2007年3月28日 (水)

ノーリツに対する株主提案権行使(その2)

本当は「架空循環取引と内部統制の効用」の続編を記述しようと思っておりましたが、どうしても時期的に、この話題に触れざるを得ないと思いまして、ノーリツに対する株主提案権行使の続編をアップさせていただきました。3月29日といえば、サッポロHDの株主総会において買収防衛策が否決されるかどうかが注目を集めております。ですから、いろいろなブログでもそちらのほうは話題になっているものと思われますが、私の場合は、前回のエントリーにも書かせていただきましたが、3月29日の(給湯器大手の)ノーリツの配当政策が争点とされている株主総会(神戸市)に(やっぱり)注目しております。フルサ・オルタナティブ・ストラテジーズが、前年度28円だった年間配当を、一気に300円に引き上げるよう要求し、またたとえ配当をしないとしても、320億円あまりの別途積立金を、繰越利益剰余金に振り替えることを要求しているものでありまして、こういった提案について、30%以上を保有する外国人株主(スティールパートナーズを含む)が賛同されるのか、されないのか・・・といったところに関心があります。また、前回記事でもすこし触れましたが、この総会では事前警告型の買収防衛策に関する株主承認議案も上程されておりまして、一般の株主にとりましては、双方の議案につき、どのように議決権を行使するのか、そしてその理由はなぜなのか、そのあたりも注目されるところではないでしょうか。(あまりこの話題をご存じない方は、こちらのロイター記事や、こちらの神戸新聞ニュースが参考になります。また配当政策が株価に及ぼす影響など、こちらのニッセイ基礎研究所のレポートなどが参考になるのではないか、と思います。)フルサ側のアドバイザーには証券取引法に詳しい某事務所が就いておられますし、また、ノーリツ側も、企業価値論に精通された著名な学者の方々が支援しておられますので、株主総会ではどういった論戦が繰りひろげられるのか、興味深いところです。(でも、報道されなければ、ちょっと中身まではわかりませんが・・・・そういえば、以前、神戸新聞の経済部の記者さん方とは、何度かお話させていただいたので、今回はいろいろと教えてもらえないでしょうかね・・・(^^;)。。ブログ見ていただいてたらうれしいんですけど・・・・・)

※ ところで、私事になりますが、本日(3月27日)、私の所属いたします弁護士団体の定時総会が無事終わりまして、これで1年間の役員生活も終焉を迎えることとなりました。(いちおう3月末まで、ではありますが。いやいや、自分なりには、よく頑張ったと思います。)深夜、打ち上げを終えてのブログ更新ということも多く、私的には納得のいかないエントリーしか書けないことが多かったのでありますが、今後はもう少し「まとも」なエントリーを書ける時間もとれそうであります。更新頻度よりも、納得いくエントリー、納得のいくコメントを書くことを心がけて参りますので、また大阪から発信するマニアックなブログにおつきあいくださいますよう、よろしくお願いいたします。

3月 28, 2007 ノーリツに対する株主提案権行使 | | コメント (5) | トラックバック (2)

2007年3月10日 (土)

ノーリツに対する株主提案権行使

未だ日経新聞等では記事になっていないものの、先日の「いちご旋風」に続き、この3月29日の株主総会に向けて、たいへん注目されるのが、神戸に本社を置くノーリツの少数株主(保有株0,09パーセント)による株主提案権の行使であります(読売新聞ニュースはこちら、またノーリツからリリースされております株主参考資料ついてはこちらです。該当ページは通し番号77ページあたりから)。これまでの配当金額の10倍以上の期末剰余金配当を求める(もしくは、別途積立金を大幅に配当可能となる繰越利益剰余金に振り返ることを要求する)というものであります。

筆頭株主にはスティールパートナーズ(15,3パーセント)、外国人株主が約3割を占める企業であることや、同日の株主総会におきまして、ライツプランによる敵対的買収防衛策の導入を決議にはかるタイミングでの提案であること(つまりは株主価値の最大化をはかる施策を導入する意思が企業側には存在すること)、給湯器死亡事故の公表問題や、製品の回収問題が発生していることなどと、この株主提案権がどういった関係にあるのかは、私自身は不明でありますが、いずれにしましても、株主がこういった配当要求を行い、他の株主が賛同されるのかどうか、非常に注目されるところだと思います。

理屈のうえでは、MM理論(配当無関連命題)によって、(インカムゲインとキャピタルゲインとの割合からみて)配当政策は株価には影響を与えないとされているようですが、現実には株価の向上を招来するわけでして、たとえばノーリツさんのように、安定的なキャッシュフローがあり、使途が明確でない余剰資金を大量に抱え込んでいる企業につきましては、フリーキャッシュフロー問題が深刻でありますので、株価がまったく企業価値を反映していない典型と言われております。したがいまして、長期短期云々というよりも、まず現時点における株主価値の最大化をはかるための施策としましては、他の企業の場合ですと「あまりにも過大」といわれるような大幅な増配(現金によるか、自己株式取得とするか)を敢行することが望ましいのではないでしょうか。おそらく、これは株主の本意だと思われます。しかも、取締役会としては、一方で買収防衛策を導入することとして、一方では株主提案に反対するということでありまして、このあたりの取締役会の行動といったものが、果たして株主と利益相反的にならないのかどうか(そもそも企業価値をますます株価に反映させない方向に検討されているのか)、これもまた非常に興味深い論点であります。(まだ十分に問題点を整理しておりませんので、本日は速報版ということで失礼いたします)

3月 10, 2007 ノーリツに対する株主提案権行使 | | コメント (3) | トラックバック (0)