2017年2月23日 (木)

空売り投資家は悪か?-ファンダメンタルズ分析とガバナンス

まずは、連日続報をお伝えしている産地偽装米騒動の話題です。産地偽装を疑われている京都の米卸会社は、農協監査士の調査結果を第5報としてリリースしています。「ここ数年の間、当社の倉庫には一切中国米が納品されていないことが証明されたのだから、そもそも中国産米の混入はありえない」とのこと。さらに、本日(2月22日)のリリースでは、ついに週刊ダイヤモンドの記事の真実性を基礎付けている同位体研究所さんの分析結果の信用性を否定する根拠資料を公開しています(こうなると、同位体研究所さんの信用問題にまで発展してきますね)。最初は米卸会社が産地偽装米を流通させたかのような報道姿勢だったテレビ局も、このところは米卸会社寄りの報道姿勢に変わりつつあります。しかし農水省の調査はどこまで進捗しているのでしょうか?これだけ国民の「食の安全」に関わる重大な疑惑であるにもかかわらず、なぜマスコミは農水省の調査状況をまったく報じないのでしょうか?

さて、本日は私がコーディネーターを務め、東芝の取締役監査委員(A氏、肩書は当時)の方をパネリストにお招きした監査役全国会議の議事録を、月刊監査役2012年7月号で読み返しておりました。当時はオリンパス事件で会計不正問題への関心が高く、私がA氏に対して意地悪く、「オリンパスさんでは『モノが言えない雰囲気があった』と第三者委員会報告書で指摘されていましたが、失礼ながら東芝さんでは経営執行部に対して『モノが言えない雰囲気』はありますでしょうか?」と質問しています(同28頁)。

私のたいへん失礼な質問に、A氏は嫌な顔ひとつせず、熱心に東芝のガバナンス、内部統制の仕組みを図表を用いて説明され(同29頁)、「私ども東芝は、委員会設置会社であり、モノが言えない雰囲気や監査がやりにくい雰囲気は一切ありません」と回答されました。私を含め、2000人以上の聴講者の方々が、「さすが日本を代表する企業はすごい。あれは人的にも物的にも資源が豊富だからできるのであって、うちの会社ではあそこまではできないなぁ」といった感想を抱きました。あのときのA氏の説明はとても真摯なものであり、ガバナンス、内部統制の構築に向けた意識は極めて高いものでした。

しかし、東芝という著名企業が事業解体の危機に至ったということ、しかもPLに関連する会計不正をきっかけとして、深刻なBS上の会計不正が明らかになったという時系列をたどったこと等に鑑みると、どんな有名企業であったとしても、会計不正によって「真の企業価値」が露呈する可能性はあるのだ、ということを改めて認識するところです。昨年から今年にかけて、日本を代表する著名企業に対して国内外の空売り投資家やリサーチ会社から、「この会社は会計不正のおそれがある」との意見が公表される機会がとても増えていますが、果たしてこのような空売り投資家と呼ばれる人たちが、本当に悪者なのかどうかは一度真剣に議論してみる必要があるように思います。ちょうど金融庁の会計不正企業摘発のスコープも「ハコ企業から実業企業へ」と移行している最中ですし、こういった議論がなされることは世間的にも歓迎されるのではないでしょうか。

ちなみにFACTAの最新号(2017年3月号)に、マディ・ウォーターズ日本代表を務めるミラー和空氏の「空売り投資家の日本電産批判は『悪』か?」というタイトルの論稿が掲載されていまして、その中で空売り投資家を批判する証券アナリストと空売り投資家との議論が対話形式で掲載されていて、とても興味深いものでした(ミラー和空氏という名前をご記憶の方もいらっしゃるかもしれませんが、あのオリンパス事件でウッドフォード氏によるオリンパス告発を支えておられた方ですね)。なんといっても「天下の日本電産」を相手にしたのですから、世間的には「そんなことありえない!あんな好感度の高いカリスマ経営者の会社を相手にケンカ売ると、そっちがケガしちゃうよ(笑)」といった批判をかなり浴びたものと思います。

ただ今回の東芝事件を経験してみると、ファンダメンタルズ派の投資家の方々にとっては、バイサイドの意見だけでなく、セルサイドの意見もいろいろと出てきたほうが投資判断に資する、という面はあることも否定できないように思います。たしかにいたずらに不安をあおり、一般投資家の狼狽売りを助長するなかで利益を上げるという面には倫理上の疑問もありますが、どんなに著名な企業、どんなに著名な経営者の名前があったとしても、それだけでバイアスが働くことは先の監査役全国会議の雰囲気からも明らかです。オリンパス事件のときも、海外のマスコミが取り上げるまで、日本のマスコミは一切動きませんでした。虚偽情報やインサイダー情報を活用することは一切許されませんが、ガバナンスや内部統制の脆弱性を突いて、財務報告の信頼性に疑問を投げかけるというのも、投資家の意識喚起にとっては重要なことではないでしょうか。空売り投資家を「好きか、嫌いか」は自由な判断だと思いますが、市場の健全性確保のために必要かどうかは別途議論の余地があるように思います。

 

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2016年11月23日 (水)

GPIFの運用委託先が選ぶ「優れたコーポレート・ガバナンス報告書」に選出されました。

(といっても私ではございませんが)私が社外取締役を務めております大東建託が、このたびGPIFの運用委託先が選ぶ「優れたコーポレート・ガバナンス報告書」を公表する企業(6社)に選ばれました。花王さん、オムロンさん、荏原製作所さん、ディスコさん、資生堂さんに並んで選出されたということは(私のことのように?)光栄に存じます。選出理由として、コード73項目に独特の立場から解説をしており、これまでの企業姿勢との整合性もあり、経営の透明性が感じられるとのことで、まさに評価をしていただきたい点が評価されたものと思います。どうもありがとうございます<m(__)m>。

