2007年8月27日 (月)

ブルドック事件と買収防衛策の見直し

スティールパートナーズのブルドックソース株式へのTOBにつきましては、結果的に2%弱の応募があったのみで、結局のところほとんどの株主がTOBに応じないことで幕を閉じたようであります。(もちろん、今後の展開としては再TOBもあり得るわけですが、とりあえず一段落といえそうです)法律雑誌「ビジネス法務10月号」などでも、「ブルドック事件に学ぶ買収防衛策の運用・見直し」なる特集記事が掲載されており、(この特集記事作成時点では未だ最高裁決定が出されていないようでありますが)もうそろそろ有識者の方々の裁判分析や、各社における買収防衛策見直し気運が高まってくる頃ではないでしょうか。私が独立委員会委員を務める某上場企業におきましても、近々、委員が集まって、今後の独立委員会の位置づけや、運用ガイドラインの改訂等協議することが決まりました。

さて、現実問題としては「見直し」が当面の課題かもしれませんが、私はもっと根本的なところで検討すべき問題があるように思えます。あくまでも結果論ではありますが、今回のブルドック事件の場合、TOBの応募状況をみますと、敵対的買収防衛策発動に関する株主総会における議決権行使状況とかなり近接した結果になっているようでありますから、そもそも買収防衛策を発動することにどれほどの意味があったのか?といった疑問が出てきても不思議はないと思います。わざわざ有事に至って買収防衛策を導入して発動することについてどれほどの有用性があったのでしょうか?TOB成立の阻止へ向けた会社側の情報開示や中期事業計画の説明のみで足りたのではないでしょうか?もし、今回の事件におきまして、ブルドック側が買収防衛策を導入していなければ、結論は変わっていたのでしょうか?たしかに「裁判におけるブルドックの完勝」といった結果を見るならば、買収防衛策を発動することいは十分な意味があるように思えます。しかし、どっちみち、ブルドック側がTOBで株式を集められないのであれば、わざわざ導入するまでもなかったんじゃないの?といった素直な意見には合理的な理由があるように思えます。このあたり、法律論というよりも、(敵対的買収者の出現、つまり事前交渉を実質的にはほとんどされなかったTOBの開始というものは、上場企業における一種の危機管理と捉えることができますので)リスクマネジメントとして「買収者出現時の対応方法」としてどう考えるのか、かなり関心の高いところであります。

買収防衛策導入ではなく、「発動すること」を宣言することで、買収者側がTOBの撤回に動くことが十分期待されるような場面であれば、本件のようにいきなりTOBを仕掛けてくる相手方には有効な危機管理手法のように思えます。詳細は不明でありますが、ブルドック側も当初はスティールのTOB撤回への期待というものもあったのではないでしょうか。しかしながら、現実にはTOBの撤回どころか、発動差止の裁判手続き(仮処分申立)に至ったものであり、またTOBの続行にまで至ったわけであります。買収防衛策が発動されたことで、もし買収者側にかなり大きな経済的損失が「合法的に」発生するのであれば、今回の裁判結果も防衛策導入への大きな意味合いを持つのかもしれませんが、株主平等の原則との関係で「買収者の経済的損失の補填を要する」と解釈されるのが一般であるならば、防衛策発動が現実化しても、買収者側として簡単にTOBを撤回してくる可能性は低くなるのではないでしょうか。そう考えますと、やはり高額の補償金を支払うことも含めまして、防衛策導入の意義といったものをもう一度検討するべきではないかと考えております。なお、その検討のなかには、買収防衛策発動にかかる株主総会を実際に開催したことと、TOBの結果との因果関係の検証も当然のことながら含まれるものと思います。

さて、上記はあくまでも「企業のリスク管理」といった観点からの意見であります。そこでは企業固有のリスク評価やその対応策としての合理性を冷静に見つめる作業が必要になるわけでありますが、「そんな悠長なことを言っている場合ではない。敵対的買収の局面はいわば『ケンカ』である。売られたケンカには負けるわけにはいかない」といった、経済的な側面だけでは説明できない要素が意外に大きいのかもしれません。本来ならまずは事前交渉があってしかるべきなのに、いきなりTOBを仕掛けてきた、とか、(先日の読売朝刊にも記載されておりましたように)スティールの代表者が、初めてブルドックの代表者と面談した際に「私はソースはきらいだ」などと言って相手方の冷静さを失わせるほどの挑発的言動に至ったといった場合、もはやリスク管理ということよりも、ケンカの世界に入ってしまったのかもしれません。まさに伝統企業の「威信」をかけての攻防を望む、ということになりますと、どんな手段を使ってでもケンカに勝つためには・・・という考え方になりますので、買収防衛策発動には十分な意味がある・・・といった方向に向かうのかもしれません。

いずれにしましても、スティールがTOBの最終攻防まで臆することなく経営支配権奪取を目指した行動をとり続けたことで、買収者側、企業側双方にとりまして、買収防衛策の運用を見直すための論点が増えたように思います。

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2007年8月10日 (金)

ブルドック最高裁決定と事前警告型防衛策の行方(3)

ブルドック最高裁決定と企業が導入している(もしくは今後導入を予定されている)事前警告型買収防衛策との関係について、これまで2回にわたって私自身の思いを述べてまいりましたが、それぞれ最高裁決定を参考としながらも、1回目は「どうしたら裁判を有利に戦えるのか」という視点、2回目は「上場企業として一般投資家から信用されるべき買収防衛策とはなにか」という視点から検討をしております。そして、今回はそもそも「最高裁判決の妥当すべき範囲はどこまでか」といった視点で検討してみたいと思います。私のブログにおきましても、katsuさんや経営コンサルタントさん、そして辰のお年ごさんはじめ、いろいろな方よりコメントをいただいており、それぞれの立場から高裁決定、最高裁決定などへの意見をいただいております。外資脅威論者の方や「モノ言う株主」を歓迎しない立場の方々からすれば、このたびの決定を受けて「ほれみろ、最高裁がお墨付きを与えたぞ。これで投資ファンドや外資による強圧的なM&Aが日本では通用しないことが証明された」とされ、いっぽうグローバルな国際分業時代の到来を待ち望んでいらっしゃる方(金融国家ニッポン)や、ガバナンス推進論者の方などからは、「司法はまったく日本の経済国家としてのあり方について理解していない。こんな司法であれば世界から失笑を買うであろう。日本の将来は真っ暗闇となった」とおっしゃいます。こういった議論は我々法律家(とくに一般の弁護士)からみると、民事、刑事、商事にかかわらず、裁判的決着をみる場合にはよくある話であります。裁判に勝訴した側に与する立場の人たちは、事例の特殊性を問題にすることなく、自分たちの主張が全面的に通ったと考え、また敗訴したほうに与する方は、裁判の妥当範囲を広くとらえて、こんな思想がまかりとおるようでは、司法も腐敗したものだ、と立腹され、もしくはお嘆きになるわけであります。

