2011年2月16日 (水)

ホンダ子会社の不適切取引発覚と監査役全員辞任の後始末

金融庁の内部統制報告制度(意見書案)改訂版の公表、日本取締役協会「法律専門家による内部統制報告制度への提言」の公表、幻冬舎のMBO成立(立花証券の欠席)、講談社の日本相撲協会および元理事長への通告問題等々、当ブログとしましては、脊髄反射的にどうしてもコメントをしたい話題がメジロ押しでありますが、時間がほとんどございませんので、ホンダ子会社の不適切取引の件について一言だけ(といっても、少し長くなってしまいましたが・・・・)。

当ブログでもすでに「企業不祥事の発覚経緯と件外調査の重要性」でお伝えしておりましたが、ホンダ(登記名 本田技研工業)の100%子会社でありますホンダトレーディング社(以下HT社)の不適切取引に関しまして、本日、親会社による調査の結果と関係当事者の処分結果が公表されております(当社子会社における不適切な取引の調査報告及び再発防止策について-ホンダ社HPより)。預かり在庫取引、および架空循環取引の内容が図式化して解説されておりますので、担当者の不正行為がとても理解しやすくなっております。

10年間の代金水増し仕入れ等による損失額は144億円ということで、決して少ない金額ではありませんが、前にも申し上げました通り、年5800億の売上を計上する企業の、本当に小さな事業部門で発生した不正取引であります。おそらく連結子会社のノンコア事業部門ですから、内部統制の評価範囲外であろうかと思われますし、なかなか目が届かなかったところであったものと推測されます。だからこそ、10年もの間、担当者のローテーションもなく、一人の部下を道連れに不正を繰り返すことが可能だったようです。

しかし本件では、かなり監督責任が厳しく問われているように思われます。不正行為者、その部下は解雇処分が正当だとしても、上司(報告書によりますと、不正に関与していたわけではありません)も解雇処分、経理部長は降格、そして社長以下3名の取締役と、2名の監査役が引責辞任ということのようです。当社代表取締役は、2007年に親会社の執行役員から当社の社長に就任されたようですが、2001年から始まっていたノンコア事業部門の不正見逃しにより引責辞任となるのは、かなり厳しい対応だなァと(私には)うつりました。また、2名の常勤監査役さん方が、今回の責任をとって辞任というのも、この報告書だけを読むかぎりでは「厳しい世界だなァ」というのがホンネであります。

たしかに2007年に、経営陣が「水産事業部の在庫、ちょっと多すぎるのではないか。早急に削減せよ」といった指示を出していたにもかかわらず、その後2010年10月の問題発覚まで在庫削減問題を放置していたようにも思われますので、そのあたりが厳しい社内批判となったのでしょうか?また社内の役職員が、水産事業の知識が乏しかったことから、水産事業部は人事ローテーション制度の枠外においていたことへの非難が強いのかもしれません。また、預かり在庫取引は、一種の与信取引ですから、きちんと与信枠を社内規則で決めておけば、定例監査から非定例監査に移行するタイミングが図れたにもかかわらず、このあたりの整備を怠っていたことについて、監査役が辞任しなければならないほどの反省点があったのかもしれません(以前ご紹介した「三井物産 化学機能品本部における不適切取引の例」などは、まさに内規違反を管理部門が察知して、そこから非定例監査に移行し、不正を発見した好例であります)。

ただ、実際の経営の現場では、HT社の業績の内訳をみれば、ほとんど別事業のほうへ社長以下の関心が向いていたと思われますし、だとすれば、こういったノンコア事業のリスクを監査計画のなかで評価しきれなかったことが最大の反省点だったのではないでしょうか。監査役の方々にとりましては、本件のホンダ社の対応、かなりシビアではないか、との感想をお持ちの方もいらっしゃるのでは・・・。

残念なのは、部下の方が解雇処分とされていることであります。本文にもありますが、HT社では内部通報制度がほとんど機能していなかった、とのこと。もし当該部下の方が通報制度を活用していれば、おそらく早期に不適切取引を経営陣が認知し、早期に手を打つことができたものと思われます(監査役が辞任しなければならない、という事態にもならなかったのでは?)。こういった不適切取引が発覚するといつも思うのでありますが、部下としては、逮捕されたり、懲戒解雇処分になったりするまえに、ぜひ勇気をもって内部通報を活用していただければ・・・・・と思いますね。

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2009年3月11日 (水)

西松建設㈱事件は内部統制の限界なのか?