ちなみに花王さんの選出評価の中に「これまでコンプライとしていたものを、真摯な姿勢で見直した末にエクスプレインに転じた姿勢」と記されています。これ、私もまったく同感です。アリバイ工作ではなく、本気でコードを社内に浸透させようと思って検討してみると、実はコンプライしているというものではなく、エクスプレインしなければならないということがわかった」という事態に直面するはずです。世間ではコンプライすることが重要だと言われる中で、うちの会社ではコンプライしないほうが企業価値を向上させることができるのではないか、と思ったときに堂々とエイクスプレインすればよいのではないでしょうか。また、今後コンプライする予定だと述べる場合でも、進捗状況を機関投資家に示すことは「ガバナンス改革に前向きな姿勢」が理解されるものと思います。

GPIFさんでは、「優れた統合報告書」も合わせて発表しているので、そこで示されている会社さんの統合報告書も、今後の参考としてじっくり拝読させていただきます(ちなみに9社というのはカプコンさん、オムロンさん、味の素さん、ポーラ・オルビスHDさん、丸井グループさん、三菱商事さん、大和ハウス工業さん、堀場製作所さん、三菱重工業さんとのこと。)

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2015年6月 3日 (水)

東芝不適切会計事件-内部統制からみた社外取締役の役割

コーポレートガバナンス改革の中、大手法律事務所さんが「コード・監査等委員会・グループ内部統制-変わるコーポレートガバナンス」(日本経済新聞出版社 2015年5月)なる本を出版されました。タイトルのとおり、ガバナンス・コード、会社法改正に関連するタイムリーなテーマを網羅しておられ、私のような法律家にもたいへん勉強になり、また上場会社の経営者、法務担当者、IR担当者の方々にお勧めしたい一冊です。

ところで本書でたいへん興味深いのは「第3章グループ内部統制」における座談会収録記事において、先進的なグループガバナンス・内部統制を構築しておられるモデル企業として東芝さんが登場されているところです。東芝の監査委員である取締役さん(東芝さんは指名委員会等設置会社です)が自社の内部統制について図表を用いながら詳細に解説をされています。私はその解説記事を読み、(3・11の事故前の東京電力さんと同様)非常に素晴らしい内部統制システムを構築されているなぁ、これは人的・物的資源が豊富な東芝さんだからこそ構築できるのであり、なかなかここまで優秀な内部統制システムが他社で構築できるだろうか・・・と感じました。

ただ、このような名門企業でも今回のような会計不正事件が発生し、「内部統制が不十分だった」と記者会見で社長が悔しがるような事態に至っててしまうわけです。ちなみに東芝さんの場合、「不祥事は起こしてはいけない、起こさないためにはどうするか」といった視点、つまり未然防止の視点だけでなく、「不祥事は起きる、起きた時にどうすべきか」といった視点、つまり不正の早期発見のための内部統制にも配慮していたことがうかがわれます。たとえば、座談会記事によりますと、東芝グループにおいて重大な不正が発生した場合には、すみやかにクライシス情報が経営陣に届くような報告体制を整備している、とあり、その重大な不正には「虚偽報告リスク」も含まれているそうです(PDCAも重視されているようなので、おそらく報告体制の運用についてもチェックされていたものと思います)。

この「不正発生時の報告体制」の運用がどのようなものであったのかは、第三者委員会による調査結果でも出ないかぎり不明です。このたびの会計不正事件の発端は金融庁への内部告発だったそうですが、(これは私の経験からの推測ですが)社員がいきなり内部告発をする、という事態は考えられません。まず最初は上司に「おかしいのではないか」と相談し、上司に相手にされなければ内部通報制度に申告し(東芝さんはこの内部通報制度の運用にも注力されていることが上記座談会記事に記載されています)、それでも会社が動かなければ監査法人に通報し、それでも問題視されない場合に外部(マスコミや監督官庁等)に内部告発をするという過程をたどるのが通常のパターンです。したがって、本件でも不適切な会計に関する情報が全く経営陣に届いていなかったかどうかは疑わしいところですが、かりに届いていなかっとすれば、それはクライシスマネジメントとしての報告体制が機能していなかった、ということになります。

報告体制が機能しなかったと思われる要因は、まず「粉飾」の境界の曖昧さにあります。どこまでが「適切な会計基準の適用」で、どこからが「不適切な会計処理」なのか、その境界は不明瞭です。これを常に意識していれば問題を早期に解決できますが、「粉飾スレスレの会計処理を行うことがこの部署の腕の見せ所であり、経営陣から評価を受けるポイント」と上司から言われ続けていれば担当者の目も曇ります。後日、問題を第三者から指摘されて初めて「ああ、知らないうちに境界線を超えていたのか」と反省することになります。現場が不正だと認識できない状況において、そもそも不正など報告できるはずはありません。

また、社員の勝手な「今だけ理論」があります。なにかおかしい・・・と感じる行動があったとしても、「まあ、これは今だけだから。状況が変わればいつでも修正できるから。」といった理屈の立つ不正は「社内常識の範囲」になります。工事進行基準の不適切処理があったとされますが、これも後日の原価計算の修正等によって適正なものに回復できると考えますと、とりあえず業績を好調に見せる必要があれば「今だけ」ということで報告すべき対象から安易に除外してしまうことになります。

