2006年2月16日 (木)

証券監視委員長インタビュー

2月15日の日経と毎日の朝刊に、証券取引等監視委員会の高橋武生委員長の「ライブドア事件に関するインタビュー」記事が掲載されております。個人的に興味のあるお話だったので、二誌分を整理して備忘録として残しておきます。

・ライブドアに関心を寄せたのは3年前のこと。10件ほどの案件をチェックしていたものであり、その都度、刑事事件として立件できないかどうか検察に相談していた。昨年の秋から冬にかけて、事件化のめどがついた。監視委員会が仕事をしていないので、検察が出てきたというのは、いかにも劇画的な話。明らかにおかしな議論だ。(注 検察主導型と言われて、証券取引等監視委員会はなにをしていたのか、と非難されたりもしてましたが、実際にはすでに3年も前から、ライブドアに目をつけていたのは監視委員会だったんですね)

・一年に2万数千件のインサイダー取引(の疑い)があり、我々はその一つ一つを監視しており、証拠を集めて分析し、違法行為と判断してはじめて事件にできる。これまで47件の強制捜査をしてきたが、そのうち検察と合同したのは40件。検察との合同捜査は極めて重要であり、今回も合同捜査がなかったら、メールの消去などで証拠が隠滅されていただろう。逮捕権を持つ検察と十分相談してからやる。(注 これはスゴイですねぇ。一年間にインサイダー取引と疑われ、監視の対象となるのが2万数千件。現在の証券取引委員会の職員が360名で、そのうち300名が実際に監視業務に従事しているとしますと、一人当たりの年間調査件数は80件。年間300日勤務するとなると、一件あたり3日から4日程度で結論を出さないといけない計算になります。本当にこんな短期間で証拠収集分析って、果たしてできるんでしょうか?こういった実情から判断しますと、規模が大きかったり、反復継続されていたり、いわゆる「目立った」取引でないと、とても立件される可能性は少ないんじゃないでしょうか。)

・金融庁からの組織分離など、組織をいじるのには抵抗がある。まだまだやっと一応の働きができるようになった段階だ。監視委員会が金融庁の支配下にあるといった考えは誤っている。我々を指揮する権限を持つ者はいない。違法行為の調査では逮捕権を除いて行政機関として持てる権限はすべてある。ないのは企画立案と行政処分を行う監督権限だが、「建議」という形で法律や制度の立案を行い金融庁に動いてもらえる。われわれが市場ルールを作るのも一案だが、今の陣容では自信がない。金融庁と対立してでも、立法化をめざしていく。(注 市場ルールを作るということよりも、立法化をめざす、というのはどういった意味なんでしょうか。刑罰強化とか、金融庁からの独立といったことなんでしょうかね。)

・違反行為の予防には課徴金制度は効果があるが、証拠が不十分なのに課徴金をとるのはよくない。有価証券報告書への虚偽記載を見抜くのは内部告発がないと困難だ。(注 やっぱり内部告発重視なんですね。このたびのライブドア事件につきましても、1年ほどで立件にこぎつけることができたのも、間違いなく内部告発なんでしょうね)

以上、まったくの備忘録でした。(注)は私の感想です。

2月 16, 2006 証券取引等監視委員会・委員長インタビュー | | コメント (2) | トラックバック (0)