週刊経営財務の3月2日号(2908号)に、八田進ニ教授の論稿「西松建設㈱事件は内部統制の限界なのか?」が出ておりましたので、(少し遅くなりましたが)本日拝読させていただきました。八田教授の西松建設事件への捉え方は、最終頁(31頁)のご意見に集約されており、私も基本的には内部統制の限界論では済まされないものであり、また私自身としては(以前のエントリーでも書かせていただきましたとおり)重要な欠陥にも該当しうるものだと認識しております。COSOによる1992年の「内部統制の統合的枠組み」が、そもそも西松建設事件の発端である海外腐敗行為防止法における法律運用のために策定されたことに鑑みれば、このたびの裏金作りが内部統制報告制度と関連性があるとみるのが筋ではないかと思われます。(もうすぐ内部統制報告制度における「評価時点」を迎える上場企業が多いわけですが、全社的内部統制について「何をもって不備が是正されたとみるのか」「不正会計事件や四半期決算報告の訂正は不備ではないとなぜ評価したのか」「当該企業不正がなぜ財務報告に関わる問題ではないと評価したのか」等、開示の必要性とは関係なく、合理的な根拠をもって説明すべき問題に頭を悩ませる企業も出てくるのではないでしょうか。)

ところで、八田教授は(上記論稿のなかで)海外腐敗行為防止法(FCPA)について、その法制定の経過から、1997年のOECD外国公務員賄賂防止条約の合意、日本における不正競争防止法の改正、そしてその後の「外国公務員贈賄防止指針」改訂までの経過について説明されていますが、時を同じくして、月刊ビジネス法務(中央経済社)でも、外国法共同事業(国際法律事務所)の弁護士の方々による「来襲!FCPA」の連載が開始されております。ブリヂストン事件によって日本のサラリーマンが米国で実刑判決を受け、PCIのベトナム高官賄賂事件でも有罪判決を受けるなど、「日本企業の海外事業における競争の公正」が問題となるなかで、このたびの西松建設事件の発生ということで、この月刊ビジネス法務の特集連載はまさにドンピシャ!のタイムリーな論稿でありまして、海外事業を展開されていらっしゃる企業の担当者の方々には必読ではないかと思われます。(読んでいるうちに、私もけっこう怖くなってきました)

このビジネス法務4月号の連載記事によりますと、FCPAの基本構造は贈賄禁止条項と会計処理条項の二本柱から成り立っている、ということで、さらに「会計処理条項(裏金作り)」による摘発が多く、すでに米国、ドイツ、ハンガリー、フランス等では多くの海外汚職事件が摘発されているそうであります。いま西松建設事件は「国策捜査」ということが話題になっておりますが、もし「国策捜査」が本当であるとするならば、検察としての「国策」はこういった裏金作りの真相を徹底的に解明して、国際的にも海外汚職摘発の実績を示す必要がある、ということも一因なのかもしれません。(私の勝手な推測でありますが)

しかし、上記FCPA関連の政策を含め、このところの日本の競争政策は活発化していることは間違いないと思います。ZAITEN4月号の特集「牙をむく公正取引委員会」での松山事務総長のインタビュー記事にもありますように、「不況であろうが、健全な競争社会を保つことが我々に課せられた使命」としてICN(国際競争ネットワーク)を中心に国際的連携を強めながら国内の競争阻害要因へ対処する、とのこと。先日のJASRAC(日本音楽著作権協会)に対する排除措置命令などは、独禁法50年以上の歴史のなかであまり取り締まっていなかった「排除型私的独占」分野において新たに競争原理を敷いていこう、といった公取委の強い意思の表れではないかと思われます。(ただ、このJASRACに対する排除措置命令につきましては、審決取消訴訟までもつれたら結構おもしろい裁判になりそうな予感がしますし、追って別エントリーにて検討してみたいと考えております。)国際的な競争の公正を希求することはたいへん結構かとは思いますが、一方のおいては「競争ルールをグローバルに平準化することは、つまり海外諸国に日本の1500兆円の現金を奪う機会を与える、ということ」(By某著名な会計士さん)ということでもあるそうです。(なるほど・・・そこまで意識して考えたことはございませんでした。。。)