普段から裁判制度を身近なものとして捉えておられない一般の方々に向けて、こういった社会的に大きな影響を与えかねない最高裁の判断が出た場合に、法律家には、この「最高裁の判断の妥当する範囲はどこまでか」を説明する責任があると思います。それはこういったM&Aに詳しい弁護士の方々の重要な仕事かもしれませんし、また著名な商法学者の先生方の大切な仕事なのかもしれません。今朝(8月9日)の日経朝刊におきまして、有識者のどなたかが「日本にも金融裁判所を創設すべし」とおっしゃっていましたが、まさに的を得たひとつの見解かと思います。日本の裁判所は、あくまでも紛争解決のための機関でありまして、政策形成機能としては「憲法裁判所」すら存在しないのであります。もし裁判官がM&Aの行く末を案じて、なんらかの政策形成的判決を出したいと考えましても、それは原告、被告双方の弁護士さん方がお出しになられた「争点」への判断に拘束されるわけでして、またその目の前の事件を解決する範囲でのみしか判断をしてはいけないわけであります。ましてや、最高裁のように、その判断が後世まで絶大なる影響力を有する判断を下す機関であればなおさら、政策形成的な判断は謙抑的にならざるをえないはずです。そのように考えますと、このたびのブルドック最高裁決定につきましては、①この紛争解決にあたって、双方の代理人が提示した争点に過不足はなかったのか、②この判断理由部分は、どこまでの事例に適用されるべきものなのか、事実のうち、どの部分が異なれば、まったく最高裁の先例が及ばないものと考えるのか、③会社法や金融商品取引法の解釈が問題となるのであれば、それはいったいどの条文の解釈が問題となるのであって、その条文の正当性をささえる根拠(立法事実)は時代とともに変容しやすいものなのかどうか等、きちんとした仕訳作業を法律家が行わなければ、今後の事前警告型の買収防衛策の巧拙は本来語れないものではないか、と私は考えております。

たとえば今回(かりの話でありますが)、スティールは「濫用的買収者」だけれども、ブルドックの防衛策発動が、既存の一般株主に多大な経済的損失を出すものであるから、その防衛策の「相当性」に問題があるために、違法な防衛策である、したがって発動は差止られるべきである、といった決定が出たとしましょう。こういった決定が出たとしますと、実質的にはスティールは勝訴するわけでありますから、「濫用的買収者」と認定されたことに不満はあっても不服申し立てはできないわけであります。これは日本に金融裁判所というものが存在しないわけでありまして、紛争解決機能のみを果たす日本の裁判制度からみますと、やむをえない結果であります。また、双方代理人の論点の立て方の巧拙次第では、こういった決定が出てしまう可能性も、現実にはあったかもしれません。もし、こういった決定が実際に出された場合、皆様方は今回のスティールとブルドックとの「代理戦争」的な結末をどのように解説されたでしょうか。

(法に触れないかぎり  注1)どんな手を使ってでも、クライアントのために勝利に導くことも、法律家としてのプロの仕事として高い評価を受けるものだと思います。しかしながら、それに匹敵するほど、先に述べたような仕訳作業を行い、どんな時代であれば、またどんな事案であれば、どういった防衛策がもっとも効果的(勝てる、という意味や、社会的信用を維持できる、という意味で)かを検証できる法律家もまた、プロとして高い評価を受けるべきものだと思います。もちろん、商事裁判に基づく仕訳作業ですから、税務、会計、証券分野、会社法実務等すべてにある程度精通していなければ、適切な分析は困難でしょうし、その仕訳の巧拙はおそらく公開の場における評価によって理解されるはずだと思います。こういったM&A実務に関与されている方々にとりましては、今後始まるであろう、そういった法律家の仕訳作業に冷静にご注目いただければ、さらに今回の最高裁決定の自社防衛策への応用に資するヒントが得られるのではないか・・・と(私は)考えております。

(注1)「法に触れないかぎり」の法とは、弁護士法も含みます。したがいまして実定法違反ということだけでなく、弁護士としての品位を汚す手法を用いたり、所属弁護士会の社会的信用を毀損するような手法を用いることも、当然のことながら禁止されます。

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2007年8月 9日 (木)

ブルドック最高裁決定と事前警告型防衛策の行方(2)

今年6月22日に東証は「上場制度総合整備プログラム2007に基づく上場制度の整備等について」をリリースされ、そのなかで「企業行動規範」を制定する方針について定めておられます。(詳細は、株式会社大和総研の「東証の企業行動規範(案)」解説をご参照ください)この企業行動規範(企業行動に関する行為規範)といいますのは、上場企業に対して、その社会的な信用ある立場にふさわしい行動を求める上場規則(上場ルール)となるわけでして、これまでにも要望事項として公表されているものや、このたび新設される内容などがひとつのルールとしてまとめられるもののようです。(今年10月ころに正式に公表される予定。ルール違反には「勧告」や「公表」などのペナルティあり)この「行動規範(案)」のなかには、たくさんの注目すべき内容が含まれているわけでありますが、「買収防衛策の導入に係る尊重事項」という項目も存在するようであります。

これは、現行の適時開示規則1の3をまとめたものだと思いますが、先の大和総研社の解説によりますと、東証上場企業の場合、買収防衛策を導入する場合には、①開示の十分性、②透明性、③流通市場への影響、④株主の権利の尊重、以上四点について尊重義務がある、とされております。 (なお尊重義務違反にはペナルティとして公表措置がとられることとなります)本日(8月8日)、ブルドック事件の最高裁決定を受けて、スティール側はTOB価格を4分の1に値下げして、期間延長のうえで手続きの続行を公表されたわけでして、今後のTOBの成り行きが注目されるところでありますが、このたびの一連のブルドック事件に関連する法務、税務そして資本市場における株価への影響などを総合的に観察したうえで、すでに導入されている企業の買収防衛策や、今後導入を予定される上場企業のスキームとして、この東証の行動規範に合致する買収防衛策とは、一体どういったスキームとなるのか、検討する必要がありそうですね。事前警告型の買収防衛策と導入した企業(もしくは今後導入しようとされている企業)としましては、「裁判になったときでも、負けない(つまり、買収防衛策発動が差止められない)スキーム」について、まず検討することは当然としましても、それと同時に、こういった各証券取引所が今秋以降に制定される「企業行動規範」のルールに合致することにつきましても配慮が必要なのかもしれません。裁判におきましては、現在の株主の共同利益が確保されるかどうか、といった視点だったものが、行動規範のうえでは、将来の株主(一般投資家)の利益確保といった視点も要求されることになりそうであります。

