2019年4月 2日 (火)

大塚家具-財務報告に係る内部統制に「開示すべき重要な不備」

3月末に定時株主総会を終えたばかりの大塚家具さんですが、本日(4月1日)、財務報告内部統制に開示すべき重要な不備があり、内部統制は有効ではない、との内部統制報告書を提出されたそうです(適時開示リリースはこちら)。大塚家具さんといえば、会計監査人の交代があり(大手監査法人から小規模の監査法人へ)、また監査等委員会設置会社から監査役会設置会社へ機関形態を移行しましたが(当ブログの3月13日エントリー記事)、このあたりが原因なのかもしれませんね(私は監査報酬で折り合いがつかなかったことが原因だと思っていましたが)。

有価証券報告書の提出時期が総会直後となるために、株主総会ではインサイダー情報を開示できないところではありますが、総会招集通知の事業報告や監査報告書を読みますと、関係者の悩みが伝わってくるように思います(投資家からの批判は出てくるのでしょうか、それとも「内部統制の重大な不備よりも業績回復に向けた施策のほうが重大関心事」ということでノープロブレムということなんでしょうか)。なお、会社側は内部統制の不備が判明したのが期末直前だったために修正できなかった、今後は速やかに修正します、とのこと。

大きな金額の会計不正事件を起こさずとも、決算・財務プロセスに「?」と感じるところがあれば、(ダイレクトレポーティングを採用せずとも)適正意見がもらえない、という点は他社も留意すべきと考えます(比較的小さな上場会社の場合には「財務・会計を知っている担当者がいない」という理由で「重大な不備」を指摘されていたケースはあったと思いますが)。

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2015年7月 2日 (木)

投資家からみた内部統制報告制度の存在意義について

本日(7月1日)の日経夕刊「十字路」で、野村総研主席研究員の大崎貞和さんが「内部統制報告制度の存在意義」と題する小稿をお書きになり、とりわけ金商法上の財務報告内部統制に関する運用面における課題について指摘されています。最近の不適切会計事件、とりわけ北越紀州製紙やLIXIL、そして東芝においても、「当社の内部統制は有効」と報告しておきながら、不祥事が発覚した時点で「有効ではありませんでした」と訂正されても「開示情報を信用した投資家は浮かばれない」と厳しいご意見を述べておられます。

本日、大崎さんと、ある会合でこの内部統制報告制度の存在意義について少し意見交換をさせていただきました。会計不正事件が発生している以上、当該企業のどこかに内部統制上の欠陥があるはずであり、もし第三者委員会が設置されるのであればこの「内部統制上の欠陥」について詳細に分析・解明の上で開示すべきである、というのが大崎さんの意見でした。内部統制報告制度の運用は制度監査とも密接に関連しているので、内部統制監査を担う監査法人とは別に第三者委員会がどこまで踏み込めるかは課題がありますが、私も6月15日のエントリーで述べたように、不祥事発覚で企業が内部統制評価を「有効ではなかった」と訂正するに至った経緯を投資家に説明すべきですし、その責任が企業及び監査法人にはあるのではないかと考えています。

「存在意義」ということを真正面から考えるのであれば、(ここは多くの有識者の方と意見が異なるかもしれませんが)金商法上の内部統制報告制度の場合、「財務報告の信頼性が十分確保されている企業ですよ」ということを投資家に開示するところだと思います。たとえば会計不祥事が発生していない会社でも「信頼性にやや問題がありますよ、いまその問題点は鋭意整備して改修しているところです」といったサインを投資家に示すことも大事ですし、逆に会計不祥事が発生してしまった会社でも、「これは内部統制の限界を超えた事件なのです、だから相応の内部統制はできていたので有効と判断していました、その判断には(今も)誤りはないと考えています」といったサインを示すこともありうると思います。金商法上の内部統制はしっかりしていたとしても不祥事は起きることを認めるのか認めないのか、そのあたりは理屈のうえでどう考えるべきなのか、明確にすべきです。

つまり一般に公正妥当と認められる内部統制評価の基準に依拠した場合には、たとえ会計不正事件が発生したとしてもルールに従って評価した以上は内部統制は有効である、という結論もありと(私は)考えています。財務報告は会社の実体を数値で表現するわけですから過年度決算を訂正する必要がありますが、内部統制報告制度は実態を表現するのではなく、あくまでも評価の開示ですから訂正する必要はないと思います。評価結果を変えるということは、会計不祥事という事実が判明したことで変えなければならないものではなく、その不祥事発生の事実がどのような判断基準に影響するから変えた・・・という理屈がなければ容易には変えられないはずです。この点は内部統制報告制度にも金商法上の虚偽記載責任が規定されている以上は「後出しじゃんけん」が許されないと思います。