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2007年4月26日 (木)

内部統制の限界論と開示統制(3)

タイトルは異なりますが、昨日のエントリーに関連した話題であります。加ト吉社の6年間にわたる約1000億円に上る架空循環取引による売上計上(外部の調査委員会報告書要旨による情報)には、32社程度の企業が関与していたようでありますが、本日午後、読売新聞ニュース東京新聞ニュースによって、名古屋証券取引所市場1部に上場している鉄鋼商社(O社)が関与しているとの報道がなされました。(このO社の株価は、このニュースの後、かなり下落しております)報道内容によりますと、加ト吉社の東京支社と、別の冷凍食品販売会社、そしてこのO社との間で、同一在庫商品が循環していたようであります。東京支社が関与する循環取引疑惑の取引額は240億円程度に上るとみられておりますので、いくつかの大手企業が関与していなければ、これほどの与信枠まで膨らむことはないと思われます。(現在、加ト吉社の架空循環取引につきましては、元常務の方がほぼ単独で進めておられたような報道がなされておりますし、そういった流れの外部調査委員会報告の内容のようでありますが、よく考えてみますと、東京支社だけでも5,6年の間におそらく異常な売上が認められたでしょうし、また全社的にみましても、異常な売上が限定的な取引のなかで発生していたことは取締役のなかでも気づいておられた方はいらっしゃったのではないか、という疑念はぬぐいきれません)

さて、こういった報道がなされた場合、現にO社の株価が大きく揺れているわけでありまして、一般投資家、株主にとりましては重要事実に関する報道がなされたわけでありますから、即時O社からの情報開示を(投資家としては)求めたいところでありますし、通常は「一部報道機関による報道内容について」と題する適時開示がなされるはずであります。ところが、現在(4月26日午前2時)に至るも、このO社からは自社HPにも、また適時開示情報HPにも、25日の報道内容が真実なのか、事実無根なのか、それとも内部調査中なのか、外部第三者に調査委託をしているのか、なんらの情報開示もなされていない模様であります。有価証券報告書の計算書類の真実性に影響を与える事実が問題となるだけに、ここでは実体面についての推測は控えさせていただきますが、この適時開示に関する上場企業としての姿勢については疑問を感じます。以前、スティールパートナーズに株を買い進められた明星食品社につきましても、どういった対応をとるのか公表をされず、「沈黙作戦」をとられたように報道されておりましたが、あの場合は熟慮期間として黙することもひとつの戦略とみられるところもあったかと思います。しかしながら、今回の場合には、おそらく名古屋証券取引所のほうからは、なんらかの会社の対応に関する開示を要求されているのではないでしょうか。

昨年10月ころにアップいたしました内部統制の限界論と開示統制といったエントリーをお読みいただきますと、私の意見も大方ご理解いただけるかとは思いますが、金融商品取引法の施行により、有価証券の流通面における企業情報開示制度については、大きく「内部統制報告制度」「四半期報告の法定化」「経営者確認書制度の義務化」に分けることができます。そして、内部統制報告制度だけでなく、この四半期報告制度、確認書制度の義務化につきましても、けっこう上場企業にとっては重要な制度変更であります。短期に報告書を提出しなければならず、その報告書には経営者やCFOの確認書も添付しなければならないわけでして、その確認手続きの適正性が企業内部においてシステムとして整備されなければならないわけであります。アメリカのSOX法でもそうでありますが(SOX法302条と404条の関係)、一般には内部統制と開示統制とは別個の手続きであると理解されておりまして、SEC規則をもとに考えますと、企業グループ全体からの重要情報収集手続きと企業情報開示手続きといったふたつの局面で適切性、網羅性、適時性が要求されます。たとえばこの鉄鋼商社であるO社におきましても、年間売上高6000億円のうちの250億円という売上比率が、どの程度まで重要性があるかは不明でありますし、どんなに財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムを整備運用していたとしましても、経営陣にとりましては事実を把握することが困難であったのかもしれません。つまり、内部統制の限界事例に含まれる事例だったのかもしれません。しかしながら、今回のような有事におきまして、できるだけ速やかに事実調査を行い、調査内容の真偽を判断し、公表すべき事実を確定する作業工程といったものは普段からマニュアル化、規則化しておくことは可能であると思います。こういった開示統制手続きがきちんと出来上がっている場合には、内部統制システムの整備状況も良好であろうと推測されますが、逆に適時開示が適切になされていない場合には、経営陣の内部統制システムの構築姿勢の評価にも悪影響を及ぼすものと推測されてしまいます。(こういった開示統制システムというものは、これまでも監査法人さん方も、それほど本格的に企業へコンサルティングされてきたことはなかったのではないでしょうか。むしろ、こういった統制システムの重要性を議論することで、会計不祥事が発生した場合の監査人自身への責任追及は軽減されるのではないかと思うのですが。)