そこで、先に掲げました防衛策導入の際における尊重義務4点を、もうすこし詳しくお知りになりたいという方は、旬刊商事法務1760号(2006年3月5日号)の論稿「買収防衛策導入に係る上場制度の整備」(当時の東京証券取引所上場部企画担当、飯田一弘氏)をご一読ください。この論稿で解説されているところを要約いたしますと、(1)開示の十分性とは、「買収防衛策に関して必要かつ十分な適時開示を行うこと」(2)透明性とは「買収防衛策の発動及び廃止の条件が経営者の恣意的な判断に依存するものでないこと」(3)流通市場への影響とは「株式の価格形成を著しく不安定にする要因その他投資者に不測の損害を与える要因を含む買収防衛策でないこと」、そして(4)株主権の尊重とは「株主の権利内容およびその行使に配慮した内容の買収防衛策であることと記されております。(先の商事法務の論稿では、さらに詳しい解説がなされております)このたびのブルドック最高裁決定を踏まえて、今後の行動規範に合致したスキーム作りを考えた場合、まず2番目の「透明性」に関するところが問題となりそうでありますが、発動場面において株主総会による特別決議に委ねるといった形式でありますと、極力経営者による恣意的な判断に依存するものとはいえませんので、まずクリアされるところだと思われます。つぎに(3)の流通市場への影響というところでありますが、「投資者に不測の損害を与える要因を含む防衛策」とは、どういった防衛策であるのか、このたびの最高裁決定では微妙な影を落としているのではないか、と考える方もいらっしゃるかもしれません。このたびのスキームの相当性判断の場面におきまして、21億円でスティール側の新株予約権を買い取るスキームが、スティールの株主たる権利とは別に、既存株主の利益をもき損しているのではないか、といった考えを最高裁が表明しているようにとれる箇所があるからであります。今回の裁判を教訓としまして、防衛策を導入する企業としましては、事前警告型の防衛策の開示にあたり、大量取得行為を開始した企業に対してどのように対応するのか、詳細に記載する必要があるのかもしれません。ただ、あまり経済的な補填について具体的に書きすぎるのも、なんだか「濫用的買収者」的な方々をあえて登場させてしまう結果にもなりそうですし、このあたりは今後、どなたか有識者の方のご意見でも、うかがってみたい気もいたします。そして(4)の株主権の尊重でありますが、ここにいう「株主権」とは、おそらく敵対的買収を企図する株主も含まれるものと思いますので(そもそも既存の一般株主の株主権が尊重されない場合は、「株主の権利の不当な制限」条項に違反するものとして、別途上場廃止基準に抵触することになると思われますので)、こらまでの一連のブルドック決定の内容からいたしますと、防衛策のスキームと「株主平等の原則」「株主の財産権保障」といったあたりが上手に説明できるかどうか、といったところが検討されるポイントになるのではないでしょうか。

そういえば、先の東証の尊重義務に関する4項目を眺めていて感じたのでありますが、買収防衛策のなかには、「株式を大量保有しようと企図する者が現れた場合、現時点では明確な防衛策を示すわけではないが、何もしないわけではなく、有事にはこれに対抗する手段を講じる用意がある」といったスタイルの防衛策があったように記憶しておりますが、(新日鉄?ダイキン工業?ちょっと曖昧な記憶ですいません・・・)あのような防衛策というものは、第一点目である「開示の十分性」をクリアできるものだったんでしょうか?曖昧な対抗策に関する説明ですと、透明性や流通市場への影響など、ほとんど不明ですし、個別の事前面談の際には問題にはならなかったんでしょうか?いや、それとも「買収防衛策に関する適時開示」にはそもそも該当しない、といったことだったのでしょうか。またご存知の方がいらっしゃいましたら、お教えください。

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2007年8月 8日 (水)

ブルドック最高裁決定と事前警告型防衛策の行方

(8月8日午後 スティール TOB価格引下げに関するニュースを受けての追記)

ニュースでも報道されておりますとおり、今後の敵対的買収防衛だけでなく、友好的買収に関しても影響を及ぼすと思われるブルドック最高裁決定(抗告棄却決定に対する許可抗告事件)が出ております。また、最近の最高裁は注目裁判の公開は非常に早いのでありますが、早速決定全文が公開されておりますので、ご関心のある方は(それほど長いものではありませんので)全文ご覧いただけます。

社外役員という立場からの私見でありますが、いやいや実に会社側(買収対象となった会社)に厳しい最高裁の決定だという印象であります。地裁、高裁決定では、この「スティール対ブルドック」といった個別企業の紛争解決を第一に考えてきたところ、この最高裁決定では、今後予想される事業会社対事業会社といったところでも普遍的に妥当するルールの適用を検討されているのではないかといった印象をもっております。一般事業会社が敵対的買収をかけてきた場合の「普遍的な裁判ルール」を想定しますと、これくらい対象会社にとって厳しい姿勢を示すことが裁判所の使命なのかもしれません。株主の議決権の割合を変える・・・という会社の所為については、(取締役を選択する以外に方法がない株主で構成されている)公開会社の場合、裁判所からこれほど厳格に審査されてしまうものなんですね。しかし買収防衛策の発動の正当性(企業価値及び株主共同利益の確保・向上)や相当性判断の基準を、裁判所は何故ここまで株主総会の決議状況に求めるのでしょうか?この最高裁決定を読む限りにおきましては、企業価値や株主共同利益をどちらの経営に委託したほうが、より向上させることができるのか、株主がもっとも判断できる立場だから・・ということでもなさそうですね。(私はそのように考えていたのですが)つまり、基本的には「裁判所は敵対的買収防衛策による特定株主の排除にはキビシイ」わけで、ただし「会社を食い物にしようとする人」だけは排除してよろしい、株主が最良の選択ができるかどうかはわからないけれども、その特定株主も意見を述べることができるような場所が確保され、その結果の議決権行使の機会も付与されたのだけれども、その特定株主以外のほとんどの人が特定株主を排除せよ、といった結論を出した、というブロセスがあれば、「食い物にしようとする人」と認定してよろしい、といったところが大きなポイントではないでしょうか。

そう考えますと、この最高裁決定では、株主総会重視(尊重?)型の買収防衛手続きとして、発動の際には(正当性、相当性の根拠として)総会の普通決議で足りるのか、特別決議を要するのか、といった点については明示されてはいないものの、どう考えても特別決議を要すると考えておいたほうがよろしいのではないでしょうか。普通決議があったからといって、「食い物にしようとしている」ことは立証できないですよね?とりわけ、この最高裁決定は最後のところ(10ページ)におきまして

また、株主に割り当てられる新株予約権の内容に差別のある新株予約権無償割当てが、会社の企業価値ひいては株主の共同の利益を維持するためではなく、専ら経営を担当している取締役等またはこれを支持する特定の株主の経営支配権を維持するためのものである場合には、その新株予約権無償割当ては原則として著しく不公正な方法によるものと解すべきであるが

と述べられておりますが、「特定の株主の経営支配権を維持するため」の防衛策が不公正であるならば、最初から50%程度を保有する特定支配権を有する株主というものは、関係者を含めれば現実の上場企業にはたくさんいらっしゃるでしょうし、最低限度67%の株主が賛同しなければ買収希望者を「食い物にする人」扱いにはできないといったところではないでしょうか。なお、この最高裁決定では、スティールに新株予約権引取り金額を支払うことが、既存株主にとっても不利益となる可能性があることについても、既存株主のほとんどが承諾していることを理由にして、防御方法の相当性を判断しておりますが、ここは「食い物にする人」の立証とは別でありますが、やはり不利益を甘受すべき人たちの判断としては特別決議を要するとみるのが無難ではないかと思われます。