このあたりの議論がなかなか進んでいないのではないかと思いますがいかがなものでしょうか。内部統制報告制度が、事前規制という意味においては簡素化された現在、ペナルティを含めた事後規制の議論をきっちりと詰めておかないと6月15日のエントリーでご紹介した町田教授が懸念されている「モラル・ハザード」が上場会社に蔓延してしまうのではないかと危惧しています。仮に私の意見がおかしなものであり、「会計不正事件が発生した以上、それはやはりどこか内部統制に問題があったはずだ」という意見が正しいのであるならば、事後規制の一環として、なぜ間違った判断をしていたのか、なぜ間違っていた経営者の判断を(監査法人は)適正と判断していたのか、そのあたりを詳細に説明しなければペナルティの対象となる、とでもしなければ開示規制としての存在意義はほとんどなくなってしまうと思います。

たとえばLIXILさんは「全社的内部統制の整備・運用に不備があった」として内部統制の有効性を訂正していますが、ではなぜこれまでは全社的内部統制は有効と判断していたのか、判断過程のどこに問題があったのかを明確にすべきですし、監査法人もなぜ全社的内部統制を有効とする経営者評価にお墨付きを与えていたのか、どこに間違いがあったのかを明確に説明すべきです。名門企業の内部統制の不備が議論されている今、大崎さんのようなご意見がいよいよ投資家サイドからも出てきたことは、内部統制報告制度の今後の運用において大きな意義があるものと考えます。

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2012年10月30日 (火)

ホンダ社の「うっかり開示ミス」と内部統制の有効性

(30日午前:追記あります)

The Power of Dreamsのホンダ社が、連結決算短信(および説明資料)を「うっかりミス」によって予定開示時刻よりも大幅に早期に開示してしまい、午後になって株価が急落、同社はこの事態について謝罪されたそうであります(ロイターニュースはこちら)。先日もグーグル社が同様の事故を起こしましたが、グーグル社の場合は、委託先のディスクロージャー専門会社のミスによるものだったそうで、ちょっとホンダ社のケースとは異なるようです。

先週金曜日の日経新聞に掲載いただいた私のコメント(投資・財務面)のとおり、「不正はどこの会社でも起こる」わけでして、ましてや「うっかりミス」は(リスク管理に投下できる資源には限りがありますので)完全に防止できないもの。財務報告に係る内部統制の重要な要素のひとつである「情報と伝達」に問題が指摘されるものの、なかなか100%ミスを予防することはむずかしいかもしれません。

ただ、気になりましたのは(日経新聞ニュースで報じられているとおり)、今回のうっかり開示が約20分間にわたって、同社のホームページ上で閲覧可能な状況にあり、しかもうっかり開示の原因は広報担当者が別の広報記事と間違って掲載してしまった、という点であります(ちなみに同社のHPを確認しましたところ、10月29日にリリースされたニュースは、すべて決算短信に関連するものばかりであり、いったいどの広報記事と間違えて掲載されたのかはわかりませんでした)。

財務報告の開示統制が、広報とは別の部署が担当しているということならまだ理解できるのですが、広報部署が担当しているのであれば、(たとえ別のニュースを掲載したつもりでいたとしても)必ずニュースを開示直後に、きちんとアップされているかどうかを確認するのではないでしょうか?広報担当部署が間違ったことに気付いたそうですが、それでも20分もの間、業績の下方修正に関するお知らせが閲覧可能の状況にあったわけですから、開示直後には何らの確認もなされていなかった可能性が高いと思料されます。個人事業者でも、自社のHPを運営しているところでは、おそらく更新手続きを終了した時点でアップ内容を確認するのが普通だと思いますので、この規模の会社としてはちょっと信じられないところです。(追記:なお、ひろさんからご指摘を受けましたように、HPへの入力はすでに予約機能によって同時刻以前に入力済みだったのかもしれません。確認作業が遅れたという点では同じだとは思いますが)