もちろん、これまでも各証券取引所の規則によって四半期開示や確認書制度というものも存在していたわけでありますが、法定化され、義務付けられるとなりますと、もし適時開示に関する不適切な行為が認められた場合には、違法状態が存在することとなってしまいますし、取締役の法的責任論にも発展するのではなかろうか・・・という懸念を私は抱いております。(内部統制の議論と比較いたしますと、会計専門家の方による監査の対象外ですし、法的な争点にしやすい・・・といったほうが適切かもしれません)そこで、金融商品取引法の本格施行を前にしまして、最近話題になっている財務報告の信頼性に係る内部統制報告制度と同等程度に、この開示統制制度についても一定の注意を払っておかれたほうがよろしいのではないでしょうか。とりあえず、このO社が循環取引にどのように関与していたのか、その実体面につきましては、また明日以降の報道を注視しておきたいと思っております。

(26日午前9時40分追記)日経ニュースに今後のO社の対応について掲載されております。

(27日午前2時追記)コメント欄にも書かせていただきましたが、26日夕方にO社より開示情報として、加ト吉社との循環取引に関する中間報告が出されております。実は、物商分離というのは、冷凍食品業界における取引慣行としてはあたりまえのことで、商社取引と架空循環取引は外観からは認識は困難、とのご意見も頂戴しました。このあたりは、私も実務慣行がどうなっているのか、とりわけ専門商社が介入している取引の状況をもうすこし詳しく調査してから、あらためて続編を書かせていただくことにします。

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2006年10月31日 (火)

内部統制の限界論と開示統制(その2)

月曜日から日経の夕刊で「法化社会 日本を創る」と題して、ドキュメント「挑戦」新シリーズが開始されたようですね。王子製紙がなぜ北越製紙の三菱商事に対する新株の第三者割当について訴訟で争わなかったのか、「王子は紳士的、日本的解決にこだわって、明確な目的意識のもとに行動しなかったのではないか」という一般的な理解で終わる記事が目につくなかで、この第一回目の記事では、企業が「訴訟に持ち込む」決断をすることのムズカシサが十分伝わる内容になっております。現在進行形の報道だけではわからない、当事者に近い人でないと理解できない事情というものが、こういったM&Aの世界では「切り札」として結果の是非を左右してしまうというのはオソロシイですね。企業のコンプライアンス経営とM&Aの成否というものは、ひょっとすると隣り合わせにあるのかもしれない、とこの記事を読んで感じました。シリーズモノですんで、今後の展開にまた期待をしております。

