2006年12月 1日 (金)

スティール対日清食品はあるのか?

スティール・パートナーズの明星食品に対するTOBが不成立に終わり、明星社もホワイトナイトの日清食品社もとりあえず一息・・・と思ったところに、スティール社による日清食品株の買い増し。スティール社が日清食品の筆頭株主となった模様、とのことであります(朝日新聞ニュース)スティール社が日清食品の大株主であったことは、私も存じ上げておりましたが、こういった展開になることは、正直予想もしておりませんでした。ただ、当事会社には財務アドバイザーがおつきになっておられるでしょうから、このような展開もいちおうは「想定の範囲内」ということになるのでしょうかね。いや、まだ日清食品のTOB期間(12月14日まで)でありますから、TOBの帰趨のほうに留意されていて、想定外、ということもあったかもしれませんね。

ホワイトナイトとしてTOBをかけた企業が直後に敵対的買収のターゲットになる、というのは、現経営陣にとっては厳しいところがありますね。たとえば日清食品社の経営陣は、明星食品社の株価に30%の支配権プレミアム(30%の株式取得を目指すときにも、このような高額の支配権プレミアムをつけるのが通常なのでしょうか?そこのあたりも株主への説明を要すると思うのですが)をつけてTOBをかけるわけですから、明星との企業提携が日清の企業価値を高めることになる、と説明をされているわけであります。つまり企業文化が異なっていても、同業者が手を結んで規模を大きくすることは、食品業界にとっては大きなメリットがあることを公言したことになります。ということは、もし日清社が同業他社から買収提案を受けたときには、現経営陣は同じ姿勢で臨まなければならない、ということになりますよね。手のひらを返したように「いやいや、わが社は従業員を大切にしているから、従業員の意向を無視して企業価値を考えることはできない」と言いながら、買収防衛策を導入することはできないように思います。独禁法の競争制限の関係で、日本の同業他社がホワイトナイトとして出現することはないと思いますが、外国企業が救済の手を差し伸べる・・・ということは考えられるでしょうし、三角合併解禁を前にして、そのあたりまでスティールパートナーズが考えているということも十分にあり得るのではないでしょうか。870円という金額でTOBが成立した後の日清食品社に、いわゆる時価総額が含み資産との関係で「割安」とは考えられませんから、さらに大きな再編を期待しての買い増し、とみることも十分予想されると思いますが、いかがでしょうか。

しかし、日清食品社の大株主に三菱商事社が控えています。先日の王子製紙・北越製紙の買収騒動のときと同様、三菱商事社がなんらかの動きをすることも予想されますね。事業再編型の買収問題が浮上したときには、それが友好的であろうと敵対的であろうと(短期的利益に大きな影響力を有する事業効率化のカギを握っているであろう)大手商社の役割というものが今後ますます大きくなるのではないでしょうか。今後の商社さんの動きに一番注目したいと思っております。

12月 1, 2006 スティール対日清食品 | | コメント (2) | トラックバック (0)