同社の開示マニュアルには、おそらく開示統制の一環として開示直後の確認作業が盛り込まれているものと思いますので、もしそういった確認手続きが履行されていなかったとすれば、重大な運用上の不備が認められます。もしマニュアルどおりに確認作業を行った末に20分も閲覧可能な状況に置かれていたとすれば、まずマニュアル自体に問題があるか、開示情報訂正のための情報伝達方法に問題があるということになります。

TDNETのような適時開示情報システム上ではなく、同社HP上で情報が早期に公表されてしまったわけですから、投資家サイドからすると「情報入手の公平性」に問題が生じる事態となりました。同社は今回の事故を契機に再発防止策を検討されるそうですが、私としましては、うっかり開示を未然に防止するシステムよりも、この「空白の20分」がなぜ発生したのか、その原因を知りたいところですし、この空白の20分を作らないための再発防止策こそ、同社の内部統制においてもっとも重要なのではないかと思う次第であります。

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2011年8月 3日 (水)

内部統制の「重要な欠陥」➔財務諸表監査「意見不表明」とされた事例

昨日に引き続き、内部統制報告制度(J-SOX)に関わる話題であります。内部統制報告制度は「法と会計の共通言語」として、かねてより興味を持ち続けているテーマでありますが、このほど、今後の内部統制報告制度の実務に影響を及ぼすのではないか・・・と思われる興味深い事例が開示されております。

札幌証券取引所上場のRHインシグノ社は、7月28日付けにて「有価証券報告書に関する監査意見不表明のお知らせ」と題するリリースを公表しておられます(リンクはTDNETより)。同社では、6月23日にコンプライアンス問題が発覚し(貸金業者であるにもかかわらず、無登録にて私募債を発行し、ノンバンク社債法に反する行為が認められた、というもの)、7月20日には第三者委員会の調査により、遵法経営姿勢の欠如が指摘されました(この調査報告書もコンプライアンス上の問題を検討するうえで興味深いのですが、本日は触れません)。

この報告書を受けて、同社は7月29日、全社的内部統制および決算財務報告プロセスに重要な欠陥があり、期末までに評価ができなかったことから、内部統制の評価結果を表明しない旨の内部統制報告書を提出し、監査法人(ハイビスカス)も意見を表明しないこととなりました。

このように「重要な欠陥」が認められたために財務報告に係る内部統制の評価結果を表明しない場合、統制リスクが大きいことを前提として監査法人による財務諸表監査が行われることとなりますが、財務報告に係る内部統制は有効とはいえないけれども、財務諸表については(監査の結果)適正意見が付されるケースが(これまでは)ほとんどではないかと思われます。しかし今回は内部統制における「重要な欠陥」の影響を考慮して実施すべき監査手続きが実施できなかったため、連結財務諸表に対する意見表明のための合理的な基礎を得ることができなかった、として財務諸表に対する意見不表明といった結論となっております。

監査人から投資有価証券の評価やのれんの減損、貸倒引当金処理等の決算財務報告プロセスに重要な誤りを指摘されたことも起因しておりますが、取締役会における遵法精神の欠如(コンプライアンス問題)→全社的内部統制に重要な欠陥あり→財務諸表監査が困難となり意見不表明、という流れは初めてのことではないかと(もし他社で既に同様の例がございましたらご教示くださいませ)。たしかに規制法の不知とモニタリング不全、そして決算処理に要する人材不足ということなので、もはや監査法人としては意見を述べうるだけの心証を形成する基礎が存在しなかった、ということだったと思われます。

ただ、今回のように内部統制に重要な欠陥(今後は「開示すべき重要な不備」)ありと判断するのは経営者でありますので、内部統制が有効とは評価できないといった報告書を提出することで、財務諸表監査の結果にも影響が出てくるとなれば、かなり内部統制報告書の影響力も大きなものになってくるのではないでしょうか。最近、内部統制報告制度が見直しの対象となり、緊張感が少し緩和されてきたようなイメージを持たれておりますが、実は全社的内部統制に重要な欠陥があるのでは?といった印象をお持ちの監査法人の方は結構いらっしゃるわけで、今回のように財務諸表監査に影響を及ぼすとなりますと、けっこう経営者を含め、真摯な対応が必要となるケースも出てくるかもしれません。

