2025年1月21日 (火)

フジテレビ・スポンサー離反問題-もう「日弁連ガイドライン第三者委員会」しか選択肢がないのでは?(追記あり)

Img_20250120_202734142_512 日曜日にアップした「リクルートホールディングスの人権方針とフジテレビ『ふてほど問題』」なるエントリーでは、コーポレートガバナンス・オブ・ザイヤー2024で大賞を受賞したリクルート社が「ふてほど問題」にどような対応をとるだろうか・・・と関心を寄せておりましたところ、やはり本日、リクルート社より、フジテレビへの広告出稿を当分見合わせるとの説明があったようです(こちらのニュース参照)。残る関心は60年以上の歴史のある「ミュージックフェア」の冠スポンサーである塩野義製薬(こちらも2019年のガバナンス大賞受賞)の動向ですね。

各社とも「当分の間、広告の出稿を見合わせる」ということのようですが、これはつまり「外部弁護士を中心とした調査委員会の報告書が出て、その内容を精査するまでの間は」ということだと想定されます。すでに50社以上のスポンサー企業が出稿の見合わせ(ACジャパンへの差替えを含む)を決めているそうですので、この調査委員会も、いわゆる「日弁連ガイドラインに準拠した第三者委員会」として構成されないと、スポンサー企業をはじめ世間の納得は得られないような空気が漂っています。(追記1月21日)なお、一部の報道では、もし独立性の高い第三者委員会を設置しなければ、いわゆる会社法316条2項に基づく調査者選定申立ての可能性もある、と報じられています。東芝や小林製薬で活用されているものですね。臨時株主総会を開く必要があるので、ややハードルは高いと思いますが。さらに総務大臣からも「独立性の高い委員会を」との要望が出されているようです。

ちなみに、本日アップされた元スカパー女子アナのKAさんのYouTube動画を拝見しましたが、フジテレビ「お偉いさん」のセクハラ性被害に関する告白には驚きました(ニュースはこちら)。もしこれが事実であればとんでもない行動ですし、複数幹部の疑惑となればCM見合わせに至るスポンサー企業の気持ちもわかります。

以前にも申し上げましたとおり、この日弁連「企業不祥事等における第三者委員会ガイドライン」は2010年12月最終改訂、つまり14年ほど改訂されていないのですが、そのあと世間では東証「企業不祥事対応のプリンシプル」、同「コーポレートガバナンス・コード」、日本監査役協会監査役監査基準(改訂版)、経産省「グループガバナンス指針」などが発表され、いまなお調査委員会のベストモデルが模索されているところです。つまりステークホルダーへの説明責任を尽くすためのモデルとしては、「日弁連ガイドラインに完全に準拠していなくても形式的にはOK」という社会的な合意が得られる途上にあるのではないかと思います。

ただ、今回はそんなことを議論している余裕はなさそうでして、ともかく日弁連ガイドラインに(ほぼ)準拠した形の厳格な第三者委員会でなければ世間(海外の大株主も)は納得しないのかもしれません。もうこうなったら(冗談ではなく)元高検検事長とか元最高裁判事といった肩書の弁護士さんよりも「日弁連ガイドラインの生みの親」である久保利先生や国広先生に委員長をお願いするしか方法はないような気もいたします。←これなら青山学院大学名誉教授の八田先生からのご批判も出ないでしょう(^^;)。

さて、フジメディアホールディングス社にはそのような英断を下すだけのガバナンスは期待できるのでしょうか。ちなみに、役員の年齢によってガバナンスの善し悪しを決めつけることはできませんが、さすがにフジメディアホールディングス社(監査等委員会設置会社)の取締役の平均年齢は71.3歳、監査等委員会を構成する取締役の平均年齢は80.6歳。うーーーん、グループガバナンス管理や内部統制の構築、そして全社的内部統制の相当性評価も、ホントにダイジョブかな(^^;)と思うのは私だけでしょうか。(1月21日追記)放送業界に詳しくないので、ガバナンスの問題についてあいまいな記載となりましたが、メディアコンサルタントの方による東洋経済の記事「『フジテレビ問題』の根源は”経営不在”にある」を読んで、まさにこれが最大の問題だと思いました。

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2024年12月27日 (金)

不正の未然防止に向けた「動機アンケート」は禁じ手か?

