コンプライアンス違反による倒産急増?(その2)
帝国データバンクの発表によりますと、2007年の倒産集計報告におきまして、またまた法令違反を原因とする倒産企業の数が急増した、とのことであります。(朝日新聞ニュースはこちら)ちょうど1年前に、こちらのエントリーにて、そもそも(法令違反よりも先に)経営が苦しくなったから不祥事に手を染めたのではないか、といった疑問や、不祥事がみつかりやすくなってきた社会情勢に起因するのではないかといった推測から、この報告には若干懐疑的であったわけですが、一般の倒産件数に比べて、圧倒的に伸び率が高いことや、この1年間の食品偽装→破産、民事再生といった報道内容などを顧みますと、たしかに法令違反(コンプライアンス違反)が法人の継続性に影響を与えているところは無視できないようにも思えてきました。なお、以下の表における法令違反に起因する倒産企業数は負債1億円以上のものに限ります。
上記朝日新聞ニュースにもありますように、企業の法令違反行為が発覚することで、CSR調達のように顧客から取引を打ち切られるケースもあり、また反社会的勢力との取引排除に代表されるように、金融機関からの融資継続の条件として法令違反行為の排除が要求されるなど、ビジネスの環境としてコンプライアンスが経営の命運を分ける場面も実際に増えているんじゃないでしょうか。さらに、上場企業の場合ですと監査の厳格化や内部通報制度の充実などによって、(昨年の推測どおり)そもそも法令違反が発覚しやすい土壌が次第に形成されてきたこともあるように思います。しかし、このまま倒産件数が漸増する傾向が続きますと、コンプライアンス不況なる情勢も現実味を帯びてくるようで、少し怖い気がします。
法令違反が世間に発覚する端緒として「内部告発」が圧倒的に多いことは皆様すでにご承知のことと拝察いたしますが、こういった内部告発に対して企業が真剣に向き合うための有益な資料としまして、内閣府国民生活局公益通報者保護制度ウェブサイトにて、公益通報関係裁判例集の作成検討会報告書(2年ぶりの改訂版)がリリースされているのをご存知でしょうか?(この報告書はたいへん参考になるところであります)多くの内部告発がマスコミに対して発信されている現実が集計結果として認識できますが、民間企業における内部通報制度の充実に向けた提言がなされているところも注目されます。とくに24ページから25ページあたりにおきまして、各企業が内部通報制度を整備し、かつ適正な運用を行う上で必要な点についての整理がなされておりますので、ここだけでも必見かと思います。内部通報制度が整備され、従業員に(通報制度自体が)信頼されているときには、内部通報を経ない外部通報を抑止できる可能性が高い、ということが様々な裁判例を検討した結果として提言されております。内部告発が命取りになる前に、自社のヘルプラインの運用改善のためにこういった良質な資料を活用されてはいかがでしょうか。
5月 13, 2008 コンプライアンス違反と倒産の関係 | Permalink | コメント (3) | トラックバック (0)


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