ところで、裁判ですから、立証責任をいうものが出てきますよね。今回の最高裁の決定では、「こっち側の事情」つまり、ブルドック側の事情をていねいに立証することで防衛策の合理性を主張することが可能だったわけでありますが、もしたとえば株主総会決議のところで「食い物にする人」を立証できなければブルドック側は敗訴する可能性が出てくるわけです。そこで「あっち側の事情」つまり、スティールが濫用的買収者であることを持ち出して防衛策の合理性を主張立証することもできそうでありますが、それは以前にも申し上げましたように信義則、権限濫用の法理というのは、ほかに主張するものがない場合の最後の策ですから、最高裁決定は、「こっち側」の事情だけで合理性を根拠付けることができるとみて、判断を控えたのではないでしょうか。したがいまして、緊急避難的に取締役会決議のみで発動を決断する場合、もしくは株主総会の普通決議で防衛策発動を決定して発動した場合には、司法判断の場におきまして、またこの「濫用的買収者」の法理が必要となる場面も出てくるかもしれません。(つまり、「会社を食い物にする人」を対象会社側が立証できるかどうか、が最終目標であり、それを対象企業側の事情だけで立証できるのか、それとも買収企業側にも焦点をあてて立証を補足するのか、そのあたりの違いに由来するのではないか、と考えましたが、いかがでしょうか)

さて、企業側からのこの最高裁決定への評価でありますが、もっとも関心が深いのは、これまで導入した事前警告型の買収防衛策はどうなるのだろうか?やっぱり発動するにあたっては、買収者の損失は(たとえ平時に警告を発していても)適正金額で補償しなければいけないのだろうか?といったところではないでしょうか。このあたりは最高裁決定の9ページから10ページあたりを十分検討しておく必要がありそうですし、またいろいろな方にご教示いただきながら、考えてみたいと思います。また、買収防衛策における事前交渉ルールと金融商品取引法上の事前交渉ルールとの関係についても検討する必要があろうかと思われます。ただひとつ言えそうなことは、(私の願望とは裏腹に)いくら事前警告型防衛策のなかで、社外役員の活躍や独立第三者委員会の活躍を期待してみても、この最高裁決定の内容を見るかぎりでは、ほとんど裁判所に考慮されることはないなぁ・・・といったところでしょうか。(とりあえず、決定全文を読んだうえでの印象のみで失礼いたします)

(追記1)

辰のお年ごさんもご指摘のとおり、スティールは最高裁決定を受けて、TOB価格を、これまでの1700円から引き下げ限度いっぱいである425円(いずれも1株)に引き下げたうえで、買付け期間についても延長することを決定したようであります。(読売ニュースはこちらです)公開買付け開始後におきましては、TOB価格の引き下げは原則として禁止されておりますが、平成18年の証券取引法改正により、制限的に許容される場合がありまして、公開買付け期間中における対象会社の株式分割や、株式もしくは新株予約権の(株主に対する)無償割当てがなされた場合であって、買付け開始時点において「引き下げることがありうること」をあらかじめ明記している場合には、例外的にTOB価格の引き下げが許容されることとなっております。

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2007年7月26日 (木)

善玉ファンド・悪玉ファンド論

国税庁の見解(株主に対して新株が交付された時点では課税しない)も明らかにされ、ブルドックソースは24日、防衛策手続を開始した、との報道がなされております。高裁決定を受けて、スティールパートナーズが「濫用的買収者」と認定されたことで「悪玉ファンドは退場を命じられた」と評するところも多いようです。そしてまた「ブルドック決定や村上ファンド刑事判決の内容は、ファンドの投資活動に悪影響を及ぼすのではないか」との危惧もあるからでしょうか、最近は「善玉ファンド」と「悪玉ファンド」に分類して、悪玉こそ退場されるべきであって、中長期的視野において企業価値を向上させることに寄与するような「善玉ファンド」は歓迎すべきである、といった論調も目立ちます。先のブルドック事件の高裁決定が、スティールの「属性」を考慮して「濫用的買収者」にあたると判断したことは否めないわけでありますが、この「濫用的買収者か否か」といったところの判断に「買収者の属性」を重視することにつきましては、すこし疑問を感じるところでありますし、もしこういった「濫用的買収者」といった判断基準が今後もなんらかのルールになりうるものとしても、スティールが常に「濫用的・・・」に該当するものとは言えないのでは、と思ったりもしております。

(たとえ話として適切かどうかは皆様方のご判断におまかせいたしますが)離婚事件におきまして、「離婚をしたい」と考えている側は、その離婚裁判におきまして相手方をわざと怒らせるような主張を出して「婚姻を継続しがたい重大な事由」があることを根拠つけようと画策するわけであります。(もちろん、不貞行為や暴力、生活費をいれないなどの悪意による遺棄等に該当する事由が証拠によって明確に立証できる場合には、そのようなことはされないと思いますが)相手方がこれにつられてカッときて、法廷での喧嘩状態になってしまいますと、離婚をしたい側にとっては「しめしめ」と思うわけであります。そういった喧嘩を誘引させるような書面が出てきたときにも、冷静に「事実の存否のみを争う」姿勢を貫くことを勧めることが、相手方代理人にとっても重要なところであります。ところでこういった離婚事件の場合、調停委員などをしてみるとわかるのでありますが、夫も妻も、第三者としてそれぞれとお話をすると、とても常識のある「いい人」でして、どっちが悪人でどっちが善人という区分けは容易ではありません。冷静に裁判を継続した場合、結局のところ、属性というところは無視して、事実の存否によって離婚の成否、慰謝料の金額の多寡等を判断せざるをえないわけであります。