今年は日本を代表する名門企業の不祥事が多かったせいか、再発防止策をみても「早期発見・早期是正策」よりも「不正未然防止策」のほうに力点が置かれているように思われます。その代表格とされる三菱UFJ銀行の貸金庫窃取事件は「どうすれば二度と同じ不祥事の発生を防止できるのか」とても悩ましい問題ですね。

ということで想起されるのが2年前の滋賀銀行の(行員による横領事件への)再発防止策です。滋賀銀行の行員が、自らの借金返済に行き詰まってしまい横領に走ってしまった、という事件ですが、滋賀銀行は、この事件を契機に全行員に対して(任意ではありますが)借金や投機に関する自己申告制度を設けたそうです(朝日新聞ニュースはこちらです)。行員の借金に関する個人情報を事実上強制的に(?)申告させるという制度は、たとえ不祥事の予防の効果があるとしてもプライバシー権侵害にあたるのでは?との意見もありそうです。

この事案の教訓は「不祥事の未然防止に向けて『性弱説』に立って不正を予防しよう」と宣言するのは容易ですが、いざ実行に移すとなれば人権侵害のおそれとのバランスをどう図るか、とてもむずかしい判断を迫られるということです。早期発見・早期是正型の再発防止策よりも数段レベルは高いはず。金融機関の行員に多額の借金があるからといって、ほとんどの人は「銀行のお金に手をのばす」などと考えないわけでして、動機と不正行為との距離はかなり遠いようにも思えます。むしろ「困っている行員に伴走してあげる」ことが必要であれば、それは支店内でのコミュニケーションや心理的安全性の問題のほうが大きいのではないかと。

ひょっとしたら、東証や金融庁等の職員によるインサイダー取引防止にも同じ方針が活用されるかもしれません。その後、滋賀銀行の上記「借金・投機アンケート」はいったいどうなったのか、気になるところです。

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2024年10月18日 (金)

テレビ局による旧ジャニーズタレントの起用再開ー人権DDか再発防止策か?

西田敏行さんといえば私が高校生の頃のドラマ「いごこち満点」が(私にとっては)代表作です。司法試験浪人として長く下宿に居座る受験生役でしたが、初めて短答式試験に合格して下宿に帰ってくる様子は今でもよく憶えていますし、人生で初めて司法試験の難しさを認識したのもこのドラマでした。昔の話になりますが「池中玄太」で紅白歌合戦に出場したときの衣装も印象的でした。

さて、紅白歌合戦といえば出場歌手発表も控える時節柄からでしょうか、NHKが旧ジャニーズ所属タレントの起用再開を発表したそうでして(朝日新聞デジタルはこちら)、これを契機にテレ東だけでなく、他の民放キー局も再開に動くことが予想されます。起用再開の是非については様々な意見があると思うのですが、とりわけテレビ各局は起用を再開する理由については明確に説明する必要があると思います。

その「再開理由」ですが、テレビ局としては(取引先に対する)人権DD(デューデリジェンス)の一環として説明をするのか、それとも過去の不祥事に加担したこと、つまり自社の不祥事に対する再発防止策の一環として説明をするのか、明らかにする必要があるのではないでしょうか(私の素朴な疑問であります)。取引先が人権侵害を将来的に起こさない、ということを確認することで再開する、というのであれば現状を把握したうえでの説明でも足りるように思うのですが、旧ジャニーズ事務所の設置した調査委員会報告書で示されたように「テレビ局も共犯」ということを重視するのであれば、再発防止策の進捗状況の説明と起用再開との関係整理が必要です。