さらに危機対応としての報告体制が機能しなくなる要因として「伝達経路のバイアス」が大きな問題です。自分の責任が問われかねない情報が伝達される場合、話すほうは「たいしたことはありませんが・・・」と話し、聞くほうは「聞きたいことだけを聴く」ようになります。人間は今自分が有事に立ち至っていることを認めたくないので、「今、自分は平時である」ということに安心できる情報だけを伝えたいし、聴きたいのです(私もそうですし、皆さんもたぶんそうだと思います)。「そんな小さな子会社のことでどうして」とか「確実な証拠もないのにどうして騒ぐのか」「ああ、あいつは昔から変わった男だから・・・」といった理屈で安心しようとします。実際、私が危機対応の仕事をする中でも、金融庁に内部告発されてしまった場合に、「そんな問題を取り上げるほど当局(監視委員会)はヒマじゃないでしょ」「そんなこと監査法人にチクったって、監査法人だって自分たちのミスになるから取り上げないでしょ」といった役員さん方の(極めて楽観的な)意見を何度も耳にしました。そのような理屈が立ったところでほぼすべての役員さんが思考停止に陥ります。

有事には知識は役に立たず、知恵しか役に立ちません。その知恵とは「有事には人間の心にバイアスがかかる」ということです。バイアスのかかった人間の心に内省を促すのは事態を見つめなおす正当性の根拠しかありません。経営幹部であれば社長の命令であり、そして社長であれば(自分がお願いして来てもらった)社外取締役の指示です。人から言われて「ああ、そうですか」といったたやすいものではなく、自分の意思で有事であることを見つめ直すしか方法がないのであり、そこには「正当性の根拠」が必要となります。

私は「守りのガバナンス」ではなく「攻めのガバナンス」が求められる昨今、内部統制の視点から社外取締役に期待される行動は、一次不祥事の防止のための施策ではなく、二次不祥事の防止のための行動だと考えます。このたびの東芝さんの会計不祥事も例外ではなく、そもそも社外取締役が何人いたとしても、上場会社が競争社会の組織である以上、かならず不正は発生します。しかしその発生した不祥事をどのように発見し、早期に食い止めるか・・・、また社内で放置しようと考えている役員の「不作為による暴走」をいかに食い止めるか、という点にこそ、社外役員の重要な役割があると思います。先日、ホンダ社が全米リコールを決めたのが(元三菱UFJ銀行頭取だった)社外取締役の一言だった、と報じられましたが、あの一言こそ有事の組織に必要とされるところではないでしょうか。人の意見をすぐに聞くような社長さんはいないはずです。他人の意見をいったん自分の中で咀嚼して、内省の結果として社長自らの意思で決断するのです。その咀嚼、内省は外部のコンサルタントや弁護士の意見が誘因とはなりえず、唯一動かすことができる正当性の根拠となりうるのは、取締役会内部の社外役員の意見ではないか、と思うのです。

6月2日夕方のNHKニュースにて、藤沢市役所における情報管理体制を改善する試みが報じられていました。市の職員全員のパソコンに「抜き打ち」でウイルスメールを送りつけたところ、約4割の職員がついうっかりそのファイルを開けてしまったそうです。この結果から「職員はどうしてもファイルを開けてしまう。ならば開けてしまうことを前提にどうやって個人情報を守るかを考えなければならない」として、市は職員のパソコンと個人情報を取り扱うパソコンの接続を完全に分断し、さらにウイルスに感染したことが疑われる事態になると警告を発するシステムを導入したそうです。このようなシステムを導入することで、はじめて職員の方々が「ついうっかり」の事実をすみやかに上司に報告できる体制が整うはずです。企業のリスク管理にも、やはりこのようなシステムが必要です。このたびのガバナンス改革では「健全なリスクテイク」が求められていますが、何が健全なリスクテイクなのか、言葉の遊びのような抽象的なものではなく、各社において十分に検討する必要があると思います。

そして私は一例として、「不正はかならず当社でも起きる。起きた時に、どうすれば冷静に最善策を検討できるか」ということを(平時にこそ)社外役員とともに考えておくべきことをお勧めします。コーポレートガバナンス・コードの補充原則2-5①では社外取締役が内部通報の窓口になることが推奨されていますし、補充原則4-13②、③では社外取締役が積極的に情報入手ために専門家を活用したり、内部監査部門と連携することが推奨されています。このような指針を参考にしながら、「健全なリスクテイク」の具体的な中身を検討すべきです。

昨日、ある上場会社の社内役員の方と食事をしましたが、その際「うちの社外取締役はいったん意思決定した経営判断であったとしても、『もう少し中身について検討を加えてうえで再度決議すべきだ』として、臨時取締役会を求めるのです。もちろん社長以下、忙しくて集まれないのですが、なんとかテレビ会議と電話会議を使って臨時取締役会を開催しました。うちの会社でテレビ会議とが使ったのは初めてですよ」とおっしゃっていました。これが正しいのかどうかはわかりませんが、少なくとも外からは絶対に見えない取締役会の雰囲気が変わる瞬間だと思います。社長の意思決定に影響を与える「正当性の根拠」がひとつ増えたことを意味するものであり、こういったことが積み重なれば、健全なリスクテイクが可能となり、たとえ不祥事が発生したとしても「組織ぐるみ」「経営者関与」といったマスコミからの批判は受けずに済む組織になるものと思うところです。

