(デジタル版です)。燃費偽装がズバリ指摘されていた、というものではありませんが、「監査には『昔からやっていることだから』といった」等、不正を疑わせる生々しい発言内容が出てきます。元幹部の方から日経記者に対して(2004年当時の)非公開資料が渡され、ご本人からの解説がなされたのですね。「組織の三菱」と言われる名門の企業でも、いったん事態が明るみに出ると有力な内部資料がマスコミに流出し、さらなる不祥事発覚の原因になる(ここでは社長さんの記者会見の矛盾点が指摘されています)、ということがわかります。

また事業再生委員会委員長の方が、「自分にも責任の一端があることは認める」としたうえで、実名で「三菱ムラの庇護が改革に水を差した」ことを述べておられます。いままであまり光があたらなかった三菱自動車さんのガバナンスにも、今後関心が向けられるかもしれません。東芝事件あたりから、日経ビジネス誌は内部告発を積極的に受け付けておられるのでしょうか。おそらく今後も多くの内部告発がマスコミに寄せられることと予想します。

5月6日のエントリーでも述べましたが、この元委員長の方や記者さんの意見と同じく、今回の燃費偽装については、経営トップが関与した事件ではないという前提が崩れない以上、三菱グループとしての驕りが20年間以上の隠ぺいにつながっているのではないか、といった仮説を検証する必要があると思います。特別調査委員会はその仮説の検証こそ最も重要な役割です。支援を要請するグループ各社に悪いことは書けない・・・といった内輪の論理はやめて、真にステークホルダーへの説明責任を尽くす姿勢を貫くべきです。

5月 6, 2016 公益通報の重み(構造強度偽造問題) | | コメント (3) | トラックバック (0)

2005年11月28日 (月)

公益通報の重み(構造強度偽造問題より)

まだ仕事中ゆえ、うまく整理できていない文章であること、お許しください。とりいそぎ、備忘録程度にとどめておきます。

毎日新聞の夕刊一面(大きくは、西村議員の逮捕の記事ですが、これは、ここ1週間の弁護士会の情勢を知っている立場ですので、コメントは控えさせていただきます。)に、指定確認検査機関である、イーホームズの内部監査の発端は「国土交通省への匿名情報」であったことが明らかになった、との記事が掲載されております。(一応、このニュース記事が信憑性が高いものとみなして、以下意見を述べております)

毎日ネットのニュース記事はこちら。(ほぼ夕刊紙面と同一と思われます)

このブログにおきましても、「民間による内部監査に基づく公表には、なんらかの評価を」といった私の意見を書かせていただきましたが、どうも匿名通報から国土交通省の立ち入り検査、その後の行政指導といった流れをみておりますと、イーホームズの「自主的公表」という事実もかなり制限的に解釈せざるをえないようです。

しかしながら、このニュース記事を読みまして、あらためて「公益通報」の社会に与える影響、企業価値を容易に崩壊させる力、そして企業における内部統制システム構築の重要性を痛感いたします。

また改めて意見を述べたいと思いますが、この記事のポイントは三つあると考えます。ひとつは、この「匿名情報」がなければ、今回の構造計算偽造問題が発覚したことはなかったであろう(つまりイーホームズの内部監査が発端とはいえない、ということ)という紛れもない事実、ふたつめは(時代の流れと思いますが、)このような匿名情報についても、国土交通省が真摯な対応で立ち入り検査を決定した、という事実、そして三つめは、国土交通省がイーホームズによる帳簿の不備を指摘して、明確に「文書による帳簿の保存」を指導した、という事実であります。

私自身、現在も「ホットライン」の窓口業務をしておりますが、こういった第三者への通報というもののうち、半分程度は、以前から自社に対して「サイン」は出ているケースです。このサインをどう判断するかは、非常にムズカシイところではありますが。

すでに、どこの企業におかれましても、公益通報者保護法対策は万全かと思いますが、私からすると、まだまだ「窓口の単一化、複数化」、「窓口における要件該当性の裁量判断の問題」など、導入企業において対応がバラバラな点もあるかと思います。今回の匿名情報というものが「内部通報」なのか「取引先からの外部通報」なのかは不明でありますが、背筋が凍るような事態になる前に、再度業務プロセス、営業サイクルの再検討を行い、自社もしくは取引先企業への通報への対応プログラムを再検討したいと思います。

11月 28, 2005 公益通報の重み(構造強度偽造問題) | | コメント (3) | トラックバック (0)