IHI社の調査報告書
12月12日付けで公表されましたIHI(旧 石川島播磨重工業)社の
業績予想の修正および過年度決算の訂正に関する調査結果ならびに当社の対応方針のご報告
の3本を読むのにとても時間を要したため、本日はまともなエントリーを書く時間がなくなってしまいました。(^^; なお、社外調査委員会が報告書を提出する目的は、IHI社もしくはその役員の法的責任を議論するためのものではなく、あくまでも社内調査委員会報告が適正に作成されたかどうかを主眼として精査するためであります。
すでに「証券取引等監視委員会は、10億円以上の課徴金を課す(ための処分勧告を行う)方向で検討に入っている」などといった中日新聞さんのニュースなどもございますが、市場関係者の方々の見方は「プラント業界全般に影響が出るものではなく、今回はIHI社の独自要因に基づくもの」とされているようであります。これだけ巨額の修正がなされるものであり、なおかつある特定企業の独自要因に基づくものであるということになりますと、まさに「財務報告に係る内部統制」がいったいどうなっていたのか、というJ-SOX関連の論点が浮かび上がってくるものでありまして、今後注目していきたいと考えております。
とりわけ、平成18年9月期決算の訂正は、その後の公募増資との関係では問題を含んでいる(ただし、上記社内報告書では、意図的ではないことの理由が詳細に記載されておりますが)わけですし、また今年9月末以降、2回に分けた決算修正可能性に関する開示のうち、最初の開示にあたっては、この平成18年9月期決算修正の可能性には触れておりませんでしたので、(コメントでHIHさんが指摘しておられる)金融商品取引法21条の2(有価証券報告書等に虚偽記載ある場合の損害賠償範囲)の問題点も、ひょっとすると今後議論の対象になるかもしれません。(こういった開示方法がとられますと、結局、21条の2の規定が機能しなくなるのではないかと。)
とりいそぎ、備忘録程度にて失礼します。
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