自社が二度と人権侵害企業に加担しない、という宣言を社会に説明することを重視するのであれば、やはり①創業家が旧ジャニーズ関連企業の株式を手放したこと、②旧ジャニーズ関連企業に原盤権や著作権等の無形資産に由来する利益が生まれないこと、③被害者救済に一定のめどがついたことをそれぞれ確認しなければ再発防止策の進捗状況の合理的な説明にはならない、つまり「起用再開」は、社会の風を読みながら「なしくづし」的に旧ジャニーズ問題にケリをつけたかように受け止められるのではないかと。よって、たとえテレビ局がタレントの起用再開に至ったとしても、これは人権DDの一環としての措置であり、人権侵害へ加担したことへの再発防止策の進捗としては、上記三点についてのモニタリングを継続する必要があるように思います。

「タレントの起用再開」問題はテレビ局だけの問題ではなく、タレントを起用する企業の問題でもあるわけですが、企業の場合には「共犯」とまでは断定されていなかったので、少し状況は異なります。いずれにしても、今後は「通信と放送の融合」が不可欠となる時代となり、日本を代表する放送事業者においては海外の通信事業者との共同制作に影響が及ばないような合理的な説明が求められるものと考えます。

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2024年10月15日 (火)

賞味期限の改ざん問題とサスティナブル経営(10月16日追記あります 10月17日訂正あります)

企業法務関連の知人の皆様は、大阪大学で開催されていた日本私法学会に参加された方が多かったようですが、私は地域のだんじり祭りと孫の世話であっという間に3連休が過ぎてしまいました(笑)。少子高齢化の波は「だんじり祭り」にも及んでおります。私の地域でも引手が少なくなったことでだんじりの統廃合が進んでおり、今年はやや寂しい思いをしました。

さて、10月14日の朝日新聞デジタルのアクセス1位の記事によりますと、熊本県の高級洋菓子店がショコラの賞味期限を改ざん(賞味期限のラベルの張替え)を行っていたとして、熊本市保健所から調査がなされていることが報じられています(朝日新聞デジタルの有料版記事はこちらです)。公益通報が端緒だそうですが、朝日新聞デジタルのこちらの記事などを読みますと、組織ぐるみで行われたことがわかるチャット画像なども公開されていますのでおそらく2号通報だけでなく3号通報(マスコミ等への通報)もなされていたのでしょう。

何が「公益通報事実」に該当するかといいますと記事にもあるように食品表示法違反ということになります。消費期限違反とは異なり、賞味期限を超えた食品を販売しても法令違反には該当しませんが、さすがに「賞味期限の改ざん」となりますと、そのことによって健康を害するおそれが生じる場合には食品表示法違反となる可能性が出てきますし、さらに悪質であれば詐欺罪にも該当しうるように思います。重要なのは、明白な法令違反事実とはいえなくても「法令違反の可能性がある」というだけで行政機関は2号通報として動くという点です。

ちなみに2022年1月に発覚したセブンイレブン店舗での「おでん」賞味期限切れ販売については、従業員のyoutube投稿が端緒となり、セブンイレブンが謝罪しましたが、このようなSNS投稿が「公益通報」にあたるかどうかは議論の余地があります。

洋菓子店の代表者の方は「現場でそのようなことが起きていたとは知らなかった」と話しているそうですが、私からしますと外部へ公益通報がなされるまで社内通報はなかったのか?という点に関心が向きますね。従業員は50名程度の事業者ということなので公益通報への対応体制整備義務は努力義務ではありますが、やはりこういった事例をみると中小規模の事業者においても通報制度を整備しておくほうが良いのではないかと思います(たしかに「チョコなんて味は変わらないのだから、何度かラベルを張り替えても問題ないよね」と考えている従業員もいるかもしれません。ただ、名店であるがゆえにプライドが許さないと考える従業員もおられるはず)。