このように自然人(いわゆる生命体としての人間)に例えて考えてみましても、「いい人」と「悪い人」というのは峻別することは困難なはずでありますし、どんな人でも善悪の部分を併せ持っているのが普通だと思います。相手によっても、またその人の精神状態や経済状態によっても、「いい人」であると解釈される場合もあれば、「意地悪な人」と評価される場合もあるわけでして、その人の属性だけを捉えて絶対的な基準で「善悪」を判断することは困難ですし、またたとえ裁判官であっても、そのような判断能力は持ち合わせておりません。「なんであいつと話をすると、自分はこんなに腹が立って、傷つけるようなことばっかり言うのだろうか」と自己嫌悪に陥るようなことは、誰でも一度は経験するのではないでしょうか。またそういった場合、相手もあまりこちらにいい感情は持ち合わせていないのが通常ではないでしょうか。私は「善玉ファンド」「悪玉ファンド」という用語を用いることについては反対はしませんが、どんなファンドであれ、対象企業の取締役との相性や、ファンドの活動過程、そしてファンドに相対する対象企業の行動などによって、「善玉」にも「悪玉」にも変化しうる、つまり相対的な基準にしかならないものだと思います。つまり、スティールPがこのたび「濫用的買収者」だと認定されたことをもって、別の相対企業においても、確実に「濫用的買収者」と認定されるかといいますと、濫用的買収者かどうか、ということは相手との相関関係的判断のもとで決まるわけであり、そのまま他の事件にも妥当する、と考えるのは早計ではないでしょうか。「濫用的買収者」かどうか、といった判断は、ある対象企業からみれば「濫用的買収行為」と評価されたがゆえに、そのようなレッテルが貼られたに過ぎず、ほかの対象企業(たとえば事前警告型の防衛ルールを導入している企業)との関係からみると、「濫用的買収行為」とは評価できない場合というのも、普通に考えられるものと思います。このあたり「善玉」と「悪玉」といったファンドの属性に依存するような区別は、なんとなく誤解を生じさせるような気もいたします。ある企業と大株主である投資ファンドとが良好な信頼関係を築いている時期であれば、その企業にとりましては「善玉ファンド」かもしれませんが、業績が悪くなれば「モノ言う株主」となり、その時点では企業側からみれば「悪玉ファンド」に変化するものかもしれません。

そもそも、「濫用的買収行為」といったものは、ファンドと対象企業とのキャッチボールのなかで評価されるべき規範的な要件であって、ファンド側の属性とか、一方的な行動だけで認定できるような概念ではないように思われます。先日のエントリーでも、なにが評価根拠事実で、なにが評価障害事実になるのか、先のブルドック事件では明確になっていないし、当事者間でも合意されていなかったのではないか、と書きましたが、私はこのような双方のやりとりの経過のなかで、根拠事実や障害事実がピックアップされていくべきもののように思います。どのような一般的評価を受けているファンドであっても、そもそも日本企業を買収するにあたっては、「このようなルールに基づいて手続を実践すれば、TOBによる株主判断までこぎつけることができる」といった道筋を示すことによって、必要以上の萎縮的効果も排除することができ、また市場の活性化へのダメージにならないような最低限度の配慮にもなるのではないでしょうか。「悪玉ファンドは即退場」といったイメージで考えるのではなくて、たとえいままでは「悪玉」であったとしても、日本市場ではこのように「いい子」に振舞えば「善玉」として扱いますよ・・・といったルールを明示するほうが、行動上のインセンティブにもなりましょうし、「金融商品取引法規制下におけるファンドのあり方」について、もうすこし深い議論ができる土壌にもなると思うのですが。

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2007年7月14日 (土)

「濫用的買収者」って何だろう?

きょうも経済産業省の事務次官さんが「ブルドック高裁決定は画期的」と賞賛されていたようであります。あの高裁決定が出た日、スティール側は「まったくの予想外の判決」とショックを隠せなかった様子でありました。スティール側のこのコメントに、溜飲を下げた方も多かったのではないかと思いますが、この「予想外の判決」というのは、ひとつ間違えますと「弁解の機会を与えられなかった裁判」ということにもなりかねません。

先日のスティールは乱用的OR濫用的?のエントリーにおきまして、unknounさんより、以下のようなコメントを頂戴し、私は「そういった立場のご意見お待ちしておりました」とコメントを返させていただきました。実は、エントリーを書きながら、unknownさんとかなり近い感覚を覚えたからであります。

先生は、本件においては、濫用的買収者であることの評価根拠事実ばかりが主張立証され、評価障害事実の主張立証が不足していた旨を述べておられますが、私としては、本件において、そもそも評価根拠事実となりうるものが主張されていないように思われます。

たとえば、裁判所は、評価根拠事実として、スティールが①経営について何のビジョンも持っていないこと、②株式を転売するつもりであること、③資産処分を視野に入れていること、等を挙げていますが、①は資本と経営の分離の観点から問題なし、②については投資家としてあたりまえのことであり(インカムゲインが少ない日本企業への投資においてキャピタルゲインを求めない投資行動はむしろ不合理だと思います)問題なし、③アセットストリッパーのような場合であればともかく、企業の資産効率を上昇させるために、非効率な余剰資産の処分をして企業価値を高めることは当然なので問題なし、という具合に、裁判所が評価根拠事実のような位置づけで挙げている事実は、実は評価根拠事実になっていないのではないかと思っております。

私自身の見解としましては、unknownさんが「評価根拠事実になっていないのでは」と指摘されている各事実については、一応評価根拠事実らしいものではないか、と考えております。ただ、おっしゃるように、誰がみてもそういった事実が認められれば「濫用的買収者」である・・・と判断できるものではなく、やはり「濫用的買収者」とは言えない、と判断する立場も十分成り立つのであって、明確に「濫用的買収者」であることを基礎付ける根拠事実といえるかどうかはかなり疑わしいように思います。だいいち、この高裁決定の中身を読みますと、抗告人と相手方の主張整理のところで、「抗告人はグリーンメイラーではないと言い、一方相手方は(抗告人関係者が)濫用的買収者だと主張する」と書かれてあります。このブログでかなり以前から「グリーンメイラー≠濫用的買収者?」と問題提起しておりましたが、どうもこのあたりのモヤモヤは高裁決定の中にも現れておりまして、このような書き方からしますと、抗告人と相手方そして裁判所の間におきまして「濫用的買収者とは、どういった根拠事実があれば認められるのか?」といった争点整理が行われていなかったのではないか、と推測されます。ちょっと極端な例になりますが、交通事故の運転者の過失を基礎付けるための「前方不注視」といった注意義務違反の事実をとりあげますと、そこには「居眠りをしていた」「よそ見をしていた」「携帯メールを読んでいた」などの事実が指摘されますと、概ね異論なく「前方不注視」は認められると思われます。しかしながら、「会社を食い物にしていた」という事実(これが事実といえるかどうかは問題あるかもしれませんが)については、その食い物にしていたことを基礎付ける事実がまた必要になってくるわけですが、そこでは異論なく「食い物にしていた」と評価できる事実というものを探すのはかなり困難な作業が伴うのではないでしょうか。そのあたり、当事者間での交通整理をして、こういった事実が認められれば「食い物にしている」ということになりますが、いいですか?といった争点整理の必要性があったように思えます。そのあたりをもし裁判所がとばしてしまって、争点が明確になっていないまま(たとえば、抗告人は単にグリーンメイラー性だけを否認し、相手方は濫用的買収者であることを積極的に述べている)、裁判所の法律解釈によって、何が「濫用的買収者」と評価できる事実かを独断で選定してしまって、ほらあなたは濫用的買収者ですよ、といわれてしまいますと、反論の機会も与えられないままにスティール側が「不意打ち」をくらったことになってしまったのではないか、といった疑念が生じるのも無理からぬところではあります。果たしてこういった高裁の対応が民事訴訟法の大原則である「当事者主義」からみて正しいものであるのかどうか、すこし検討を要するところではなかったかと、私もすこしばかりの疑問を抱いた次第です。ひょっとしますと、このブルドック高裁決定というのは、会社法だけの問題ではなくて、民事訴訟法とか、要件事実論など、裁判制度の根幹に関わる問題点も内包している、たいへんおもしろい決定なのかもしれません。(unknownさんのご指摘に反応しまして、思いつきのレベルでのエントリーですので、また今後の正確な分析をご参照くださいませ)

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2007年7月11日 (水)

スティールは「乱用的」or「濫用的」?