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2015年4月14日 (火)

コーポレートガバナンス・コードの実務対応に関する素朴な疑問

(4月18日 追記・修正)

ひさしぶりの「素朴な疑問」シリーズであります。聞くは一時の恥、聞かぬは・・・と申しますので、あえて今ホットな話題のコーポレートガバナンス・コードの実務対応に関する疑問です。うーーーん、よくわかりません。ホントに素朴な疑問なので、もし前提のところで誤っておりましたらごめんなさいです(訂正させていただきます)。

疑問その1 ガバナンス報告書の提出期限について

東証規則により、ガバナンス・コードの開示事項については(原則として)コーポレートガバナンス報告書に記載することになります。6月定時総会の上場会社の場合、遅くとも今年の年末までにコーポレートガバナンス報告書への記載を済ませばよい、とのことですが、では来年3月定時総会の会社の場合はどうなるのでしょうか?来年の3月から6カ月の猶予期間あるのか、それとも3月総会の後すみやかに提出(つまり4月中に記載)をしなければならないのか?もし3月総会の会社が、総会から6カ月の猶予があるとすると、6月総会の会社が2回目の記載を済ませた後に初めて(適用後の)ガバナンス報告書を提出するということになるので、これはややおかしいのではないでしょうか。ということは来年3月とか5月総会の会社は原則どおり速やかに提出する、ということになるのでしょうかね?「適用初年度のみ猶予期間あり」とみるならば、どんなに遅くとも2016年の5月末までに報告書を提出せよ、ということでしょうか?

追記・ある取引所関係者の方からご連絡いただいたところによると、たとえば平成27年12月に定時株主総会を開催する会社であったとしても、そこから6カ月の猶予期間はあるそうです。

疑問その2 ガバナンス・コードの趣旨・精神の尊重義務について

コードへの対応実務として、コンプライ・オア・エクスプレインの「コンプライ」と「エクスプレイン」は同価値かどうかはひとつの疑問ですが、東証の有価証券上場規程では、445条の3によってガバナンス・コードの趣旨・精神の尊重義務が規定される予定です。この規定をもとに、「いくらエクスプレインでもよいといっても、コンプライすることが大切」との解説が多いようです。しかし、そもそもガバナンス・コードの趣旨・精神というのはプリンシプルベースの規制であることの趣旨を指しているのではないでしょうか。つまり「コンプライ・オア・エクスプレイン」であることが趣旨であり精神だといった理解も成り立つのでは?たとえ「努力義務」であったとしても、ここで東証ルールを持ち出すとルールベースの規制になってしまわないのでしょうか。コードでは対話のための付加価値ある開示が求められているのであれば、何も開示せずにコンプライするよりも、むしろ自社にふさわしいエクスプレインを行うほうがガバナンス・コードの趣旨・精神、つまりコードの趣旨に合致するように思います(つまりコンプライとエクスプレインは同価値とみたほうが自然だと思います)。

疑問その3 コード補充原則1-2②はプリンシプルか?

 

補充原則1-2②は株主の議決権行使に関する(早期の招集通知発送等)環境整備についてのコードですが、その内容はすでに有価証券上場規程446条および同施行規則437条で具体的にルール化されています(「望まれる事項」という、いわば上場企業の努力義務ですが)。そしてこの上場規則はこのたびの改定で変更される予定はありません。しかしいくら努力義務とはいえ、すでに上場規則でルール化されたものは、もはや従わなければならないものであり、説明責任を果たしつつも従わなくてもよいことを前提とするエクスプレインはありえないのでは?つまりルールであるにもかかわらず、プリンシプルベースのコードが併存するというのは矛盾ではないでしょうか?

修正:ここはそもそも「望まれる事項」としてコードが適用されるのですから、私の疑問の前提がどうも論理的におかしいものでありました。なので、いったん削除させていただきます。

疑問その4 第2章「ステークホルダーとの適切な協働」の実効性は担保できるか?

株主との対話によって実効性が担保されるべきガバナンス・コードについて、その第2章ではステークホルダーの利益配慮に関するコードが示されています。しかし株主がいくら中長期的な企業価値向上に向けた対話を行うといっても、株主以外のステークホルダーの利益配慮に向けた企業行動にどれだけ関心を向けるのでしょうか。第2章のコードは経営方針等の開示によって公表されることになりますが、とくに内容にまで踏み込んで東証の審査がなされるとは思えません。スチュワードシップ・コードにも指針3-3において社会、環境配慮に向けた対話ということは記載されていますが、「利益配慮」ということまでは踏み込んでいないと思われます。ではこの第2章はいったい誰がどのような方法で企業のコード遵守の実効性を担保するのでしょうか。

上場会社として、実際にガバナンス・コードに沿った取締役会改革を行おうとしますと、いろいろと疑問が湧いてきます。やはりプリンシプル・ベースであり、コンプライ・オア・エクスプレインであるといっても、たとえば20年の経験をもつ英国の実務などを詳細に調査してみないと対応がむずかしいと感じますね。私の事実誤認や誤解に基づくところがあるかもしれませんが、同様の素朴な疑問を抱いている方も多いかもしれません。もしお詳しい方がいらっしゃいましたらお教えいただければ幸いです。

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2015年1月16日 (金)

ガバナンス改革-社外役員と非常勤役員、その差はどこに?