たとえば当ブログでも何度も問題としている内部統制報告書の訂正(いったん有効と評価した報告書を提出しておきながら、後日、過年度決算訂正を要するほどの不適切な会計処理が発覚した場合に、過年度の内部統制は有効ではなかったと訂正)がなされるケースでは、過年度の財務諸表監査の意見はどうなるのでしょうか?たしかに内部統制が無効→財務諸表監査意見が不適切といった論理的な帰結にはならないはずですが、内部統制が有効ではなかったにもかかわらず、財務諸表監査における意見表明のための合理的な基礎は得られたとする説明は必要になってくるのではないでしょうか。とりわけ決算財務報告プロセスや全社的内部統制に重要な欠陥があると(たとえば第三者委員会報告書などで)指摘された場合、説明の必要性があるのではないかと。

このあたり、あまり会計士の先生方のブログ等では話題になっておりませんので、本件がレアなケースとされるのか、それとも今後の実務に影響を及ぼすものとなるのか、もう少し様子をみておきたいと思っております。

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2010年7月 3日 (土)

小糸工業社の内部統制報告書において「重要な欠陥」表明

金融商品取引法上の内部統制報告制度も、2年目の評価結果が出る時期となりました。企業会計審議会の議論などによりますと、今後は「重要な欠陥」なる用語を使用せず、ダイレクトに「内部統制は有効とはいえない」という報告内容だけでいいのでは?といった意見も出ているようでありますが、本日もTDNET上では多くの上場会社から「重要な欠陥表明のお知らせ」が出ております。そんななかで、6月25日に小糸工業さんが財務報告に係る内部統制報告書において重要な欠陥を表明する予定である旨のお知らせを出しておられます。

財務報告に係る内部統制の重要な欠陥に関するお知らせ

小糸工業さんといえば、以前ご紹介したとおり、航空機シートの設計・製造業務において、性能偽装(試験用データの改ざん等)により国交省から業務改善命令を受け、大きく報道されたところでありますが、これが全社的な統制環境の不備に該当するものとして、内部統制上の重要な欠陥に該当するものと評価されております。

不祥事関連で「重要な欠陥あり」と表明するのは、通常「不適切な会計処理」が発覚し、過年度決算訂正を余儀なくされる場面が想定されるのでありますが、金融庁関連ではない(ここでは国交省マター)不祥事発覚が、財務報告に係る内部統制の評価に影響を与える、という事例はちょっとめずらしいのではないでしょうか。たしか昨年は西松建設さんが「重要な欠陥あり」と評価されておりましたが、あの事例は政治献金に絡む裏金作りが問題とされ、経営者の一部によって例外的な金銭処理が社内で可能だったところに「財務報告の信頼性への重大な不備」があったと記憶しております。

今後他社でも同様の評価手法がとられる場面が出てくるのでしょうか?

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2010年5月24日 (月)

過年度決算訂正と訂正内部統制報告書との関係

かつて当ブログでもっともアクセス数が増える人気ネタといえば「内部統制報告制度」いわゆるJ-SOXネタでありました。現在も、ときどきJ-SOXネタをエントリーしておりますが、「マニアックなネタ」として、以前と比べますと人気度が下がってきたことは事実です。ただ私自身はまさに「法と会計の狭間の問題」として未だ高い関心を抱いておりまして、アクセス数がどうのこうの、ということは気にせずに、これからもアップしていきたいと思っております。(しかし平成18年から19年ころにかけ、コメントを10個ずつまとめなおしてアップさせていただいていた時期がなつかしいですね。)

さて、5月21日に3年4カ月ぶりに金融庁の内部統制部会(企業会計審議会内部統制部会)が開催されたそうで、その資料が公開されております。いよいよ内部統制報告制度の見直しに向けての本格的な議論が開始されるようです。昨年参加させていただいた内部統制ラウンドテーブルでは「費用対効果」や「経営者評価基準のルール化、内部統制監査のレベル感の統一化」という点に多くの意見が集中しておりましたので、「簡素化と明確化」(資料3-2)という内部統制報告制度改正の検討課題はほぼ予想されたところといえます。また米国SOX法の実施状況と同じく、中小の上場会社とそれ以外の上場会社との間で、評価作業や監査のレベル感に差を設ける(というか、差があってもいいことをあらためて確認する)ことも議論されることは有意義であると思います。