また、たいへん親切な方より、ブルドック東京高裁抗告審決定(全文)の写しをご送付いただきましたので、本業終了後に全文を読ませていただきました。著名ブロガーの方々のように、会社法や税法全体を見渡しての立派な意見などお話できる立場にはございませんが、やっぱり私はこの決定全文を読みましても「スティールは濫用的買収者」といった概念にこだわりを持ち続けております。(たいへんしつこいようですが・・・・・)

マスコミ各社によってマチマチですが、新聞を読みますと「濫用的買収者」と記述しているものと、「乱用的買収者」と記述しているものがありますね。(高裁決定ではもちろん「濫用的」とあります。)法律の専門家である高裁の裁判官が判決文で記述しているものは、正確に記載したほうがよろしいのではないか、とまず思いました。これは私の推測でありますが、法律用語でいうところの「濫用」は、「権利の濫用」にあるように「本来行使することができるものではあるが、その行使の仕方が不適切であるために法の保護に値しない」といった場合に使われるものであります。いっぽう、「乱用」につきましては、たとえば「薬物の乱用」といった使用法にみられるとおり、「本来行使してはいけないものを、勝手に行使すること」を意味するものと思われます。そういった意味で考えますと、スティールが買収行為を「乱用」したのではなく「濫用」したのであれば、これは本来、スティールでも正当な買収活動はできるのだけれども、たまたま今回はその権利の使用法に不適切なものがあった、と考えてもいいのではないか・・・・・・といったところが、今回の決定を読んでのマニアックな感想でございます。ましてや、「こんな裁判が出たら、投資ファンドはみんな濫用的買収者になってしまう」といった感想は、すこし違うのではないか・・・と素直に思います。

そうやって、もう一回、この決定全文を読み直してみますと、株主平等の原則に違反しているかどうか・・・といったところで1回、そして「濫用的買収者」に該当するかどうかの高裁の意見表明の部分で1回、いずれも「信義誠実の原則により・・・権利の濫用と認められる」とか「信義則上、濫用者と認められる」との記述がみられます。通常、我々弁護士の感覚からしますと、「信義則」や「権利の濫用」という主張で裁判で勝つ・・・というのはほとんど稀なケースであります。どちらかといいますと、負け筋の事件で、もう本当に有利な主張が組み立てられない場合に「一発逆転を狙ってのうっちゃり」として主張するのが「信義則」「権利濫用」の主張であります。このブルドックの裁判に話を戻しますと、グリーンメイラーなる用語ではなく、裁判所が好んで「濫用的買収者」といった用語を「信義則」とセットにして決定理由のなかで使用しているところから推測いたしますと、やはり「スティールは濫用的買収者である」といった主張責任のあるほうが、相当一生懸命、この「濫用性」つまり、本来スティールの買収行為は正当な活動であるけれども、その行使方法に不適切なところがある、といった「規範的要件」の充足性を裁判所にアピールする必要があったのではないでしょうか。この決定書では、高裁は多くのページを割いて、この「規範的要件」を充足させるべき「評価根拠事実」を認定しておりますが、これは通常「権利の濫用」の主張が認められる際には当然、このような判決文になるはずであります。スティールの属性ばかりが強調されているようでありますが、その「属性」もブルドックの「属性」との比較において、評価根拠事実のひとつにすぎないのではないか、と推測されます。そして、いっぽう「グリーンメイラー」性で敗れることはまずないだろう、と高をくくっておられたスティール側は、この「濫用性」に関する「評価障害事実」もしくは「評価根拠事実を積極的に否認する事実」の主張立証に力点を置いていなかった、したがって、結局のところ「評価根拠事実」と「評価障害事実」とがバランスよく主張立証されていればどうなっていたのか、結論はわからなかった、しかし実際は「評価根拠事実」のみ立証された形になってしまったので、「当事者主義」を基礎とする民事訴訟の原則にのっとり(たぶん仮処分事件における審尋手続きも当事者主義のはず)、裁判所は「スティールはグリーンメイラー、もしくはその他濫用的買収者」である、といった相手方(ブルドック側)の主張どおりに(その主張に拘束されて)に認定した、といった結論に至ってしまったのではないでしょうか(なお、刑法の世界におきましても、違法性が阻却される「正当防衛」と阻却されない「過剰防衛」の区別がありますので、濫用的買収行為に対して防衛策の相当性が求められるのは当然だと思われます)逆に申し上げますと、katsuさんがコメントされているように、スティールがこれまでの日本での活動のなかで、買収行動の後も引き続き株式を長期保有し、その企業価値を向上させた実績などを丹念に主張立証することは、ひとつの「評価障害事実」でありますので、そういった主張を積み重ねれば、スティール側にも有利な事情は斟酌されますので、どういった結論になったかは、(ひょっとすると東京地裁決定のようなルールを定立したとか)わからないところだったのかもしれません。

「会社法という森の中」のすべてを見渡しての意見ではございませんので、本当に拙い意見ではございますが、この高裁決定の中身からしますと、本当の意味で「濫用的買収行為」の先にある買収防衛ルールの中身・・・、このあたりがほとんど語られていないのではないかと思いますし、「濫用的買収行為」というものが果たして買収防衛ルールのなかでのモノサシ(基準)になりうる概念かどうかは極めて疑わしいもののように思えてきました。とりわけ「濫用性」については双方の「属性」から相関関係的に検討する・・・などといった判断枠組みですと、事前交渉ルールのなかで、定立できる基準かどうかはかなり検討を要するように思います。スティールへレッドカードを示した高裁決定は、そのショッキングな決定内容からみて拍手喝采を送る方も多いかとは存じますが(ステークホルダー論なども含めて)、本当に買収防衛策の適法性が認められやすくなったかといえば、実はそうでないのかもしれません。今後の有識者の方々の冷静な分析が待たれるところであります。なお、大杉先生のブログで「濫用的買収者といった用語から『者』をとろう」とのご指摘がありましたので、私もこれからは「濫用的買収行為」と表現しようと思っております。(たしかに、「属性」ばかりが強調されて誤解を招くおそれがあるように思いますし、「罪を憎んで人を憎まず」的発想で防衛ルールを考える大杉先生の考え方には、大きな示唆をいただきました。また、葉玉先生のお作りになったマトリックスも、問題の整理に非常に役立ちました。どうもありがとうございました)

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2007年7月 9日 (月)

ブルドック高裁決定(速報版)

(ちょっと出遅れましたが)ブルドック抗告審決定が出たようであります。スティールが「濫用的買収者」に該当する、とのことだそうで。私はまだ、この毎日新聞ニュースが伝える決定内容と、大杉先生、磯崎先生のブログあたりしか読めておりませんが、ほとんど内容が理解できませんです。