最近、偶然にも3名の「社外取締役」の方、もしくはその候補者の方に別々にお会いする機会がありました。その方々に共通するのは、みなさん上場会社の社長経験者ですが、いずれも「会社法上の社外取締役ではない社外取締役」、つまり独立非常勤取締役(もしくは候補者)という点です。

会社法改正によって社外役員の「社外性要件」が厳格になります(猶予期間はありますが)。そこで今後は親会社から派遣される監査役さんが「会社法上の社外監査役」にはなれなくなるので、子会社の(会社法上の)監査役会制度を解消して「非常勤監査役さん」が増えることが予想されます。しかし監査役だけでなく、取締役にも「名刺の肩書は社外取締役」であっても、会社法上は社外取締役ではない非常勤取締役さんが増えるかも・・・という印象を持ちました。ただし監査役さんと違って、企業集団内部統制の一環ではなく、「業務執行に関与できるなら非常勤取締役をやりたい」という独立非常勤取締役への就任です。単純に業務委託契約を締結したアドバイザーというだけでは、たしかに聞く耳は持っていただけても社長への牽制までは期待できませんね。取締役会での議決権を持ち、さらに利害関係が一致するからこそ社長と本気でケンカできるのではないでしょうか。

会社法では社外取締役の選任が機関設計の要件となっていたり、社外取締役が取締役会において過半数を占めることの法的効果(権限を大幅に執行者に委譲できる等)が規定されているので、社外取締役の定義もあり、その身分では業務執行ができないことになっています。しかし、本当に企業価値を向上させるためには社外取締役が執行責任を社長と一緒にとる覚悟で業務に臨んだほうが良い、という意見の方も結構いらっしゃいます。そもそも執行に責任を負わないものが、なぜモノが言えるのか?会社の行く末に責任を負わない者が、なぜ社長の交代を進言できるのか?

理屈の上では「少数株主の利益保護のため」、「社長の暴走を止めて、コンプライアンス経営を図るため」、もう少し広く「株主利益の最大化を図るため」といった目的から社外取締役の意義を見出すのであればわかりやすいと思います。また海外から投資資金を呼び戻すため、という「株主の代弁者=社外取締役」論でも理解は可能です。しかし現在のように「持続的成長をはかり、企業価値向上を図るため」「稼ぐ力を取り戻すため」の社外取締役であれば、企業によってはむしろ、いま話題の「社外取締役さん」ではない(業務執行をガンガンやってもらい、その分、経営責任も一緒にとってもらう)非常勤取締役さんのほうがガバナンスの実効性が高まるのではないか、という意見にも一理あるように思われます(ただし現役の社長さんは、会社に迷惑をかけるリスクが高いので、法的責任制限の工夫をしないと実際には無理だとは思いますが)。

もちろん有事となれば社長と株主との利益相反状況になる可能性も高いので、執行の監督者という立場は重要ですが、平時における価値向上ということであれば一緒に業務執行にまい進する非常勤取締役という立場も十分に考えられるところかと。「社長と一緒に業務執行やらないで、なんで会社の将来の戦略なんて語れるの?実態のガバナンスは銀行と社員と株主によるガバナンスでしょ。監督者になんてホンネ言うわけないじゃないの」というある社長経験者の方の言葉が印象的でした。

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2015年1月 6日 (火)

業務執行役員と非業務執行役員の区別は重要

5日、イオンさんが大規模なグループ経営体制の改革を発表されました。昨年10月に、当ブログでも取り上げました「イオン監査役アカデミー」は、この経営体制の刷新に呼応したものなのでしょうね。将来の幹部候補者が事業会社の監査役に就任し、非業務執行役員としてスピード経営、効率的な経営を習得するというもののようです。アカデミーは年間100時間ほどかけて監査役業務を学ぶそうで、監査役がキャリアパスの一環として位置づけられているのは画期的だと思います。

さて、年初のネタはガバナンス関連のお話です。社外取締役や監査役、取締役会長等、非業務執行役員としての地位にある役員は、(その名のとおり)会社法上は会社の業務執行は行えないことになっています。しかしホンネで言えば、現実的には「これって業務執行ではないの?」といった経営執行に一部関与している社外役員や監査役の方々もいらっしゃるのではないでしょうか。とくに独立性が認められない社外取締役の方などは、あまり意識もせずに業務執行に関与されている方もおられるような気がします。グレーゾーンに足を踏み込むことへの悩みを抱えている役員さんもいらっしゃるのでは。

このような問題が、会社法違反としてそれほど大事になることはないのかもしれませんが、これが最近のガバナンス改革、とりわけ株主による取締役評価という場面になると結構重要ではないかと思います。業務執行役員と非業務執行役員の区別を明確にしていなければ、「この社外取締役さんは、きちんと自分の役割をわからずに就任しているのではないか、ここの社長さんと適切なコミュニケーションがとれていないのではないか」と機関投資家が疑問を抱くことにつながるそうです(本日、あるアセットマネジメント会社の方との年始挨拶の場で、私がそのような感想を持ちました)。

たしかに、OECDガバナンス原則(和訳)のまえがきには以下のような条項があります。

このようにコーポレト・ガバナンスとは、会社の取締役会が何を行い、いかに会社の価値を設定するか、に関わるものであり、常勤役員が行う日常的な経営管理とは区別されるべきものである。

もちろん理屈の上では社外取締役に求められる役割はいろいろと意見がありますが、すくなくともスチュワードシップ・コードが策定され、機関投資家も中長期における企業の成長に関心を抱くことになった以上、機関投資家が社外取締役に求める役割という点にも配慮が必要です。外部のコンサルタントに求められていることが社外取締役に求められているわけではなく、もっと根本的な会社の基本方針の決定や、経営執行者の利益相反行動の監視といったことに関与して、できるだけ日常の経営執行には関与しない、という姿勢を示す必要がありそうです。質の高い意思決定が可能になるよう、経営会議を傍聴したり、監査役会との協議を行ったり、報酬や人事に関する委員会に出席することも大切とのこと(私自身、どこまで励行できているかは別として)。