本日現在、未だ資料だけが公開されており、議事録は公開されておりませんので、内容についてはまた別途検討してみたいと思います。ただ公開された資料のなかに、これまで内部統制報告書を提出した約3500社のうち、「当社の内部統制は有効であると判断した」とする報告書を提出しながら、後日「当社の内部統制には重要な欠陥があり、有効ではない」と訂正した会社が8社存在することが調査結果(資料)として掲載されております。以前も一度、当ブログで検討いたしましたが、いまだによくわからないところであり、いま一度きちんと問題点を整理しておきたいと思います。

Naibutousei004 2010年5月15日までに訂正内部統制報告書を提出した企業のうち、内部統制の有効性に問題があるとして訂正内部統制報告書を提出した企業は左の9社です。このうち、「有効→有効ではない」と訂正したのが上の8社であり、「有効でないとの結論は同じだが、その理由が変わった(追加した)」とされるのが下のミツウロコ社であります。訂正理由や不備の内容は、当該訂正報告書を私が読んだかぎりでの概ねの状況ですから、完全に正確なものではないかもしれませんので、あしからず。ちなみに「訂正理由」とあるのは、主にどの部分に重要な虚偽記載に影響を及ぼすおそれのある不備が残っていたのか、ということを示しております。

上記表をご覧のとおり、内部統制報告書の実質的な訂正(※1)を行った上場会社は、いずれも過年度の決算訂正を余議なくされた企業ばかりであります。(ただし、過年度決算訂正を行った企業のすべてが内部統制報告書の訂正を行っているわけではないことに留意すべきです)昨年あたりの訂正理由は決算財務報告プロセスに不備があり、これを重要な欠陥と判断した、というものが多かったのですが、最近訂正報告書を提出した会社は、会計不正事件が大きく新聞で報じられたことが関係しているのか、「全社的な内部統制」の整備もしくは運用状況に重要な欠陥が認められた、とするものが増えているようです。報告書提出後の四半期レビュー等により無視しえない虚偽記載が監査人等の指摘で発覚した場合、つまり会計不正事件などが問題とならないケース、もしくは会計不正が問題とされても「従業員不正」に関するものでは業務プロセス、もしくは決算財務報告プロセスに不備があったとされ、経営者の関与しているようなケース、子会社の不正が問題とされるようなケースでは全社的内部統制に不備がある、とされる傾向があるのでしょうね。

※1・・・これまで訂正内部統制報告書を提出している企業は38社ほどありますが、そのうち「内部統制は有効」とする報告書を提出しながら、後日「有効ではなかった」とする訂正を行った企業について、ここでは「実質的な訂正」を行ったものと表現しております。

1「重要な欠陥」を法律家が議論する意義

そもそも金融商品取引法24条の4の4には「重要な欠陥」なる用語は登場してこないのでありますが(ただし内部統制府令には登場)、内部統制報告書に虚偽記載をした場合には当該会社の役員には刑事責任が課せられ、また株主等に対する開示書類に関する民事賠償責任も発生することになっております。内部統制報告書の開示情報において、投資家の判断に重要な影響を及ぼすものは、おそらく「重要な欠陥」の有無に関するもの(つまり、内部統制が有効であるか無効であるかに関する経営者評価の結果開示)でしょうから、経営者が内部統制報告書の提出によって刑事責任や民事責任を負うか否かのメルクマールは、(理屈の上では)やはり「重要な欠陥」に関する司法的判断ではないかと思われます。つまり裁判所が経営者の刑事・民事責任を下すにあたって「重要な欠陥」の有無を判断するわけですから、これはやっぱり法律上の概念にあたると考えるべきなのでしょうね。(※2)ちょうど、会社法上の「一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行とは何か?」(会社法431条)という論点と同じように、もし内部統制報告書の提出に関する開示規制違反の問題が発生した場合には、一般に公正妥当と認められる内部統制評価の基準に準拠した「重要な欠陥」とは何か?ということが法律家にとって議論されることになるのではないかと考えます。また、仮に今後中小の上場会社の内部統制評価基準が緩和されたり、一般の企業の評価基準が簡素化される、ということになれば、法律的な判断の枠組みを議論しておく必要性もでてくるのではないか、と考えます。

※2・・・以前、私は「重要な欠陥」は法律上の概念ではない、と述べておりましたが、これは当時「重要な欠陥が残るということは取締役の善管注意義務違反ではないか?」といった議論がなされていたときに、これに答える意味として述べたものであります。しかし、会計慣行が何か、といった長銀事件最高裁判決の考え方などからみると、会計専門家の判断を尊重しつつも、最終的には裁判所が民事・刑事問題を解決すべき必要性は、この内部統制報告制度においても同様ではないかと考えるものでありまして、そうであるならば、やはり「重要な欠陥」の有無を最終的には裁判所が判断しなければならない、という意味においては「法律上の概念」といえるのではないか、と考えております。