毎日新聞ニュースを読みますと、防衛策導入(発動)が株主平等の原則に反しない理由としては、「濫用的買収者には差別的な取扱いをしても許される」からなのか、「ある程度の財産的損害の補填をしているのだから許される」のか、ほとんど理解不能であります。(おおすぎ先生のブログを拝読すると、前者のようでありますが)ひょっとすると、財産的補填をしたことは、防衛策の相当性判断のなかでの事由にすぎないのかもしれません。

もうひとつ、素直にこんな疑問が出てこないのでしょうか?(もし、スティールへの財産的補填、という事実が平等原則とはあまり関係ない、とするならば)おそらく今回の「濫用的買収者」という概念は、「グリーンメイラーを含む濫用的買収者」といった概念だと思うのですが、それだったらライブドア事件の際の高裁決定や、このたびの東京地裁決定でも出てくるように「緊急避難的な措置が可能な事例」であって、そもそも株主総会にかけずとも、取締役会決議で発動しても適法(オッケー)だった、ということになるんじゃないでしょうか?

そもそも株主総会で特別決議にかけて、株主総会が買収防衛策を発動したことと、実体法のどこにも出てこない「濫用的買収者」という概念がどこでどう結びつくのでしょうか?もし株主総会主体の対抗措置発動が、「必要性」のところで「濫用的買収者」と結びつき、「特別決議」が「相当性」のところで結びつくのであれば、あのライブドア事件や東京地裁決定の濫用的買収者排斥の論理は修正された、とみるべきなのでしょうか?

そして、この論理からいきますと、防衛策というものが発動されるのは、「濫用的買収者」という「TOBのふるいにかけることにふさわしくない買収者」を排斥するにすぎないわけで、そうであるならば、(買収防衛ルールのあり方としては)買収者側の情報だけを取締役もしくは株主に開示するシステムだけがあれば足りることになり、双方の企業価値向上に向けての計画等を株主に開示する必要はない、ということでしょうか?それとも、「濫用的買収者ではないけれども、TOBのふるいにかけてはいけない買収者」といった概念があって(「濫用的買収者プラスα)、そのプラスαの買収者を排斥するために企業価値比較のための情報開示が行われるのでしょうか?(ちなみに、2005年5月27日の経済産業省・法務省による「買収防衛策の指針」では、その原則として「買収防衛策の導入、発動および廃止は、企業価値、ひいては株主共同利益を確保し、または向上させる目的をもって行うべきである」と明記されております)会社側の役員としては、素直にこのような疑問が出てもおかしくないと思うのでありますが。(また決定全文を読んだ後に、意見が変わる可能性もありますが、ともかく現時点では、上記のような印象しか出てきませんです。)

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私的検証・ブルドック東京地裁決定

いよいよ大阪でもMBO関連の事件が始まるようですね。サンスターのMBOについて、少数株主排除に関する価格(おそらくTOB価格と同一)に反対の意思を表明した個人株主の方々が、大阪地裁に対して株式買取に関する価格決定申立を行った、との報道がなされておりました。今後の非訟事件に進行について、果たして大阪ではどうなるのか、今後に注目してみたいと思います。

さて、ブルドック事件につきましては、もうそろそろ抗告審決定が出るはずですし、ニュースやブログでは、東京地裁決定に関する賛否両論の意見がかなり出ておりまして、今後の議論の展開が非常に楽しみになってきておりますが、このブルドック東京地裁決定の内容について若干疑問に感じるところを考えてみたいと思います。結論の当否というよりも、裁判所が定立しようとされている基本ルールに関連する部分であります。もちろん、毎度のことながら、個人的な意見にすぎません。

今回のブルドック・スティール間の差止仮処分事件におきましては、経営権を取得しようとTOBを開始した公開買付者が現れた際に、丸腰だった買付対象企業が急遽防衛策を導入し、かつ防衛策を発動する場面、といった「世界でもあまり例のない状況での対象企業の防衛行為の適法性」が問題とされているわけでありますが、本件では基本的には「急遽防衛策を導入し、発動」する主体は株主総会である、とされております。もちろん防衛策発動の提案は買付対象企業の取締役会ではありますが、定款変更→発動決議といった流れからしますと、「本件新株予約権無償割当は、取締役会の提案に係るものではあるが、その実施は、株主総会の権限に基づきされているから、取締役会の権限に基づき新株予約権の発行がなされた場合についての法理(取締役会は緊急避難的行為として相当な対抗手段を講ずることが許容されるのは、特段の事情があり、それを主張立証しなければいけない、といった法理)は、本件に妥当するものではない」とされております。こういった考え方を基本として、スキームとしての防衛策(平等原則との関係)や、その防衛策を株主総会が対抗手段として講じた必要性、そしてその相当性について検討されている・・・といった流れの決定であると理解をしております。

ところでこの東京地裁決定は、企業の経営支配権の争いがある場合において、現経営陣と敵対的買収者のいずれに経営を委ねるべきかの判断は、株主によってなされるべきであり、その最終判断については諸事情判断のうえで、最高意思決定機関である株主総会にこそ、対抗手段の必要性判断が委ねられるべきである、とされております。そして、そのうえで証券取引法で規定されたルール(TOBにおける公開買付者と対象企業それぞれの情報開示ルール)とは別に、その最終判断者たる株主のための「買収防衛ルール」といったものが両立するんだ・・・といった考え方を示しております。これは決定書28ページから30ページあたりに記述されている理由から読み取れるものであります。たとえば以前私が、ブルドック買収防衛策へのブルドックソースの意見表明報告と附随質問というエントリーで、TOBルール(政省令)では何日までに意見を述べなくてはいけない、とあるのに、その意見表明を留保してさらに質問をする、というのは法令を無視したものであり、ルール違反ではないか?と疑問を呈したところ、複数名の方から「株主への十分な情報開示のためにはやむをえないもので、適正な対応である」といったコメントをいただいていたところであります。そのあたりを東京地裁決定も意識されてか、TOBルールと防衛策ルールとの差異といったものを、きちんとフォローされているようであります。つまり、「公開買付の制度は、投資者の保護の観点から必要な規制を行うものであって、公開買付者に株式の買収について優先的な地位を保障するものではないから、公開買付に応ずるか否かという形での株主の選択権行使の機会とは別に、株主総会における議決権の行使という形で株主の選択権行使の機会を設けることが、証券取引法の趣旨に反するということはできない」とされております。このように、株主には(敵対的買収者が出現した場合には)、TOBに応じるべきかどうか、といった選択権確保の要請とは別に、株主全体の利益保護の観点から、支配権取得行為自体を阻止することへの選択権確保の要請もあるので、対抗手段が許容されるのだ、といった結論とともに、TOBルール以外の対象企業の(対抗措置導入を合理化する)情報提供ルールとしての対抗策の適法性をも示しているものと考えられます。