なお、最近も食品の賞味期限に関する改ざん事例はよく聞きますが、そもそも美味しく食べることができるのに賞味期限を過ぎたからといって廃棄するのはとてももったいない、ということで再発防止策の一環として「もったいない」をできるだけなくす努力をすべきではないでしょうか。スタバが昨年から始めた「フードロス削減プログラム」のように、売れ残りを削減するために値引き販売を行うとか、保存方法包装を変えることで合法的に賞味期限を変更する、といった取り組みはかなりの事業者でも行われていますね。もちろん資源配分も必要ではありますが、ESG経営を推進することが、同時に不祥事防止策になるわけで、組織風土も変わるのではないかと考えております。

(追記)10月16日の熊本市保健所による記者会見の様子をみると、「シール貼り替え」が不適正なのではなく、科学的・合理的根拠なく賞味期限を表示していたことが食品表示法(および食品衛生法?)に違反する、というロジックのようですね。昨日、私がブログで書いたように、たとえば保存方法包装紙を変える、保存場所を変える等によって、賞味期限が合理的根拠に基づいて変更できるのであればシールの貼り替えも適正ということになるはずです。しかしそうなると「改ざん」と「適正なシール貼り替え」との境界線は極めてあいまいとなりそうです。ただ、この洋菓子店さんのように「夢を売る」商売であれば、そもそも「賞味期限シールを貼りかえる」という行為自体がレピュテーションリスクを顕在化させますよね(^^;)。

(10月17日追記)読者の方より「包装紙を変えることでなぜ賞味期限を変えることができるのか」との問い合わせを受けまして、(保存技術を高めた包装容器のことを指したものの)表現方法が不適切と思われたので訂正いたします。失礼いたしました。

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2024年9月24日 (火)

日本郵便の「ゆうちょ銀行顧客情報」流用問題はかなりマズい

JR九州高速船におけるコンプライアンス違反問題(国交省から解任命令が発出された)もかなりマズいと思いましたが、9月21日にマスコミで一斉に報じられた日本郵便における顧客情報流用問題もかなりマズいような気がしております(詳しく報じる朝日新聞ニュースはこちら)。以前、私も日本郵政グループにおけるコンプライアンス委員を務めておりましたので、あまり偉そうなことは言えませんが💦・・・。

記事では「保険業法違反」とありますが(日本郵便がゆうちょ銀行およびかんぽ生命の窓口業務を受託している点がミソ)、日本郵便としては、あらかじめゆうちょ銀行の顧客からの同意を得なければ、ゆうちょ銀行の顧客情報を目的外使用できないはず。なお、一般社団法人生命保険協会策定にかかる「生命保険業における個人情報保護のための取扱指針」によれば、同意取得を目的として顧客に電話をしたり、メールを送信すること自体は目的外使用にはあたらない、とされています。日本郵便としては「顧客が来局したあとに同意を得れば問題ないと認識していた」と説明しているそうですが、保険勧誘目的で来店を促していること自体、すでに顧客情報を目的外使用しているわけですから、ちょっと理由にはならないように思います。

日本郵便では、今年1月にも郵便局長が顧客情報を政治流用していた問題が浮上していたところであり(こちらの朝日新聞ニュースご参照)、その際にも「情報流用の動機としては、懇意の顧客を選べば苦情に発展しないと考えた」との説明がなされていました。保険事業の競争の公正確保ということよりも、「ビジネスと人権」への配慮が強く求められる時代となったのですから、個人情報保護法の趣旨に沿った対応が日本郵政グループにも必要ではないかと。たしかに特定郵便局によっては少人数でゆうちょ銀行、日本郵便、かんぽ生命の仕事を担当している地域もあるので、やむを得ないところもあるのかも・・・とも思えるのですが、報道をみるかぎりでは都市部も含めて組織関与の可能性もありそうで、経営面にも影響が出そうな予感がいたします。