さて、一昨日の「内部統制の限界論と開示統制」の続編を書こうと思っていた矢先、読売と朝日のネットニュースで東京証券取引所のリリース記事が掲載されていました。(上場企業の虚偽記載には注意勧告 東証が新制度 朝日ニュースより)財務諸表の虚偽記載については改善報告書の提出など、東証による自主規制ルールが存在しているわけですが、財務諸表等の計算書類以外の有価証券報告書記載事項の虚偽記載につきましては、自主ルールとしての処分は存在しなかったようです。そこで今後は役員事項や事業上のリスクに関する記載等に虚偽が認められた場合には「注意勧告」なる処分をもって対応する方針が発表されました。これ、2日前の「内部統制の限界論と開示統制」のエントリーに掲載いたしました図式を見ていただければおわかりのとおり、いわゆる「開示統制」に関わる問題です。金融商品取引法に内部統制評価報告制度が導入された経緯や、そこで運用されるであろう内部統制の概要が少しずつ理解されてきますと、今度は内部統制には限界があることや、経営者による確認書制度との関係などが少しずつ理解されてきます。そして、その次に問題点として浮かび上がってくるのが、この「開示統制」との関係でありまして、私的な結論としましては、「金融商品取引法において内部統制評価報告制度を導入した目的を達成するためには、内部統制システムだけでなく、この開示統制も構築する必要がある」「ライブドア事件は、内部統制の限界論に包摂されてしまう事件であって、どんなに内部統制を構築してみたところで、開示統制が機能しなければ第二のライブドア事件は生まれる」ということであります。西武鉄道事件の際に、東証からの指示に促されて大量の訂正報告書が出されたことが、企業会計審議会に内部統制部会を設置する原因になったことは知られているところですが、監査制度の及ばない財務情報以外の企業情報におきましても、その真実性を担保する制度が検討されなければ、投資家に自己責任を負担させるに足る情報提供には値しないと考えられます。もちろん2004年ころから、この「開示統制」が経営者確認書制度を補完するために重要である、といった議論はなされていたと思います。ただ、金融商品取引法が「確認書」を義務付けることとなるために、その経営者評価の合理性を確保するために「開示制度のデュープロセスを企業自身が整備運用する」必要性が高まったこと、そして海外取引所との提携問題や、海外の機関投資家・議決権行使アドバイザーの台頭など、いわゆる「外圧」によってコーポレートガバナンス評価の重要性を無視できなくなってきたことなどによりまして、企業価値を表示する「数字以外の企業開示情報」の重要性についても(内部統制問題と並び)議論せざるをえなくなってきた、と言えるのではないでしょうか。いま、一般の事業会社にとりましては、内部統制評価報告実務への対応で忙しい時期だとは思いますが、じつはこの「開示統制」につきましても、内部統制同様に大きな意味があると認識していただいたほうがよろしいのではないか、と考えたりしております。

とりわけ国家権力が、自らの権限によって企業の自由な経済活動へ調査権限を行使せず、その自由意思をもって企業情報の「公表」に期待する時代におきましては、「確認書」制度を通して、企業のトップの責任と開示のプロセスとが密接に結びつくこととなります。東証が新設する「注意勧告制度」というものも、おそらく「経営者が確認書を出しているんだから、虚偽情報の責任は負ってもらいますよ」と堂々と経営者に言い放つための地ならしのひとつになると思われます。そこでおそらく今後の「開示統制」に関するポイントは①有価証券報告書の財務情報以外の企業情報に関する信頼性確保と②(すでに経営者が誓約書を提出している)適時開示におけるデュープロセス、この2点にあるのではないでしょうか。「貯蓄から投資へ」といった市場資本主義を誘引しながら、かつ自己責任を投資家に堂々と申し向けられるほどの信用性ある企業情報開示のあり方を模索するならば、行き着くところはこういった統制活動にまでたどりつくのではないでしょうか。ただし、政府が内部統制や開示統制など、企業が自主的に取り組む姿勢に期待する制度を重視するのであれば、その制度が有機的に運用されるための「アメとムチ」が必要です。その「ムチ」にあたるものが経営者の確認書制度であるとしたら、「アメ」の部分はいったい何なのでしょうか?そのあたりを続編で考えてみたいと思います。(以下、その3につづく)

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2006年10月29日 (日)

内部統制の限界論と開示統制

金曜、土曜と59期の新人弁護士さん(10月登録)の研修合宿に参加してきました。大阪と奈良の県境にあります山の中のセミナーハウス(アイアイランド)だったもので、パソコンの通信(エッヂ)もできず、帰ってきてやっとコメントなどを拝見させていただきました。やはり「世界史未履修問題」については文部科学省だけでなく内閣自体も緊急の課題として扱っているようですね。また、今週中には政府としての解決案を公表する予定とのことですから、続きのエントリーも書き上げる予定にしております。

