2006年4月25日 (火)

帝人の内部統制システム整備決議

(25日午前 追記あります。なお適時開示情報に基づき若干訂正しました。失礼しました)

帝人さんは、グループ統括会社「帝人株式会社」の3月30日開催の取締役会決議で、新会社法に対応する内部統制システム整備決議を行ったようですね。(グループトップ企業ですから、グループ関連企業が5月に決議するためには当然4月になろうかと思われます)4月24日付けにてその決議内容が公表されていますが、これ、他の企業の「体制整備事項の決定」にも参考になりそうですね(帝人グループ内部統制システム整備決議

帝人さんの場合、1999年ころからチーフオフィサー制度を導入して、2003年には外部法律事務所を窓口とした内部通報制度の導入、内部統制システム強化を図るためにトータル・リスクマネジメント制等を導入されたようですので、全社的(全グループ的)経営管理態勢は十分整っていたところでの整備決議のようです。したがいまして、内容を拝見しておりましても、随分と余裕がありますね。整備事項の順番も基本どおりに10項目掲げておられますし、さすがにリスクマネジメントを重視していることが決議内容からも十分理解できますし、リスクマネジメントといいましても、後ろ向きではなく「戦略性」を感じさせる内容だと思います。ちなみに、新会社法への対応を検討したところ、すでに9割の事項は運用も含めて整備されていることが判明したが、取締役の職務の執行に関する情報の管理、保存に関する体制についてのみ、どういった項目を採り入れるべきか迷っておられた、とのことです。(企業会計5月号124ページ以下で、帝人株式会社グループ常務理事の方のお話が掲載されています。ご興味のある方は併せてご一読ください)

さて個々の内容についてでありますが、このブログで注目しております「取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制」でありますが、これは驚き(!)ですね。いきなり独立社外取締役を数名導入し、その独立性は自社の定める要件をクリアすること、とありますね。そういえば「辰のお年ご」さんも、社外役員の導入とか「効率性」に絡めて考えていらっしゃったような。。。取締役会の意思決定の妥当性確保のためには独立社外取締役が複数名ボードに名を連ねていなければいけない、ということハッキリと明言されていらっしゃいますので、(おそらく帝人アドバイザリーボードの要請もあるんじゃないか、とは思いますが)このあたりは今後いろいろなところで論議を呼ぶかもしれませんね。(なお、社外取締役や社外監査役の導入と内部統制システムとの関係につきましては持論もございますので、これはまたの機会にエントリーしたいと思っています

ほかにも監査役スタッフの整備に関する事項、独立社外監査役の占める位置づけ、そしてなによりも帝人という企業らしさを整備事項のなかに採り入れたところなど、たいへんすっきりと巧みに作られていて、「美しい」と感じました。(監査役補助者に「会計的知見」を要求するところなど、さすが監査役に会計士協会の大御所を擁する一流企業らしいスゴミがあります。まあ、このあたりはグループ企業の監査役を兼務できるほどの「補助者」だからこそ、かもしれませんが)しかし「コンプライアンスの責任者としてCSRO(Chief Social Responsibility Officer)を任命し、CSR室を所管せしめる。これにより帝人グループ横断的なコンプライアンス体制の整備及び問題点の把握に努める。」ですか・・・。この役割って、どれだけの重責なんでしょうか。いずれにせよ、企業トップの「コンプライアンス」に関する理解(というか重要性認識)がないと、こういった発想は出てこないんじゃないでしょうか。

grandeさんのブログにも、ご専門家の立場からのコメントが掲載されております。やっぱり会計士さんの視点はいたって実務的ですね。

4月 25, 2006 帝人の内部統制システム整備決議 | | コメント (4) | トラックバック (0)