しかしかんぽ生命は真摯に取材にも対応していますが、日本郵便とゆうちょ銀行はノーコメントというのも組織間でのコンプライアンス経営に対する取組みに温度差があるようで興味深いところです。最近、金融庁から(損保大手における顧客情報流用事件を契機として)生保大手に対しても調査要請が来ていることとも関係があるのかもしれませんね。

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2024年7月31日 (水)

パワハラの「グレーゾーン」への対処がむずかしくなった(と思う)

東京への長期出張中でもろもろ忙しいので短めのエントリーでございます。内部通報への対応を行っていて、最近むずかしいと感じるのがパワハラかどうか判断が微妙な事例への対処です。いえ、弁護士らしく一刀両断的に認定(もしくは否定)できれば良いのですが、人事部の顔色をみながら、そうも言ってられない事案は結構多いですよね。

そんなとき、とりあえず「関係者が顔を合わせないように人事的に処理しちゃおう」ということで通報者と被通報者を離すことを画策するわけですが、昨今高齢者雇用法(2025年4月義務化)とかフリーランス新法(2024年11月施行)で、関係者ご本人の意向に反して人事処分を行うことがむずかしくなりそうです。さらには最近、労使間に職場・職種限定に関する黙示の合意が認められる場合の一方的な配置転換は無効、といった最高裁判決まで出てきたので、さらにパワハラ・グレーゾーン問題への対処がややこしくなってきました。

事業者には職場安全配慮義務がありますので、むずかしくなってきたから「放置」というわけにもいかないですし、皆様どうされているのでしょうか。とりあえず内部通報の件数が増えたことは良しとしても、件数が増えれば増えるほど、事業者にとって頭を悩ませる事例も増えるという状況に陥ってしまうのはなんとも。。。

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2024年7月24日 (水)

小林製薬「事実検証委員会」調査報告書の感想(その1-P医師兼弁護士の功労)

7月23日、紅麹原料問題への対応として、小林製薬では臨時取締役会が開催されたようです。すでに報じられているとおり創業家会長と社長が辞任されたそうですが、取締役会が設置した事実検証委員会の報告書及び報告書を踏まえた取締役会の総括も(予想どおり)公表されました。本業でバタバタしていましたが、夕方からなんとか読ませていただきました。いやいや他社でも教訓となるようなポイントがたくさん記載されています。とりわけ「空白の2カ月」(1月15日から3月22日まで)の事実経過が詳細に示されていますが、とても感慨深かった点をいくつかご紹介したいと思います。

まずはタイトルにあるとおり「P医師兼弁護士」の方の存在が大きかった点です。私自身も、この「P先生」はどなたなのか、まったく存じ上げません(「医師兼弁護士」となると相当限られてきますが・・・(笑))。P医師兼弁護士さんには、小林製薬が原因究明に忙しかった2月ころに相談をして、行政への報告の要否や製品と事故との因果関係の究明方法などの助言を求めていたそうです(報告書を読んで初めて知りました)。そして、

小林製薬は、上記P医師兼弁護士の助言を受けた後、各症例の患者が摂取したと考えられる製品ロットの特定を改めて試みた。その結果、各症例の患者が摂取したと考えられる製品ロットに共通点があることに気づき、当該製品ロットに係るHPLC分析の実施に至り、3月15日(金)、ピークXが検出されることとなった(報告書52頁より)。

そうなんです。このP医師兼弁護士さんの適切な助言によってロット特定作業が試みられて「これはたいへんだ」ということになり、行政への報告、商品回収、事態の公表へと至るわけです。逆に申し上げると、このP医師兼弁護士さんの助言がなければ、いまも原因不明ということで行政への報告もなく、公表もされていないという状況だったかもしれません(当時、小林製薬は「因果関係が明確にならないと行政への報告はしない」という方針だったので)。