しかし、もともと裁判所が定立している基本ルールは「誰に経営を委ねるか、ということは株主総会が決定すべきものである」といったところであります。基本的には「Aをとるか、Bをとるか」の選択権を行使することになるはずであります。しかしながら、上記のとおり「証券取引法の趣旨に反することにならない」とされる理由における株主の選択権の行使の内容は「A(本件ではスティール)を確定的に排除するか、それともAとBをさらにTOBによって判断するか」に関する選択権の問題であります。そもそも株主総会の権限として、「AかBか」といった企業価値判断のための選択権がある、とするならば、わかりやすいのでありますが、こういった複雑な選択権行使が果たして一般株主によって判断可能であるのかどうか、疑わしいものでありまして、そもそもそのような選択権がある、と言えるのかどうか、未だよくわからないところであります。(結局はTOBを行うことを前提とした場合に、Aに賛同する株主にとってみれば、Bは「経営支配権の取得が企業価値を損なう」と認めるべき買収者になってしまうわけでして、特別に株主総会で判断しなければならない株主の選択権というものは存在しないのではないか、と考えられませんでしょうか?)

かりに、株主全体の共同利益を毀損するおそれのある買収者を、株主総会の決議で確定的に排除できる選択権がある、としましても、その選択権の行使がたとえば「TOBに進むこと」を選択した場合(つまり、買収防衛策発動決議が否決された場合)には、結局のところ、TOBルールにおける株主の選択権確保の機会が付与されることになって、(3分の2を獲得するにせよ、過半数を獲得するにせよ、TOBの結果に委ねればいいだけの話であって)特別に株主総会決議を必要とする理由はなかった、ということになります。また、もし株主総会として、たとえば「公開買付者の経営支配を確定的に困難にすること」を選択した場合には、TOBルールにしたがって公開買付を開始した者にとっては、法律にも規則にも(また事前交渉ルールにも)書いていないルールによってTOBが不可能な状況になってしまう、つまりTOBルールが機能しない場合を認めることとなり、証券取引法の趣旨と抵触しない、ということではなく、完全に証券取引法と抵触する結果を招来させてしまうのではないでしょうか。私は以前のエントリーにも書きましたが、グリーンメイラーと濫用的買収者の関係について、同じものなのか、違う概念なのか、よくわかっていないところがあるのですが、おそらく「TOBで経営権支配を委ねるべきかどうかを決する資格を有する敵対的買収者」が正当な買収者であるとすれば、それ以外が濫用的買収者、そのなかでも取締役会だけで防衛策導入および発動が可能となるのがグリーンメイラーではないか、と考えておりますが、そうであるならば一般株主に「買付人が濫用的買収者であるかどうか」を判断させる、というのは株主総会における議決の実態から乖離しているのではないかとの疑問があります。たとえば取締役会や独立第三者委員会の意見として、買付人が濫用的買収者であるとの認識のもとで、取締役会における対抗措置発動への「判断」について、株主総会が「承認する」、といったことであれば、「対抗措置の相当性を裁判所が判断する基準」としては理解できるのであります。(これまでの事前警告型の防衛策の多くがこの型ではないでしょうか)しかしながら「濫用的買収者かどうか」といった判断そのものを「株主総会」が行うのであれば、(擬制ではなく現実に)TOBによる経済的利益の獲得機会の確保を超えた株主利益の存在、つまり株主が一枚岩になるほどの共同利益が認められることと、株主総会は「多数者を少数者に」「少数派を多数派に」変えることが可能なほどの議論と(会社と株主および株主間における)情報開示の場が確保されていることが条件ではないでしょうか。現に、今回ブルドック側は、自社の企業価値向上策を株主向けに提出しているのでありまして、「どちらが企業価値を向上させるのか判断してください」と株主に問いかけているのでありますから、一般株主としては「スティールは濫用的買収者だ」と判断したのではなくて、「スティールとブルドックとの比較であれば、現経営陣に経営をまかせるほうが企業価値向上に資する」と判断したはずであります。そういたしますと、裁判所が合理性があるとした今回の株主総会での判断内容と、実際に80%の株主が発動に賛成したという株主総会での判断内容とでは、かなり齟齬があるのではないか、といった疑念をぬぐいきれません。今回は「見た目」の印象で判断すれば、こういったルールでも丸く収まるように思いますが、これが果たしてライバル事業会社、海外の大手の競合会社による買収が行われた場合に、うまく効果的に利用されるルールなのかどうかは、もうすこし考えてみたいと思っております。

(なお、濫用的買収者かどうかを株主総会の判断に委ねる場合の理想的株主総会といったものは以下のような図式で表現されるのではないかと考えております。)

Blog023

しかし、これだけ株主総会の判断が重視されるとなりますと、事前警告型の防衛策を導入していない企業がターゲットとなった場合、その対象企業の取締役の身の処し方についても十分検討しておく必要があると思われます。とりあえず、TOBに委ねるための委任状獲得競争だけでなく、防衛策発動に関する提案をとりあえず臨時株主総会を提出して、そこでの株主の判断(議決)を仰がなければ、善管注意義務違反になってしまうのではないか、といった疑問も付されるのではないでしょうか。(これは言いすぎでしょうか?)また、そういったことになりますと、取締役らにとっては株主共同利益を害する第三者か否か、といったことの判断はすべて株主に委ねますので、ある一定の交渉を行ってさえいれば、それ以上の判断は不要となり、これが株主と取締役との信認関係からみて、本来の姿に近いといえるのかどうか、改めて検討してみたいと思います。著名ブロガーの方々の、この東京地裁決定への評価はおおむね良好でありますので、抗告審の予想も含めて、今後の重要な基本ルールを形成するものと思われますが、どうも私が読ませていただいたかぎりにおきましては、各社の状況や、登場する敵対的買収者の性格などによって、防衛策のあり方にはそれぞれ工夫が必要になってくるのではないか、と思いました。

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2007年7月 4日 (水)

ブルドック東京地裁決定全文が公開されています。

(ある経営コンサルタントさんより教えていただきました)債権者スティールパートナーズ(ジャパン・ストラテジック・ファンド)、債務者ブルドックソース間における東京地裁、株主総会決議禁止等仮処分命令申立事件の決定全文が公開されておりますので、お知らせいたします。ご関心のある方は、こちらからどうぞ。

そういえば昨日(7月3日)の日経夕刊では、日興シティグループ証券の方が「スティールとしては現金を受け取って、またTOBを仕掛けるという具合に、会社側に資金的な余力がある限り、同じ手を繰り返せる」と指摘されていまして、このブログで@南大阪さんや、経営コンサルタントさんが指摘していたような問題点は現実に議論されているようですね。また、実際に定時総会の時期だったからこそ、特別決議を集めることができたのかもしれませんが、臨時株主総会の収集が必要だとすれば特別決議による承認がとれたかどうかも微妙かもしれません。そろそろ東京高裁における抗告審決定も出る頃かとは思いますが、まだまだ議論すべき論点は多いと思われます。

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