元旦の朝日新聞ではトマ・ピケティ氏の独占インタビューが掲載されていましたが、ピケティ氏も(ドイツの労働者参加型ガバナンスを例に出して)資本主義社会の健全な発展のためにコーポレート・ガバナンス改革も一案だとされていましたね。自社のビジネスモデルが、直面する社会的課題をいかに解決することになるのか・・・といった視点も社外取締役に求められているのかもしれません。今後、社外取締役に就任される方のための研修や教育の機会が増えるのでしょうね。

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2014年12月24日 (水)

具体と抽象の狭間に横たわるコーポレートガバナンス・コードの妙味

12月17日に公表され、来年1月23日までパブコメに付されている「コーポレートガバナンス・コード原案~会社の持続的成長と中長期的な企業価値向上のために~」ですが、その原案の「経緯及び背景」に登場するのが「中長期保有を目的とした株主との関係」、「プリンシプルベース・アプローチ」、「コンプライ・オア・エクスプレイン」です。スチュワードシップ・コードでも同じく「経緯と背景」に登場しており、これらはまさに「ガバナンス改革の車の両輪」といわれる二つのコードを結び付けるキーワードです。

いろいろなところでこのガバナンス・コード(企業行動原則)に関する議論を拝聴する機会が増えましたが、企業経営者が「これはたいへんなことになった」と嘆いておられる(23日の日経新聞「一目均衡」ご参照)のは、ガバナンス・コードの「~すべきである」、「~することが望ましい」といった行動規範性ばかりに注目が集まっているからではないでしょうか。「~すべきである」か否かは、個々の企業の置かれている経営環境によって異なるのであり、それは「具体」の世界の話です。しかし二つのコードは「抽象」の世界の話です。コードの話をするときには、この「具体」の世界で話をするのか、「抽象」の世界で議論をするのか、あらかじめ決めておかないと(コードが「ひとり歩き」してしまって)会話がかみ合いません。

そもそも今回の企業統治改革は、これまでのような「仕組み」だけの問題ではなく、「目的ある対話」という時間軸を持った「運用」の問題も含まれています。企業と株主がいったい何を話せばいいのかわからないので、とりあえず「コード」を作って、時間軸を持った会話を成り立たせましょう、ということだと私は理解しています。また、個々の株主だけでは企業との力関係が均衡しないので、企業に対する投資家の対話力を増幅するために、株主どうしで連携する際の会話のテーマにもなりえる便利なツールです。

Cfduy889会話を上手に進めるためには、具体と抽象との往復運動が大切であることは、すでにいろんなところで語られていますが、左に紹介する本書はこの「具体」と「抽象」を巡る思考の活用について、非常にわかりやすく解説されていて、今回のガバナンス改革への企業対応にも役立つものと思います。まさに企業と株主との目的ある対話では、この具体の上に抽象があること、対話にはこの往復運動が求められることを認識しておくべきだと考えます。

本書はビジネス書ともいえますし、哲学書ともいえそうな一冊ですが、立場の異なる者のコミュニケーション能力を上げるためには、双方がこの具体と抽象の概念を理解することが求められるという主張には納得します。まさに今回のガバナンス改革を支える「目的ある対話」を考えるにはピッタリではないかと。

「具体と抽象-世界が変わって見える知性のしくみ」(細谷功著dZERO社 1.800円税別)

コードを「~しなければならない」と読んだり、「他社では~しているのがあたりまえ」といったことばかりにとらわれていると、コードに従うことが目的化してしまって、コードが策定された趣旨を見失ってしまいます。たしかに、ガバナンスコードには、独立社外取締役を2名以上選任すべきである(原則4-8)と記されていますが、とくに従わなくてもペナルティはありません。改善に向けた運用などが不十分であれば議決権行使による経営責任が問われる、ということです。むしろ独立社外取締役を導入しなくてもガバナンスがしっかりしている、という企業側の理由にこそ投資家が関心を寄せるのではないでしょうか。社外取締役の数の問題を具体の世界における「二者択一」の問題と捉えるのではなく、抽象の世界における「二項対立」の問題と捉えることが、まさにプリンシプルでありコンプライ・オア・エクスプレインの考え方ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

コードはプリンシプルですから、人事・報酬・資本政策・配当政策など、およそ株主と利益相反が生じやすい課題にモニタリングが発揮できる仕組みや工夫(これこそ具体)を示すこと大切かと。条項によっては一見ルールベース・アプローチのようにも見えますが、コードの目的は「中長期的な企業価値向上」にあるのですから、株主との対話において「努力義務に優先順位をつける」ということも行われるのではないでしょうか。要は企業側から株主の資本コストを下げることに配慮している姿勢が重要だと思いますし、コードを目的化しないで個々の企業の環境に落とし込む努力をすることがまさに企業価値の向上につながるものと思います。

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2014年12月17日 (水)