今年4月22日の(たいへん多くの方に読まれた)エントリー「小林製薬紅麴問題とガバナンス-いつから『有事』だったのか?」でも疑問を呈しておりましたが、上記報告書によりますと、約2週間で4件もの重篤な症例を医療機関から報告を受けたことは過去にも例がなかったそうです。ということは、相当早い段階から小林製薬は「有事」にあったといえそうです(このあたりは私の推測は誤りでした)。だからこそ同社の有事対応には様々な問題があったと言えそうですが、そのあたりも含めて、書きたいことは山ほどありますが、また別途コメントさせていただきます。(なお、メディアの記事を読んでいて、いろいろと同社および経営者を批判したいのはわかりますが、平時の管理を問題にするのか、有事の対応を問題にするのか、きちんと分けて批判したほうが良いと思います)

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2024年6月18日 (火)

積水ハウス国立マンション解体事案-やはり解体理由はわからない

人気マンションブロガー「スムログ」さんのブログ「これからの国立の話をしよう(その2 グランドメゾン国立富士見通り)」を読みました。(その1)も含め、本件土地を積水ハウスが購入するまでの経緯(所有権移転経緯)や地域住民の方々との審議会、調整会の議事内容などを客観的資料から解説していて、とても参考になります。まだ今後も続編があるようです。

工事前の住民の方々との協議会議事録などを読むと、おそらく精緻な眺望パース(計画どおりの建物が建設されたことを前提とした眺望CGのようなもの)は住民の方々や委員の人たちにも提出されていたようですが、この資料にはあまり疑問が呈されていない様子です。建築上の法令違反は認められないとのことですが、この説明会や協議会の際に作られた眺望パースと、マンション完成後の実際の遠景眺望には齟齬はなかったのでしょうか。

また、議事録を読むと積水ハウスの責任者の方は「私が独断で検討しているわけではなく、社内で情報を共有して意見を集約してお持ちしている」と回答しています。つまり社内でもそれなりに協議をしてゴーサインが出ていることがわかります。さらに「まちづくり協議会」の最終答申を読むと、絶対反対ということではなく、ボリューム感を低減して建設することを「積水ハウスの善意に期待して」要望したいとの結論に至っています。つまり積水ハウスが法令を遵守して建設することを承知のうえで、せめて町の景観に合うような修正を要望していたことがわかります。

このような建設前の経緯も踏まえると、やはり「景観への認識不足」を理由とした完成直前での(要望されていた「形状修正」ではなく)解体という意思決定(しかも直前までゴーサインは出ていたのに)は、どうも理解しがたいところがあります。私も(積水ハウスの善意に期待して)解体に至ったプロセスの説明はしておいたほうが良いのではないか、と思うところです。

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2024年6月14日 (金)

Mrs. GREEN APPLEのMV『コロンブス』炎上問題について

世界中の人たちがYouTubeのリアクション動画をたくさんアップしていることから、大炎上しているMrs. GREEN APPLEの「コロンブス」MVについて、公開中止以降(13日午後9時すぎ)でも4分9秒の動画をしっかり閲覧することができました(これ自体、問題はありますが)。コメント欄には世界中からたくさんの非難の声が寄せられています。「コロンブス」をキャンペーンに使用する予定だった日本コカ・コーラは、「価値観が異なる」として使用を中止することを決定しました(朝日新聞ニュースはこちら)。閲覧停止措置などでは対応できないSNSの恐ろしさをまざまざと見せつけられました。

検証目的で視聴しましたが、一番ショックだったのが(恥ずかしながら)曲の良さからか、私は(もし炎上していることを知らずに視聴していたとすれば)それほど反応できていなかったのではないか、つまり歴史感覚や人権感覚に鈍感だったのではないかと心細くなったことです。視聴後に多少の違和感を抱いたとしても、世間のように「これはアカンやろう!」と敏感に反応できたとは自信をもって言えません。これほど世界中で(公開直後に)批判の嵐となっている問題に気が付かない、指摘できない・・・ということはリスク感覚が希薄と言われても反論の余地がありません。