このように「重要な欠陥」という概念が、法律上の概念として捉えられるのであれば、その中身については法律家としても議論する必要があるのではないかと考えますし、不備が虚偽記載に及ぼす影響度やその発生可能性というものをいつの時点で判断するべきか、という点などについても「法律的な」視点から検討する必要があろうかと思われます。また、財務諸表監査であれば、これは企業の「過去の会計事実」の情報開示への審査、ということでありますが、内部統制監査であれば、企業の「評価時点における将来リスクの判断」への審査ということであるわけで、そうであるならば決算訂正が必要な場面において、(たとえ評価範囲の中から後日、不備が発見されたとしても)内部統制の評価結果も訂正しなければならないのか、といった疑問も自然に出てくるのではないかと思われるわけであります。

少し長くなりましたので、本論であります「過年度決算訂正が必要となる場面において、内部統制報告書の訂正は本当に必要なのか?」という点には続きのなかで検討したいと思いますが、このあたりを真剣に検討するにおいては、「過年度決算訂正の法務」(弥永真生編著 森・浜田松本法律事務所や監査法人トーマツの方々の執筆による 中央経済社)、「会計不祥事対応の実務」(長島・大野・常松法律事務所 あずさ監査法人 編 商事法務)そして「内部統制評価にみる『重要な欠陥』の判断実務」(仰星監査法人 編著)といった比較的最近出された本のなかでも、相当に執筆者の方々が悩みながら検討を加えておられるようですので、そのあたりをご参考いただければ理解が進むのではないかと思います。(以下、つづく)

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2010年3月12日 (金)

名門企業から続々と訂正内部統制報告書が提出されています。

昨年12月21日のエントリーで、「内部統制は有効である」としていた企業が、不適切な会計処理の発覚(その後過年度決算訂正)を機に「内部統制は有効とは言えない」と訂正する、いわゆる実質的な訂正内部統制報告書の提出企業が現れたことを記載いたしました。

その時点では2社でしたが、今年に入って2社増え、さらに本日(3月12日付け)近鉄社とJVC・ケンウッドHD社が「内部統制は有効とはいえない」とする訂正内部統制報告書を提出されております。(ちなみに、実質的な訂正内部統制報告書を提出されたのは、イデア・インターナショナル社、イエローハット社、モジュレ社、東理HD社、そしてご紹介した2社の合計6社)

近鉄さんは、第三者委員会報告書が目を見張るほどのものでありますが、訂正内部統制報告書は割とあっさりとしているようであります。ただ整備面よりも運用面を問題とされているところは、2年目以降の内部統制評価に向けての各社の課題を物語っているように思われます。

内部統制報告書を含め、これまでの報告書のなかで最も(私的に)理想に近いのが、今回ケンウッドHD社より提出された訂正内部統制報告書ですね。自社における内部統制システム向上に向けた取組みが、不祥事発見の原因になっていること(いわゆる自浄能力があること)を明確にしつつも、今後の課題として親会社・子会社に分けてグループとしての管理体制をわかりやすく説明している点など、取組の真剣さが伝わってきて、とても参考になるのではないでしょうか。(また、後でゆっくり読んでみたいと思います。執務中なので、このへんで。)

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2009年12月21日 (月)

不適切な会計処理の判明と内部統制報告書の訂正について

上場会社にとりましては、財務報告に係る内部統制報告制度はすでに2年目の運用に入っている企業も多く、「効率化」といいつつもあまり監査報酬額は減っていないのでは?と考えていらっしゃる方も多いかもしれません。