王子HD社の役員人事にみる日本版スチュワードシップ・コードの課題

本日、有楽町電気ビルにおいて、実践コーポレートガバナンス研究会主催のセミナーに参加させていただき、資産運用会社ご出身の著名な方による「エンゲージメントの時代 スチュワードシップ・コードと日本における展開」という講演を拝聴してきました。機関投資家の立場で日本版スチュワードシップコードに対してどのように向き合っておられるのか、私自身も問題意識を抱いておりましたところ、歯切れの良い講演内容に、たいへん理解が深まりました。ちなみに来年2月、機関投資家の方々が集まる「投資家フォーラム」さんが東証ホールにて「模擬『株主との対話』セミナー」(正式なタイトルはわかりません・・・)を開催されるそうです。著名企業数社の方々に参加していただき、株主との目的ある対話というものはどう進めるべきなのか、ロールプレイング方式で学ぶ、というものだそうで、これはおもしろそうです。

本日の講演の中で印象に残ったのが「日本版スチュワードシップの課題」として、日米のガバナンスの在り方の相違というものでした。米国ではCEOの経営に関する支配力が絶大なので、その暴走を防ぐためには社外取締役が過半数を占める取締役会の重要性が説かれます。一方、日本では一部のワンマン経営者は存在するものの、伝統的な上場企業等では、意思決定過程が概してボトムアップであり、外からはどこで意思決定がなされているのかは非常にわかりづらい、ということでした。おもしろいのは、「日本企業では従来、組織内のステークホルダー間の相互チェックに重きを置き、内部者の関心に共鳴させることが重要」とのこと。なるほど、外からは見えづらいですが、日本企業には日本企業なりのガバナンスがあり、組織内の相互チェックということにより、企業価値向上のために管理・運営するための仕組みというものはたしかにありそうですね。

そういえば、本日(12月16日)、王子ホールディングスさんの適時開示によると、役員人事が公表されており、現経営者の方が健康上の理由により代表取締役を辞任され、今後は新しい代表取締役社長、同会長の「ふたりCEO体制」で経営に臨まれることが報じられています。また読売新聞ニュースによれば、「海外事業など、ひとりでCEOをやるのがたいへんなので二人体制にした」とのこと。「ひとりでやるのがたいへんなのでCEOを二人でやることにした」というのが外向けには納得のいく理由かどうかはわかりませんが(笑)、大型合併を繰り返してきた製紙会社の社内力学の結果とみれば、これは日本企業独特のガバナンスかもしれません。たしかに「組織内のステークホルダー間の相互チェック」が機能するはずですし、社員の関心に共鳴するものとして、今後の組織の活性化が期待できるのかもしれません。兄と弟で「ふたり代表取締役社長」という上場会社もありますので、このような体制を敷くことも意外と合理性があるように思えます。

しかし「株主との対話」が求められる昨今のコーポレートガバナンスの議論においては、結構ややこしい話ではないかな・・・と。事業の長期的なコミットメントを持つ者が組織内において誰であるかは、目的ある対話を進めたい機関投資家にとっては明確であることが必要です。この会社の事業戦略が実行されるためには、誰と対話を進めていけばよいのか、ということが外からはわかりにくいと思います。また、アドバイザリーボート型の取締役会からモニタリングボード型の取締役会への移行を目指して導入される独立社外取締役制度においても、いったい誰の業績を評価すればよいのか、とてもわかりづらいのではないでしょうか。CEO2名において、それぞれ責任分担がなされるものであったとしても、それぞれの担当分野が最終的な業績にどの程度の貢献がなされたのか、明確に区別できるものでもないように思います。

私自身は、機関投資家の受託者責任といえども、やはり短期的利益の追求によって結果を残すことこそ機関投資家の重要な業務であると考えていますので、日本版スチュワードシップコードの実効性ついては若干懐疑的ではあります。しかし、(個々の企業への対話力を強めるための)投資家集団の形成努力、アクティブファンドとパッシブファンドとの役割分担等を通じて、企業の長期的利益向上に向けて尽力している機関投資家の姿勢をお聴きして、「市場の番人」としての機関投資家の側面も重視すべきかもしれない、と認識した次第です。そうなりますと、日本企業に独特のガバナンス(社内力学に由来するガバナンス)というものが、どのように外から映るのか、今後の動向が気になってきました。

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2014年9月 1日 (月)

ガバナンス改革に求められる監督機能の攻めと守り

Ftggrtd8月30日(土曜日)、第7回の日本内部統制研究学会年次大会が法政大学で開催されました。今年の統一論題は「コーポレートガバナンス変革の時代における内部統制の課題」というタイムリーなテーマです。本テーマは、会員構成が学者、実務家、実業界ほぼ3分の1ずつという、まさに当学会にふさわしいものであったようで、写真のように会場も満席となり、たいへんに盛り上がりました。私がモデレータを務めたパネルディスカッションは、ガバナンス変革の話題として、「取締役会の機能」と「株主との対話」を中心に取り上げ、監督、監査それぞれの立場から内部統制の課題について検討する、というものでした。

私個人の感想としては、経営共創基盤の冨山和彦氏の基調講演およびパネルディスカッションでのお話がとても参考になりました。冨山さんの書かれた本などを読むと、社外取締役には経営者OBがふさわしい、ということが書かれており、弁護士や会計士などの専門家は(監査役としてはふさわしいものではあるが)取締役としては、あまり有用性がないのではないか、と考えておられるものと理解していました。しかし、複数の社外取締役の選任が推進されるなかで、社外取締役の多様性ということは、冨山氏自身、否定されていないようでした。