こんな私には関係者を批判する資格もないのですが、なぜこれほどまでに「植民地主義を肯定している」「人種差別を笑いに使っている」と指摘を受けるリスクについて、公開前に関係者は誰も気づかなかったのでしょう。「正しい」「悪い」という主観的な評価は別として、視聴する人たちと制作者自身との「感覚のズレ」が生じ得ることに、なぜ気づかなかったのだろうか。これから先、「これはマズイかも」とAIが知らせてくれるようになるのでしょうか。

「ビジネスと人権問題」においても、(年齢、性別、人種など)多様性のある合議体での意思決定を尊重しなければ同じ過ちを繰り返すことになるのではないかと。そう考えながら猛省しております。偉そうに「改正障害者差別解消法への株主総会対応」などと講演で語っておりますが、自分の世界観だけで語れると思う私は傲慢かつアサハカだとつくづく思い知らされました。

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2024年6月10日 (月)

大手自動車メーカー認証不正-改めて問う「安全」と「安心」

2016年9月18日のエントリー「不正の迷宮-三菱自動車(スリーダイヤ転落の20年)」では、三菱自動車の燃費不正事件が発生した際の、本誌の対談でトヨタ自動車、マツダの元開発責任者の方々(実名)が「当社ではこういった理由があるから品質不正は起こさずして納期を守ることができます」といった話をされていて、私もなるほど・・と納得したことを記憶しております。

しかし、このたびの認証不正発覚時に会見を開いたトヨタ、ホンダ、マツダの説明から見えてきたのは「現場の負担増」や「認証制度の軽視」という(他社と同様の)組織上の歪みが露呈した、ということでした(たとえば東洋経済「トヨタ、ホンダでも発覚、止まらぬ認証不正の連鎖-ルール破りは論外だが制度の見直しは必要」参照)。

品質不正事案を語るときには毎度申し上げるところですが、おそらく社長さん方がおっしゃるとおり「(自動車の)安全性には問題がない」のでしょう。しかし、本当に安全かどうかは専門知識を持たない消費者にはわからない。つまり国交省や国際基準が定める認証ルールに準拠しているかどうか、という「安心」をエビデンスで証明してもらわないと信用できないのです。そのエビデンスが(認証不正によって)提出できないものだから、国民に最終責任を負う国交省がエビデンスに基づいて「安全です」と宣言する必要があり、そのための立ち入り調査や検査が行われています。

自動車メーカー全体で不正が発覚したことによって、どこでも不正は起きていたということが判明しました。ということで、認証ルール自体を見直すべき、との意見も出てきています。しかしEVや自動運転、AI制御といった新しい技術が増える中で、おそらく(国際基準に照らして)認証ルールは増えることはあっても減らすことは現実的ではないような気もします。経営判断としては、これからも品質不正が一定の頻度で起きることを前提として、その都度「安心」を回復するためのコストを負担すべきか、それとも(たとえ人的・物的資源を用いてでも)抜本的に不正が起こらない認証システムを導入するコストを負担すべきか、各社で早急に検討することが求められるのではないでしょうか。

小林製薬の紅麴問題やダイハツの品質不正問題も同様ですが、不祥事が発生すると、個社特有の悪質性を特定したくなり「やっぱり、あの会社にはこんな問題があったのだから不正が起きても不思議はないよね(だから他社では起きないよね)」と納得(安心)したくなります(いわゆる「因果推論における認知バイアス」ですね)。しかし、それが「小林製薬の製造工程の問題ではなく業界全体の機能性表示食品の問題」だったり、全自動車メーカーに及ぶ認証ルール自体の問題だったりすると、突然攻撃の対象が変わる等、世間の風向きが変わります。いやいやコンプライアンス経営は本当にむずかしい。

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