ところで12月20日現在、「訂正内部統制報告書」を提出した会社が24社あるのを(EDINETの開示より)ご存じでしょうか?もちろん、訂正の内容は、そのほとんどが誤記、脱字の修正でありまして、報告書提出直後に訂正報告書を提出しているものであります。しかしながら、このなかの3社につきましては、報告書提出後に社内で会計不祥事が発覚し、評価結果に関する事項に実質的な変更を加えた訂正報告書を提出しておられます。事業年度末の評価においては「内部統制は有効と判断する」と報告されていたところ、評価結果を訂正して「内部統制は有効とは認められない」と訂正したのがイエローハット社(8月6日付け)とイデアインターナショナル社(11月17日)であり、内部統制は有効とは認められないとする評価結果については同様であるものの、その理由に不祥事発生の事実を追加したのがミツウロコ社であります。イエローハット社では前事業年度の繰延税金資産の取り崩しに係る処理に不備があり、決算財務報告プロセスにおけるチェック体制が不十分であることが指摘され、またイデアインターナショナル社では棚卸資産評価損の会計処理(洗い替え)について長年にわたりミスを繰り返していた、ということでこちらも決算業務におけるプロセスに重要な不備があったものと評価しなおしたもののようであります。報告書提出の翌期の第一四半期レビューの時点で監査法人さんから誤りを指摘され、その旨訂正したようなケースであればしかたないのかもしれませんが、自社の内部監査で不信点を洗い出し、その結果不適切な会計処理が判明し、過年度決算訂正に至ったような場合、(有価証券報告書の訂正は当然のこととして)はたして過年度の内部統制報告書まで訂正しなければならないのか、少し疑問に思うところであります。

また、イエローハット社は訂正内部統制報告書を提出する旨、適時開示しておられますが、イデアインターナショナル社は適時開示の対象とはしておりません。東京証券取引所の2009上場制度整備の実行計画に基づく要綱では、今後は企業が重要な欠陥を認識して内部統制が有効とはいえないと評価することの社内決定があった場合にも適時開示しなければならないところ、こういった訂正内部統制報告書を提出する場合にも適時開示の対象になるのでしょうか?(すくなくとも評価結果に関する事項に、重要な虚偽記載が認められるには適時開示の対象とすべきではないでしょうか?)このあたり、要綱案を見る限りではよくわかりませんでしたので、また金融庁の認可を得て正式に公表される適時開示ルールの中身をチェックしておきたいと思います。

また、決算財務報告プロセスに重要な欠陥が認められ、評価結果についての訂正を要するような場合であればともかく、業務プロセスに重要な欠陥が期末に残ったケースでは、その業務が評価範囲内であれば訂正を要し、評価範囲外からの判明ということであれば訂正は不要とされております。(金融庁Q&A)しかし、実際に評価範囲を決定するのは、全社的内部統制の評価を前提になされるものであります。もし評価範囲外から会計不祥事が発覚したようなケースでは、まずもって内部統制の評価範囲を決定するもとになる全社的内部統制におかしな点がなかったのかどうか、そこからいったんは検討すべきではないでしょうかね?今後とも訂正内部統制報告書が提出される機会は増えると思いますが、どのような実務が定着していくのか、関心が高まる点であります。

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2009年5月 1日 (金)

日本郵船社のFSCPに重要な欠陥は認められるか?

もうすでにJ-SOXマニアの方々の間では議論になっているようでありますが、つい先日、ある大手監査法人の方よりお聞きした旬の話題であります。(すいません○○先生、ブログネタにしてしまいました!・・・・・m(__)m )日本の代表格の企業である日本郵船さんが、法人税額を計算する際にミスが生じて09年3月期の連結業績予想を大幅に訂正した、というお話。400億を超える金額の訂正は異例とのこと。(よく探してみると、毎日ニュースで報じていたのですね。まったく気づきませんでした。)

日本郵船社(3月決算)が財務報告に係る内部統制の有効性を評価する日は平成21年3月末日時点でありますが、訂正前の業績予想は3月26日、そして訂正発表は4月23日です。つまり、3月31日の時点では誤った業績予想のままであります。上の毎日ニュースにおける日本郵船社のコメントは「単純なミスです。いやいや、お恥ずかしいかぎり・・・」とのことでありますが、本当にお恥ずかしい・・・で済むのでしょうか(^^;; 日本郵船社では、決算の作業と税額の予測作業を別の部署がやっていたことが単純な計算ミスをチェックできなかった原因だったようでありますが、これって、FSCP(決算・財務プロセス)に重大な不備があったといえるのではないのでしょうかね??また、評価日時点では訂正されていなかったのですから、重大な不備がそのまま期末時点で残っているものとして、「重要な欠陥」に該当する、ということになるのでは??