印象的だったのは、冨山さんが、企業活動の生理現象、病理現象という言葉を講演で活用されていたことです。社外取締役が経営評価機能を果たすために、きちんと経営指標等の数字、財務三表の数字の理解は不可欠です。しかし、社外取締役が企業活動の業績をきちんと評価する(評価できる)ためには、経営環境と企業の経営方針にズレがなく、企業内に病理現象を抱えていないことが前提となります。企業が自らの経営によって解決すべき社会的課題が何か、という点を認識するためには、様々な背景を持った社外取締役が経営に参画する必要があり、また病理的現象を抱えているかどうか、という不正リスクを評価することも、社外取締役には求められるものと理解しました。

社外取締役には攻めの機能(経営者の任免権行使によって「儲ける力」を向上させる)と、守りの機能(経営者の業績を評価するための基盤の整備)のいずれもが発揮されてこそ、モニタリングモデルとしての取締役会が充実する、というなのでしょうね。たしかに考えてみると、KPIを活用して業績を評価する土壌が安定していなければ、経営者評価ということも困難になるわけで、いくらガバナンス変革といっても、変革することで企業が変わる土壌がなければ意味がない、ということかと。非常に地道な作業ではありますが、ガバナンス改革によって組織が変わるだけの内部統制がまず構築されていなければならない、という考え方もあるのかな・・・と、思ったりしていました。ただ、攻めにしても守りにしても、会社にとって社外取締役が役に立つまでには「少なくとも3年はかかる」(冨山氏)ようなので、社外取締役といっても、6年くらいの任期は務めたほうが良いのかもしれません。

ただ、日本の取締役会の現状(業務執行取締役が中心であり、社長が監査役に至るまで、絶対的な人事権を押さえている状況)を、どのようにモニタリングモデルの取締役会に変えていけるのか、そのあたりの具体的な道筋は、まだまだ遠いもののように感じます。パネルディスカッションでは、「監査等委員会設置会社への移行に期待する」との声も出ていましたが、私個人の意見としては、モニタリングモデルの取締役会への移行が先ではないかな・・・と思ったりしています。最後になりますが、論客の皆様から多くの質問を受けておりましたが、司会進行の不手際で3問程度しかご紹介(ご回答)できなかったことをお詫び申し上げます<m(__)m>

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2013年10月10日 (木)

旧役員がオブザーバーとして出席する取締役会の功罪

経団連さんが「このたびの不祥事については看過できないものがある」として処分を検討中、と報じられているJR北海道社ですが、10月5日付けの北海道新聞WEBに、少々気になる記事がアップされています。すでに同社の取締役を退任されている元社長・会長のお二人が、退任後も取締役会に毎回オブザーバーとして出席されているとのこと(北海道新聞ニュースはこちら)。毎回、これらの旧役員の方々が取締役会に出席されていることについて、JR北海道側は「特に問題はないと考えている」と回答し、同社としては記者さんが懸念しているような事実上の影響力行使については問題なし、と認識されているようです。

取締役会は必ず取締役・監査役だけで開催しなければならない、というものでもなく、オブザーバーが出席することは珍しいものではありません。業務執行の責任者である社員さんから状況報告を受けることもありますし、ベンチャー企業の大株主のように、事実上影響力を発揮しうる立場の方が毎回出席している、というケースもあると思います。ただ、旧役員が取締役退任後も毎回取締役会に出席する、というのは、旧役員が依然として経営判断の意思決定に影響力を行使して現取締役らの議論の活性化を阻害するという点からみて、あまり好ましいものではない、という意見も出てきそうです(おそらくこの記者さんの問題意識も、そのようなところにあるように思います)。

なにが「好ましいものではない」かと言いますと、旧役員が出席している取締役会では他の取締役がモノが言えない、いつまでも旧役員の意見が通ってしまう、といった弊害を指すもののように推測されるかもしれません。しかし、現実問題として、取締役を退任後に取締役会で意見を述べる旧役員さんなど、創業家OB以外にはあまり聞いたことはありません。現場から離れて久しい旧役員さんが、何も知らずにいろいろと積極的に意見を述べて、現取締役らがモノを言えない状況になるというのは、考えてみると何も決まらない可能性が出てくるわけでして、現役の取締役が萎縮してしまうような影響力まで旧役員が行使するということは想定されにくいのではないでしょうか。むしろJR北海道社が回答しているように(必要に応じて)熟練の経験者に経営の知恵を授かる、ということは特に問題とすべきことでもないように思います。

むしろ懸念されるのは、「決められない取締役会」「監督できない取締役会」の存在です。いろいろと業務担当取締役から審議事項が上程されるのですが、個々の取締役が責任をとりたくないので、取締役会で十分な審議はしない、人の担当業務には口は出さない、しかし旧役員から何も文句が出なかったことをもって「役員会で承諾があった」と事実上擬制する、という事態は想定されます。つまり(影響力を持つ)旧役員の方々から何も意見が出ないことをもって、他の取締役らも安心して決議に賛成する、取締役会で審議をしたという形だけは残して、特定人の責任にはしない、ということです。こういった形で取締役会の運営がなされますと、監督機能を果たすべきモニタリングモデルとしての取締役会は活性化しなくなりますので、こちらのほうがガバナンス上では問題があるのではないかと思います。

特別顧問や相談役という方々は、(以前にも当ブログで書きましたように)、人事面での影響力を行使するといったことで社内力学を支配する立場にあることも多いようです。しかし会社法上の重要な業務執行機関である取締役会の運営に影響力を行使することは望ましいものではありません。私個人の意見としては、JR北海道のガバナンスの健全性を向上させるためには、取締役を退任され、業務執行から退かれた旧役員の方々は、取締役会には出席されないほうが良いと考えるところです。

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