2007年1月31日 (水)

日興CG特別調査委員会報告書(速報版)

ざっと資料も含めて120ページほどの日興コーディアルグループ特別調査委員会報告書を読ませていただきました。(しかし、ある程度の興味もしくは関心をもってフォローしておかないと、これはザッと読むのもシンドイですよね・・・)すでに前のエントリーにおきまして、この調査委員会の「プロによる事実認定と事実分析が大いに楽しみ」と書いておりましたが、予想をはるかに超えた内容で、ひさしぶりにドキドキさせていただきました。あまりにも多くのことを感想として抱きましたので、またきちんと読ませていただいたうえで、考えをまとめていきたいと思っております。また、いろいろな方と議論しながら今後の不正検査の実務の参考にさせていただこうかと思っております。本来、こういった調査報告書といいますのは、これで「自己完結型」を目指そうとするわけでありますが、詳細な事実調査のうえで、不正関与が疑われている役職員の方々に対して反論の余地をきちんと残しているところが「スゴイ」ですね。逆に、ここできちんとした反論ができない場合には、そのこと自体が不正行為への関与を決定付ける(つまり事実とその責任が確定する)といった流れになるんじゃないでしょうか。

各新聞やニュースの報道では、この報告書が「組織的関与を認定した」と書いておられるようですが、どこを読んだら「組織的関与が認定された」と理解できるのでしょうかね?私の理解ではそもそも「組織」というのはNPIのことなのか、NCC(報告書では、日興CG本体をNCCと表示)まで含めてのことなのか、というところもよくわかりませんし、なにぶん「ドレッシング」(粉飾)の動機がどこにあったのかすら、よく理解できておりません。おそらく組織的関与があった(組織ぐるみ)といえるためには、これに関与した人たちの不正行為に対する動機がどこにあったのか、といったところに結論を出さないと断定はできないのではないでしょうか?(調査委員の方の記者会見での発言によれば、業績連動報酬による個人的利益の問題ではないか・・・とのことでありますが、そういった記載は報告書には見当たらないようであります)ただ、報告書のなかで示されている「会議メモ」(全文が掲載されております)が「何を語るのか」、このあたりも関心のあるところですし、忽然とサーバーから消えたNPI元社長のメールの内容が、じつはもっとも「組織的関与」にとって重要な事項が含まれていたのではないか、などと考えますと「ITと内部統制の重要性」に思い至るところでもあります。また、組織的関与というところが(私的には)もうひとつはっきりしておりませんので、旧中央青山の関与、といったところも不明なままになっているように読めますが、いかがでしょうか。

また法律家や会計士さんのブログなどで、いろいろと話題になると思いますが、国税OB、公認会計士、証券業務に精通された著名な弁護士の方々を含めて構成されている監査委員会の本件に関する対応(監査委員会の活動状況)は実に興味深いところであります。社外役員の身の処し方について、大いに参考になるところであり、これも今後の検討課題になろうかと思われます。あと、監査法人のセカンドオピニオンの問題とか、企業情報の開示のあり方とか、そのあたりの企業会計にまつわる問題点もありそうです。(とりあえず、第一印象のみ記しておきます)

1月 31, 2007 日興CG特別調査委員会報告書 | | コメント (4) | トラックバック (0)