さて、日本郵船社の内部統制報告書は、この業績予想訂正を踏まえてどのようなものになるのでしょうか?また監査法人さんはどのような意見を出すのでしょうか?なお、このあたりは先日金融庁からリリースされた「再追加Q&A」などが(ひょっとすると)考えるヒントになるのかもしれません・・・・

(注)話題が話題だけに、私見を書くのを控えさせていただきました。また、あまりに核心を突いたようなコメントにつきましては、管理人の勝手な判断で一部修正を加えさせていただくことがございますので(笑)、あらかじめご了承くださいませ。m(__)m 

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2009年4月 7日 (火)

内部統制報告制度「重要な欠陥」にも敗者復活戦はある。

先週金曜日にリリースされた「内部統制報告制度に関するQ&A(追加分)」を眺めておりまして、報告書の記載内容に関する問106(付記事項)がちょっとひっかかっておりました。問いは「付記事項については、どのように記載することが考えられるか」ということですが、評価日(期末日)時点において、当該企業の内部統制に「重要な欠陥」があり、内部統制は有効と評価することができない場合であっても、内部統制報告書提出日(たとえば3月末が評価日だとすると、6月末ころ)までの間に、この重要な欠陥を是正する措置をとった場合には、これを付記事項として記載することが可能であります。

私がちょっと勘違いしていたのでありますが、このQ&A106問においては、内部統制府令第一号様式記載上の注意(9)(←内部統制府令に添付されています)が引用されておりますが、この注意書きを読みますと、是正措置を記載することができる、とあるだけで、経営者が是正の結果、有効性の判断まで記載することができるのかどうか、ということについては記述されていないのですね。この問106には参考記載例が添付されておりまして、その記載例には、リース会計を適切に反映させるべき財務諸表を作成するについては「重要な欠陥」が残るものの、期末後の全社的対応による是正措置が施され、その結果、報告書提出日までには重要な欠陥は認められず、内部統制は有効と判断する、といった付記事項になっております。したがいまして、この問106を読んだ際、ちょっと違和感を感じたのでありますが、あとで実施基準を読みなおしてみますと、経営者は内部統制報告書提出日までの間に、重要な欠陥を解消するための是正措置をとるだけでなく、その是正措置により、内部統制が有効であることを確認できる・・・ということになっております。(提出日までに経営者が是正措置による有効性を判断した場合の、内部統制監査人の確認手続についても、よく読むと書いてありました)

つまり、内部統制報告書というのは、期末日時点では内部統制が有効とは認められない場合であっても、その後の3カ月の間の会社側努力によって、同じ報告書のなかに「有効になりました!」と復活の宣言を記すことは可能になっております。もちろん、期中から重要な欠陥と評価されるおそれのある不備を是正していたような上場企業担当者の方々からすれば、あまり関係のない話かもしれませんが、現時点におきまして、とりわけ決算財務報告プロセスに問題を抱えていらっしゃる企業の方々からすると、こういったことも知識としては知っておいたほうがいいのかもしれません。(ただ、報告書の記載要領に関するQ&Aからしますと、どんなに悪戦苦闘しても、期末日までに重要な欠陥が是正されていればサラっとした報告書で済むわけですから、期末日までに是正されることにこしたことはありませんが・・・)

しかし、今回のQ&A追加版を読んでみて、よくよく考えてみますと、「重要な欠陥」の判定基準には二律背反の思想が流れていませんでしょうかね(^^;;?  たとえば重要な欠陥の判定においては「監査人から指摘を受けた構造的な問題を自律で解決できないか、もしくは解決しようとしない場合」が重要な欠陥と判定される(つまり、そんなひどい状況だけを重要な欠陥と評価すればいいですよ、といったニュアンス)ということであれば、今度はもし重要な欠陥が認められるケースの是正については、そういった構造的な欠陥がある以上は容易に是正が認められないのが筋だと思うのでありますが、実際には、先の付記事項のように3カ月ほどの間に是正措置が行われ、その運用評価や監査人による確認手続までとられて、しかも有効性の評価までできてしまう・・・ということを認めるのは、ちょっと矛盾しているのではないでしょうかね?もちろん、できるだけ重要な欠陥の判定は(一年目ということもあり)緩めに考えましょう、といった思想のもとでの対応だとは思うのでありますが、要件を緩くすれば、そこからの脱出は厳しくなり、逆に要件を厳格にすれば、そこからの脱出も容易になる・・・というのが「重要な欠陥」判定の正しい概念でありまして、要件もユルユル、脱出もユルユルというのは、二律背反に陥っているのではないかと思うのでありますが、どうなんでしょうか。

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