さて、本日は「内部統制と情報開示」のシリーズ第二弾であります。「内部統制の見える化」といったもの、つまり内部統制(ここでは金融商品取引法上の内部統制評価報告実務、いわゆる日本版SOX法に関する内部統制)と企業情報の開示につきましては、私はあくまでも「財務情報」自体が開示の対象であって、内部統制そのものが開示の対象ではない、といった見解を述べましたが、これにはYOSHIさんや とくめいきぼう さんより異論若干のご意見を頂戴いたしました。最初に申し上げておきますが、最近の内部統制関連の新聞記事や、HPでの特集などを見ておりましても、「内部統制の見える化」は日本版SOX法と関係がある、企業活動の透明性を促す、といった立場(解釈?)が主流のようであることは間違いございません。私の意見は「本当にそうなのかな?」といった問題点を指摘させていただいているものですから、そのつもりでお読みいただきますと幸いです。

エントリーのなかでも少し触れておりますが、私は「会社法における内部統制システムの構築」論につきましては、「見せる内部統制」といった概念は成立するものであると考えておりますが、いわゆる日本版SOX法といわれるところの「金融商品取引法における内部統制評価報告実務」におきましては、やはり「みえる化」(見せる化)とは関係ないものと思っております。(文書化やフローチャート、情報の記録保管といった要請は当然にございますので、これも「見せる化」になるといわれればそうかもしれませんが、これらは経営者自身による客観的評価を担保したり、監査人による監査のための証憑にすぎないものでありまして、やはり一般投資家に対して内部統制の仕組みを理解してもらう、といったものではありません。)金融商品取引法における企業情報の開示という概念につきましては、自己責任を負担してもらうために必要な一般投資家への正確な情報開示、ということが基本になるはずです。したがいまして、この内部統制報告実務が金融商品取引法によって規定されている以上は、「開示」という概念も、どうしても投資家への情報提供といった意味合いが強いのではないでしょうか。そうしますと、どうしても詳細な内部統制システムそのものが「見せる」(見える?)対象とは考えにくいように思われます。もちろん、監査役や内部監査人におけるモニタリングということも「見える化」のひとつである、といった意見もあるかもしれませんが、私の理解では、それは会社法における内部統制、つまり(そういったモニタリングの制度も含めて)コーポレートガバナンスの状況として、株主による評価の対象となるものと考えれば足りるものであって、金融商品取引法のなかに採り入れる必要はないのではないか、と考えておりますが、いかがでしょうか。

そもそも日本版SOX法と企業開示をくっつけてしまいますと、「それでは目に見えないものは評価されないの?」といった問題にぶつかってしまいます。けっしてそんなことはないわけでして、たとえばYOSHIさんが指摘しておられる「監査役は株主に代わってモニタリングをしているから、開示にあたるのではないか」といったところも真実ですから、こういった監査役や内部監査人の努力といったものは「全社的内部統制」や「統制環境」への評価として取り込むべきだと思います。内部統制評価報告実務の制度と代表者確認制度というものを財務諸表の信頼性確保のために「本当に役立つもの」として日本の法務会計制度に根付かせるためには、できるだけ「内部統制の限界範囲を狭くすること」と経営者自身が評価したと「擬制する」根拠をしっかりと考えることでしょうから、その工夫は、会社法上は別として金融商品取引法上では、あまり「見せる化」「見える化」にこだわらないことです。

金融商品取引法の制度趣旨と内部統制評価報告実務との関係を図示すれば、以下のようになる、と私は理解しております。

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本来、金融商品取引法は「投資サービス法」として成立したものでありますが、最近の不正会計事件や、有価証券報告書の訂正問題が極めて投資家の市場への信頼を低下させるものであるために、「企業情報の信頼性向上」といった要請も取り込んでいるものと理解されます。そういった理解のともで、金融商品取引法の制度趣旨との整合性を考えますと、上記のような図式化が成り立つのではないでしょうか。なお、確認書制度は現在は取引所ルールでありますが、内部統制評価報告実務がスタートする時点で同時に施行される予定であります。確認書制度は、有価証券報告書や四半期報告書の全般に及ぶものですから、その開示情報全体において経営者の記載事項の確認書が要求されることとなりますが、内部統制は「財務諸表等の計算書類」の信頼性確保ということになり、具体的な範囲におきましては今後の実施基準によって決まるものと考えられます。「その他の企業情報」というところにつきましては、内部統制システムによって正確性が確保される、というものではありませんので、そこには別途「開示統制」を各企業に要請することになります。(この開示統制問題と適時開示ルールにつきましては、また明日にでも続きとしてアップいたします)

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